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【十二の星の華】ヒラニプラ南部戦記(序章)

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【十二の星の華】ヒラニプラ南部戦記(序章)

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シナリオガイド

その戦いの光と影に、それぞれの物語がある
シナリオ名:【十二の星の華】ヒラニプラ南部戦記(序章) / 担当マスター: 今唯ケンタロウ


――ヒラニプラに伝わる『南部戦記』文書。
 当事、ヒラニプラに新しく居を構えて数年のシャンバラ教導団と、古来よりこの地で土俗信仰の中心地となってきた黒羊郷との間に起こった戦役を記すものである。戦いは、ヒラニプラ南部勢力と呼ばれた諸国や土地の豪族ら、そして辺境の部族や民を巻き込んだ。また、他の文書には全く記されていない新興勢力や知られざる種族たちの名が現れては消え、現れては消え……それらは戦史のごく狭間に咲いた幻の花々のように。
 この書は、謎に満ちている。
 『南部戦記』はそもそもシャンバラの正史ではなく、実際には、辺境に散らばった様々な断片的記録を集めて編纂されたものであり、幾世紀を経ても、シャンバラの歴史家か探検家たちの想像をかき立ててきたものなのだ。――



 二〇一九年十二月、復活祭を機に、黒羊郷はヒラニプラにとって邪悪な存在であるシャンバラ教導団を打倒すべく旗を揚げたのです。
 辺境の民たちの新しい神となった十二星華ジャレイラ・シェルタンは自ら兵を率い、ヒラニプラの解放に向け、まずは南部を侵攻しつつある第四師団を討伐すべく南へ向かいました。
 教導団は、土着勢力であったオークを滅ぼし旧オークスバレーを本拠とし、このときすでに、谷間の山鬼を壊滅させ北上、三日月湖一帯に勢力を張っていた湖賊と結び、バンダロハムを占拠しています。
 『南部戦記』文書において最初期の重要な資料となる「三月勢力図」(二〇二〇年三月時点の勢力分布図)では、そのとき(十二月時点)から更に、大きく勢力の分布が違っていることになります。
 この三ヶ月の間の戦や出来事を記す資料は少なく、断片的にしか残っていません。
 欠け落ちた歴史の闇の中から、残る断片を拾い上げ、この物語を補完してみるとしましょうか。[後代の註釈・補記より]



peripheral episode opening

「むぅ。何の手がかりも得られぬと」
 ハヴジァに近い西の辺境砂漠の片隅にある、邸宅。
「……うぬぬ。じゃが、掻き集めた占術師どもはこぞって、この辺りにあると言っておろうのだろう! 何故、見つけられん」
 太った貴族服の男が、下僕にどなりちらしています。
「この辺り……とは言いましても、比較的近辺には、ヴァレナセレダも、黒羊郷もあり、探索を続けることは容易相成りませぬ……」
「ええい、下がれ! 役立たずどもめ、もうよいわ。
 ヴァレナセレダ……かの聖地ヴァシャか。それとも、黒羊の地下神殿か。何れにしても厄介じゃ。それとも……他にあるとすれば?」
 下僕が逃げ去るように出ていった半開きのドアを、丁寧にノックする音。
パルボン殿。よろしいですか」
「おお、天音。黒崎天音(くろさき・あまね)よ。そなただけが、わしに潤いを与えてくれる。ほほ。さて今日も」
「パルボン殿。……女王器についてのことですが」
「むっ! 何かわかったか、天音よ」
「……ええ。ハヴジァ近郊に住む哲学者たちを訪ねて回ってきたのですが、彼らと、女王とこの土地というキーワードにおいて問答を続けると、必ず最後に麒麟という言葉に行き着くのです」
「とすると」
「間違いないでしょうね。伝承にある問答通りの手順を踏んで、七人の古の哲学者にあたってみた結果です。それから……」
「何……ふむ。……麒麟の居る場所を探す。それが夢の中? どういうことなのだ?」
 キリン……。夢……の……中……



