百合園女学院

　夏もそろそろ終わりに近づいた頃。
　秋の舞いはもちろん開催するつもりでしたが、華摘若葉は机の上の白紙に目を落としたままため息をつきました。
「失礼するぜ〜。おっ、若葉ちゃん。今日もネタ出し？　頑張るねぇ」
　教室に入ってきたのは仁科　耀助（にしな・ようすけ）です。耀助の姿を見た途端、若葉はピンとひらめきました。
「そうだわ！　どんな舞いが見たいか、色んな人に聞いてみれば良いのよ！」



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　葦原明倫館に召集された耀助と皇　彼方（はなぶさ・かなた）、辻永　翔（つじなが・しょう）、遠山　陽菜都（とおやま・ひなつ）。
「『夏雫』を見てくれたあなた達にしか出来ないの！　お願い、全学校の生徒に聞き込みしてきて」
「何を聞き込みするんだ？」
　前回、葦原明倫館を襲った悲劇に巻き込まれた彼方は、若干訝しげに訊ねました。
　耀助のパートナーである龍杜　那由他も巻き込まれましたが、彼女は今、ショックでしばらく学校を休んでいる友達の看護をしています。
「秋にまた舞いを開催するのだけど、脚本が思いつかないの。そこで、色々な生徒に『どんな物語の舞いが見たいか』のアンケートをして来て欲しい。集まったアイデアをオムニバス形式で私が脚本に起こすわ。秋はそれを舞う」
　若葉は俯きました。
「今までは私１人で脚本や演出を行ってきたけど、みんなのアイデアから生まれた舞いを舞うっていうのもとっても素敵なことだと思ったの。私は新たな舞いを創りたい。舞いの世界に、新たな風を吹き込みたい！」
　若葉の思いに圧倒された４人は、互いに顔を見合わせてから、やがて頷きました。
「あなたがそこまで言うなら、私、協力するよ！」
「仕方ない、たまには人の役に立ってみるか」
「オレももちろん協力するぜ。これを機会に全学校のお嬢さ……生徒と仲良くなれるかもしれないしな〜」
　若葉は１人沈黙する彼方を見やります。彼方はぽりぽりと頭を掻くとため息をつきました。
「この間みたいなことはごめんだぜ」
「善処するわ」
　ふふ、と笑みを零す若葉は、『夏雫』の脚本を書いていた時よりも楽しそうだなぁと耀助は密かに思いました。

初めまして、またはお久しぶりです。久遠 奏唄(くおん・かなた)と申します。
そろそろ夏も終わりとなって参りました。
これまで舞いに関するシナリオは、以下の二つを執筆して参りました。
梅雨の宴『夏雫』
悲劇の歴『磔天女』
本作「胡蝶の華『夢紡』」にて一旦舞いに関する物語は終了となります。



○背景
耀助、彼方、翔、陽菜都が協力して全学校を訪ね、生徒達に「どんな舞いがみたいか」を聞いてきます。
ＮＰＣが向かう学校は以下の通りです。
耀助……葦原明倫館、薔薇の学舎、シャンバラ教導団
彼方……イルミンスール魔法学校、波羅蜜多実業高等学校
翔……天御柱学院、空京大学
陽菜都……蒼空学園、百合園女学院
彼らに協力し、「自分だったらこういう物語の舞いが見たい」とアイデアを出してあげてください。
アイデアの内容は細部まで決まっていても、大雑把なものでも構いません。

また、皆さまから寄せられたアイデアで創り上げた舞いは、秋の舞いとして開催されます。
『夏雫』より規模はやや小さめですが、こちらで舞い人として舞ってくれる方も募集中です。
舞いは上記４名のＮＰＣも参加者として観覧しに行きます。



○舞いの内容について
幕ごとに舞う内容が違います。『夏雫』は１幕から６幕を全て舞い終え、終了となります。
舞い人を志願される方は、１幕から５幕の内どの幕を舞いたいかの記載をお願い致します。
この幕にはこの特徴持つキャラクターのみ選択可能、という制限はございませんので自由に選択可能です。

１幕　神（神様が主人公の舞い。華やかな内容）
２幕　男（武士が主人公の舞い。戦物の内容）
３幕　女（美人が主人公の舞い。雅やかな内容）
４幕　狂（狂人が主人公の舞い。感情の高ぶりを舞いで表す内容）
５幕　鬼（荒々しい生き物が主人公の舞い。常に激しい動きをする為体力が必要）
６幕　祝（舞い人全員が主人公の舞い。華やかで明るい内容）

・舞いの物語のネタ出し

・舞い人として舞う