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【ダークサイズ】続・灼熱の地下迷宮

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【ダークサイズ】続・灼熱の地下迷宮

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シナリオガイド

リニアモーターカーを完成させるぜ!そしてさようなら(?)クマチャン!
シナリオ名:【ダークサイズ】続・灼熱の地下迷宮 / 担当マスター: 大熊 誠一郎

 ダイソウ トウ(だいそう・とう)は、落盤事故が起こった瓦礫を見つめて腕を組んでいます。
 彼はすっかり困っているのですが、その感情は全く表情には出ていません。

 ニルヴァーナの地下にある、フレイムタンと呼ばれるマグマ溜まり。
 ひょんなことから地球で言う超電導コイルのような部品を手に入れ、材料を集めてリニアモーターカーを作ろうと目論んだダークサイズでしたが、リニアに使えそうな、これまた超耐熱合金に似た資材を体内に持つマグマイレイザーが落盤事故に巻き込まれ、今や大事な材料が岩の下敷きになってしまっているのです。

「ううむ、材料の掘り出し作業をせねばならんとは。二度手間ではないか……」
「閣下、僕とダイダル 卿(だいだる・きょう)だけじゃ、到底手が足りませんよ」

 超人ハッチャンが緑色の巨体で、ダイダル卿と共に岩を動かしてみますが、合金の取りだしには人数が必要のようです。
 ダイソウは超人ハッチャンにうなずき、

「うむ、こちらには相応の人出が必要のようだな。そしてフレイムたんよ」

 続いてパピヨン犬型のギフト、フレイムたんを見下ろします。
 フレイムたんはテレパシーのような通信による会話で、

(なあに)

 と、ダイソウを見上げました。
 ダイソウはフレイムたんのキラキラしたつぶらな瞳に、

「この事故の遠因となったお前には、責任を取ってもらわねばな」
(えー、ボク何にもしてないのにー)
「お前が何もせぬから、こうなったのだ」
(えー、何すればいいのー?)
「……フレイムタン・オアシスの扉を開けてもらう」

 溶岩がそこらじゅうに流れるフレイムタンの中には、文字通り砂漠のオアシスのような、溶岩が及ばない場所があります。
 ニルヴァーナ人もその認識があったようで、オアシスはドームで覆われており、中にはビルが建っていたのです。
 そのビルの扉は固く閉ざされており、あまりに頑丈な材質のため、破壊することもままなりません。

(前回立てた、『フレイムたんはフレイムタン全域のマスターキーである』という仮説……これを検証しておかねば)

 発掘作業の間に、フレイムタン・オアシスのビルを探索しておきたいものです。

「ダイダル卿、総帥よ。お前たちはアルテミスの加護の元、部品を発掘して遺跡へ運搬するのだ。リニアモーターカーの組み立ては遺跡にて行う」

 と、ダイソウが指示を出し、

「私は、フレイムたんと『亀川』を連れ、フレイムタン・オアシスのビルへの進入を試みることにしよう」

 とする彼の元には、秋野 向日葵(あきの・ひまわり)が駆け寄り、

「そのビルは、あたしがいただくわ!」

 と言っているし、さらに選定神 アルテミス(せんていしん・あるてみす)は、

「ダイソウトウさま、ご飯をまた、遺跡から補給せねばなりませぬ」

 と、ダイソウのマントの裾を引きます。

「ううむ、問題山積だな……」



☆★☆★☆



 一方、ダークサイズの拠点を作成中の火山帯遺跡

「お姉さま、トウさんや他のみなさんは、そろそろマグマイレイザーを倒した頃でしょうか」

 神殿に設けた椅子に腰かけ、キャノン モモ(きゃのん・もも)はティーカップをテーブルに置きました。
 問われたキャノン ネネ(きゃのん・ねね)は扇子をパチンとたたみ、

「そうですわねぇ。こちらも一段落しましたし、そろそろリニアモーターカーとやらも完成させてほしいものですわ。それに、早く『亀川』を戻していただかないと、のんびり涼むこともできませんしね」