 キリン。キリンセイカ。
 はっ。
 こ、ここは……??
 ……ここは何処だろう……
 阿頼耶識(アラヤ識)の世界か。
 わっ 私……どうしたのでしょう。おっぱいだけになってしまいました。って、ほとんどないじゃないですか!(余計なお世話ですよ。エーン)
 ああ、私が、私がなくなっていく……エーン……
 キリン。キリンセイカ。ナカナイデ……
 えっ だ、誰? ん。何か、話し声が聞こえますね。あ、あれは……おっぱい……

 瑠璃……
「……だけど……私は……いえ、でも……何か、琴線に触れる……」
 瑠璃?
「……え……?」
 綺羅瑠璃(きら・るー)……
「ジャレイラ……さん……?」
「何をしているの。行くよ。我々は、教導団を討たねば」
「教導団を? ジャレイラさん。……そうじゃなかった筈……」
「そうじゃない? じゃあ、何故? 何故、我々はここに。何故、我々は生まれて」
「私たち、……ええ、何故……」

 えっ。きらるーさん……どうしてこんなとこに? じゃれいらさん??
 ああ。ながれていってしまいました。それにしても、あの"しるし"のあるおっぱいは……(お、おおきい)……

担当マスターより

▼担当マスター

今唯ケンタロウ

▼マスターコメント

 「黒羊郷探訪」に続く新シリーズ「ヒラニプラ南部戦記」。今回から、十二星華編に発展してのスタートです。

 お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、このシナリオはすでに、独自の領域に入ってしまっています。
 というのも、前回時点で、すでに黒羊郷方面に入って数週も経過している方もいることになるので、他シナリオとの整合性がとりわけ保ちにくくなっています。その上、今回で更にそのまま三ヶ月が経過……年明けもバレンタインも異国の地で迎えたことに……?
 ですので、本シリーズは、後に語り継がれたある戦記ものという視点から語られる、という形をとります。
 実際の日付や期間は、蒐集された記述によってまちまちなのです。
 あの人物が、この『南部戦記』においては思わぬところで思わぬ行動を取っていた、と記されている、ということもあるかもしれません。

 もちろん、一方で、【タイトル】にもあるように、十二星華にも関わってきます。
 その部分については、シャンバラの正史に見られる記述と関わっているという扱いになります。

 しかし、『正史』、辺境に散在した『南部戦記』文書、そのどちらも真実を語りまた真実を騙っているのでしょう。
 ヒラニプラ南部諸勢力の争い……十二星華そして女王器を巡る戦い……あるいはただ己のための戦い……その光と影が様々に交錯しながら一つの物語が編みあがらんことを。


◇新規参加者:
 教導団PCならば本国から援軍として、旧オークスバレーか三日月湖のどちらかに送られてきたところからスタートしてください。
但し、部隊所属者については、前回登場していないが、その部隊にいたとすることができ、部隊にいるところからスタート可能です。
 他校生PCについては傭兵として、同じく旧オークスバレーか三日月湖に送られてきたところからのスタートになります。

◇前シリーズ参加者:
 前回終了時の位置が、今回スタート地点になります。
 黒羊郷やその周囲(ヴァレナセレダ含)については、前シリーズでその地に入っている方以外は、初回でそこまで移動することは不可です。(いきなり黒羊郷にいるとしてアクションをかけた場合、没対象となりますので、御注意ください。)
 逆に黒羊郷その周囲にいることになっているPCの方が、初回で三日月湖の本隊に合流することはできません。

  本シナリオでは、バイク、車、自転車、それに飛空艇といった乗り物は使用できません。
 それから重要注意事項になりますが、本シリーズでは、移動や距離が重要になってくるので、パートナーを新たに増やすことによって遠地間での連絡が簡単に取れてしまうのは、シナリオの難易度を著しく下げ物語性も損ねてしまいますので、この地では、パートナー間でも携帯電話が通じない場合がある、とさせて頂きます。
 LC制限はありません。旅先での出会いという形でLCを増やすのも、前回同様ありです。

 前シリーズよりも、各地で戦闘が激化(情勢が変化)しつつある状態ですので、移動は困難を伴います。
(※移動するためのアクションをかける必要があります。移動に1シナリオから距離や戦闘が起こった場合等によって2シナリオ分程、かけることになります。
 本シリーズはこの移動アクションが曲者で、各地風雲急を告げる状況ですので、仮に警戒しつつ進むというアクションを取っても、足止めを食ったり、その地で戦や事件に巻き込まれる可能性もあります。これを防ぐには、そのための情報収集のアクションをかける必要がある、といった具合になります。あるいは、賭けで飛び込んでみるのもまたありです。各国や各地で、その回で何が起こっているかということは予め設定がしてあります(ヒントの中に隠されているものもあります)。)

