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【逢魔ヶ丘】結界地脈と機晶呪樹

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【逢魔ヶ丘】結界地脈と機晶呪樹

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シナリオガイド

戦場の島を覆う重力結界を解除せよ。頼りになるのは奈落人?
シナリオ名:【逢魔ヶ丘】結界地脈と機晶呪樹 / 担当マスター: YAM

 反社会的組織『コクビャク』が攻め入ろうとしている高空の浮遊島・パクセルム島。血筋を誇りとする排他的な守護天使の一族が住むこの島は、「土壌と一体化した」自律型結界に守られています。普通の結界とはタイプの違うこの結界は、侵入者に強力な重力的な負荷を与えてその自由を奪っていくという効果を持ちます。
 コクビャクは現在、島内にある『丘』を占拠し、これを取り戻そうとする天使たちとの間で戦いが起きていますが、現在は膠着状態です。

 この『丘』に関しては、現在までに次のような情報が空京警察には入っています。


●『丘』は、「黒白の灰」という非魔族に魔族の原本能を植え付けて強制的に魔族化することのできる粉薬をパラミタに散布するために使われるものらしい。

●しかしこの『丘』は『灰の娘』なる人物がいなくては「開けない」らしい。(情報提供:スカシェン・キーディソン)

●『丘』はその(2千年以上)昔、どこからか結界を抜けてやって来た傷ついた悪魔が看護してくれた守護天使と恋に落ちて子を儲けてのちに作っていた施設である。
 その2人と生まれた子供は、他者との交わりを恥とする一族の天使たちによって殺された。(パクセルム島の長老談)

●『丘』の上には大樹があり、この樹が光ると島の空間結界が開き、コクビャクの小型空中要塞や魔族の構成員が侵入してこられた。
 また現在、『丘』の周囲には本来の島の結界が効かず、魔族がやすやすと入ってこられる場所になってしまっている。

●木を植えたのは、かつてこの島に住んでいながら夢魔の血を引くために迫害され、一時『丘』に住んでいたという守護天使の少女エズネル(現・魔鎧ペコラ・ネーラ)である。





 天使たちに加勢してコクビャクに対抗しようにも、島の結界が援軍を拒みます。しかもこの結界は古い時代に施されたもので、今は誰にもそれを解除するすべは分からないのです。
 空京警察は、用いることができる限りの機械を駆使して、外部からパクセルム島を調査し、「土壌と一体化した結界」の正体を魔法的エネルギーの流れとして解明することを試みました。
 ――その結果、驚くべきことが分かりました。

 島の地中にはまるで木の根のように張り巡らされた呪力エネルギーの地脈が存在したのです。
 このエネルギーにはまた、呪力のほかに、機晶エネルギーの反応も確認されました。つまり、際限なく張り巡らされた結界を為す地脈のどこかに、結界を作る呪術と一体化しつつこの地脈にそれを保つエネルギーを送り続ける機晶動力源が存在するということです。

 また、『丘』の上の大樹が光る時、同じような機晶エネルギー反応が確認されることも分かりました。
 地下の結界地脈と大樹の根が、地中で接続されているという可能性が強くなりました。


 パクセルム島自慢の強力な結界ですが、今となっては、肝心の『丘』の周辺が魔族を受け入れそれ以外を弾き出す地となってしまっています。
 そうなってしまったのには、あの大樹が何らかの形で関係しているだろうという推察は以前からなされていました。
 大樹が呪力と機晶エネルギーの融合した特殊な力を取りこんでその結果コクビャクにとって都合の良い存在となっているのだったら、やはり結界を解除し、魔族を追い出すことはできないが援軍を締め出すこともなく、大樹が怪しげな仕事をすることもないフラットな地に島をすることが急務だという結論に至りました。





