百合園女学院

　少し前の暑さが嘘かと思える程に、風が冷たい日も多くなりました。
　朝は布団から出るのが段々と嫌になってきます。

　そんな季節。


　食欲は全開です！！


「〜♪　〜〜♪」

　ご機嫌に鼻歌混じりで歩いているのはアッシュ・グロック（あっしゅ・ぐろっく）でした。
　彼が目指す場所まではもう少しです。
　と、前方から数人が向かってきました。

「やあ、おばちゃん！　忙しそうだな！」

　見知った顔を見つけたアッシュは、手を挙げて振ってみせました。

「ああ、アンタかい。丁度良いところに来てくれたね」

　他の人には先に行く様に促して、おばちゃんは立ち止まりました。

「それが、困った事になったんだよ……」

　おばちゃんはこの先の村に住んで居ます。
　そしてその村では果物を栽培しているのです。

「今日から林檎の収穫だっていうのにね……」

　アッシュはその果物――今日は林檎を目当てにここまで来たのでした。

「果樹園がモンスターに占領されて、収穫が出来ないんだよ」


「……なん……だと……？」


　アッシュの目の前は真っ暗になりました。

「林檎ケーキ　林檎ジャム　林檎ジュース　アップルパイ……」
「それで悪いんだけど、モンスターを退治してくれないかい？」

　アッシュの呟きは、おばちゃんの耳には届きませんでした。

「泥棒も居るみたいだし、本当に困ったもんだよ……。
　ああ、勿論お礼はするよ。林檎現品になっちまうけど。それでいいなら、だけどね」
「サラダ！　ジュレ！　パウンドケーキ！　勿論そのままでも！」

　叫ぶような声におばちゃんは吃驚して、言葉を出せない様子です。

「おばちゃん、任せな！　モンスターなんぞ最強の俺様が蹴散らしてやるぜ！」

　そう言い切ったアッシュは、手にした携帯で協力要請を出したのでした。

■ご挨拶
　初めまして。
　このたび新しくゲームマスターをさせて頂く奈々子と申します。
　判らない事さえ判らない状態な超初心者ですが、精一杯頑張りますので、よろしくお願いします。


■果樹園について
　かなり広い面積があるうえに、作物が等間隔で植えられているので、気を抜くと迷子になります。
　林檎以外の果物もありますが、間に柵などの仕切りは無く、少し広めの通路のようなもの、もしくは盛り土等で区切ってあるだけです。
　果樹園全体は柵で囲われており、所々に出入り口があります。
　出入り口の外側には村人がおり、そこから中の様子を伺っています。


■モンスターについて
　占領しているモンスターはコボルドです。
　普段は大人しい性質ですが、何故か殺気立っている様な気配です。
　特に作物を食い荒らしたりはしていません。


　泥棒も果樹園内にいますが、気をつけないと泥棒だと気付きません。

・　モンスターを倒す、追い払う

・　収穫のお手伝い

・　原因解明

・　お小遣いが欲しい！