あなたの街に、魔法少女。 リアクション公開中! |
シナリオガイド空京が起業ブームに沸く中、魔法少女のあり方にも変化の兆しが……?
シナリオ名:あなたの街に、魔法少女。 / 担当マスター:
猫宮烈
シャンバラの首都として賑わいを見せる都市、空京。 『老若男女、誰でも魔法少女になれます!』 そんな触れ込みで企画されたツアーがありました。 これは『INQB』という会社が企画した旅行ツアーで、会社所属のゆる族とツアーの最中で親睦を深め、契約を果たすことで魔法少女になれる、というものでした。 そのツアーは地球人限定でありながら、予約開始と同時に定員が一杯になるという人気ぶりでした。それは心の何処かに、魔法少女に対しての憧れがあったからなのかもしれません。 「ボクと契約して、魔法少女になろうね!」 「キャー! やだ、この子すっごい可愛いんだけどー!」 空京でゆる族と出会った旅行者は、期待に胸をときめかせながら、ツアーへと旅立つのでした――。 「そんな……こんなのって、酷すぎますよ……」 「ええ……これは予想以上に、深刻ですね」 翌日、変わり果てたツアー参加者を前に、飛鳥 豊美(あすかの・とよみ)と飛鳥 馬宿が呻きを漏らします。 「もう、私には夢も希望もないわ…… ああ、シャンバラ大荒野が私を呼んでいるわ!」 「でもウチら契約してないじゃん」 「そうね……ま、この際誰でもいいわよね……」 ツアーに参加した旅行者は皆、一様に虚ろな目をし、やさぐれていました。 しかし、彼らはまだいい方です。ツアー参加者のうち数名は、行方不明になってしまいました。 本当に契約を果たして魔法少女になれたのか、あるいは……。 どちらにせよ、あまりいい想像は出来ません。 「魔法少女への憧れの気持ちを踏みにじるなんて、許せません! お仕置きです!!」 「ま、待ってくださいおば……豊美ちゃん。闇雲に動いても無駄足を踏むだけです」 直ぐに飛んで行こうとした豊美ちゃんを、馬宿が制します。 「今のままでは、魔法少女に対して悪いイメージを抱かれてしまいます。その前にこちらも対策を講じる必要があるでしょう」 「……そ、そうですねー。ウマヤド、何かいい案はありますか?」 豊美ちゃんが尋ねると、馬宿が思案した後、口を開きます。 「これからは魔法少女も、積極的に表に出る時代なのかも知れません」 一週間後、空京に新たな会社『豊浦宮』が設立されました。 会社設立に当たってのスローガンは『あなたの街に、魔法少女』。 「街の住民に、実際に魔法少女の活動を見てもらうことが、地味であるようでいて確実な方法であると思います。 憧れだけでは、現実を知った時に深く絶望します。先に現実を教える事で、魔法少女への疑いを逸らし、かつ、憧れを抱いていた者は次の段階へと進むことが出来るのです」 「なるほど、私たちがお手本になるということですねー」 「そういうことです。派遣する魔法少女の当ては、豊美ちゃんが把握している方々でつけられるでしょう。 ……そして、実際に各地で活動を行ってもらうわけですが、おそらく『INQB』の手の者が妨害を試みるでしょう。 彼らは魔法少女への憧れを食い物にすることで商売を成り立たせています。魔法少女が浸透すれば、それも成り立たなくなりますから」 「つまり、そこを私がお仕置きすればいいわけですね!」 「……穏便にお願いしますよ、おば……豊美ちゃん」 こうして、『豊浦宮』所属となった魔法少女は、それぞれの地へ魔法少女として飛んでいくのでした――。 ……さて、問題の旅行会社『INQB』では――。 「おい、聞いたか? ついにあの豊美が動き出したって話」 「ば、バカ! 豊美ちゃんって呼ばないと消されるぞ!」 「そうだぞ、地球じゃ今でも語り継がれている伝説の魔法少女なんだ。 ……あぁ、俺、この会社にいていいのか心配になってきた」 「俺、辞表提出しようかなあ……俺たちのしたことがバレたら、間違いなく消されるよ……」 オフィスでは、ぬいぐるみにしか見えないゆる族たちがヒソヒソと、うわさ話をしていました。 