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それを弱さと名付けた(第1回/全3回)

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シナリオガイド

アクリトの蒼空学園統治宣言! そして学園内に染み出した不穏とは?
シナリオ名:それを弱さと名付けた(第1回/全3回) / 担当マスター: 萩栄一

 校長の御神楽 環菜(みかぐら・かんな)が亡くなって以来、慌ただしさが続いている蒼空学園。
 その中でも一際せわしい校長室から、新しく校長となった山葉 涼司(やまは・りょうじ)の声が聞こえてきます。
「ふざけるな! 環菜から任されたこの学園を、そう簡単に渡せるか!!」
 その声には、明らかに怒気が混じっていました。彼の目の前でその怒号を受けていたのは、空京大学の学長であるアクリト・シーカー(あくりと・しーかー)でした。
 蒼空学園を訪問していたアクリトは、涼司の荒い口調にも顔色を変えず言葉を返しました。
「ふざけてなどいない。私は当然のことを言ったまでだ」
「何が……何が当然のことだ! もう一度言ってみろ!」
「何度でも言おう。山葉校長……いや、山葉君。君にこの学園の統治は不可能だ。従って、これからは私がこの蒼空学園を治める」
 どうやらアクリトは、若く、何の後ろ盾もないただの生徒が校長となっている現状を変えようと涼司に直談判しているようです。しかし涼司も当然首を縦には振りません。
 環菜の意志を守るべく校長となり、学園を守ろうとする涼司。
 環菜の幼馴染みとはいえ、一生徒に校長を任せるのは無謀ではないかと感じ学園を変えようとするアクリト。
 両者の話し合いは平行線を辿ったまま決着が着かず、アクリトは大学へと帰ってしまいました。

 帰り道、彼は蒼空学園のことを思い浮かべます。空京大学が環菜の多額の寄付により設立されたということも手伝ってか、アクリトは蒼空学園と空京大学がそう遠くない間柄であることを理解していました。
 同時に、環菜亡き今それらを統べることが出来るのは涼司ではなく自分だろうということも。
「御神楽校長がいなくなった以上、いつまでも彼女の恩恵に預かるわけにもいかない。彼女が復活するにしろしないにしろ、この状況はしばらく続くこととなるはずだ。となればやはり、早急に相応の統治者を置かなければ……」
 アクリトはそのために何をすべきか考えを巡らせると、まず蒼空学園に対する生徒の意識を調べることにしたようです。
 大学へ戻った彼は、掲示板に一枚の紙を貼り出しました。そこに書いてあったのは、大学の生徒たちへの課題でした。
『大学の生徒諸君へ。
 強制ではないが、短い論文を募る。
 論文のテーマは「蒼空学園の現状と理想について」。期日は……』
 必要事項が書かれた紙を貼ると、そのままアクリトは校長室へと戻っていきました。

 アクリトが去った後の蒼空学園校長室。
 引き続き職務に追われていた涼司は、パソコンから視線を外し、眼鏡を取ろうとします。が、その手はただ空気を掴んだだけでした。
「……いけねえ、つい癖が」
 トレードマークとも言える眼鏡を、彼は環菜の葬儀時から外していました。
 光条兵器による視力強制という荒業により、彼の目はもうその道具を必要としていなかったからです。
 しかし先ほどのように、彼は度々そこにないはずのものを求めてしまうのでした。
 それはまるで、本来ここにいるはずの誰かに触れようとするかのように。
「環菜……」
 その名を呼ぶ声には、若干疲れが混じっているようにも思えました。先ほどあったアクリトとのやり取りのせいもあるのでしょう。
 そんな彼に追い打ちをかけるように、ひとつの事件が舞い込んできたのです。
「山葉校長! お忙しいところ申し訳ありませんが、ご報告があります」
 男子生徒のひとりが、校長室に駆け込んできました。内容を促す涼司に、生徒は答えます。
「ここ最近、蒼空学園の女子生徒が次々に失踪しているという事件が起こっています。校長、至急対策と原因の究明を!」
「失踪事件……? うちの生徒だけがか?」
「すみません、そこまでは分かりませんが、学園内で噂になっていることは確かです」
「……分かった、すぐに依頼書をつくる。くれぐれもミイラとりがミイラにならないよう、気をつけて調査してくれ。依頼書は他の学校に回しても構わない」
 自分も手伝いたい気持ちは山々でしたが、職務と同時にアクリトとの対立も抱えてしまった涼司は生徒たちに一任します。
 そして間もなく、依頼書は方々へと出回りました。

