「今年もこのときがやってきてしまったか……」
ハロウィンも目前に迫り、活気づく空京。しかし、そんな中で一人ため息をつく男の姿がありました。
彼の名はリサド。毎年ハロウィンには近所のイベントを取り仕切ることになっています。ところがここ数年というもの、ハロウィンになるとカボチャのお化け「ジャック・オ・ランタン」たちが現れ、各家庭から子供たちのために用意したお菓子を奪い去ってしまうのです。
ハロウィンを楽しみにしていた子供たちは当然がっかり。中には泣き出してしまう子もいる始末です。
「パパ、どうしたの?」
部屋に入ってきたリサドの娘が、頭を抱えるリサドを見て心配そうに尋ねます。
「なんでもないよ、ウィティート。それより、もうすぐハロウィンだね。楽しみかい?」
「うん、とっても! ウィティね、魔女さんの格好するの」
ウィティートは満面の笑みを浮かべました。
「はは、きっとかわいい魔女になるんだろうね」
「ウィティこの前魔女さんを見たの。それでね、その子の真似するんだ」
「ほう、この辺りに魔女なんかいたかい?」
リサドは意外そうな顔をします。
「何年か前にこの町にやってきたって隣のお姉さんが言ってたよ。いっつも一人でどこかにいるんだけど、毎年ハロウィンが近くなると姿を見せるんだって」
「そうか、ハロウィンのときは忙しいから、パパ気がつかなかったよ。きっとその魔女もハロウィンが好きなんだろうね」
「でも、その魔女さんが来た年からはじゃっくおらんたん? ていうのが邪魔するようになったから、ハロウィンがちゃんとできてないんだって。魔女さんかわいそう」
ウィティートは悲しそうな顔をします。それを見て、リサドも胸を締め付けられる思いでした。
「大丈夫だよ、ウィティート。今年は必ずパパがハロウィンを成功させてみせる」
「本当?」
「ああ、本当さ。だから心配しないでもうお休み」
「ありがとう、パパ! お休みなさい」
ウィティートは笑顔を取り戻すと、リサドにお休みのキスをして部屋を出て行きました。
「娘の手前ああは言ったものの、一体どうすれば……」
幼いウィティートは、今年初めてハロウィンのイベントに参加します。彼女の初めてのハロウィンの思い出を苦々しいものにはしたくありません。しかし、ジャック・オ・ランタンたちは火術を使ってくるので、大人たちでも手に負えないのが現状です。リサドは頭を悩ませるのでした。
さあ、そこで皆さんの出番です。ジャック・オ・ランタンたちの襲撃を阻止し、ウィティートや子供たちの笑顔を守ってあげてください!