「しかしながら、警察の持つ機械の精度ではその機晶動力源の場所までは解明できない。
 その上、位置が特定できたとしても、地中からどうやってそれを取り除くのか?」


 この警察の嘆きに、島の長老の代理として警察に赴いた守護天使マティオン・ルマは、しばらく考えてから答えました。


「可能性は決して高くはないですが、島の最高標高地点にある『封じられた旧集落跡』に、何か結界に関する昔の資料が残っているかもしれません。
 かつては長老府を置いていた古い集落ですが、今は住む人もなく、四方を巨大攻撃性植物で囲って封鎖しています。
 ……ですが、警察の方がここに行くまでには、長い道のりを結界の重力に晒されることになります」
「貴方がたに調査をお任せするわけにはいかないのですか?」
「生半可な者が行けば、巨大攻撃性植物“竜尾蔦”の餌食になりましょう。
 あれは、地面にいるものよりも空を飛んでいる相手の方を執拗に攻撃するのです。
 ……もうお分かりでしょう。『封じられた旧集落』の中にあるものの多くは恐らく、外敵ではなく、同じ一族の守護天使にこそ見せたくないもの。
 つまり、“一族の恥”に関する詳細な記録があると考えるべきでしょう……」




 一方、不思議な協力者がまた、空京警察に現れました。
 左の目に眼帯をした「星耳男爵」なる人物――しかしこれは「この体を持つ者」の通り名で、自分はこの男の体を借りている「奈落人」だと、その人物は自己紹介しました。

「本来我らはパラミタの社会情勢や権力闘争などには興味はない。
 が、この体の持ち主、つまり我らの愛すべき協力者に、不穏な接触を図ってきたコクビャクなる集団を野放しにしておいては、後顧の種となる可能性があるのでな。
 我と我が仲間の持つ知識、貴君らに提供させていただく。それゆえ、我らの安逸な知識探究生活を妨げるような不埒な輩を残らず投獄してもらおう」

 何だかよく分からない主張を堂々と掲げつつ、「名乗る名などはないが呼ぶ時には不便だろうから」と便宜的に「冬竹(とうちく)」と名乗ったその奈落人は、同じ奈落人であるコクビャクの顧問的存在「タァ」のことを知っていました。

「あれだけ自分の目的のためにナラカでもザナドゥでも騒がしく立ち回っているのでは、こちらは嫌でも知らずにはおれんよ。
 タァメリカ・バルレヴェギエ……何やら悪魔の科学者の家系の末裔とか。幼くして死んだ割にはそこそこの知能を持っているのは血筋だろうかね」

「そのタァメリカだがな、……これか、例の何とかいうがんじがらめの結界の島は。電子地図を見させてもらおう。
 あぁ、なるほどな。機晶呪術を使った結界に、機晶種子から育てた樹木を根管接続させて……なるほどなるほど。そのために空間断片を作ったのか。
 で? ほう、結界を解除したい、と。
 場所さえつかめれば、奈落人ならできるぞ」

「そうか、説明が足りんか。それは悪かった。
 タァメリカは、結界に使われる機晶呪力をこの樹に用いて、コクビャクの一味が結界を割るためのシグナルとするべく、自ら地中に赴いて木の根と地脈を接続させた。
 そのために、この地中に『擬似ナラカ空間通路』を開通させたのだ。それを準備した跡がナラカに残っていたのだから間違いなかろう。
 この通路内は一種の異次元で、限りなくナラカに近い異空間がパイプ状にされて通路になったものだと思ってもらえればいいだろう。
 タァメリカはその通路を使って実際に地脈に触れ、流れを変えて樹に接続した。そのために、通路は地脈に沿って隅々まで広がっているはず。
 ナラカを模して作った虚無の空間は、自然消滅するまでは放置するしかない。まだ地中に残っているはずだ。
 だから奈落人が、この通路から入っていって、機晶動力源を持ち出して戻ってこればいい」




 一方。
 空京の一角、キオネ・ラクナゲン(きおね・らくなげん)の探偵事務所に、突然、魔法の幻影が出現しました。
 現れた影は、以前攫われた綾遠 卯雪(あやとお・うゆき)でした。思わず息を飲んだキオネでしたが。