 敵対勢力として国名や勢力名が記されているところは、まずそこを攻略する必要があります。
 とくに、前回リアクションに名前を挙げたドストーワ、ブトレバ、ハヴジァ、グレタナシァは、三日月湖方面から黒羊郷に至るまでに立ちふさがる列強国で、何らかの形で攻略しないことには、黒羊郷への道は開けないことになります。これらの国は、各々強力な軍を持っている、と言われています。
 ヴァレナセレダから黒羊郷への道は、黒羊側のハルモニア占領軍とハヴジァからの援軍によって阻まれる形になります。
(個人単位でなら、これらの国に潜入や、あるいはアクション次第で通過も可能かもしれません。但し、個人でこれらの国や黒羊郷を落とすことはまず不可です。)

 こちらは、前回リアクションにも記した部隊による戦いや、あるいは、部隊と個人が何らかの形で協力し合っての攻略となってくると思います。
 もちろん全くのソロでも、他国や未踏の地に情報収集や交渉に赴いたり始め各地の反乱鎮圧、三日月湖周辺の統治などできることは多いです。


 シナリオガイドにある三ヶ月間は、ヒラニプラ南部の情勢が刻々変化した時期です。
 リアクション内容は、この三ヶ月の間に起こっていたことが描かれることになり、
 また、かけて頂いたアクション同士の反応によって、次回・本シナリオ「ヒラニプラ南部戦記」第1部における位置付けが決定することになります。

 アクションのかけ方については、サンプルアクションも勿論参照頂ければと思いますが、
 三ヶ月のどの時点かを切り取って、○○を調べるため、何処何処へ向かった、というのでもいいですし、
 三ヶ月後を見据えて、こういう計画を推し進めた、というのでもかまいません。
 敵側も動き始めていること、各地で様々な勢力や部族らの動きもあることには注意してください。

 (ガイドには物語を補完してみるとしましょうかとありますが、あくまでガイド文であり、無論、通常の判定ありのシナリオになります。確定的なアクションの書き方が推奨されるものではありません。)