 ダイソウ達に問題が起こっているのもつゆ知らず、ネネとモモはすっかり落ち着いています。
 ネネは、思い出したようにモモの全身を見て、

「ところでモモさん? まだ布を纏ったままですの?」

 遺跡内のモンスターとの戦いで、服を失ったモモ。
 古代ギリシャ人のように布を纏ったのみ恰好で、モモは改めて顔を赤らめ、

「ええ……向日葵さんは服をもらっていたようですが、私には……」

 と、涙を溜めています。
 ネネは妹に優しい笑みを向け、

「まあモモさん、気を落とさずに。そのうち何とかなりますわよ」
「……」

 と、励ますものの、自分で何か用意してあげる気はないようです。
 モモは涙を払って顔をあげ、

「そういえば、クマチャンはどうしたんでしょう? 力仕事は大体終わったはずですよね」
「そうでしたわね。改造したパワードスーツではしゃいでましたけど、どうしたのかしら?」

 と、ダークサイズの大幹部・クマチャンを話題に出したところで、神殿内に低く不気味な唸り声が響きました。
 ネネとモモが、声のする方を見ると、3頭身のクマのぬいぐるみが立っています。

「あら、クマチャン。お戻りでしたのね?」

 改造したパワードスーツ、すなわち『クマードスーツ』を身に付けたクマチャンですが、ネネとモモはすぐにその異常に気付きます。
 スーツの手の部分に取り付けてある【狂血の黒影爪】から真っ黒な霧のようなオーラが出、それがクマチャンの全身にまとわりつくように蠢いていたからです。
 クマチャンからは、到底本人のものとは思えない、悪魔のような声が聞こえてきます。

『……ユル、サン……』
「?」
『ユルサンゾ……!』

 クマチャンは普通の人間とは思えないスピードで、ネネとモモに飛びかかりました。
 反射的に瞳の鋭さが増した二人は、華麗にクマチャンの爪をかわします。
 【狂血の黒影爪】は、ネネとモモの代わりにテーブルをズタズタに切り裂き、ネネとモモはかわした勢いそのままに、神殿の外へ飛び出しました。

「モモさん、まるでバーサーカー状態ですが、これは一体?」
「ま、まさかクマチャンさん……【狂血の黒影爪】に精神汚染されてしまったのでは……!」
「あら大変。それに許さないって何をですの?」
「もしや……」

 ニルヴァーナ捜索隊のアルベリッヒ・サー・ヴァレンシュタインの件について、情報も仕入れていたモモは、ぴんときてフレイムタンへの入口へ走りました。
 そして、到着したモモは愕然としたのです。

「イレイザーの死体が……ない!」
「あら、どなたか片付けてくださったのかしら?」
「いいえ、お姉さま。イレイザーには、他者に憑依する能力を持つ個体がわずかにいると聞きました。精神汚染の隙を、イレイザーが憑いたのかも知れません」
「では、アレは憑依されたイレイザー・クマということですわね」
「イレイザー・クマ……!」

 モモは、緊張感の宿った目でイレイザー・クマを警戒し、ネネは閃いたようにセンスをパチンと閉じました。

「イレイザー・クマ……バーソロミュ……」
「お姉さま、余計なことは言わなくていいです」




担当マスターより

▼担当マスター

大熊 誠一郎

▼マスターコメント

今回は、
・フレイムタンでリニアの部品の発掘と落盤の復旧
・フレイムタン・オアシスにあるビルの探索
・回収した部品を遺跡で組み立て
・イレイザー・クマを倒す
と、やること盛りだくさんです。

○フレイムタン内を移動するには、
・アルテミスの加護
・フレイムたんと『亀川』の熱の相殺反応
このどちらかが必要です。
現在、どちらもフレイムタン内にあります。

○イレイザー・クマの危機をダイソウトウ達に伝えるには、彼らが戻ってくるのを待つか、フレイムたんとの長距離会話を利用するしかありません。

○前回参加の方も初めての方も、参加のスタート位置は『遺跡』か『フレイムタン』のどちらかを、自由に設定することができます。

○スタート時点でフレイムタン組と遺跡組は断絶されているので、シナリオ中に移動したい場合はアルテミスかフレイムたん&『亀川』を動かさなければなりません。


★火山帯遺跡
ニルヴァーナの火山山脈の地下にある遺跡。
ダークサイズが実効支配中で、拠点として施設を作成中です。
火山の影響で常に真夏のように蒸し暑く、快適に過ごすにはスキルや避暑施設が必要です。
遺跡の施設は主に岩石による建物で、植物等はほとんどありません。
商業地区から湧き水発見されており、現状唯一の水源になっていますが、水量は豊富なようです。
遺跡は、住宅地区、商業地区、兵屯地区、神殿、長の館と、地域分けされています。
遺跡の最深部から、フレイムタンへ進むことができます。

