百合園女学院

『虹色に光るかたつむりをもう一度みてみたい』



　蒼空学園に付属する幼稚園に通う女の子・さつきに、秋野　向日葵（あきの・ひまわり）はそうお願いされました。

　殻や軟体の色が赤や黒など、そういったいわゆる単色のかたつむりならまだしも、
　全部が七色に輝くかたつむりなんて聞いたことがありません。



　「虹色のかたつむりって、童話の中に出てくるとかじゃなくて？」
　「見たんだもん！雨の日にお部屋の中で！しましまのもようが、キラキラッて、いろんな色に光ってたんだから！！」



　空京放送局の特派員として、特番で流すネタを探して日夜フラフラしている向日葵ですが、
　そんな彼女でも、これは一人では解決しそうにない相談事のようです。


　でも、いたいけな子供一人の願いも叶えられなくてどうする！……と、向日葵は立ち上がりました。



「あたしが、その虹色のかたつむり、見つけてきてあげるわ！」
「ほんと？」
「本当だよ！仲間もたくさん、いるんだからね！ちょちょいのちょい、よ！」
「わぁーい！！」




　＊




　さつきと固く約束を交わした向日葵は、次の日、自分と同じ学園の生徒たちに助力を請いに行く前に、
　蒼空学園の校長兼生徒会長・山葉　涼司（やまは・りょうじ）に会いにやってきました。


　（未知の生物を探すためには、放課後の時間だけじゃ、きっと足りないよ……）


　学園生活の一環として、授業時間内にかたつむり捜索に出向くことを許可してもらいたかったのです。


　山葉　涼司は話を聞き終えると、こう言いました。



「面白い……是非とも、そんな夢のようなかたつむりを探し出してもらいたいものだ」
「じゃあ……！」
「しかし、守ってもらいたいことがある」
「えっ」



　山葉　涼司は、悪戯っぽい頬笑みを浮かべます。



「授業の一環なんだろう？ならばきちんと、調べたこと・行ったこと、それらをレポートにまとめて俺に提出するんだ」







　――さあ、ほんの些細な少女のお願いから、一世一代の大捜索が始まります！

　はじめまして、そしてお久しぶりです。
　さくら　まうと申します。

　今回、２作目のシナリオでございます。

　６月も間近、雨の多い時期になりますね…ということで、そんな時期にピッタリな生き物を題材にしました。
　じめじめした雰囲気を、楽しく明るいお話で彩りたいと思います。


　このストーリーでは、ＭＣ・ＬＣたちが小さな子供たちを相手にする場面があると思いますので、
　アクションを起こす際は、あまりに演出過多なものはご遠慮ください。

　魔法でかたつむりを出してしまう、かたつむりの生態を一瞬で調べてしまうなど。

　協力して一緒に物語を進めていって頂ければ嬉しいです。

・　付属幼稚園内で聞き込みをする

・　虹色のかたつむりを探しに行く

・　虹色のかたつむりについて調べる