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ピンクダイヤは眠らない

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シナリオガイド

記憶とダイヤは誰のもの?廃墟ホテルの爆発を止めろ!
シナリオ名:ピンクダイヤは眠らない / 担当マスター: ナカジマドライブ

 窓にほどこされた目張りの隙間から、月明かりが差し込んでいます。
「……じゃあ、行くわよ」
  月明かりが客室に舞う埃を照らし、扇子の骨のように光が広がって見える中、
二人の少女は意を決したかのように、頷き合いました。

 錆びかかったドアノブを回すのは、波羅蜜多実業高等学校2年、熾月 瑛菜(しづき・えいな)です。
その姿を息をこらしながら見つめるのは、素肌にガウンを羽織った女の子。
 慎重にドアノブを回すとカチャリと音がしました。
 客室の外に人気がないのを確認した瑛菜がドアを開け、廊下に一歩を踏み出そうとした瞬間、
ガウン姿の少女は大声をこらえながら、引きつったようなかすれ声を絞り出しました。

「……瑛菜さん! 」
「どうしたの? 」
 少女を振り返る瑛菜が目にしたものは、客室の奥で赤く明滅する作動スイッチでした。
「なんで!? 」
 瑛菜が作動スイッチを確認しようとドアノブから手を離すと、作動スイッチは消灯しました。
「消えた……残り時間は?」
「変わりません。残り2時間53分」
 ガウン姿の少女はタイマーに表示された秒数が一秒一秒減り続けていることを告げました。。
「瑛菜さん。もしかしたら、あたしたち、この場所から動けないんじゃ? 」
「残り時間は3時間弱……余裕で逃げ切れると思っていたのに……この部屋から出ようとすると
発動してしまうのかも」
「このままじゃ、わたし達」
「メモリークラッシャーか……」

 客室の奥、埃だらけのクローゼットに仕掛けられていたのは、<メモリークラッシャー>と呼ばれる、
爆弾です。
 
 メモリークラッシャーは特別な効果を持っています。

 物理的な破壊は行いません。
 電子機器の破壊も行いません。
 記憶のみを吹き飛ばす新型の爆弾です。
 彼女たちが隠れている廃墟ホテル全体に効力を発揮しそうなサイズです。

 ガウン姿の少女が見つけた時には残り時間3時間の時限式でした。
 残り時間を刻むタイマーパネルを見つめる瑛菜の耳に声が聞こえます。
「いたか?!」
「みつからねぇ!」
 二人を追う盗賊たちの声が、遠くにこだまします。
「気をつけろ!なにが出るかわからねーぞ!」
「確かに、なにが出るかわからないわね」
 瑛菜は自嘲気味に笑いながらメモリークラッシャーの動作を確認しました。
「なんでこんなことに……?」
 二人が、人気のない廃墟ホテルに立てこもったのには理由があります。

■■■■

 盗賊に追われていたガウン姿の少女を瑛菜が助けたのは1時間前。
 ガウン姿の少女は百合園女学院に通いヴァイシャリーに住む貴族令嬢オオミヤシズク。
 国内有数のセキュリティー会社オオミヤの会長の孫娘にあたります。
 オオミヤシズクは翌日のパーティ出席のため、家宝のピンクダイヤを会長である祖父から借り受け、
パーティ会場近くの別荘に宿泊していました。
 その別荘が盗賊が侵入にあったのです。
 オオミヤシズクはピンクダイヤを握りしめ、別荘に侵入した盗賊たちから逃げ出し、
捕まる寸前のところを瑛菜に助けられたのです。
 迫りくる盗賊から逃げるように、二人はオオミヤシズクが幼いころ遊び場にしていた、廃墟ホテルに
逃げ込んだのでした。12階建てのホテル。
 ツインルームの並ぶ6階客室に入り込み盗賊をやり過ごそうとしているさなか、瑛菜はクローゼットの奥の
奇妙な光に気がつき、メモリークラッシャーを発見したのでした。

■■■■

「助けを呼ぶわ。」
 携帯電話をとりだした瑛菜は、信頼のおける仲間の番号を探します。
「メモリークラッシャーが爆発したら……助けに来てくれた人も……記憶を失ってしまいます」
 ガウン姿の少女が申し訳なさそうな顔を向けると、瑛菜は黄金に輝く月よりも明るい笑顔で言いました。
「だいじょうぶ!あたしの仲間が、盗賊をやっつけて、ダイヤモンドも守って、爆弾も解除してくれるから!」
 力強い言葉にオオミヤシズクは笑い返しました。
 数人に連絡を取った後、瑛菜自身もほっとしたように言いました。
「これでだいじょうぶ。あとは静かにしてましょ。」
 メモリークラッシャーの発動まで残り3時間弱。
 起爆装置のタイマー表示を見つめながら、瑛菜は膝を抱え込むように腰をおろしました。
同時に大きな疑問を抱え込みながら、タイマー表示を睨みつけています。

「なぜ、ここにメモリークラッシャーが仕掛けられているのか?」

 オオミヤシズクは不安そうな顔伏せながら腰をおろし、瑛菜に寄り添いました。

<残り時間02:40>

 

担当マスターより

▼担当マスター

ナカジマドライブ

▼マスターコメント

はじめまして。
新しく蒼空のフロンティアのゲームマスターを務めさせて頂きます、ナカジマドライブと申します。
よろしくお願い致します。
僕の描いている結末を裏切るような形で、物語が展開していけば嬉しいです。
皆さまのリアクションをお待ちしております!


■廃墟ホテルについて

明かりはありません。
爆弾が仕掛けられていたことから、他の場所にもトラップが仕掛けられている可能性があります。
大勢の盗賊がうろついています。
夜間なのでジャイアントバット、巨大蜘蛛といった雑魚モンスターが出現します。
盗賊のリーダーも潜伏中です。

■セキュリティ会社オオミヤについて

会長が一代で成功をおさめた国内有数の警備会社です。

■メモリークラッシャーについて

物理的な破壊は行いません。
電子機器の破壊も行いません。
記憶のみを吹き飛ばす新型の爆弾です。
(*未来の技術で解析できないものだと言われています。)


タイマーが0になれば爆発します。また、
瑛菜達が客室を出ようとすると即発するようです。
(その発動の仕組みはわかっていません)

爆発を止められないと、ホテルに潜入したプレイヤー全員の記憶が飛びます。
爆発に巻き込まれても死にはしませんが、大切な思い出が全損します。


▼サンプルアクション

・盗賊と闘う

・廃墟ホテルの探索

・爆弾解除

・ピンクダイヤ奪取

・記憶消去爆弾の発動で、失恋を忘れたい

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年10月27日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年10月28日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年11月01日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年11月13日


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