百合園女学院

「人を喰らう化け物達が蔓延る町……」
　肩のしたまで髪を伸ばしたマリア・ラヴェルは険しい表情でぽつりとつぶやきました。

　ツァンダの東よりに位置する町、デスバルト町。
　所狭しと並んだ木製の家が並ぶ、苔の生えたレンガ通り、まるでホラータウンを感じさせるようなこの町にマリアは来ています。

　この町には、古い城にまつわる言い伝えがありました。
「――かつて、善良な民の中に紛れ、“恐ろしいもの”を復活させるために、狼の姿となって人を喰らい続ける化け物たちが居た――」

　そしてここ最近では、夜になると神隠しが起きていました。
　神隠しが起こるようになったのは、町の中心部にある古い城に封印されていた【指輪】が、行方不明になってからだといわれています。
　言い伝えに加えて神隠し、そして夜の恐怖に怯え、絶対外には出てはならないと町人達は震える毎日を過ごしてきました。

　そんな町人達の悲鳴を聞きつけ、神隠しを阻止するためにマリアと契約者達はこの町へとやってきたのです。


「無事に指輪を回収して帰れるかしら……」
　マリアは町の奥にうっすらと見える、古ぼけた城を見上げます。
　また、胸がざわつくような嫌な予感を感じながら調査に入るのでした。

　マリア達が訪れた今日、この日がまさに化け物達の決起の夜になるとは知らずに……。

　お久しぶりです。もしくははじめまして朱坂理樹です。
　今回は人を喰らう化け物が住まう町、神隠しです。
　皆様にはぜひとも、この町の神隠しを解決していただきたいです
　今回も精一杯マスターとして努めさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

■皆様の出来ること、パートについて
当シナリオで出来ることは大まかに分けますと、以下の二つになります。
・調査アクション（朝・昼）
　朝と昼のみ行動いたします。こちらの調査は町の人達に聞き込みを行う。
　もしくは城について調べるなどが可能です。
　こちらの調査次第では、夜に襲われる一般人（町人）への被害を減らすことができるなどに影響します。

・撃退アクション（夜）
　夜にたくさん現れると思われる化け物達を撃退するアクションです。
　姿を現し、一斉におそってくる人狼たちと戦います。
　一般人に扮して、おとりになり人狼を引きつけるなどの一部戦いではないアクションも可能です。
　ただし、城の調査は出来ません。（足下が悪い上に、化け物であふれるため）

　以上、どちらかのアクションのみとなります。
　アクションに記載する際はわかりやすく【調査アクション】や【撃退アクション】と書いてくださると幸いです。

■言い伝えと化け物（人狼）について
　朝と昼は、どこからどうみても普通の人間。
　しかし、夜になった途端、狼人間へと変化する。つまり、人狼（じんろう）です。
　　ただし、狼人間の間は人間の言葉を喋りません。

　人狼たちは”大いなる存在”（恐ろしいもの）を復活させるために
　リーダーなる人狼に従って町の人々に襲いかかります。
　
　”大いなる存在”を復活させるためには数百以上の犠牲者の血を捧げることで
復活させることが出来るようです。
　そのために人狼たちは今日、町の人達全員を喰らいつくすつもりでおそってきます。

　人狼のボス
　通常の人間サイズである人狼たちの中でも
　高さ３メートルの巨体を持つ人狼。
　城から盗んだ指輪を使って人狼を増やし、従えます。

■デスバルト町と古い城について
　レンガ通りも苔だらけ、木製の家も黒ずんでおり、またとても年月を感じる古ぼけた町です。
　その町の中央に古い城、”デスバルト城”は存在します。

　現在、デスバルト城には誰も居ません。
　言い伝えでは、この城で昔政治を行っていたと言われています。
　
　観光客を増やすために城を観光地としようとしたこともありますが
　城自体、とても古く、いつ崩壊してもおかしくない状態になっていること、スライムのような弱いモンスターが潜んでいること。
　そしてなにより、何故か侵入者を拒む”撃退用の魔法トラップ”が仕掛けられているために、放置されることとなりました。

　しかし、学者達によると”あの城には人狼に関する大事な資料がある…”と噂されているそうです。

マリアについて
　マリア・ラヴェルは２０代前半の女性で、グランツ教の幹部クラス「テンプルナイツ」です。
　また、テンプルナイツは美男美女が多く、その中でもマリアは高潔さもあり信者達から慕われています。

　しかし、幾つかの事件を経て、マリアは自らが所属する「グランツ教」に疑問を持ち始めています。
　そのために、最近ではグランツ教が関わると見られる闇の部分を探ろうとしているようです。

　テンプルナイツに居続けるためにも上司に従事し、今回はある命令を受けてきています。

・調査アクション（朝・昼）

・撃退アクション（夜）