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【カナン再生記】巡りゆく過去~黒と白の心・外伝~

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シナリオガイド

たどり着いたのは荒廃の地。そこにあったのは、過去の想いだった。
シナリオ名:【カナン再生記】巡りゆく過去~黒と白の心・外伝~ / 担当マスター: 夜光ヤナギ

 「【カナン再生記】 砂蝕の大地に挑む勇者たち」「【カナン再生記】擾乱のトリーズン」のシナリオに予約参加されているお客様は、本シナリオでの予約参加はご遠慮いただきますようお願いいたします。



 南カナン軍の『神聖都の砦』侵攻が終結を迎えようとしていたとき。
 ニヌアの老執事ロベルダはとある場所へと赴いていました。
 そこは――

「まさか、ここまで荒れ果ててしまっているとは……」
 憂いを込めた声で、ロベルダは呟きました。馬から降りた足は、くしゃ……と風に転がる紙くずを踏みます。
 その手は馬の手綱を握り引いており、後ろには兵士たちが率いられています。
 既に人が住んではいないのは知っていたが、まさかこれほどまでに荒廃してしまっていたとは……。予想を越えた光景に、思わず呆然として立ち尽くしてしまうほどでした。
 ネルガルの起こした砂の猛威は、この地にまで及んだということでしょう。
 ニヌアから東へと向かった先にある地、ヤンジュス
 この地は、かつて先代領主{boldシグラッドの時代に別荘として建てられた城のある場所でもありました。シグラッド自身が心を休める土地でもあり、また、ときどき家族団らんの時間を過ごすため空間でもあったのです。もちろん、シャムス、そしてエンヘドゥもまた、幼い頃はよくこのヤンジュスの地に家族で足を運んでいたものでした。
 ヤンジュスに住まう民たちも、シャムスたちの滞在を待ちわびており、心温かく歓迎すると、ともに遊び、暮らし、楽しい日々を過ごされていたものです。
 しかし、それも……ロベルダの見るこの光景では、既に幻のようでした。
 そんな荒廃した無人の地を先へ向かって歩いていると、やがて目的地にたどり着きました。それは、シグラッドの別荘でもあり、万が一に備えたもう一つの城。ヤンジュスの城です。
 ですが、そこにあったのは……
「ロベルダさん、あれは……」
「……まさか」
 兵士とともに見つめた城の周りには、蠢く獣や土人形の姿がありました。信じたくはない。しかし、それは明らかにモンスターたちであり、彼らは城を徘徊するようにして動き回っているのです。
 いや、城の外だけのことではなさそうでした。よく見ると、城の中にまでモンスターたちの姿があるようです。
「なんと言うことだ……」
 ロベルダは呆然とつぶやきました。
 そこにあったのは、モンスター城とでも言うような、魔物たちに支配された城でした。荒廃し、人を失った地で蠢くモンスターたちの光景は、いっそ悪夢かと思わしきものです。
(エリシュ・エヌマのヒントが残されているかと思ったが……これでは)
 ロベルダは苦虫を噛み潰すような表情になります。
 そう。かつてシグラッドが生きていた頃、万が一ニヌアが襲われたときに重要な書物や文献が敵の手に渡らぬよう、城の地下に保管庫を作っていたのです。無論、それだけに限らず、シグラッドは用意周到と言うに相応しい人物でした。となれば、もしかすると何らかの役に立つものが残されているかもしれません。
 ロベルダはそれを期待してここまでわざわざ足を運んだのですが――まさか城にモンスターたちが徘徊しているとは。
(これは……あきらめたほうが良いでしょうか)
 率いた兵の中にはシャンバラの契約者たちもいるとはいえ、このままモンスターたちと戦うのは分が悪いのではないだろうか。まして、そこに何かあるという確証はないのだから。
(ですが……)
 ロベルダは老人のそれとは思えぬ鋭い瞳で城を見つめました。
 モンスターたちが城を徘徊しているのは、なぜだろう? ネルガルの支配下におかれた彼らが暴走し、ただそこを根城にしているだけ……とも考えられるが、こうも思えます。もしかすると、何かわけがあるのか……とも。
「…………」
「ロベルダさん……?」
 考え込んだまま黙り込んでいるロベルダに、兵士の怪訝そうな声がかけられました。
「……やりましょう」
「え……」
「ここまで来たのです。ヤンジュスの城を得ているだけでも、損にはならないはず……」
 ロベルダは、兵士たちを振り返りました。
「皆さん、お願いできますか?」

