蒼空学園では、今日も生徒が学業や鍛錬などに励んでいます。
絶え間ない錬磨はそれぞれに確かな自信と、「自分はどれだけ成長したのか」という疑問、そして「鍛えた力を存分に振るってみたい」という志向を生み出すものです。
それらは成長する者達について回る気概。
「その気概に応える場を設けよう」
「鍛えた力、存分に振るってもらおう」
蒼空学園教師陣は考えました。
「武道大会でも開催するか?」
「いや、今後に備えて個人技だけではなく、複数の者達が力を合わせる側面を盛り込もう」
「しかしなるべくケガ人は出したくない」
「遺恨が残るような事もできれば避けたい」
「試合はそれほど時間をかけず、かつ、できるだけ多くの人間が参加できるように」
「どうせなら他校の生徒とも交流のきっかけができるような」
「あれをしよう」「これをしよう」etc……
長い話し合いの結果、辿り着いた結論はこうなりました。
「学生達にサッカーをやらせよう」
参加選手がめまぐるしく動き、敵味方が互いの陣の中に入り乱れ、個人技のみならずチーム全体の戦術や戦略が要求される競技「サッカー」。
それは、まさしくボールを用いた大規模な戦闘と言って良いでしょう。
しかし、相手チームの選手への直接攻撃は「反則」とされる絶妙なバランス。
それは、教師達にとってうってつけの競技であり、ルールでした。
蒼空学園教師陣は企画をまとめ、「蒼空サッカー実行委員幹部会」を設置。そして、校内並びに外部に向けて、「第一回蒼空杯サッカー大会」開催の告知をしたのです。
「第一回蒼空杯サッカー大会開催
および参加者・実行委員ボランティア募集のお知らせ
蒼空サッカー実行委員幹部会
蒼空学園生徒各位
パラミタ大陸内 各校学生各位
若葉の候、ますます研鑽のほどお喜び申し上げます。
さて、このたび蒼空学園では、日々の弛まぬ研鑽と錬磨を積む生徒の皆さんにその成果を十二分に発揮していただきたく思い、[第一回蒼空杯サッカー大会]を開催することと致しました。
また、本大会に選手として参加する生徒、また、本大会開催・運営を手伝って下さる生徒を募集いたします。
日頃の鍛錬の成果を振るうこの機会お見逃しなきよう、是非ふるってご参加下さい。
記
1.企画/第一回蒼空杯サッカー大会
1−1.概要/有志参加者によるサッカーの試合・一ゲーム
1−2.場所/蒼空学園第八キャンパス(仮称)建設予定地
1−3.日程/○月×日 PM01:00より(開場 PM00:30より)
タイムテーブル
PM01:10 開会宣言
PM01:20 試合開始
PM01:20〜PM02:05 前半
PM02:05〜PM02:15 ハーフタイム
PM02:15〜PM03:00 後半
PM03:10 表彰
PM03:20 閉会宣言
(※上記タイムテーブルは予定)
1−4.試合参加について/後記参照
1−5.来場について/
自動車他各種乗り物の駐車・駐輪等の管理はご自身で行って下さい
1−6.注意/
・入場時、各種武器・防具・装備の持ち込みを禁じます。
・入場後、会場内で周囲に多大な迷惑をかける場合には、
退場をお願いする事があります。
2.第一回蒼空杯サッカー大会参加選手募集のお知らせ
上記サッカー大会に、選手として参加する生徒を募集いたします。
2−1.選手参加申込/試合前日までに、実行委員会窓口に来て申し出て下さい
2−2.チーム割り/紅白二チームのうちどちらかに割り振られる事になります
※「特定の参加者と同じチームがいい」という要望には
極力対応しますが、できない場合もありますのでご了承下さい。
2−3.飛入り参加/
試合当日は、どちらかのチームの選手として
参加する事ができます(参加するチームは任意)。
お近くの実行委員までお申し出下さい
3.第一回蒼空杯サッカー大会実行委員募集のお知らせ
上記サッカー大会開催・運営のお手伝いをして下さる生徒を募集いたします。
3−1.実行委員申込/実行委員会窓口に来て申し出て下さい
3−2.業務内容/広報(ビラ配り等)、窓口対応、会場設営、会場警備、
実況放送アシスタント、審判、その他雑用
4.別記/ルールについて
A.試合場
試合場は東西3キロメートル、南北2キロメートルとし、
東西両端にゴールポストを設置
B.チーム分け
チーム分けは参加希望者らを抽選で紅白の2チームに分ける
※ただし、MC-LCの組み合わせは同じチームに入れる事とする
※また、試合中の飛び入り参加はこれを許可
C.試合の中で使用するボールは2つ
D.ルールは普通のサッカーに準ずる。
※ただし、オフサイドはなし
E.禁止事項
E-1.試合参加者は、各種の武器・防具の持ち込みを不許可
(ただし、ゴールキーパーのみ防具の持ち込みを許可)
E-2.試合参加者は、他の試合参加者に戦闘を仕掛けてはならない(即退場)
E-3.試合参加者は、相手チームのプレイヤーにダメージを
与えるスキルを用いてはならない(即退場)
E-4.その他、危険なスキル(モンスターの召還等)やペットを
用いてはならない
F.ボールについて
F-1.ボールはスキルを用いられてもすぐには壊れない頑丈な素材で作成
※ボールへのスキル使用は許可
(例:火術をボールに施してシュート等)
※頑丈だが、絶対壊れないわけではない
F-2.ボールを透明にしてのゴールインは得点とは認められない
F-3.ボールを偽造してゴールインさせても得点とは認められない
H.試合時間
前半45分、後半45分、ハーフタイム10分
I.チーム人数
11人に限らない。20対20でも問題はなし。
また、チーム間の人数差が出ても極端(人数が4対10等)でなければ黙認
J.試合終了後は敵味方の区別はなし
試合内での遺恨は絶対に残さないこと
以上」
日々の研鑽、錬磨の中で積み上げてきた力量、スキル、そして経験。
「戦闘」ではなく「スポーツ」という場で、それらはどう生かされ、どんな結果をもたらすのでしょうか?
いわゆる「戦闘」に比べれば安全とはいうものの、サッカーが激しいスポーツなのは変わりません。必殺のシュートやキラーパスは、時として文字通りの意味を持ち、参加選手にダメージをもたらす事にさえなるでしょう。
また、サッカーといえば熱狂的な観客「フーリガン」による騒動も警戒されます。試合当日、警備担当の実行委員は客席内で試合参加者とは別の緊張を強いられるでしょう。
このサッカー大会が無事に終わるか否かは、試合参加者、実行委員、さらに来場したギャラリー次第です。