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盗まれた機晶爆弾

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シナリオガイド

空京大パニック!? テロを防げ!
シナリオ名:盗まれた機晶爆弾 / 担当マスター: 泉 楽

 空京――。
 新シャンバラ王国の首都であり、日本の上野駅からの直通の新幹線の終着駅であるため、逸早く地球の物、人、そして情報が入ってくる場所でもあります。
 この地に二〇二〇年度新設されたのが、空京大学です。新しい学校のため、これといった校風はないものの、生徒たちは皆、明日のシャンバラのため研鑽を積んでいます。
 空京大学には多種多様な民族が、多種多様な科目を学んでいますが、その中に機晶石の研究室があります。機晶石についてはシャンバラ教導団が一歩リードしていますが、必ずしも彼らの専売特許ではないということです。
 しかし――、


「ど、どうしよおおおお!?」
 西門 基樹(さいもん・もとき)は、絶望の余り、悲痛とも言える叫び声を発しました。もう少し文学的に表現するなら、「この世の終わり」とでも言いましょうか。
「おうっ、どうした!?」
 その声を聞きつけ、王 大鋸(わん・だーじゅ)が顔を出しました。風貌は恐ろしげですが、福祉科に通う心優しいヤンキーです。
 基樹は蒼白プラス涙でぐしゃぐしゃになった顔で振り返りました。
「どうしたんだよ? おい、泣いてちゃ分からねえだろ!」
 基樹を睨み付けた大鋸は、その後ろの棚に気が付きました。戸が開いています。中には何も入っていません。空です。
「……何が入ってたんだ?」
「……だん」
「え?」
「機晶爆弾です……」
「…………何だと?」


 基樹は機晶石の中でも、特に機晶爆弾について研究していました。それこそシャンバラ教導団の得意分野のような気がしますが、実は彼はミリタリーオタクだったのです。あくまでオタクなので、教導団ではなく蒼空学園、そして空京大学へと進学しました。
 だからといって、何も新しい兵器を開発しよう、などと考えていたわけではありません。機晶爆弾から、パラミタの古代文明を解明しようという、高尚な使命感(と趣味)故の研究対象です。
 もちろん、棚には鍵をかけてありました。しかし今、その鍵は何ら意味をなさなかったと言わんばかりの状態です。取り敢えず、早い内に学校中の鍵を取り替える必要があるかもしれないと大鋸は思いました。
「お、お願いですから、他の人には言わないでください〜」
「そういうわけには、いかねえだろ!」
 アクリト・シーカー(あくりと・しーかー)は空京大学の元学長です。現在は辞任して一教授に過ぎませんが、天才数学者であると同時に優秀なテクノクラートの彼なら、学生である自分たちよりもきっと良い解決方法を考えてくれるはずだと大鋸は思いました。
 大鋸は泣いて懇願する基樹を、アクリトの部屋へ引っ張っていきました。二人の話を聞いたアクリトは、僅かに顔色を変えました。
「それで、盗まれたのはどんな種類の爆弾だ? 数は?」
「い、五つです……」
 学長を前にして、基樹は一八〇センチ近い身体を小さくしました。
「何でそんなに持ってんだよ?」
 大鋸の呆れた問いに、実は幾つかの学校に親戚がいて、協力してもらったのだと基樹は答えました。
 幸いにして機晶爆弾はよく集まり、種類別にしてさあ詳しく調べようとしていた矢先の事件です。
 基樹が言うには、盗まれた機晶爆弾は五つ。

・時限式機晶爆弾(破壊力は小さい。契約者なら火傷をするぐらいですむが、普通の人間なら重傷を負うことも
・手榴弾(使いようによっては戦車一台を引っくり返すだけの威力がある)
・地雷式(体重の移動によって作動。踏んだ当人及び周囲の人間は致命傷を負いかねない。契約者なら重症
・停電爆弾(文字通り、電気を止める。人体には無害だが、使いようによっては致命的)
・ナパーム弾(周囲を焼き尽くす。ただし不発弾。衝撃を与えなければ爆発しない。破壊力は五つの中で最大)