 一方、蒼空学園の生徒が住んでいる小さな学生寮。
 そこでも女生徒失踪の話題は広まっていました。
 そんな中、その寮に住んでいる小谷 愛美(こたに・まなみ)は話題に加わることもなく、部屋から出る回数がめっきり減っていました。
 いつもの元気な彼女からは考えられない光景です。
 その原因は、彼女の肌にありました。
 以前幽霊船を見に行き、悪霊が関わる事件に巻き込まれて以来、彼女の肌は異様な荒れ具合を見せていました。その肌はとても10代の女の子のそれではなく、老婆のような乾ききった肌でした。
「こんな肌じゃ、お外に出れないよ……」
 色々な化粧品を試してみた愛美でしたが、肌に潤いが戻ることはなく、部屋へ篭ってはネットに時間を費やす日々でした。
 そんなある日、学生たちの間で最近流行りのコミュニティサイト「cnps-town」(通称センピースタウン)で美容情報を検索していた愛美は、ある人物を見かけます。
 そこに映っていたのは、最近ネットを中心にメディアを賑わせているタガザ・ネヴェスタという美人モデルでした。
 恐らく「美肌」というワードから行き着いたのでしょう。しかしそれを見た愛美は、予想外のものを見たような反応です。
「この人って……!?」
 滲む汗をごまかすように、愛美は慌ててパソコンを閉じるとベッドに潜り込んでしまったのでした。
 一体愛美は、何に肝を冷やしたというのでしょうか。

担当マスターより

▼担当マスター

萩栄一

▼マスターコメント

マスターの萩栄一です。
今回より空京大学(及び蒼空学園)のキャンペーンをやらせていただくこととなりました。よろしくお願いします。
舞台は空京大学や蒼空学園がメインですが、
学校の制限はありませんので、所属学校関係なくどこに所属している方でも遠慮なくご参加ください。
過去に出たシナリオについてガイドで多少触れてはいますが、参加していない方、内容を知らない方でも全く問題ありません。
該当シナリオ参加、という点だけで判定が特に有利に働くということもありません。

シリーズものの1回目である今回は、戦闘はほとんどないと思われます。
代わりに会話シーンが多くなることが予想されますので、ぜひ皆さんの思いをアクションの中でセリフにしてみてください。
また、今回アクションで「論文を書く」ということが可能です。
(大学の生徒以外も書けなくはありませんが、基本的には空京大学生用アクションと思ってください)
ガイドにあるテーマで論文を書けば、リアクション中でそれが読まれるかもしれません。

【コミュニティサイト「cnps-town」について】
通称「センピースタウン」と呼ばれるこのコミュニティサイトは、現実世界とほぼ同じつくりの街をフィールドに、
作成したアバターでログインし仮想空間の住人となることで、ショッピングや交流が出来るサイトです。
街の掲示板で情報交換なども出来るほか、シアターと呼ばれる場所では動画・音楽の視聴も楽しめます。
また、街には蒼空学園や空京大学などのアイコンがあり、現実世界のそれらと提携を結んでいるため、
アバターがそこに入ると買い物や施設見学などが可能です。

今回はシリアス要素強めでいきたいと思っていますが、
もちろんコメディーアクションが集まれば多少そちらの方に傾くこともありえます。

▼サンプルアクション

・論文を書いてアクリトに提出する

・失踪事件について調べる

・愛美に会いに行く

・コミュニティサイトで遊んでみる

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年09月28日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年09月29日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年10月03日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年11月19日


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