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特別なレシピで作製された魔法薬

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シナリオガイド

記憶と命を素材化してしまう狂気の魔法薬から人々を救え!
シナリオ名:特別なレシピで作製された魔法薬 / 担当マスター: 夜月天音

 晴天。イルミンスールの街、寂れた通りに佇む怪しげな家。

 先の調薬探求会の会長との取引によりレシピのみを作製し、実作がまだであった特別なレシピの全貌を知った魔法中毒者の吸血鬼の女性は魔法薬を完成させました。
 完成し小瓶に移し替えようとした瞬間、空気に触れた液体は途端に気体に姿を変え、
「こ、これは、一体、レシピでは……こんな事は起きな……い、はず……」
 吸った魔法中毒者の口はゆるりと動作を止め倒れると同時に体のあちこちにカラフルな植物が姿を現し、凄まじい勢いで増殖し包み込んでしまいました。
 そんな彼女の顔や両目からは生気や光が消え、まるで廃人のようでした。
 その上、気体化した魔法薬は家に存在するあらゆる隙間を通って外に流出し何も知らぬ人々が彼女と同じ状態に陥り騒ぎとなっていました。幸い心臓は動いているため生存については安心ですが。

 イルミンスール魔法学校、校長室。

「外で起きている大変な事を調査して解決しないといけないですよ〜」
 エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)は突如発生した騒ぎに頭を悩ませていました。
「エリザベートよ、妖怪の山で似たような事がこちらよりも酷い事が起きているようじゃ」
 アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)は先程入って来た知らせを渋い顔で報告しました。

 イルミンスールに連絡が入る少し前。妖怪の山、山中。

「……出来た魔法薬……改良済みをここで試す。ここ……」
 調薬探求会の黒亜が自分流に改良した特別なレシピで作り上げた魔法薬を手に立ち尽くしていました。薬を完成させるなり誰にも言わず探求会から飛び出して来たのです。
「人だけでなく妖怪も試せる。人よりずっと貴重な物を持っているはず」
 黒亜は小瓶の蓋を開けて薬を気体化し散布を始めました。いつぞやのように妖怪相手の実験を始めました。

 散布後。
 妖怪の山はすっかり魔法薬に汚染させれ、妖怪や人達の体中に素材が生まれていました。ただ、イルミンスールと違うのは、被害者が慌て歩き回っている事です。
「……成功……全ての記憶素材化したら……廃人……それまで観察」
 実験狂の黒亜は当然自身も被験者となり魔法薬を浴びていました。
 そしてカラフルな素材の中で一番目立つ胸に生える輝く素材に
「……これが命……生命……なかなか、良さそうだ……枯れる速度は他の素材より、速い……速度調整は要研究」
 狂気の笑みを浮かべるのでした。視線の先には胸に生える素材が枯れ始めている被害者がいました。
 そして、黒亜は実験結果を確かめるべく山中を漂い歩き出し、状況把握が遅れている被害者達は慌てながら全てが素材化し廃人となった仲間をのっぺらぼうの温泉宿へとひとまず避難させたり助けを呼びに行ったりと行動を起こしていましたが、切迫した状況は変わらずでした。

 再び、イルミンスールの街、通り。

「始まったみだいねぇ。予防は済んでいるからゆっくりと観察かしら?」
「そうだね。観察ついでにこの解除薬を配布しようか」
 調薬探求会のオリヴィエと会長のシンリが街の酷い有様を眺めていました。何の装備もしていないに関わらず二人は無事でした。
 その時、
「……この騒ぎ、やはり貴方がたが関わっていましたか」
 対立する調薬友愛会の会長ヨシノが怒りの顔で登場。空気感染を怪しんだため完全防護です。
「あら、ヨシノちゃん。さすがねぇ、完全防護で防いでるなんて。良かったらどうぞ」
 オリヴィエは再会に喜び、持参していた小さな錠剤を手渡しました。
「えぇ。しかもここだけでなく妖怪の山でもこれと似た騒ぎが起きています。ここよりも酷いそうです。黒亜ではありませんか?」
 錠剤を受け取ったヨシノは服用した後、装備を解きつつ話を続けます。
「そうねぇ。シンリちゃん、見に行くんでしょ。黒亜ちゃんがどんな改良をしたのか。そうなると現場で解除薬の作製になるわねぇ。この街を巡回中の誰かを呼び戻す?」
 オリヴィエはにこやかに訊ねます。黒亜の魔法薬に対応した物は準備していないのです。
「見に行くよ。適当な人数を呼び戻してからね。足りなければ途中で人を集めたらいい。となると、こちらの被害者の相手は……」
 自分達の打ち合わせを終えたシンリはヨシノの方に何か言いたげな視線を向けました。
「貴方に協力しろという事ですか?」
 シンリの意を知るなりヨシノは鋭く睨み付けました。
「君の選択肢はそれだけだと思うよ。良心溢れる君にとっては」
「……」
 シンリは柔和な笑みを浮かべたままヨシノを黙らせました。
 結局、ヨシノはシンリの言葉通り動く事に。

 ヨシノにイルミンスールで使用する分の解除薬を渡した後、
「通常に対応した解除薬でも多少は役に立つだろうけど気を引き締めて行こうか」
「えぇ、それじゃヨシノちゃん、頑張って。解除薬が尽きそうになったら誰かに聞いてね。作り方や素材を持っているから……そうそう、中毒者の居場所は判明していると思うからそちらも聞いたらいいわ」
 シンリとオリヴィエは妖怪の山に向かいました。

 見送った後。
「……犯人を煽ってこの騒ぎを起こさせて自分達はただの実験結果の収集ですか。解除薬を準備して、しかも空気感染なら汚染された空気も何とかしなければ」
 今回の原因を作った事や準備の良さにヨシノは忌々しいものを感じるも皆を救うべく動き出しました。まずはエリザベート達へ報告を入れた後、会員達と集めた人手と共に解決に奔走し始めました。