 南カナン東の地、ヤンジュスへとやってきたロベルダ。はたしてモンスターたちの徘徊するそこには何があるのか? ヤンジュスの開拓は、皆さんの手にかかっています!

担当マスターより

▼担当マスター

夜光ヤナギ

▼マスターコメント

初めましての方は初めまして。
そうでない方はお世話になっております。
バレンタインデーに自分で創作チョコを作って寂しくなったMS、夜光ヤナギです。

【内容補足】
今回のシナリオは、【カナン再生記】南カナンのサイドストーリーとなっております。

●ヤンジュス
南カナンの東に位置する土地であり、かつてはヤンジュスの村がありました。
ヤンジュスには広大な森と湖があったことから、先代領主シグラッドはそこに別荘として第二の城を構えることに。
現在ではネルガルが起こした砂の影響で村も廃墟と化し、城もモンスターの徘徊する荒廃した土地となっているようです。
とはいえ、もともとは南カナンの首都ニヌアから離れていることもあって最初の侵攻しか受けなかったのでしょう。
大半は荒野となっており、砂地となっている部分はいまだごくわずかになっています。

●ヤンジュスの城
ヤンジュスの城は、先代領主シグラッドが別荘として建てたものです。
しかし、その裏には、重要な書物や文献など、後世に残すべき貴重な品を後世に残すことや、万が一ニヌアが侵攻された場合の第二の拠点としての役割などもあったようです。そのため、城自体は通常よりも軍事的要素が強く、見た目の落ち着いた雰囲気からは想像できぬほど頑丈に出来ています。
その全容はどこまで明らかになっているか分からず、ロベルダでさえ地下に保管庫があるということしか城の秘密は聞いていないようです。
ただ、もともとシグラッドは理知的な思考を持ち合わせた秘密にこだわる人物とのこと。用意周到な彼だからこそ、恐らくはさまざまな仕掛けが施されているのではないか、とロベルダは睨んでいるようです。

●モンスターについて
モンスターは一つ目のサイクロプスやオーク、ベアウルフなど、亜種族の魔物が多いようです。
オークとベアウルフは魔法に弱い下級モンスターです。徒党を組んでいることが多いため、リーダー格だけは鎧を剣を持って攻撃を仕掛けてきますが、下級モンスターであることには変わりありません。
注意すべきはサイクロプスであり、彼らは打撃に関してはプロフェッショナルと言えるでしょう。一撃の威力は計り知れません。そして体力自慢でもあります。とはいえ、彼らは魔法に耐性がほとんどないですので、そこが攻めどころかもしれません。

●NPCについて
【ロベルダ】
南カナンの領家に代々仕えてきた老執事。
シャムスとエンヘドゥのことを一番よく知る人物であり、自分の子供のようにも思っている。
語らずも、誰よりも二人にとって味方である。


※以上はアクションを考える上での参考情報です。あくまで参考となるものなので、必ずしもMCやLC自体がそれを知っている前提でなければならない、ということはありませんのでご安心下さい。(もちろん、周知を前提にされても結構です)

▼サンプルアクション

・ロベルダとともに城を探索する

・徘徊しているモンスターを退治する

・単独で城の中を探索する

・夜に備えて食事の準備をする

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年03月03日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年03月04日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年03月08日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年03月25日


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