ピクニックで恋活、婚活中の女性急増中!!
結婚は人生の中間セーブ地点である。決して人生の墓場などではない。と、私は思っている。
それは新たなスタートであると同時に、やり直す原点となる地点ではなかろうか。
だが、大抵このようなことを主張すると、同期たちが口を揃えて「お前は考えが甘すぎる」「お前は女を知らなすぎる」「お前は顔が貧相すぎる」云々と反論してくる。顔の話は余計だ。
そんな私は先日、原稿を仕上げるため立ち寄った空京の喫茶店で、隣の席の女性二人がこんな会話をしているのを耳にした。
A「ピクニックのお祭りで婚活?」
B「ふっふっふ。さて、六月と言えば?」
A「えっ何ですかそれ。梅雨?」
B「ちょっと、そんなんだから恋人できないのよ! 六月と言えばジューンブライドに決まってるじゃない!」
A「はあ……ああ、そうですね。でも、それとピクニックにどう関係が?」
B「卯月祭にピクニック用のお弁当をたくさん持っていって、お腹を空かせていそうな男をバシバシ逆ナンするのよ!!」
卯月祭といえば、ヒラヒプラ南西で空京にほど近い、小高い丘で数日間にわたり開催されている祭りである。
調べてみれば、ウサギの精霊が卯月に告白をした、という逸話を元に開催され始めた祭りだそうだ。
その丘は眺めも良く、その周辺にしては比較的治安の良い場所だとは聞いている。
A「逆ナン……ですか」
B「あ、片思いの人がいるんだっけ? じゃあデートに誘ったらどう?」
A「片思いというか、なんというか……これって、カップルの人が結婚までの距離を縮めるとか、そういうためであって、その」
B「なんで怖じ気づいてるの! 恋愛は行動を起こさねば決して掴み取れないのよ!!」
A「……でも、仮に恋人になれたとして、ジューンブライドまでの期間が早すぎるんじゃ……?」
B「一ヶ月もあれば電撃結婚できるでしょ! さあ、王子様を取っ捕まえにいくわよ!!」
と、隣の席の二人はこのようなことを言いながら、騒々しく喫茶店を出て行ったのである。
なるほど、卯月祭というのは毎年好評な祭りだと聞いていたが、このようなイベントを数多く行い、女性層を取り込んでいるのならそれも納得できる。
祭りでナンパをする、片思いの人と恋人になる、カップルが距離を縮める、結婚相手とデートに行く、さらには目の保養のために友人と遊びに行くなどなどと見事に様々な層に需要があるようである。
というわけで早速、私もこの祭りに潜入して次回の特集記事を書くことにした。
この記事を読んだ恋活・婚活中の皆さんも、是非参加してみてはいかがだろうか。 (とある年齢=彼女いない暦の記者 Y)