百合園女学院

「新年明けて早々ですまんな。急に呼び出しちまって。俺ひとりじゃ手が回らなくてさ」

　ダンボール箱を抱える王　大鋸（わん・だーじゅ）は孤児院に集まったコントラクター達に笑いかけます。
　箱の中にはハサミやノリや色紙が入っています。

「先日子供達にせがまれて勢いで約束しちまったんだけど、なんつーか、首が回らなくてな」

　孤児院はとても静かでした。パートナーのシー・イーが子供達を引き連れてどこかに行っている様です。

「クリスマスも生誕の祝いでもあるんだって話をしたら子供達が興奮してな。誕生日も知らねぇ奴もいるから丁度いいかなーって考えてたんだが。ほら、地球の日本って所は昔誕生日は正月にやるって聞いたからさ」

　彼の福祉活動が活発になるに比例して孤児院に預けられる子供の数も増え、そこで発生した誕生日問題の一括解決を目論んだものの、クリスマスやその時々の行事をこなすのが精一杯で誕生会に回す余裕が今回はないようでした。

「しかも俺としたことがでっかいことやるぞーって先に宣言しちまって」

　しかし、毎日が忙しく準備するための準備もままならず、今日その日を迎えてしまった様です。

「そんでさ、だからってわけじゃねぇが、手伝って欲しいんだ」

　大鋸は何を思い浮かべたのかはっきりわかるほど、照れて笑います。

「それに人数は多いほうが賑やかでいいしな」

　あけましておめでとうございます。保坂紫子です。
　今年もよろしくお願いします。



　新年早々ですが、自分の誕生日も知らない子供達の為に孤児院でお誕生日会を開くことになりました。　
　子供達が外に遊びに行って帰ってくる前に広間の飾り付けと料理にケーキ作りにと少しだけ慌ただしいですが、
　皆と一緒にお祝いする皆の為のお誕生日会。
　今夜は子供達にとって胸に残る日になることでしょう。
　

・広間の飾り付け。

・料理やケーキ作り。

・楽器演奏でミニコンサート。

・隠し芸披露。