百合園女学院

ぽたり、ぽたりと天からの水が降ってきます。季節は夏、梅雨を迎えようとしていました。
普段なら憂鬱な日でしかない雨天の日は、特別な日だけ、祝福をもたらす時間となります。

天から水が降って来る日のみ舞うという、梅雨の宴『夏雫』。
その名の通り、夏の雫、つまりは梅雨入りの時期向けの舞いです。
日々舞いの稽古をしてきた有志の学生達による、滅多に見られない希少な舞いで、
それを見たものは心が洗われて思慮深くなる、集中力が上がり成績が良くなるとの噂が広まり
一目で良いから『夏雫』を見たいという者が絶えませんでした。

その舞いが、明日、葦原明倫館にて開催されます。
天からの雫を舞扇に受け、魅力せし舞い人達の伝説の作品。
「これは、見に行くしかないわね」

舞い人達はきらびやかな衣装をまとい、その華を咲かせる時を刻々と待っています。
「――私達の舞いで、雨の日に祝福を」

初めまして、GMの久遠 奏唄(くおん・かなた)と申します。この作品が処女作となります。
今年は一足早い梅雨入り。じめじめするこの時期はとても憂鬱です。
そんな憂鬱な時間を吹き飛ばすような、静かで雅やかな『和』をお届け致します。

○背景
『夏雫』が開催される前日の舞いの稽古終了時から描写が入ります。本番では面を付けず直面となります。
当日は舞いが開幕するまで、葦原明倫館の一部にて屋台が出現し、綿あめ・林檎飴・射的などを楽しむことが出来ます。
梅雨の宴が開催されるのが午前１０時ですが舞い人と売り子は午前９時には会場入りしてください。『夏雫』の開幕は午後４時です。座席数は１５０席程で立ち見席も有り。満員で入れないということはございません。
また、屋台は午後4時手前で閉まってしまいますので、屋台で売り子をしていた方も舞いを観覧することが出来ます。

○舞いの内容
幕ごとに舞う内容が違います。『夏雫』は１幕から６幕を全て舞い終え、終了となります。
舞い手を志願される方は、１幕から５幕の内どの幕を舞いたいかとその意図の記載をお願い致します。６幕は全員出演となります。
この幕にはこの特徴持つキャラクターのみ選択可能、という制限はございませんので自由に選択可能です。

１幕　神（神様が主人公の舞い。華やかな内容）
２幕　男（武士が主人公の舞い。戦物の内容）
３幕　女（美人が主人公の舞い。雅やかな内容）
４幕　狂（狂人が主人公の舞い。感情の高ぶりを舞いで表す内容）
５幕　鬼（荒々しい生き物が主人公の舞い。常に激しい動きをする為体力が必要）
６幕　祝（舞い人全員が主人公の舞い。華やかで明るい内容）

原則として、舞いたい幕については全員がそれの主人公（シテ、と呼びます）を担います。
シテを補佐する役割をワキと呼び、こちらは別の幕を志願した方の中から選びます。
別の幕でワキを担当しても、舞いたい幕では必ずシテを演じることが出来ますのでご安心ください。

○禁止行為
宴の開催を妨害すること、舞いが始まった後の途中入退場、舞いの途中で拍手を入れることの２点についてはご遠慮頂きますようお願い致します。
舞いとは神聖なもの。拍手を入れると舞い人の集中が切れてしまいます。


○舞い人、売り子、参加者
『夏雫』を舞う方は舞い人、屋台を出す方は売り子、屋台を出さず『夏雫』を見に来た方は参加者となります。
舞い人には舞い装束を身につけて頂きます。後日祝儀として報酬が支払われま。ただし屋台をまわることは出来ません。
屋台での売上は舞い人には及ばないものの、個人の収入に当てるもよし、寄付するも良しです。ただし店を畳むまで屋台を無人にすることは出来ません。
参加者には他PCとの出会いやLCとの絆を深めるイベントが発生します。
また、舞い人と売り子は当日和装をして頂きます。宴の雰囲気を保つ為ですのでご了承ください。参加者は服装自由です。

・舞い人として出演する。

・売り子として綿あめの屋台を出す。

・参加者として舞台を見たり屋台をまわったりする。