 以下は、今回のヒントとなる、『南部戦記』初期の断片です。

■一時、第四師団本拠地(旧オークスバレー)が占拠された、との記述がある。三方向から同時に敵勢力が攻め込んだことによる。[第2巻]
■撲殺寺院の残党勢力が、幾箇所において一斉蜂起した。北はグラニニペス峠における残党勢力が脅威になったが、ハヴジァとの連携により黒羊軍がこれを鎮圧。かつての寺院(本拠地)に近いあたりでもどこからか残党が沸いて出たが、中央を奪回するには至らず、鎮められた。南でも、教導団本拠(旧オークスバレーを指す)に近いあたりで残党に動きが見られ、その目的は……であったが、…………[黒羊書]
■女王器を狙うパラ実勢力が、シャンバラ大荒野から、ヒラニプラ南部へ進攻。この途中にあった旧南西分校が破壊された。パラ実勢力はその後……[教導団の書]
■教導団と同盟を結んだ湖賊勢力は、川を北上。しかし程なく、南下してきた黒羊水軍とブトレバ水軍とに遭遇。ブトレバは、黒羊郷以南、川の東岸に勢力を誇った大国。水軍には、黒羊郷より古い歴史を持ち、このとき、かなりの兵力を差し向けてきた。対する湖賊は、三日月湖地方の本拠地に半数を残していたため数が少なく、……[教導団の書]
■草原地方の東。川を下り山脈を南に越えたところ、南部諸国が乱立する。黒羊郷から戻った首脳らは今後を取り決められず、分裂。黒羊郷派と教導団派に分かれる。黒羊郷派はすぐ様、行動を開始し、西へ軍勢を向けた。
 教導団は湖賊との交渉後、水路から南部諸国を目指していたのだが、……[第2巻]
■教導団と黒羊軍との最初の戦いとして記されているのは、東の谷の戦いである。教導団は李梅琳を先鋒とし、中軍に××、後軍に××。だが、後軍が伏兵に遭い壊滅。先鋒の李梅琳は、後方との連絡が途絶えたまま敵軍と対峙、……(一枚欠け)……その敵軍の将はしるしの女とだけ記されている。[後代の註釈]
■グレタナシァに対しては、岩城が睨みを効かせていたが、主戦場(戦線)が東に移っていくと、各主力部隊は一つ二つとそちらへ向かい、兵は三日月湖の防備に割く以外、手薄となり、また、後方で一時補給線が絶たれたことによって、岩城には食糧や物資も行き届かなくなった。グレタナシァは、これを機と、国境砦に多数の兵を集めた。[傭兵手記]
■三日月湖北の森に龍が棲み付き、人が寄り付かなくなった。[三日月湖伝承44頁]
■グレタナシァの北東から、黒羊郷の南西ドストーワまで広がる砂漠地帯に、幾つかの小国が乱立する。定かではないが、もともとは、黒羊軍が三日月湖攻略のための順路にある砦に配置した部隊が独立したものだとか、戦乱に乗じて旗揚げしたならず者勢力などと言われている。幾つかは侮り難い勢力に発展し……[第3巻]
■我々はまず、資源の豊かな三日月湖、ブトレバ、この何れかを落としその地を本拠とすべきである。しかし我々は未だ小国、何れかの国と同盟を結ぶか、どこかの部隊を寝返らせる必要がある。[ある小国軍師の手記]
■各地の山や谷で、戦乱に乗じた賊徒や鬼が発生。各国はこの鎮圧にも少なからぬ兵力を割かねばならなかった。中には、一大勢力になり国を乗っ取った集団もある。[第1巻]
■黒羊郷においても、一部、教導団打倒のため武装した信徒らの群れが、付近の異教徒や、帰依しない獣人の村を襲って略奪している、という噂が流れた。これには黒羊郷も手を焼いており、一部では、黒羊郷の乱に反発を唱える者たちも出た。[第1巻]

ヴァレナセレダ方面
■一月、ハルモニア解放軍が結成。この時点で、ハルモニアが領するのは北部の三砦。中部以南にある七の砦を取り戻さなくてはならない。
 バルニアとニケは、解放軍を指揮。しかし、大部のハルモニアの臣は、ヴァシャに退却すべきとした。ヴァシャの地で、静かに死すべきであると。ヴァシャは、安らかな永劫の眠りを約束してくれる土地でもあるのだ。[ヴァルキリー手記]
■教導団第四師団のキリンセイカがこの地を訪れたことを示す文献も多いが、幾つかの文献で「麒麟セイカ」となっている。また、十二星華と混同したものと思われるが、「十二人のセイカが、……」と記された書物も多い。また、「十二のセイカ」というのはこの土地で採取される民話で、何故かその一人が「キリン」「麒麟」「騎凛」などと記されている。
 キリンセイカのその後については、幾つかの説があり、……[ヒラニプラ地誌19]

 前回、特異な位置付けになった方は、難しいかもしれませんが、ヒントと併せ、それを是非生かしてください。
 他、これまでの今唯シナリオにおいて登場したNPCや設定は利用可能です。ヒラニプラ南部全域が舞台になります。むしろあれやあれを使わないと……というのが、あるかも? 但し、今回の戦争と関係の無いことは極力避けるようにしてください。

 十二星華や女王器を巡る物語については、ドラマから始まることになります。
 シナリオガイドのペリフェラル・エピソード・オープニングや、前回リアクションをヒントにしてください。(初回時点ではアクションはかけづらいかもしれませんが。)

*マスタリングについて若干
 台詞以外に、キャラの心情と読み取れる部分は、リアクションにおいて重要な要素になる場合があるので、採用させて頂く場合がございます。これはまだ皆には秘密にしたいなとか、秘密裏に事を進めたい場合等には、そのことを簡単にでも記して頂けるとと思います。もちろん、判定や、それに基づいて調整等は行います。

 では、物語を紡いでいきましょう。

▼サンプルアクション

・流浪

・攻め込む

・俺を雇え

・とにかく戦う

・兵を募る

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年03月18日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年03月19日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年03月23日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年04月09日


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