百合園女学院

＊お知らせ＊
当シナリオＮＰＣについては、マスターコメントをご覧ください。
ＮＰＣと初顔合わせでも遠慮なくどうぞご参加くださいませ。







　ルーノ・アレエ（るーの・あれえ）という、黒い肌に赤い髪、赤い瞳の機晶姫は、その胸に金色の機晶石を抱いていました。
　彼女の誕生日から、一月が経ちました。
　多くの人たちは彼女を探していましたが、手がかりはありません。

　あるとき、ネット上に流されたある動画が噂になっていました。


　それは、先の事件で多くのものたちが目にした、鏖殺寺院の実験の被害にあった機晶姫たちの、記録映像でした。
　あまりに悲惨なものはカットされているようでしたが、目を覆いたくなるような内容に変わりはありませんでした。
　
　そして、手書きの文字が、画面に映し出されるのです。



　我々は、機晶姫に対する非道且つ不平等な現在の待遇の改善を求める。
　機晶姫に対する今まで行われてきた非道な扱いを改善する意のあるものを募集する。
　それは機晶姫に限らず、種族を問うものではない。
　共に、平等に暮らせる世界を目指したい。



　
　ルーノ・アレエの筆跡にも似ていましたが、少し違うようにも見えました。
　彼女を知る者たちは、集まってニーフェ・アレエ（にーふぇ・あれえ）と相談します。
　緑髪に小麦の肌をした、銀に機晶石を胸に抱く機晶姫、ニーフェ・アレエは確信を持って、違うと言い切りました。

「姉さんの筆記をつなぎ合わせたようにも見えます……そう、思いたいだけかもしれませんが」


　少し哀しげに笑う彼女は、今度はためらうことなく顔を上げて、声を張り上げました。

「どうか皆さん、姉さんを助けるために力を貸してください。こんなひどい映像を流して、平等を訴えるなんてこと、姉さんがするはずありません！」









　エレアノールは、イシュベルタ・アルザスと共に、今までの冒険で手に入れたアイテムを改めて見直していました。
　そして、遺跡で見つけたという石版について、ようやく何かを思い出せそうでした。

「この石版は、私のあずかり知らないところで研究されていた、ルーノの実験室への鍵かもしれません。だから、あの子はこれを大事にしていたのかも」

　エレアノールは一時、人質がいたとはいえ鏖殺寺院にいた研究者です。
　それも、重要な研究には参加させてもらえないただの開発者にすぎません。
　そのときは、残虐な行為に手を染めずにいたことを幸福にさえ思っていました。
　それが今では悔しさがこみ上げてきます。もしその詳細を知っていたならば、自分の手でこの悲劇をとめることが出来たかもしれない、と。

「エレアリーゼ、ニフレディ……ごめんなさい」

　涙ながらに、彼女はニフレディ……ニーフェ・アレエを抱きしめました。
　ニーフェ・アレエは、頼るべき仲間たちと共に笑っていいました。

「大丈夫です。そんな悲劇を繰り返さないために……私たちを大事に思ってくれる人たちのために……姉さんを助けに行きましょう」




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　そのころ。
　ルーノ・アレエはまたもや激しい頭痛にさいなまれていました。
　暗い部屋には、ベッドとチェストと椅子だけが置かれた部屋でした。そのチェストには水差しとコップが置かれているだけでした。
　ルーノ・アレエは、簡素な服だけ着させられ、身につけていた大事なものは一切とりさらわれていました。
　友人の計らいではめ込まれたメモリープロジェクターを動かし続けるも、恐らく送信するための通信は出来そうにありませんでした。
　携帯電話も取り上げられ、連絡も出来ません。パートナーがいない彼女は、通信手段がまったくありませんでした。
　頭痛が治まったとき、彼女はベッドから降りて、窓のない部屋を見渡してため息をつきました。　

「……私の想いは……願いは……」

　そんなとき、決まって部屋の中におぞましい記録が映し出されます。そして、ルーノ・アレエはまた頭痛にさいなまれるのです。





　オーディオと名乗ている金髪の機晶姫は、監視カメラからそれを愉快そうに眺めました。

「まったく、あの人形は強情だな。あの女に似ている」

　口元を不気味に歪め微笑みながら、彼女は豪華な調度品が並ぶ部屋で、赤い布張りのソファから立ち上がりました。
　部屋の中にはルーノ・アレエそっくりな機晶姫が何体も立っており、そのうち数体はぼろぼろの百合園女学院の服、そしてボディスーツを纏っていました。
　その中に異色だったのは壁にかけられている、黒髪の女性と幼い少年の写真でした。写真の端に、「イシュベルタと」と書かれていました。

