聖戦のオラトリオ ~転生~ 第1回 リアクション公開中! |
シナリオガイド【イコン参加可】その先にあるのは協調か、対立か。
シナリオ名:聖戦のオラトリオ ~転生~ 第1回 / 担当マスター:
識上 蒼
* * * 「特定した、ということか」 天御柱学院パイロット科教官長五月田 真治は、パイロット科長イズミ・サトーからその報告を受けました。 「そうだ。エリュシオンの進軍と同時に姿を現した鏖殺寺院のイコン部隊。その残党が密かにシャンバラに留まり続けていた。ここだ」 科長が指し示したのは、ツァンダ南西部の山岳地帯。 そこに、再びシャンバラに進出した鏖殺寺院の秘密基地があることが分かったのです。 「シャンバラ政府としては、エリュシオンと交戦状態にある中、寺院を野放しにしておくのは危険であるとのことだ。そこで、各学校が共同でイコン部隊を送り込むということで話がまとまった」 ヨーロッパの同時多発テロで「F.R.A.G」の存在が公になって以降、鏖殺寺院は活動の場をシャンバラに移そうと目論んでいるようでした。 そのため、それが活発化する前に抑えておきたい。 それが現在のシャンバラ王国全体としての考えでした。 「当学院としては、当然こちらにも参加させなくてはならない。だが、問題は……これだ」 「これは?」 「地球側にある、鏖殺寺院の最大拠点と目されている場所だ。ここを落とす為、F.R.A.Gの方から共同作戦を持ち掛けられた。理由は分かるな、五月田」 それは、拠点の所在地にありました。 「……{red]ウクライナか。確かに厄介だな」 黒海に面したウクライナのクリミア半島。 ここはアジアとヨーロッパの境界線上であり、またそれは現在における「反シャンバラ勢力」と「親シャンバラ勢力」の緩衝地帯であるということも意味していました。 それゆえに、F.R.A.Gも天御柱学院も慎重にならざるを得ないのです。 「『反シャンバラ勢力』の実態と思惑を知るためにここは引き受けるべき、ということで役員の意見が一致した」 それだけではないと思うが、と科長が濁しました。 そして言葉を続けます。 「確かに対立勢力だが、寺院を野放しにしてはおけないという点で、目的は一致している。向こうが何か企んでいる可能性もあるが、上手くいけば協調路線に持っていくことも出来るかもしれない」 「だが、賭けだな。何もしないよりはマシかもしれないが……ただ、出来る限りこちらは天御柱学院のイコンのみで対応した方がいいだろう。例えばペガサスやワイバーンなんかが飛来したら、それを理由に『シャンバラの侵攻』と言い張る可能性だってあるわけだからな」 こうして、 ・シャンバラにおける寺院制圧戦 ・地球における反シャンバラ勢力との共同戦線 が同時に行われることになりました。 * * * 「どうしたのよ、ヴェロニカ?」 ニュクス・ナイチンゲールがヴェロニカの顔を見ました。 「ううん。なんでもない。ただ、私もついに戦場に出るんだなって」 原初のイコン、【白金のナイチンゲール】のパイロットとなったヴェロニカ・シュルツは初の実戦出撃を前に、何とも言えない気持ちを抱えていました。 「大丈夫よ、わたしがついてるわ」 そんな彼女達を、憎々しげな顔で見つめている者がいました。 「あれが噂の転入生か。オレ達がパイロットになるのにどれだけ訓練を積んだと思ってる? それが、いきなりやってきて学院の『切り札』だと? ふざけるなよ」 パイロット科所属生徒の烏丸 勇輝です。 「ユーキ、気にする必要はないよ。あたし達は『レイヴン TYPE―E』のテストパイロットになれたんだから。あの子よ達り、活躍すればいいだけ」 彼のパートナーである桐山 早紀が彼に言いました。 「風間さんに頼んでリミッターの制限を40%まで拡大してもらったよ。それに、寺院を絶対に倒したいんでしょ?」 「ああ。俺の家族を奪った連中を、これ以上好き勝手にさせるわけにはいかない」 * * * その頃、F.R.A.Gでは。 「ついこの前まで戦ってた連中と、今度は共闘か」 第一部隊隊長ダリア・エルナージは呟きました。 「隊長、そろそろです」 「分かってる。行こう」 思うところはあるものの、気を引き締めて自らの機体である、クルキアータの部隊長専用機『七つの大罪』の一つ【マモン】に乗り込む。 「しかし、隊長も随分雰囲気変わったよな」 「ダールトン隊長に追い付こうと、彼女も必死なんだろう。とはいえ、まだ十八歳の少女だ。あんまり無茶はしないといいが……」 隊に所属する部下がそんな少女の姿を見つめました。 「そうならないようにするのが、俺達『大人』の務めだろ。部下だからとか、ってんじゃなく、な」 一方、実質的にF.R.A.Gを統率しているマヌエル枢機卿は密かに指示を送りました。 『不測の事態が起こる可能性に備え、【アスモデウス】にて出撃準備を頼む――ミス・アンブレラ』 『了解ですわ』 * * * ベトナム。 「ク……こいつは少しばかり誤算だったナ」 ヴィクター・ウェストは顔をしかめました。 青いイコンがパイロットと共に基地から飛び去っていってしまったのです。 徹底的に基地を破壊し尽くした上で。 「さテ、回収を依頼しようカ」 電話を手に取り、連絡を行います。 『もう怪我の調子もいいだろウ、カミロ・ベックマン。少し頼みたいことがあるのだガ、いいかイ……クク、さすがは話が分かル。では早速頼ム。 シュバルツ・フリーゲで出ル? ちゃんとキミ専用の第二世代機は用意したんだガ……そうカ、ならば構わないヨ。仮にモ、ただ一つのオリジナル機ダ』 電話を切り、ヴィクターは微笑を浮かべたまま声を漏らしました。 「ククク、そのプライドの高さガ、キミの身を滅ぼさないことを祈っているヨ」 ※マスターコメントの注意事項をよくお読み下さい 担当マスターより▼担当マスター ▼マスターコメント
識上 蒼です。 ▼サンプルアクション ・シャンバラで鏖殺寺院と戦う(天学版) ・シャンバラで鏖殺寺院と戦う(他校版) ・ウクライナへ(天学生推奨) ▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました) 2011年03月08日10:30まで ▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました) 2011年03月09日10:30まで ▼アクション締切日(既に締切を迎えました) 2011年03月15日10:30まで ▼リアクション公開予定日(現在公開中です) 2011年04月01日 |
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