 騒ぎは浸透し、町中を蝕んでいました。このまま放置すれば、魔法薬は他の街を浸食していずれパラミタ中を包むでしょう。

 両調薬探求会は目的は違えど騒ぎを収めるために動き出しました。

担当マスターより

▼担当マスター

夜月天音

▼マスターコメント

 シナリオ担当の夜月天音です。
 今回は前シナリオ『調薬探求会と魔法中毒者の取引後』の続きとして完成した特別なレシピが騒ぎを起こし、その解決となります。今回で特別なレシピはおそらく終わりになるかと思います。両調薬会の関係がどうなるかはまだ分かりませんが、今回は目的は違えど協力をする形になりましたので皆様の強力なお力添えをお願いします。両調薬会と特別なレシピについてはマスターページを参照下さい。

【特別なレシピ】
(レシピ内容)
記憶を素材化する素材収集用のレシピ。引っこ抜いて回収する物です。抜いたり枯れたりした際はその記憶が喪失しますが、抜かずにそのままにしている間は被害者内に記憶は留まったままです。
素材となった記憶は全体的にカラフルな植物の形となり体中に生えます。あくまでも形が植物なだけで本物の植物ではありませんので話し掛けても返答はありません。
全ての記憶が素材化した場合、被害者は廃人となります。
素材の色は明るいほど幸せな記憶になります。読み取るとどの記憶が素材化したか判明します。

(魔法中毒者作製の実作による齟齬)
時間経過や回収で抜かれた場合、記憶は枯れて使い物にならない事。
解除薬の対策の記載が無い事。
完成と同時に効果発動。
素材化開始と同時に意識を喪失して動けなくなる事。

(黒亜の改良)
魔法中毒者作製の魔法薬の問題を全て解決しているため素材化された命以外は時間が経っても枯れません。
命が素材化し胸から輝く植物を咲かせ、引っこ抜くと絶命しますが枯れる速度が速いため長く放置した場合も同じ末路となります。
素材化中でも行動が可能であり妖怪にも効果を発揮するよう調節が施されています。

【解除薬】
両場所とも空気汚染をどのような手段でも構いませんので解決をお願いします。

・イルミンスールの街
探求会が用意した物を使用。もし足りない場合は作製して下さい。レシピも素材も探求会が持っています。
解除薬の見た目は小さな錠剤。服用すると生えた素材が生長逆再生を起こし小さな芽になり消えて意識が戻ります。

・妖怪の山
探求会作製の解除薬は気休め程度にしかなりませんので時間経過で素材化が始まります。速やかに分析して解除薬を作製して下さい。使用する素材については探求会が妖怪の山素材、平行世界素材、オリジナル素材など取り揃えていますので気軽に利用して下さい。


【街の状況】
両場所共に被害者が続出中。

・イルミンスールの街
素材が出現した途端、被害者は意識を失う代わりに素材出現は続き廃人目指して突き進んでいます。心臓は動いていますので妖怪の山よりは危険度は低いです。

・妖怪の山
素材出現後でも動き回る事は可能ですが、胸に命を素材化した物が姿を現し枯れが進行。
被害者に妖怪も含み大変な事になっています。イルミンスールと違い命の危機があります。
妖怪の山に存在するのっぺらぼう夫婦が経営する温泉宿『のっぺらりんの宿』が避難場所となっています。

※関わりたい妖怪がいましたらアクションに記載をお願いします。

【活動について】
・被害者の救助
被害者やまだ被害者になっていない者をどこかに集めたり解除薬の散布作製や空気洗浄など解決のために尽力をお願いします。

・被害者になる
素材化を受けて助けを呼んだりどのような記憶が素材化したのか確認しても構いません。もしかしたら忘れた記憶や恥ずかしい記憶を知る事が出来るかもしれません。

※読み取る記憶の内容に希望がありましたらアクションに記載をお願いします。

・犯人の相手
中毒者の居場所は調薬探求会が突き止めていますのですぐに駆けつける事は可能です。ちなみに研究に没頭していたため『平行世界の人々と過ごす一日』で魔法中毒者の遺跡が取り壊された事は知りません。
黒亜は妖怪の山を放浪し実験に夢中。妨害者退治の魔法薬も持参していますので気を付けて下さい。

※活動する場所の記載をお願いします(おまかせも可)。ただしMC・LCが別現場には出来ません。両方の現場で行動する事は出来ませんが、情
 報のやり取りは可能となっております。


【エリザベート達の動向について】
二人共、学校に待機中ですが、場合によっては行動します。

※二人と行動を共にする事は可能です。

【調薬友愛会の動向について】
ヨシノとこれまでに登場した者(ウララ、シュオン)を含む会員達と共にイルミンスールで人命救助や犯人捕獲など活動します。調薬探求会に比べて調薬の腕は少々落ちますので解除薬作製時はフォローをお願いします。

【調薬探求会の動向について】
・イルミンスールの街(ヴラキ、シノア、未登場の会員など)
データ収集、必要に応じて人命救助、犯人捕獲に協力します。
特にヴラキは中毒者に脱毛の魔法薬をかけられた事がありますので犯人確保には協力的です。
シノアと友愛会のウララとは互いに不仲のため活動時は顔を合わせないようにする方がいいかもしれません。

・妖怪の山(シンリ、オリヴィエ、クオン、未登場の会員など)
データ収集、解除薬作製、黒亜の確保に動きます。

※両調薬会の誰かと行動を共にする事は可能です。

▼サンプルアクション

・被害者の救助

・被害者になる

・犯人の相手

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年03月22日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年03月23日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年03月27日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年04月08日


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