「想いが大事だというなら、何故捨てたの……？　捨てられた想いは……嘆き方も知らないのよ？」

　オーディオと名乗った機晶姫は、壁にコツン、と頭をぶつけました。

　こんにちは、芹生綾です。早いうちに公開といって、私用であげられませんでした……
　ルーノ・アレエシナリオの、続編【金の怒り、銀の祈り】シリーズです。
　可能なら、前回の【金の怒り、銀の祈り】うまれたひ。をご覧ください。
　どこまで続くか、ちょっとまだわかりません……

　機晶姫保護団体が出来ました。保護したい方の参加は大歓迎です。
　保護団体希望の方は、必ずサンプルアクション【保護団体入団希望】をご参照くださいませ。
　ニーフェ・アレエはとにかく保護団体を当たるつもりのようです。
　エレアノールは、石版をもってもう一度遺跡に行く模様です。
　イシュベルタはどうやら教導団にいるランドネア・アルディーンの元へ向かうようです。
　

　彼らだけでは情報を得るのは難しいこともあるでしょう。皆さんの多彩なる能力を使って、彼らを導いてください。

　
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　「砕けた記憶の眠る晶石」、「目指すは最高級、金葡萄杯！」、「空に轟く声なき悲鳴」、「絶望を運ぶ乙女」、「金の機晶姫、銀の機晶姫」シリーズがルーノ・アレエが関連したシナリオです。
　ニーフェ・アレエは、絶望を運ぶ乙女からの参戦になります。

　以下、関連ＮＰＣにも触れておきます。

　＊ルーノ・アレエ＊
　　赤毛、黒い肌、大人びた女性型の機晶姫。金色に煌く機晶石を動力源としている。
　　現在百合園女学院にて生活中。
　　過去に幾度も鏖殺寺院がらみの事件に巻き込まれ、そのたびに多くの友人から助けらえる。
　　自己犠牲の精神がとても強い女性だが、今は友人に頼ることも必要、と考えを改めている。
　　《リーゼ》というキーワードを口にすることにより、殺戮兵器へと化するといわれている。
　　最近恋情について思うところがあるらしく、特定の男性にしかハグをしない。

　＊ニーフェ・アレエ＊
　　緑髪、褐色の肌、少女型の機晶姫。銀色に輝く機晶石を動力源としている。
　　現在百合園女学院にて生活中。はじめましての挨拶に、だれかれ構わずハグをする。
　　彼女自身も天性の明るさゆえに多くの人から信頼を得ている。
　　以前、脆い機晶姫が無理やり入っていたため、一時みんなに迷惑をかけたことを申し訳なく感じている。
　　《レーディ》というキーワードを口にすることにより、殺戮兵器へと化するといわれている。
　　姉思いの天然少女。最近機晶石を新しくしてもらったので、元気いっぱい走り回っている。

　＊イシュベルタ・アルザス＊
　　吸血鬼の男性。元鏖殺寺院所属の魔術師。趣味はぬいぐるみ作りと、自爆。
　　ルーノとニーフェの兄であり、エレアノールの弟。現在は旅に出ている。

　＊エレアノール＊（またはニフレディル、またはアンナ・ネモ）
　　青い髪、白い肌のヴァルキリーの女性で、元鏖殺寺院の機晶技師。
　　ルーノとニーフェの造物主であり、姉。イシュベルタと血の繋がりはないが、姉を名乗る。
　　現在はある程度の記憶を取り戻すことが出来たため、イシュベルタと共に妹達を兵器化させない方法を探しに、旅に出ている。
　　だが記憶は完全に戻ってはいない。

　＊ランドネア・アルディーン＊
　　シャンバラ教導団教員、だがその昔アルディーンに記憶を無理やり埋め込まれたことがあり、しばらく強制二重人格者となる。
　　結果、鏖殺寺院の手先としてその身体が利用されることとなった。
　　現在はアルディーンの人格も消え去り、リハビリを受けている。

　＊アルディーン・アルザス＊
　　イシュベルタの血縁の姉。既に故人である。その性格は冷徹非道であったとされている。
　　記憶のみ、《ランドネア・アルディーン》の中に放り込み、生きながらえていたとされている。
　　だが、やけに《忘れられること》に固執している所から、この《記憶》本人の意思ではなかったのではないかとされている。

　＊オーディオ
　　謎の機晶姫。金髪に、赤と白を貴重にしたゴスロリ姿の少女。
　　ルーノ・アレエと共に姿を消している。


　以上です。
　皆様のご参加、心よりお待ちしております。

・機晶姫ＬＯＶＥ！

・残された妹と一緒に

・遺跡調査なら任せなさい

・アルディーンの過去を探る