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【ザナドゥ魔戦記】ロンウェルの嵐

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【ザナドゥ魔戦記】ロンウェルの嵐

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シナリオガイド

誓いの地・ロンウェルにて策謀の嵐が渦を巻く――!
シナリオ名:【ザナドゥ魔戦記】ロンウェルの嵐 / 担当マスター: 寺岡 志乃



このシナリオを含む、10月21日公開の【ザナドゥ魔戦記】へのシナリオ参加は、

『【ザナドゥ魔戦記】全体で、1ユーザー様につき最大2PCまでの参加』
『マスターシナリオ1つにつき1ユーザー様1PCまでの参加』
『同キャラクターの複数シナリオへの参加の禁止』

をお願い致します。

1PCが2本のシナリオへの参加決定、また1ユーザーが所有するPCのうち、3PC以上の参加決定が確認できた時点で、参加した全てのシナリオにおいて白紙扱いとなります、ご了承ください。

※ただし、追加募集になった場合はその限りではございません。
 追加募集になったシナリオに限り、上記のルールは適応されなくなります。






●東カナン軍野営地

 魔神 バルバトス(まじん・ばるばとす)に殺害され魔神 ロノウェ(まじん・ろのうぇ)に魂を奪われたアナト=ユテ・アーンセトを救出するためザナドゥへと降りた東カナン軍は、ロノウェの治める街・ロンウェルまであと半日の距離にある丘陵を軍営地と定め、陣を敷いていました。
 己の街を戦場としたくないのはロノウェ側も同じ。ロンウェル手前の平野に彼らを待ち受ける魔族の軍幕が張られているのは偵察隊によって確認済みです。そこで目視されたのは、南カナンでの攻防戦のときにいたというゴーレム型の魔族が約100、そして簡易な鎧をまとい剣や槍を持つ魔族が数千という大軍勢。明日は彼らと戦うことになるでしょう。
 将軍やコントラクターたちとの軍議を早々に切り上げ、天幕へと戻ったバァル・ハダド(ばぁる・はだど)は1人、憂悶していました。

「姫の姿がなかったことが気がかりか?」

 天幕を訪ねたセテカ・タイフォン(せてか・たいふぉん)がずばりと言いあてます。

「配下にしたとはいえ、戦場に一般人を連れ出さない良識があるのだろう。人質として利用もしない。俺は魔神ロノウェと面識はないが、みんなの言うとおり正統派の軍人のようだな」
「そうだな」
「だがもう1人の魔神の動きが気になるか。汚い手も平気で使う相手だ。こちらが優勢となれば、彼女を盾に何を仕掛けてくるか分からない。その前に姫を奪還しておく必要がある。それを考えていたんだろう? そして、おまえはそちらで動きたい」
「…………」
「――いいさ、行けよ」

 苦悶するバァルの横顔に、セテカはうっすらと笑みを浮かべ、肩をすくめて見せました。

「すでに奪還部隊は募ってある。こちらは俺や、ほかのみんなで引き受けた。おまえは彼らと行ってこい」
「……いいのか?」
「何のために俺がいる? 俺は上将軍だ。俺が戦場で軍の指揮をとってもなんらおかしくはないさ。
 おまえは好きに動けばいい。姫はおまえの婚約者でもあるんだから」
「婚約者か」

 ふとアナトの姿が胸をよぎって、その痛みに耐えるようにバァルは立てていた膝を抱き込む力を強めました。
 彼女が魔神に胸を切り裂かれた光景は、今も瞼の闇に生々しく焼きついて離れません。あれから1日たりとて思わない日はなく、折にふれてよみがえり、同時に、あのとき彼女を救うために指ひとつ動かせなかった自分の不甲斐なさが彼をさいなむのでした。

 彼女を救い出し、元の姿に戻せるならば、この命と引き換えでもかまわない――バァルはそこまで思いつめていました。
 なぜなら彼女が殺されたあげく魂を奪われ、今も敵の手に落ちているのは、すべて自分のせいなのだから……。