「おまえたちーーー!! まだ就業時間だぞ! 無駄話をしているヒマがあったら、仕事しろーーー!!」 そこに、『INQB』社長、馬口 六兵衛の怒号が響き、ゆる族たちがビクッ、と振り向きます。 「しゃ、社長! ですが、【終身名誉魔法少女】豊美ちゃんが動き出したって話ですよ!? 俺たちに何が出来るって言うんです? 俺たち社長と違って、契約者を魔法少女になんて出来ませんし」 「つうか、なんスかあいつら!? こっちが魔法少女の何たるかを説いてやったら、まるで絶望を味わったような顔しやがるし! それに仲間の何人かは、無理やり契約されて空京から連れ出されちまいましたし」 「もうわけがわからないッスよ! 人間の考えることにはついて行けないっス」 一人の社員であるゆる族の言葉に、ウンウン、と頷く他のゆる族たち。 ……どうやら、『魔法少女になれる』というのは全くの嘘だったようです。あと、行方不明になったと思われていたのは、パラミタ世界に興味を持った地球人が、列記としたゆる族である彼らと半ば一方的に契約を果たし、勝手に空京を出て行ったからだそうです。 「あれはおまえたちのやり方が……まあいい。 魔法少女に出来ないなら、既に魔法少女な契約者をパートナーにすればいいだろ!」 六兵衛の言葉に、社員たちはピキューン、と何かを悟ったような表情を見せます。 要は、既に魔法少女な契約者に、ある種の者には抗いがたい魅力を秘めている自らの容姿で以て取り入り、『INQB』所属の魔法少女になってもらい、『豊浦宮』の経営を邪魔してしまえ、というものでした。 「おまえたちの家が建つか、墓石が建つかは、おまえたちの働きにかかってるんだぞーーー!!」 「お、オッス!!」 弾かれたように、社員たちがオフィスを後にし、魔法少女と契約を交わそうとします。 それは、何よりも自らの命を明日へ繋ぐためでした。 「……ふぅ……やれやれ、魔法少女探しも楽じゃないッスねぇ……」 社員を送り出した六兵衛が、壁時計を見ていけね、と呟きます。 「魔穂香さんにご飯作らないと」 湯気を立てるご飯を手に、六兵衛が『社長室』と書かれた扉をノックします。 「魔穂香さん? ご飯が出来ました」 んー、と投げやりな返事が返ってきたのを確認して、六兵衛が扉を開けると、黒革張りのソファにだらしなく寝転がってテレビを見ている少女、馬口 魔穂香がいました。 「魔穂香さん、またそんな格好して、制服がシワになっちまいますよ。後、ジャージはダサいッス」 「あー……ま、いいんじゃない?」 ふわぁ、と欠伸をしながら答える魔穂香は、魔法少女の格好をしていますが、スカートの下にジャージを履いていました。 「よくないッスよ! それ、アイロンかけるの大変なんスからね?」 「あーはいはい、分かった分かった……」 六兵衛の言葉を無視するように、鷹揚に頷いて魔穂香が起き上がり、六兵衛の用意したご飯に手をつけます。 「はぁ……魔穂香さんももうちょっと、魔法少女としての自覚を持ってほしいッスねぇ……」 ご飯の湯気に紛れて、六兵衛の呟きが天井に消えていきます――。 担当マスターより▼担当マスター ▼マスターコメント
猫宮・烈です。 ▼サンプルアクション ・『豊浦宮』所属の魔法少女として活動する ・『INQB』所属の魔法少女として活動する ・フリーの魔法少女として活動する ・新しく会社を興してみる ▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました) 2011年04月14日10:30まで ▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました) 2011年04月15日10:30まで ▼アクション締切日(既に締切を迎えました) 2011年04月19日10:30まで ▼リアクション公開予定日(現在公開中です) 2011年05月19日 |
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