『まがいたんていキオネ、もしくはサイレント・アモルファス。
 このからだのもちぬしをきずひとつなくとりかえしたいなら、わたしのもとにまいられよ』

 明らかに卯雪ではない者の……どこかあどけない口調で語り始めました。キオネは驚愕し、そしてピンときました。
「奈落人……タァ……?」

『わたしはこれでもおんびんなやりかたのほーがすきだ。このこから「はいのむすめ」のたましいのかけらをとりだし、できるだけすみやかにかえしてやりたいとおもう。
 しかし、これがなかなかむずかしそうだ。
 できるとすれば、ヒエロ・ギネリアンのぎりょうをコピーしてあたえられたというおまえ、サイレント・アモルファスしかいなさそうだからな』
「…っ、だが」
『おまえにもできぬとなれば、やむをえん。このむすめのたましいかっさばいて、わたしがちょくせつとりだすしかないわ』
「!!」

 


 本当はキオネにも、卯雪を生かしたまま彼女の魂の中にあるエズネルの欠片を取り出すことはできないのです。それほど難しいことなのです。
 しかしそうと告げれば、卯雪がどうなるか分かりません。
 キオネは結局、パクセルム島の例の『丘』の麓で、タァと話し合いをすることに応じました。約束を取り付けると、幻影は消えました。


「――彼女の命には代えられません。俺は、カーリアと一緒に、彼らが指定した『丘』の麓の野営地の一角に行ってきます。
 俺たちの話し合いに、タァやコクビャクの兵士たちが気を取られている間に、結界解除作戦を決行してください」
 キオネは警察にそう言いました。

担当マスターより

▼担当マスター

YAM

▼マスターコメント

 こんにちは、YAMです。よろしくお願いいたします。
 【逢魔ヶ丘】シリーズの続きになりますが、前作のシナリオ未参加の方でもお気軽にご参加ください。


【土壌と一体化した結界】
 パクセルム島全体に効力を放っている結界で、重力の負荷がかかり、自由な動きが妨げられます。
 スキルなどの効果も通常時より減じます(装備アイテムの効果もこれに準じます)。
 負荷の強さは種族によって多少の違いがあります。

 守護天使、ヴァルキリーにはさほど影響はありません。本来の力も8?9割は出せます。島内での飛行も問題はありません。
 魔族(悪魔、魔鎧、吸血鬼、アリス)には最も強い負荷がかかります。スキル等の効果は本来の3割ほどしか出せません。
 それ以外のパラミタ人種族はほぼ本来の半分のパワーです。
 地球人は本来の力4?7割のところで、個人差があります。魔族と契約している人はややパワーが減じやすいかもしれません。
(※PL様へ:それぞれのMCの中の「魔的」な要素の大きさに負荷は比例するので、「うちのは負荷が強いかも」「弱いかも」というキャラクターによる自己判断も取り入れさせていただきます)

 機晶動力源は、今のところ「機晶石をエネルギー源となるよう加工した何か」であるということ以外、大きさや形状など具体的な詳細は判明していません。


【『封じられた旧集落跡』と竜尾蔦】
 集落跡は本文の通り、パクセルム島の最高標高地にあります。
 島の外部からの入口は結構低いところにあるので、飛べないPCは重力負荷と戦いながらかなりの道のりを行かなくてはなりません。 
 守護天使やヴァルキリーといった飛行可能種族には簡単な道のりですが、集落跡を四方から囲んで来る者を拒む竜尾蔦の群生が厄介です。
 文字通り竜の尾のように太く丈夫で長い蔦が、鞭のようにしなり荒れ狂い、近づく者を襲います。
 蔦には鱗のように固い表皮の下に隠れた毒の棘があり、これが刺さると神経が侵されて麻痺が起こります。
 竜尾蔦の特性として、地面よりも空中から近づく者の方により過敏に反応するので、この場では飛行する者は危険になります。