「おかしなものだ。ほんの数カ月前までは、気にかけたこともない、名前しか知らない女性だったのに」
「それはおまえが悪い。怠慢だったな」
「まったくだ」
「だが明日が過ぎれば、これからいくらでも知りあえる時間はとれるさ。そうすればいいだけのことだ」
「……ああ。そうだな。そうしよう」

 バァルはセテカとこぶしを合わせ、アガデを発ってから初めて笑みらしきものを浮かべました。




●ロノウェ軍野営地

 同日夜。
 ロノウェ軍の野営地では、ちょっとした騒ぎが起きていました。魔神バルバトスとその配下の者たちが、魔神 パイモン(まじん・ぱいもん)の伝令役としてロノウェを訪ねて来ていたのです。
 ベルゼビュート城を目指して進軍するカナン軍を迎撃するため、魔族の軍で最も数を有し、組織戦を得意とするロノウェ軍を召集することが目的でした。

「ふぅ~ん、明日東カナン軍とねぇ」

 事情を聞いたバルバトスは、考え込むようにとんとんと己の唇を指で叩きます。

「あ、じゃあ1つ策をさずけてあげましょーか? あのアナトっていう人質を前面に出せば、彼らは身動きがとれないから――」
「アナトはロンウェルの城に残してきました。彼女を使う気はありません」

 ロノウェは最後まで聞くこともせず、却下しました。今までになかった、よそよそしい目でバルバトスを見ています。
 先日のアガデでの一件以来距離をとり、すっかり警戒するようになったロノウェですが、そんな彼女の姿を見ても、バルバトスは以前と全く変わらない、親しげな態度でにこやかに接していました。

「あ、そう。つまんないわね~。その方がずっと効率がいいのに~」
「バルバトス様。私には私の戦い方があります。今回は、私の好きなようにさせてくださいませんか」
「はいは~い。……やぁね~、ロノウェちゃんったらまだ反抗期真っ只中なのかしら? まぁそういうところもかわいいんだけどー」

 ぶつぶつ。しっかりロノウェにも聞こえる声でひとしきりぼやいてから。

「それで、召集の件は~?」
「パイモン様のご命令とあれば。明日東カナン軍を撃破したのち、全軍を率いてベルゼビュート城へ参じることといたします」
「ふ~ん。こっちは素直なのね~」

 同じカナン軍との戦いです。召集に即応することはできませんが、むしろここで合流前の東カナン軍を撃退することはパイモンのためになるという考えには筋が通っていました。この戦いを放棄してまで駆けつけることを、パイモンは望まないでしょう。
 けれど相手は東カナン軍。先だってのアガデでのこともあり、その返答ではバルバトスは不満でした。
 ハイヒールの音を響かせて近づいたバルバトスは、もてあそぶようにロノウェの横髪を掻き上げ、耳元でささやきます。

「てっきりヨミちゃんの両親を殺したのがあなただってことを持ち出さないと、応じないかと思ってたわ~」
「!! バルバトス様、それは……!」
「きゃっ! やぁだ~、そんな怖い顔しちゃって。
 こちらを裏切って人間と仲よしこよししなかったら、言ったりしないわよ~。私だってヨミちゃんはかわいいもの~、泣かせたくないわ~」

 どこまで本気か、探るような目を向けるロノウェの前、バルバトスはきゃらきゃらと笑っています。悪意はかけらも見えません。
 ロノウェは服のひだに隠してあったこぶしの震えを抑えるように、ぎゅっと力を込めました。

「……そんなことは、決してしません……」
「そうね。あなたが魔族を裏切るとは思えない。だから、まぁ、これはもしものときの保険ということね~。
 パイモン様に戦勝報告ができるように、私もそれをここで見物させてもらおうかしら~。もちろん手出しはいっさいしないわよ。明日は東カナン軍やそれに味方するコントラクターたちを徹底的に叩きつぶしてあげなさい。ロノウェちゃんだったら楽勝よね~」
「……ありがとうございます」

 バルバトスが天幕を退いたあと。ロノウェは副官のヨミを呼び寄せました。
 ぎゅっと抱き締め、ヨミにだけ聞こえる小さな声でささやきます。

「あなたはすぐに城へ戻って。バルバトス様はアナトを用いて何かするつもりよ。私はここを離れられないから、あなたとあなたの配下の者で阻止してちょうだい」
「はいなのです」

