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白百合会と未来の話

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シナリオガイド

進む道の傍らに、それぞれの百合が咲く。
シナリオ名:白百合会と未来の話 / 担当マスター: 有沢楓花

 夏が過ぎて落ち葉舞う秋が来ました。
 すぐに冬の雪が街を覆い、やがて春が来るでしょう。
 そしてまた秋が……。


 もう少し先の未来で、あなたは何をしていますか?





 白百合会にも時が流れました。
 秋、“あの方”に皆で植えた花で作った花束を渡して、ホールいっぱいの巨大ケーキを前にしての「おかえりなさいパーティ」をしてから、また時が流れ……。


 ヴァイシャリーの高級住宅街から少し外れたところ。
 白百合会会長アナスタシア・ヤグディン(あなすたしあ・やぐでぃん)は、新しい家を見渡して満足そうに頷きました。
「ここが私の新しいお城……」
 新品の応接セットのソファに腰かけて座り心地を確かめてから、彼女はマホガニー製の書き物机に手を置きました。
 部屋はどこかイギリスを思わせる質実剛健な雰囲気です。
「小さいけれど私にしては上出来ですわね」
 得意気に軽く鼻を鳴らして、微笑みます。
 この家は、一階が事務所、二階が住居スペースになっています。小さいといってもそれなりの大きさの一軒家ではあるのですが、広大な屋敷で暮らしていたアナスタシアにとっては小さく思えるのです。
「お嬢様、お父様のお言いつけをお守りになってくださいませ」
「あら、今は私がここの主ですのよ?」
 執事は溜息をつきたそうな顔をしています。
 使用人も殆ど本国に返し、ごく少数の人間だけ残しています。
 これが、父親との長時間のやり取り――喧嘩とか泣き落としとか、小細工や根回しや今まで得たあらゆる方法で――の末にアナスタシアがもぎ取ったささやかな自由でした。
 これ以上自由になるときには、思いきりが必要でしたが、その時はその時で何とかするつもりでした。
「さあ、初めてのお仕事を始めますわよ――まずは、ネタ探しからですわ!」
 自称・推理小説家のアナスタシアは、ブーツで外に飛び出していきました。



「……ただいま、フェルナン」
「お帰りなさい。アップルパイが焼けてますよ」
 ヴァイシャリーのシャントルイユ家。
 村上 琴理(むらかみ・ことり)を笑顔で迎えたフェルナン・シャントルイユ(ふぇるなん・しゃんとるいゆ)は、琴理を自室に案内します。
「悪いわね、仕事で忙しいのに」
「琴理さんも店があるでしょう? 卒業したから、世界が平和になったからといって形ばかりのパートナー、というのも嫌ですからね。
 世界の危機を対峙するために契約した訳でもないですし……」
 紅茶と焼き立てのアップルパイにホイップクリームを自らサーブしながら、フェルナンは言います。
「それで、地球のご実家はどうでしたか? ヴァイシャリーでお店を開くことを理解していただけましたか?」
「認めて貰ったというか、強引に認めさせた、というか……うん、久しぶりのパイも美味しい」
 琴理は実家の跡継ぎではないから、結局両親は折れざるを得なかったのでした。
「シャンバラに骨を埋める可能性があることも?」
「うん」
「結婚も?」
「……ちっ、違うわよ! そんな予定全くないから!」
 琴理はティーカップを置くと、顔を真っ赤にして叫びました。何故か嬉しそうなフェルナンから慌てて視線を逸らせば、そこには書きかけの絵があります。
「……見る度に上手くなってるわ。そろそろ、個展でも開いたら?」
「まだまだですよ。ですが……将来的にはそうしたいですね」
 席に着いてカップを口に着けると、彼は何か含んでいるような笑顔を浮かべます。
「ところで……そろそろ帰還される頃ですね?」
「うん、今回は聞いてるけど……ちょっと、何を企んでるの?」
「いえ……開店お祝いを用意しなければと思いまして」
 いぶかしげな視線を向ける琴理に、フェルナンは楽しそうに答えるのでした。


