百合園女学院

　湖上に浮かぶ優雅な街、ヴァイシャリー。
　その一角に、貴人達が集う大きな劇場があります。
　ある日、劇場の最上階で喫茶店を営んでいた青年ファルスが、突如店を閉店すると言い出しました。
　その理由は――。
「妹が百合園に入学した！　この計画は中止だ中止！！　店を閉めるぞ！」
　彼は由緒正しき家に生まれた、お金持ちのぼんぼん御曹司ですが、困ったことに超ド級のマザコンでロリコンでシスコンなのです。
　広いテラスのある喫茶店には、近々精度の高い望遠鏡を設置する予定でした。
　ここをヴァイシャリーの街を見渡すことの出来る展望台にしようと計画していたのです。……建前は。
　実際は、勿論！
　精度の高い望遠鏡であの秘境にして聖域。シャンバラ……いや、全世界、地球人も含めた全ての男の憧れの地！　ヴァイシャリー唯一の女子高、気高き乙女達の通うあの地の『ぷーる☆』を、遠くから思う存分堪能してしまおうと、あまりに健全な健全すぎる青少年達の野望の下、立てられた計画でした。
「今更何を！　マユたんが入学したからどうだというんだ」
　お金持ちぼんぼんロリ軍団は、当然納得できません。
「マユのスク水姿を他の男に見せてなるものかー！　知ってるぞ、お前等が高性能の望遠カメラであの聖域の試し撮りを行なっていることも！　金輪際貴様等はこの喫茶店に立ち入ることも許さん」
　ファルスは一方的に言い放ち、かつてのロリ仲間達と決別をしました。

　しかし数日後。その店が売りに出されたと同時に、即金で購入を申し込んだのは――ロリ仲間の中でも策士である、シロぽんだったのです！
　彼は全国の仲間達と、仲間の仲間の仲間達を集結させ、その超絶に見晴らしの良い場所で、店を営むことにしました。
　さて、どんな店にしましょうか？

　一方、百合園女学院では、妙な噂を聞きつけた生徒達が、何かと理由をつけてプールの授業に参加をしないという事態が発生しています。
「校長！　こんな写真が校舎前に落ちていました」
　校長室に駆け込んだ生徒は、校長の桜井静香（さくらい・しずか）に３枚の写真を見せました。何れも百合園のプールが写っています。望遠カメラで撮ったもののようです。
「プールを盗撮しようとしている人がいるようなのです。最近プール付近で妙な人影を見ることもあるんです……」
「それは困りましたね〜」
　静香はのほほーんと答えました。
「校長！　囮になってくださいませんか！？　私達の手で捕まえますので」
「そ、それは無理ですッ！　スク水なんて着れません！！」
　突如大声を上げた静香の様子に、パートナーのラズィーヤ・ヴァイシャリー（らずぃーや・う゛ぁいしゃりー）はくすくすと笑みを浮かべました。

このシナリオでは事件解決への相談よりも、乗りと勢いが大切です！
基本コメディですので、健全な男性陣も、見られることに耐えられない百合園お嬢様方も、寧ろ見られたい方々も、思い切り個性を出して楽しんでいただければと思います。

・俺達の俺達による俺達の店を作る！

・囮になって、プールできゃっきゃする！

・盗撮犯を捕まえる

・もっと有意義な店を作るぞ！