 考えすぎかもしれない。だがきっと、間違いなく彼女は動く。おそらくは部下の中にバルバトスの息のかかった者がまぎれこんでおり、何もかも知った上で、そのために来たのだと、ロノウェの直感は告げていました。でなければこんなことは伝令の一文で事足りたでしょう。アガデでさからったこともあり、あのおどしをしておく必要があったということもあるでしょうが、バルバトスに限ってそれだけということはあり得ないとロノウェは知っていました。ここにいて、何の手出しもしないなどということがあるはずがない、と。
 そしてそれは正しかったのです。



「――お見事です、バルバトス様」

 ヨミとその一軍がひっそりと城へ向けて出立したのを遠目に見て、背後で控えていた配下の者が恭しく頭を垂れました。

「ふふっ。私がここにいれば、ヨミちゃんをそばに置いておきたくないでしょうからね~。これでヨミちゃんもあの城へ集めることができた、と。
 さぁあなたたちも行きなさい。いいこと? アナトは魂がないからちょっと厄介だけど、しょせん人間。八つ裂きにでもすればいいわ。だれが見ても魔族の仕業と見えるようにするのを忘れずにね。
 ヨミちゃんの方は、人間の仕業と見えるように殺しなさい。そうねぇ~、人間の死体でも一緒に転がしておくといいかも。幸い、すぐそこにいくらでもいるし。なんだったらヨミちゃんの死体を外壁から吊るしてもいいわね~」

 戦場のロノウェに見えるように。

「まぁ、方法は、お・ま・か・せ♪」
「――ははっ」

 バルバトスの命を受けた一群が暗がりにまぎれるように音もたてず舞い上がり、ロンウェルの城目指して飛んでいきます。

「ロノウェちゃん、あなたがいけないのよ~? 私にさからって人間なんかまともに相手しようとするから~。
 今、私がその目を醒まさせてあげる」

 冷酷非情な光を放つ水色の瞳でロノウェの天幕を見つめながら、バルバトスはクスクス嗤っていました。

担当マスターより

▼担当マスター

寺岡 志乃

▼マスターコメント

 こんにちは、または初めまして、寺岡 志乃といいます。
 こちらは【ザナドゥ魔戦記】東カナンパートとなります。よろしくお願いいたします。

 今回、舞台となるのはロノウェの直轄地であるロンウェルの街とその近辺にある平野です。ロンウェルにつきましては特設ページをご覧ください。

 ●ロノウェの城について
  外壁に囲まれたロンウェルの街の中央にあります。東カナン軍との戦いにかり出され、ほとんど魔族の軍兵は出払ってしまっています。
  アナトのため、非戦闘員の魔族(メイド等)と若干の見張りが残されているだけでしたが、ここにヨミの配下の魔族軍兵が加わりました。
  バルバトスの策を警戒してアナトの部屋近辺を中心に見張りが強化され、警戒を強めています。
  アナトは部屋に軟禁状態です。城内は見張り役の魔族を連れてある程度動けますが、街へ出ることは許されていません。
  (ロノウェに命令されているため城から一歩も出られず、魔族の言葉に逆らえない状態です)

 ●東カナン軍について
  平野でロノウェ軍とぶつかります。
  東カナン軍を率いることもできます。ただし、以下の中から1部隊のみ・十数名程度の小隊です。全軍はセテカの指揮下にあります。
  ・重騎馬兵……人馬ともに重厚な鎧を身にまとっています。武器は剣と槍で、長・中距離であれば魔弾を受けてもはじくことができます。
           近距離でもある程度は盾で防げます。しかし、その重量からすばやく動くことはできません。
  ・速騎馬兵……軽量の鎧で速度重視。斬込隊といった攪乱部隊です。武器は剣で、盾は持ちません。
  ・弓騎馬兵……弓を用いての中距離支援部隊です。軽量の鎧のため、魔弾を受ければ弱いです。
  ・長槍歩兵……長槍を用いて前衛に立ちます。列を組んで前進し、長槍で突きます。軽量の鎧ですばやく動きます。
  カタパルトといった攻城兵器は、移動に時間がかかるため今回運んできていません。

