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八月の金星(後)

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シナリオガイド

その魚雷をかわせ
シナリオ名:八月の金星(後) / 担当マスター: 革酎

 パラミタ内海の、とある海域。

 シャンバラ海軍のロサンゼルス級新型機晶式潜水艦バッキンガムが、試験航行中に行方不明となった事件は、捜索部隊によって一部の乗員の救出には成功したものの、残る十数名の乗員救出が未だ達成出来ておらず、再度の救出作戦実行を余儀なくされています。
 しかしバッキンガムに搭載されている精神体物理化投影システムオーガストヴィーナスに謎の異常が発生し、更にはバッキンガムの中央管制システムが何者かに支配されていることが判明。
 バッキンガムの捜索に当たっていたオハイオ級巡洋型機晶式潜水艦ヴェルサイユは、救出作戦の主任務を担当すると同時に、もしもの場合には、バッキンガムを撃沈することも止む無しとの指令を受け、再び現場海域に急行せざるを得ませんでした。


     * * *


 ヴェルサイユ艦長ロベルト・ギーラス中佐は、浮上したヴェルサイユのセイル上で、遥か前方の海域を渋い表情で眺めています。
 ここから十数キロ先の海底には、バッキンガムが未だ着底しているままの筈――でした。
 ところが数時間前に入ってきた情報によると、バッキンガムは離底し、航行を再開したというのです。
 これまではバッキンガムが着底していることを前提として、取り残された乗員の救出作戦を作案していたのですが、航行を再開したとなると、話は全く別の方向へと変わってしまいます。
 ギーラス中佐は、思わず奥歯をぎりりと噛み慣らし、喉の奥で小さく唸りました。
「バッキンガムを動かしているのは……中央管制システムか」
「恐らくは……救助された乗員の話によれば、オーガストヴィーナスと中央管制システムが完全にリンクしている様子でして、この両者が事実上、バッキンガムを完全に支配しています」
 女性ながらヴェルサイユの航海長を務めるドリュー・バスケス少佐も、同じく渋い表情でギーラス少佐と同じ方角をじっと睨みつけていました。
 バッキンガムが何らかの意図を持って航行を開始した、ということは即ち、場合によっては潜水艦同士の戦闘にも発展する可能性があると考えられます。
 パラミタ内海では、潜水艦同士の戦闘が行われたという記録は見つかっていません。
 もしバッキンガムが謎の存在によって動かされており、シャンバラ海軍に対して敵対的な意思を持っているとすれば、シャンバラ史上初の深海戦闘が実施されるかも知れないのです。
 しかも相手は、オーガストヴィーナスによって海中での『視覚』を持っています。
 魚雷の撃ち合いとなった場合、ソナーだけに頼らなければならないヴェルサイユは、圧倒的に不利となってしまうでしょう。
「今回も、ウィシャワー中将はコントラクターに協力を要請するつもりだそうですね」
 軍港ケーランスの総督デルコ・ウィシャワー中将は、オーガストヴィーナスを搭載するバッキンガムが敵に廻った場合は最大級の脅威であると断定し、早い段階からコントラクターへの協力要請を出していました。
 しかもその内容は前回とは異なり、深海戦闘を想定した協力要請となっているのです。
 海上からは巡洋艦ノイシュヴァンシュタインが援護に廻るという話ですが、あくまでも最初の目標はバッキンガム艦内に残されている十数名の乗員の救出です。
 仮に戦闘となっても、極力乗員救出を優先し、それでも尚、手に余るようなら乗員の命よりもバッキンガム撃沈優先に切り替えるべし、との通達が出されていました。
「しかし……バッキンガムを乗っ取った連中の目的が一体何なのか……その点がはっきりしないのも、非常に気になる。果たして、こちらが描いた筋書通りにことが運んでくれるかどうか」
 ギーラス中佐は深い溜息をひとつ、漏らしました。
「確か、オーガストヴィーナスの根幹を為しているのは、オブジェクティブ・エクステンションとかいうシステムだったか……どうして上はよりにもよって、あんなものを組み込んだのか」
「聞いた話では、かつて学習型ウィルスがこのシステムを悪用し、無敵に近しい怪物を生み出したそうですね……そのようないわくつきのシステムを採用するなど、正気の沙汰とは思えません」
 ギーラス中佐に続き、バスケス少佐もまた、大きな溜息を漏らしました。

 何から何まで不利な材料ばかりが揃っている状況の中で、ヴェルサイユはバッキンガムを止めることが出来るのか――自信を持って答えられる者は、ただのひとりも居ませんでした。

担当マスターより

▼担当マスター

革酎

▼マスターコメント

■8月14日
マスターコメントを一部修正いたしました。


 本シナリオガイドをお読みくださり、ありがとうございます。
 タイトルからも分かります通り、本シナリオは『八月の金星(前)』の続編となりますが、前シナリオに参加していないお客さまでも、本シナリオには問題無くご参加頂けます。

 詳しい状況は『八月の金星(前)』の最終ページと本シナリオガイドで大体の内容が分かるようになっておりますが、以下の内容も全PCが事前に知っているものとして行動して頂いて結構です。

・バッキンガム艦内には、物理攻撃や魔法攻撃をほとんど受け付けない謎の敵が徘徊している。
・未だに取り残されている十数名の乗員は、謎の敵によって微粒子化され、どこかに連れ去られた。
・バッキンガムはSLCMに模擬弾頭しか搭載されていないものの、魚雷は全て本物を使用。
・オーガストヴィーナスなるシステムによって、海中に物理接触点を持つ映像体を射出することが可能。

 今回ご参加頂くPCの皆さんは前回同様、バッキンガムノイシュヴァンシュタイン(8月14日修正)かヴェルサイユの乗員として行動して頂きます。
 究極の目的はバッキンガムをケーランスに帰港させることですが、場合によっては撃沈することも止む無しの指示も出ています。
 その為、取り残されている乗員救助が極めて困難であり、バッキンガムとの戦闘が避けられない状況に至った時点で、潜水艦同士の戦闘が開始されます。
 ウィシャワー中将の予想では、ほぼ十中八九、バッキンガムとの戦闘が発生するとなっています。

 アクションとしては、以下のような内容が考えられます。

 1.DSRVに乗り込み、バッキンガムと可能な限り接触
  非常に危険な任務です。
  接触に成功すればバッキンガム艦内に突入し、乗員の救出を試みることになります。

 2.ノイシュヴァンシュタインに乗り込んでの支援
  こちらは海上からの支援ですが、必ずしも安全とは限りません。
  バッキンガムがノイシュヴァンシュタインを攻撃してくる可能性もあります。

 3.ヴェルサイユに乗り込み、バッキンガムを監視
  初期段階では、ヴェルサイユ艦内で待機することになります。
  バッキンガムと戦闘となった場合、武装した深海探査筒に乗り込んで海中戦闘に臨みます。


 それでは、皆様からのアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・DSRVに乗り込み、バッキンガムに接触。

・ノイシュヴァンシュタイン艦上でヴェルサイユを支援。

・ヴェルサイユに乗艦して対バッキンガムに挑む。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年08月12日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年08月13日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年08月17日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年08月28日


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