百合園女学院

　ここ最近、空京ではあるお寺が女性の間で噂になっていました。
「女の子による、女の子のためのお寺」というキャッチコピーで人気を博しているそのお寺は、
　男子禁制の尼寺で「Can閣寺」（きゃんかくじ）という寺名だそうです。
　宗派や教えが公表されていないにも関わらず、入山したがる者が殺到しているといいます。
　そのCan閣寺がなんと今回、「一日お寺体験」を行うらしく、希望者を募っているとのことです。
　老若男女問わず窓口を設けるそうですが、敷地内は男性の立ち入りが禁止されています。
　そこでCan閣寺は、お寺のすぐ近くに急遽「庵々」（あんあん）という庵を用意し、
　庵とその付近で様々な修行を体験できることにしたようです。

　そして、空京大学の掲示板でたまたまその募集を知ったのが、英霊の紫　式部（むらさき・しきぶ）でした。
「女の子は、もっと可愛くなれる！　尼寺体験でモテ度アップを狙っちゃおう！」
　張り紙に書かれた文面を目で追いながら、式部は呟きます。
「……なにこれ」
　お寺のイメージにまったくそぐわない謳い文句でしたが、しかし式部の興味をそそったのも事実でした。
「モテ度アップ……う、うさんくさいけどまあアレよね、何事も経験っていうか」
　どうやったらモテるようになるか日々追求している式部は、こっそりこの催し物への参加を決めたようです。

　時を同じくして、空京の市街地では。
「きゃああああっ！！」
　昼間にも関わらず、女性の悲鳴が聞こえていました。
　原因は、数日前から空京で起こっている通り魔事件です。
　と言っても、被害者は怪我をしたり殺されたりはしていません。
　この通り魔はどういうわけか、女性の衣服だけを切り刻み、そして逃走を繰り返していました。
　被害者たちが聞いた話によると、どうも犯人は女性に強い恨みを持っているようです。
　今回の被害者も例に漏れず、衣服が部分的に切り裂かれていましたが、外傷はありませんでした。
　しかし、だからと言ってこのまま犯人を放っておくわけにもいきません。
　女性の衣服は、この世においてとても大切なものであり、守らなければいけない宝物だからです。

　そこで、二名の人物が、犯人を懲らしめるべく立ち上がりました。
　ひとりは葦原明倫館の新入生、龍杜　那由他（たつもり・なゆた）です。
「女の子を恥ずかしい目に遭わせるなんて、最低！　そんなヤツ、あたしが叩きのめしてやるんだから！」
　正義漢の強い彼女は、今回の事件に強い憤りを感じているようです。
　そしてもうひとりは。
「か弱き女性ばかりを狙うとは、なんと卑劣な。拙者が成敗いたす」
　がっちりした体型を和服で包み、荘厳な口調でそう告げたのは、流浪の侍、渡辺謙二（わたなべ・けんじ）でした。
　武士道をモットーとする彼は、まっとうな生き方をしていない犯人が許せないのでした。
　しかし、たった二名では犯人の確保は難しいでしょう。
　もし犯人の魔の手がお寺まで伸びれば、体験学習に参加している者たちが被害に遭うことも考えられます。
　被害を最小限に抑えるため、どうか彼らに協力してあげてください。


※当シナリオのＬＣ追加は、１ＭＣひとりまでとさせて頂きます。ご了承ください。

マスターの萩栄一です。
今回のシナリオは、お寺で体験学習をするパートと、通り魔を捕まえるパートに分かれています。
アクションをかけられるのは、どちらか一方のパートとなりますのでご注意ください。
MCが体験学習、LCが通り魔を捕まえる、というようなことは出来ません。
また、ガイドにもある通り１ＭＣにつきＬＣの追加はひとりまでとさせていただきます。
ふたり以上のＬＣを参加させた場合、ふたり目以降は没とさせていただきますのでご了承ください。

舞台は空京で、知らせは全校に出ているため学校の制限はありません。
所属学校関係なくどこに所属している方でも遠慮なくご参加ください。

ここからはシナリオ内の設定についての捕捉です。よくお読みの上アクションをかけてください。

【一日体験学習パートについて】
体験学習は全部で三つあり、どれかひとつを選ぶ形となります。
以下の三つが、体験学習の内容となっています。
坐禅アクション……坐禅をします。心の中のセリフをアクションにご記入ください。その結果次第で叩かれたりします。
滝行アクション……滝行をします。濡れたい方はこちらをおすすめします。またそれをのぞくことも可能です。
托鉢アクション……托鉢をします。街に出てお金を集めてもらいます。方法は自由です。

【通り魔捕獲パートについて】
今回、那由他と謙二の二名が率先して犯人確保に名乗りをあげています。
どちらと関わっても構いませんし、どちらにも関わらず独自に犯人を捕まえても構いません。
渡辺謙二は、ダンディな中年男性です。現代に侍の魂を蘇らせんとする古風な考えの持ち主です。

今回はややコメディ寄りのテイストでいこうと思います。
もちろんアクション次第ではシリアス要素も入ってくるかと思います。
皆様の奇想天外なアクション、楽しみにしております。

・坐禅アクション

・滝行アクション

・托鉢アクション

・通り魔を捕まえる