★フレイムタン
ニルヴァーナの地下に広がるマグマ溜まりです。
方々で流れる溶岩の隙間を縫うように細い通路があり、広大で迷路のように入り組み、非常に暑くなっています。
氷術などのスキルでは、死に至るほどの熱です。
飛空艇で移動が可能ですが、アルテミスの加護か『亀川』の冷気でなければ、熱を防ぐことはできません。

★フレイムたん
遺跡からフレイムタンへの道を開く『鍵のギフト』です。
パピヨン犬の形をしており、人懐こい性格(プログラム)。
温度の低い場所、もしくは『亀川』の近くに行くと全身が炎に包まれます。
テレパシーのような通信で会話をし、遠距離でもコミュニケーションを取れることが分かっています。

★『亀川』
火山帯の遺跡に生息していた氷属性モンスターですが、敵ではありません。
大きな亀の形をしており、うずくまって自分では動きません。
普段から冷房程度の冷気を発していますが、フレイムたんが近づくと強力な冷気を発します。

★フレイムタン・オアシス
フレイムタンを進むと、溶岩が流れ込まない区域があります。
ニルヴァーナ人はかつてここも利用していたようで、半透明のドームに覆われ、中央には総合施設と思われるビルが一つだけ建っています。
機晶エネルギーなどは全て切れ、防熱はできていません。
ビルに入ることができれば、何か見つかるかもしれません。
留まるためには『亀川』の冷気かアルテミスの加護が必要です。

★リニアモーターカー
ニルヴァーナ技術によるコイルと、フレイムたん・『亀川』の反応をエンジンとした高速移動車両。
マグマイレイザーの体内にある部品を組み立てます。
リニアの稼働にはフレイムたんと『亀川』をセットで搭載するのが必須です。
人も搭乗するには、舵と座席、熱と冷気を逃がす空調も必要になりそうです。

★超電導コイルみたいなもの
超低温の環境下で強力な磁力を発生させるコイル。
ニルヴァーナの技術力の産物で、地球で使われているものより強力です。
フレイムたんと『亀川』の反応を利用して磁力を発生させます。
リニアモーターカーの心臓となる重要部品です。

★超耐熱合金みたいなもの
耐熱、耐食に優れた、ニルヴァーナ技術の粋。
フレイムタンの熱と『亀川』の冷気に耐えうる、リニアモーターカーの部品として必要不可欠。
熱や腐食には非常に強いものの、スキル、アイテム、装備を使って、加工は可能な便利資材。

★マグマイレイザーの皮
前回、ダークサイズ幹部が回収した、マグマイレイザーの皮膚。
溶岩に浸しても平気なほど耐熱性に優れているので、合金で枠を作った後、リニアモーターカーの外壁に利用できると思われます。



みなさんこんにちは、大熊誠一郎です。
少し期間が空きましたが、前回の『灼熱の地下迷宮』の続編となります。
予定していたリニア完成の目論見が見事に先送りされ、都合よくいかない蒼空とダークサイズは面白いなあと思った次第です。
前回発生した問題を解決し、フレイムタンをリニアモーターカーで気持ちよく疾走したいものです。
遺跡とフレイムタンの移動などはちょっとややこしいルールですが、初めての方は前回の『灼熱の地下迷宮』をご参照ください。
それでは、たくさんのご参加をお待ちしております。


▼サンプルアクション

・リニアの部品を発掘して、落盤を復旧する

・フレイムタン・オアシスを探索する

・リニアを完成させる

・イレイザー・クマと戦う

・ダークサイズに加入しにいく

・秋野向日葵を手伝う

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年07月02日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月03日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月07日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年07月31日


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