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ナラカの黒き太陽 第二回 委ねられた選択

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ナラカの黒き太陽 第二回 委ねられた選択

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シナリオガイド

激突!タングート!!
シナリオ名:ナラカの黒き太陽 第二回 委ねられた選択 / 担当マスター: 篠原 まこと

 珊瑚城、大広間。

 その日、城には緊張が漲っていました。
 ついに、ナラカに住むソウルアベレイターがその姿をタングートの都に現したからです。

「派手でキレイなお城ねぇ、いいじゃなーい!」
 丈を短くつめたドレス姿で、金髪に飾ったリボンを揺らしながら、代表の一人、ニヤンは嬉しそうです。
「遊びに来たんじゃないのよ、アンタ」
「まぁまぁ」
 呆れ声のラー・シャイは、巨漢を黒いローブで包み、不快そうに眉根を寄せています。ニヤンとラー・シャイの間でそれをなだめているのは、こちらも大柄ながら細身に黒いドレス姿のナダでした。
 そんな三人を、共工は玉座に腰掛け足を組んだまま眺めています。傍らでは、相柳が警戒心も顕わに控えていました。
「めんどくさい口上とかは抜きで話すけど。……あんた、横から余計なことしないでくんない?」
「余計なこと、とは?」
「魔導書のガキ。あんたんとこにいるんでしょ。こっちに寄越しなさい」
「はて……?」
 共工は目を細め、なんのことやらと言わんばかりに首を横に振りました。
「わかってんのよ!? あたしらがつなげたゲートに小細工したこと! この泥棒猫! ……いや、泥棒蛇、かしらぁ?」
 ニヤンもきゃんきゃんと声を荒げます。
「少しばかり拝借したまでじゃ。許可がいることでもあるまい」 
 そこで、ナダはすっと前にでて共工に会釈をしました。
「失礼いたしましたわ。……ただ、物事には筋ってものがあるとは思いますのよ。貴方にしても、いずれはあの装置を利用するご予定なのでしょう? ですけど……あの力は本来、私たちナラカのもの。手出し無用に存じますわ」
「黙って見ていろ、と申すか」
「エレガントさには欠けますが、そういうことですわね」
 口元だけに笑みを浮かべ、ナダはそう告げました。
「それならば、我の答えは一つじゃ」
 立ち上がり、共工は大きな声で答えます。
「立ち去れ、穢れし者ども。我はタングートの女王。いずれこの地にも仇なすその方らと、譲り合うことなどないわ!」
 大広間が震えるほどの大音声に、しかし三人は、怯むことはありませんでした。
「あら、そう」
「生意気言うじゃーん! ……後で後悔するんじゃないわよ?」
「おわかりいただけず、正直、残念ですわ。……では、また後日」
 三人はそう言うと、傍らに控えさせていた仮面の男を連れて、大広間を後にし、姿を消したのでした。

「相柳」
「はい。主上」
「戦じゃ。戦の準備をせよ」
「……はっ」
 燃えるような眼差しで、久しぶりの激しい戦いの予感に、共工は微笑んでいました。


「戦争!?」
 花魄は、最近戻ってきた常連客の言葉に、手にしていたお盆を落としてしまいました。
「本当…ですか?」
「ああ、そうらしいよ。ついさっき、共工様のお名前でお触れがでたところだ。あたしらも、準備をしないとね」
「相手はなんたって、あのナラカの穢れた奴ららしい。敵にとっちゃ不足はないね」
「ナラカの……」
 お盆を拾い上げつつも、花魄は両手が震えるのを止められませんでした。いくら悪魔といっても、花魄は生まれてこの方、師匠について料理をひたすら修行してきただけで、戦う術などしらないのです。
(……私に、なにができるのかしら……)
 ただ、漠然とした不安を抱え、花魄は長い前髪の下で表情を曇らせていました。



『…………』
 レモ・タシガン(れも・たしがん)は、ただ。
 眠りの中にいました。
 共工の手によって、再び元の青い石に戻されたレモは、薄青く光る水槽の中に静かに沈んでいます。
 眠りのなか、レモの記憶は夢の形となって、さまざまな光景が浮かんでは消えていきました。
 海辺ではしゃいだ記憶……旅先での乗馬……歌のレッスン……。
 その合間に入り込む、古い、古い記憶。
『……カルマ……』
 もう一人の、自分。その姿や、声が。