 最後のナパーム弾を聞いたとき、「何でそんなものを!?」と大鋸は怒鳴りました。
「お、俺が作ったんじゃないんですもん!」
 二人の会話をじっと聞いていたアクリトは、「ふむ……」と呟きました。
「棚に鍵はかけてあったんだな?」
「も、もちろんです」
「合鍵は?」
「教授と俺と研究室の仲間だけです。で、でも、教授やみんながそんなことするわけがないですし」
「鍵なんて、【ピッキング】がありゃ意味ねえだろ」
 アクリトは黙って引き出しから封筒を取り出しました。宛名も差出人もありません。
「事務所のポストに入っていたらしい。中を読んだ者が驚いて、一先ず私のところへ持ってきた。読んでみたまえ」
 大鋸は封筒を振り、明かりに透かし、中にカミソリなどが入っていないのを確認すると、それを机の上に空けました。ぱさり、と三つ折りの紙が落ちてきました。
「こ、これは……!」
 恐る恐る手紙を読んだ基樹が声を上げました。
「今時、切り貼りかよ。俺様だってやらねえぞ」
 大鋸は呆れたように言いました。
 そう、それは、新聞の活字を切り抜いた脅迫文だったのです。
 内容は、「空京大学は空京から出て行け」といったものでした。「さもなくば、己の刃が己へ向けられるであろう」とも。
「これはもしかして、……テロってやつか?」
 大鋸の声には、怒りが含まれています。無関係の人間を巻き添えにするテロは、彼にとって決して許せるものではありません。その横で、ひいっ、と基樹が叫び声を上げました。
「ただの悪戯でないことは確かだ。実際に機晶爆弾が盗まれているのだからな……」
 アクリトは考え込みました。そして、
「おそらく、狙われるのは我が校と空京の街そのものだろう。非常事態だ。我々は全力でこの件に当たらねばならない!」


 五つの機晶爆弾はどこへ仕掛けられたのでしょうか? 
 空京の街、学校、そして何より人々を救うため、爆弾を見つけ、早急に回収してください!


担当マスターより

▼担当マスター

泉 楽

▼マスターコメント

 空京の皆様、初めまして。泉 楽(いずみ・がく)です。
 今回のシナリオは、盗まれた五つの機晶爆弾を見つけ、始末をつけることにあります。爆弾は以下の通りです。

・時限式機晶爆弾(破壊力は小さい。契約者なら火傷をするぐらいですむが、普通の人間なら重傷を負うことも)
・手榴弾(使いようによっては戦車一台を引っくり返すだけの威力がある)
・地雷式(体重の移動によって作動。踏んだ当人及び周囲の人間は致命傷を負いかねない。契約者なら重症)
・停電爆弾(文字通り、電気を止める。人体には無害だが、使いようによっては致命的)
・ナパーム弾(周囲を焼き尽くす。ただし不発弾。衝撃を与えなければ爆発しない。破壊力は五つの中で最大)

 犯人については、現時点では判明していません。志を同じくする者、或いは単なる愉快犯の協力者として参加することも可能です。その場合は、爆弾を仕掛ける側に回ってください。ただし、スキル【破壊工作】か【トラッパー】か【テクノパシー】のいずれかを装備して下さい。ない場合は、仕掛けることは出来ません。

 仕掛けられるであろう場所は、空京大学か空京の街になります。細かい位置(校内であれば食堂、体育館etc 街であれば駅、政府庁舎、ショッピングセンターetc)は分かりません。仕掛ける側は場所を明記。探す側は推理してください。
 ただし、【トラッパー】を装備していれば、「自分ならどうする」という考えの下、「ただ探す」というアクションのみで見つけることが出来ます。何も持っていない場合、推理が外れれば見つけられません。
「解除(解体)する」というアクションは、【トラップ解除】か【機晶技術】を装備、もしくはどちらかのスキルを装備した人と一緒に行動すれば可とします。
 上記以外のアクションでも、納得できる方法とスキルであれば構いません。また、アクリトの元へ無事届ければ、解除できるものとします。

 なお、空京学生以外でも参加は可能です。「遊びに来ていた」「学校見学に来ていた」等々あれば、リアクションに反映されるかもしれません。

▼サンプルアクション

・爆弾を探す

・爆弾を解体する

・一般人を避難させるor一般人として避難

・テロリストの仲間(協力者)として、テロを行う

・テロリストを探す

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年06月20日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年06月21日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年06月25日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年07月08日


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