 フランセット・ドゥラクロワ(ふらんせっと・どぅらくろわ)は、ヴァイシャリーへと向かう船の甲板で顔をしかめていました。
 彼女の背後で、部下たちがごちゃごちゃ騒いでいたからです。
「フラン様もそろそろお見合いでもして落ち着くのです」
「だったら俺と結婚しましょうよー」「殺すぞ」「馬鹿じゃないですか」「……いいからお前ら、静かにしろよ」
 フランセットは耐え切れずに振り向くと、腰のサーベルの束を叩くと、
「客人の前だ、少しは大人しく口を噤んでいられないのか」
 客人こと平凡な守護天使は、まぁまぁとあいまいな笑顔を浮かべるばかりでした。
「もうすぐ久々の陸地、ヴァイシャリーですからね。僕も楽しみですよ」
「ニヤニヤしていてキモいのです」
 メイドのヴィオレッタの毒舌をフランセットが窘めますが、守護天使は聞き流しています。
「友人たちに生まれ変わった僕を見て貰えるんですからね」


担当マスターより

▼担当マスター

有沢楓花

▼マスターコメント

 こんにちは、有沢です。
 こちらが『蒼空のフロンティア』で私が出させていただく最後からふたつ目のシナリオとなります。
 明日公開のガイドが最終となります。

 29日・30日公開のシナリオはどちらも「未来」をテーマにしています。
 違いとなるのは、扱う時間軸です。
 ・29日のガイドは、現在から近い未来(9月から、1年後まで)
 ・30日のガイドは、少し遠い未来(1年後以降)
 となります。ご注意ください。

 また今回の(29日の)シナリオは公式NPCをお誘いできますが、お願いがあります。
 今まで私のシナリオ(合同シナリオですと執筆部分)に「未参加の方」、「『公式NPCを誘っての参加』が主でそれ以外に何度か参加されていない方」、「何度か参加しているけれど、今回百合園所属以外の公式NPCをお誘い予定の方」は、このシナリオが追加募集になるのをお待ちいただければと思います。
 大変申し訳ありませんが、30日公開のガイドは制限を設けませんので、こちらにご参加いただければと思います。宜しくお願いいたします。

 ガイドの後半部はマスターNPCの状況の一例(時期は来年の春)です。
 会話をされる方でも、この状況と関係ない場面で彼女たちと会話・行動するのは全く問題ありません。
 たとえば、冒頭にあるラズィーヤ帰還後の白百合会主催のお帰りなさいパーティにアクションをかけることもできます。こちらにはガイド掲載のNPC全員と、ラズィーヤと静香も参加しています(また、このパーティに参加していた、という一文くらいですとダブルアクションにしません)。
 アクションをかけられる場所は、シャンバラとパラミタ内海中央部“原色の海”の一般的に立ち入れる場所になります。担当NPCとの関係によっては、NPCの自宅なども行ったり、招待されることもあるでしょう。

 また、こちらは公式NPCをお誘いいただけるシナリオになりますが、以下の点を全て満たす場合に限らせていただきます。ご注意ください。
 ・外出できる状態・状況のNPC
 ・NPC分のLCの追加(※有沢個人担当のNPC・守護天使を誘う分には必要ありません)
 ・NPCとの称号表示(百合園以外の公式NPCの場合のみ。友人関係以上のものをお願いします)

 を、お願いいたします。
 但し、行った先の場所で、その場にいるのが自然なマスターNPC(公式NPCでもラズィーヤと静香)と一言、二言言葉を交わしたくらいの場合には、LC追加は必要ありません。
 また有沢担当シナリオ以外の複雑な政治的なお話はご遠慮いただければ、と思います。


 最後になりますが、
 本シナリオのアクション締切日は、10月12日となります。
 本シナリオのリアクション公開は、  11月上旬頃までの公開を目指しておりますが、年内予定に延期されることがございます。


 それでは、皆さんのアクションをお待ちしています!

▼サンプルアクション

・友人たちと遊ぶ

・来年の春には

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年09月30日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年10月01日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年10月12日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年11月10日


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