 ●ロノウェ軍について
  開戦時、横陣を敷いて待ちかまえています。
  体長5〜6メートルのゴーレム型魔族が壁として前衛に、そして中距離攻撃者として一部中衛にいます。彼らは魔力の塊を撃ちます。
  魔力の塊は魔弾よりはるかに威力があります。(ためを必要とし、連射はできません)
  そのほか人型の魔族は簡易な鎧をまとい、剣や槍を持っています。雷電系に耐性があり、魔弾を撃ちます。
  ロノウェは後方で全体指揮をとりますが、アクションによっては前線に出てくることもあります。
  ロノウェの武器は巨大ハンマーです。このほか超級雷電や魔弾、魔力の塊を撃ちます。
  ※魔弾は近距離でも魔鎧や魔法等である程度防げますが、魔力の塊や超級雷電は無理です。
   ただし、長・中距離であればある程度防げます。(拡散しながら飛来してくるため。威力は距離に反比例します)

 ●立ち位置について
  バァルは奪還部隊として動きます。
  奪還部隊は夜のうちに外壁を越え、ロンウェルに入っています。開戦とともに動きだす手筈になっています。
  セテカは平野で東カナン騎馬軍団の指揮をとり、ロノウェ軍と戦います。
  東カナン12騎士のエシム・アーンセトは姉のアナト救出のため、奪還部隊に志願しています。
  アナトはロノウェの城にいます。
  ロノウェは平野で東カナン軍と戦います。
  ヨミはロノウェの城にいて、アナトに近づく者はいないか警戒しています。
  バルバトスは今回見定め役に徹してロノウェ軍本陣から動くつもりはありません。バルバトスに対するアクションは難易度が高く、
  ザナドゥ側の者でない場合、よほどでない限り失敗アクションとなる可能性が高いです。


※バルバトスによるヨミとアナトの殺害計画やロノウェとの会話はPL情報です。最初からそれと知った上での確定ロール、阻止アクションは失敗になりやすいのでご注意ください。
※今回、奪還部隊とロノウェ軍攻略と二手に別れることになります。奪還部隊は潜入部隊なので、掲示板で話し合って少数に絞ってください。
 (数は問いませんが、ロノウェ軍攻略が少なすぎるとロノウェ軍に敗北し、帰還したロノウェにより奪還部隊が窮地に立たされる可能性があります)




  以下は、【ザナドゥ魔戦記】に関係する記述です。

  『悪魔LCの立場』『魔鎧LCの立場』『死亡描写につきまして』『ザナドゥ側に付く場合』につきましては、
  【ザナドゥ魔戦記】特設ページに記載がありますので、そちらをご確認ください。

  『魂を奪われた、もしくは捧げたPCについて』
  普通の生活を送る分には、他の人と変わり無く過ごすことが出来ます。
  但し、魔族に反逆する意思が見られた時点で身体の自由が利かなくなり、意思と行動の自由を奪われます。
  シナリオ終了時には元に戻ります。(奪われるかどうかは、皆様の送っていただいたアクションを元に、マスターが判定します)

  また、以上のPCが行動する場合、魔族の力の一部を与えられているとし、身体能力が一箇所強化されています。
  どこが強化されているかは、アクションで指定することが出来ます。(例:目がとても良くなった、速く走れるようになった等々)

  ザナドゥ側に付いて悪事を働いているPCは、その理由に関係なく放校処分になります。
  シャンバラ教導団員やロイヤルガードの場合、その地位がはく奪されます。

  悪魔にパートナーの魂を奪われる、自身が魂を奪われるなどで、やむを得ず、意図せずザナドゥ側に付いている場合も含まれます。
  ただしこの場合は、誤解が解け、身の潔白が証明されれば放校処分は取り消されます。


  それでは、皆さんの個性あふれるアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・ロノウェ軍と戦う

・東カナン軍と戦う

・奪還部隊として動く

・アナト、ヨミを守る

・アナト、ヨミを殺害する

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年10月22日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年10月23日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年10月27日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年11月19日


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