 蔦に守られた内部は、無人の集落跡です。かつての長老が住んでいた割合大きな住居跡、などがあるくらいで、寂れきってはいますが特にトラップ等はありません。


【擬似ナラカ空間通路】
 本文の通りの異空間通路です。
 内部は「限りなくナラカに近い」空間なので、基本的に奈落人しか入ることができません。奈落人が憑依していても駄目です。
 本来の姿のままの奈落人こそが活躍できる場だと考えていいでしょう。

 しかし、以下のような、「ナラカでも活動可能となる」アイテム等を装備した場合は、MC等奈落人以外の種族も通路に入ることができます。

例:
●デスプルーフリング(キャラクタークエスト「マナミン怒りの鉄拳」「【神劇の旋律】魔音覚醒」で入手可能)
●ゆるダイブスーツ ※ゆる族専用装備(キャラクタークエスト「【選択の絆】ナラカダイバー」で入手可能)

 通路内には特にトラップやモンスターなどはありませんが、非常に長く分岐も多く迷いやすい道になりますし、場所によっては塞ぎかかっている所もあります。
(この空間通路は役目を終えて放置されており、だんだんと自然消滅に向かってあちこちが塞がりかけています)
 空間通路内では、島の結界の重力の影響は受けません。


【結界地脈の捜査】
 機晶エネルギーを探知する手段があれば、島外からでも調査は可能です。
 空京警察は地中の機晶エネルギーの流れを立体地図に描き出す空間スキャナーを持っているようですが、精度も悪くあまり使いこなせていません。
 アーティフィサーやテクノクラートがいるなら、機械を使った精密な地脈操作も可能になるかもしれません。


【MC、LCの別行動】
 このシナリオでは、MCとLCなどの別行動は可能です。
 それぞれが別の場所で行動して連携をすることで効率を上げることも可能ですが、その場合きちんと、離れた場所で連絡を取り合うためのスキルやアイテムを装備してください。


【『丘』のふもと】
 キオネ・ラクナゲンと刀姫カーリアは、『丘』の下にあるコクビャクのベースキャンプの一つに向かいます。
 指定された場所は。即席のバラック小屋です。
 『丘』の麓はコクビャクの野営地、一定の距離を保ってそれを島の守護天使たちによる自警団が取り囲み、戦線を作っていますが、現在は睨み合ったまま休戦状態です。
 現在この地点は、島の結界を反転させたかのように、魔族しか寄せ付けない地になっています。
 その範囲は、『丘』を中心に野営地点が広がっている場所だと考えてください。

 結界の作用で自分たちに利があると踏んだらしく、コクビャクの野営地はさほど大きいものではなく人数もそれほどではありません。
 上手くいけば、雑然としたキャンプの間に紛れ込むことはできるかもしれません。もちろんこれは魔族に限ります。
 バラック小屋は野営地のかなり手前にあります。


【NPCの動き】
 島の守護天使マティオン・ルマは、『封じられた旧集落跡』に道案内役として向かいます。
(アクションの人数如何で、何人か島の自警団を連れていくことになるかもしれません)

 奈落人・冬竹の憑坐「星耳男爵」は、前のシナリオ「ブラックブック・マーケット」に登場していますが、ここでは特に知らなくて問題ありません。
 冬竹に関しては「何だかよく分からないけど物知りな奈落人が警察の手助けをするらしい」というくらいの認識で大丈夫です。
 擬似ナラカ空間通路に向かいます。彼が通路の侵入口を見つけてくれそうです。
 通路では本来の姿のまま行動することになるので、ガイドに登場した登場しません。

 奈落人タァは、綾遠卯雪に憑依してキオネ達を待ち受けます。
 指定場所は魔族しか入れない区域ですが、それゆえに己の優位を信じているのか、実は、特に2人以外の同行を禁じるようなことは口にしていません。
 

▼サンプルアクション

・『封じられた旧集落跡』に向かう

・結界地脈の捜査をする

・キオネの交渉を見守る

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年01月13日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年01月14日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年01月18日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年01月29日


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