「カルマに反応が見られます」
 薔薇の学舎校長、ルドルフ・メンデルスゾーン(るどるふ・めんでるすぞーん)はその報告を受け、「たしかなんだね?」と念を押しました。
 損傷をうけた研究所の修復作業も続いていますが、それ以上に、カルマの警備をルドルフは最重要として指示していました。
 敵の狙いがここにあるのは、もう疑うべくもないからです。
 そのカルマが、ここ数日、急にその反応回数を増やしているというのです。
「目覚めの兆候なのでしょうか」
「……まだわからないね。ただ、注意深く経過を観察してくれ」
「かしこまりました」
 健康を取り戻した所員は、そうルドルフに答えました。
(レモはタングートにいるということは、カルマに影響はないはずだが……あるいは、レモとカルマの間には、距離は関係ないということなのかな?)
 その可能性も、ゼロではないとルドルフには思えました。
 そして、同時に。
(レモは、カールハインツのことを知ったら、嘆くだろうな)
 レモの親しい友人であるカールハインツ・ベッケンバウワー(かーるはいんつ・べっけんばうわー)は、あの日以来、姿を消したままです。それは、ルドルフにとっても心懸かりなことでした。

 ルドルフは、まだ知りません。共工の元に訪れた三人に付き従っていた仮面の男が、カールハインツだということを。

 そして、同時に。
『……貴方の望みはなに……?』
 そう、闇の声は、他の契約者たちにも囁かれているということを。


 タシガンの、地下深く。
 様々な思いは、マグマのようにふくれあがろうとしていました。



担当マスターより

▼担当マスター

篠原 まこと

▼マスターコメント

キャンペーン、第二回です。

今回の場面は大きくわけて3つあります。
そのどれかを選んでいただく形です。
以下、説明とご注意です。

1)タングートの都で、ソウルアベレイターと戦う
今回、共工はルドルフに救援を求めたわけではありません。
しかし、現在タングートの珊瑚城とタシガンの研究所付近にはゲートが通じていますので、そこを通ってきた人が伝え広めた、としてかまいません。
(また、花魄を知っている人は、彼女が相談したとして良いです)
共工に協力するか否かは、個人の判断に委ねられています。
なお、ルドルフは、研究所の警備に引き続きあたる方針です。

ソウルアベレイター陣営は、前回の研究所周辺の敵と特徴は同じです。
ただ、前回より大型の、巨人的なものが増えていますので(攻城戦用、という感じです)、作戦を練っていただければと思います。
黒い靄は発生していませんし、タングートで契約者は普通に戦えますので、そのあたりの制限はありません。
ただし、外見が男性ですと、多少行動しにくい時があるかもしれません。

ソウルアベレイターは、タングートの都の外から、三人の力によって召還されて攻めてきます。いきなり珊瑚城や都内に出現しないのは、共工の力で阻止されているからです。
民家周辺→珊瑚城 を目指して攻め込んできます。目的は都を攻め滅ぼすことと、レモを奪うことです。
首謀者三名はどこに潜んでいるかはわかりません。まともに面会を希望しても、そう簡単には会えないでしょう。
なお、カールハインツは、珊瑚城を目指して攻めてくる一団の中にいます。

タングートでは、地上の通信機は使えません。ただし、テレパシーと、MCLC間でのみ使える通話機能は可とします。
また、共工に協力を願い出れば、窮奇が改造してタングートでも使用可能にしてくれます(ザナドゥ全域ではありません。タングートの地域のみです)。

2)研究所で、カルマを警備する
カルマは、記憶を取り戻しつつあるレモに呼応するように、わずかに反応を見せています。
ルドルフがそれを見守っていますが、タングートでの争いの余波がでる可能性もあり、こちらも油断はできません。

3)『闇の声』に耳を貸す(地球人限定です)
ソウルアベレイターは、契約者という存在に非常に興味を持っています。
カールハインツのように、「願いを叶える」などの言葉で誘惑し、味方に引き込もうとしています。
その声に対して墜ちた場合、ソウルアベレイター陣営として戦っていただきます。
ただし、LCや他MCからのアプローチで正気になることもあるでしょう。


タングート陣営、およびソウルアベレイター陣営のNPCにつきましては、簡単なまとめをマスターページにてまとめてあります。


 最後にご注意です。

・ダブルアクションはご遠慮ください。「敵と○○などで戦って、ついでに幻惑された契約者がいたら元に戻す」などはダブルアクションになります。必ずひとつの行動で、アプローチをお願いします。
・このシナリオでは、同性愛描写がある場合があります。ご了承ください。



▼サンプルアクション

・タングートでソウルアベレイターと戦う

・研究所で、カルマを守る

・闇の声に操られる

・レモを守る

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年06月20日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年06月21日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年06月25日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年07月09日


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