百合園女学院

　――ある日、突然のこと。

　ヒラニプラとシャンバラ大荒野との境界付近にある、教導団のイコン演習場が、何者かの襲撃を受けました。

　死傷者、重傷者ともにゼロで、人的被害は軽傷者ばかりでしたが、イコンの被害は甚大。
　圧倒的な力の前に、ことごとく破壊されて全滅したのです。
　相手は、一人。
　それは、イコンとほぼ同等、１０メートルほどの身長の生身の人間でした。

　また、同時に、その戦いには加わらなかったものの、やはり同様のサイズの、人型の甲冑も確認されています。

「このザマでは、到底女王を護りきることなどできまい」

　大剣を手に、巨人はそう言い捨てると、人型甲冑と共に、荒野の方へと去って行ったのでした。

　その巨人は、それより少し前に、空京郊外でも目撃されていました。
　目撃情報を辿り、ゴーレム技師、ラウル・オリヴィエ（らうる・おりう゛ぃえ）を訪ねると、彼は現在、行方不明。
　残された彼の助手、ヨシュアが、訪問に応じました。

「オリヴィエ博士は、先日訪れた巨人と共に、何処かへ行ってしまいました。
　地下倉庫に保管してあった、巨大なゴーレムと、以前皆さんに遺跡から持って来て貰って以来、倉庫に置いてあった剣を持って」
　その大剣は、台座から引き抜かれると更に二倍ほどの大きさになり、巨人が持って行ったそうです。
「てことは、あの人型甲冑は、ゴーレムなのか」
「ハルカは？」
　居候の少女、ハルカの姿も見えません。
「……ハルカちゃんは、博士について行きました。『一宿一飯の恩義なのです！』と言って」
「博士は、何をする気なんだ？」
「博士の目的は……」
　問うと、ヨシュアは困ったように言い淀みました。

「……女王を、殺害すること、だそうです」


　女王の命が狙われていると知った代王理子は、空京の王宮の警護を厳重にすると同時に、巨人に対する調査、対処を依頼しました。
「ここのところ、何者かの宮殿関係者への襲撃もあるし……。
　それもこの件に関わっているのかしら？」




　一方、女王を狙って、鏖殺寺院でも行動を起こしていました。
「ニルヴァーナ探索で手薄になっている今がチャンス、と思ったが……やはり王宮の警護は厳しいか」
　鏖殺寺院に所属する悪魔、グランディエ――と、彼に憑依している奈落人、レリ・ウーリアは、これまで、部下に命じて王宮騎士などを何度か襲撃していましたが、今のところいずれも撃退されていたのです。
　そんな折に、彼等は巨人の話を聞きつけました。

「何やら、他でも動きがあるらしいな。便乗できないか探ってみよう。
　女王に憑依してしまえば、シャンバラは我等のものよ」

　こちらのシナリオガイドでは、シャンバラ女王の名がありますが、パラミタのために祈りを捧げる女王を守るのが目的ですので、シナリオ内で会うことはできません。

　また、巨人はイコンに対して相当の強さを有しています。
　巨人と対峙する際にイコンを用いる場合、イコンの強さを過信することなく、アクションをお掛けください。



　九道のシナリオに度々登場していたＮＰＣが登場します。
　今迄あちこちでばらまいて来ました伏線に、決着をつけるシナリオです。
　ですが、これまでのあらすじをご存知無い方も、特に過去のシナリオを確認する必要なくご参加できる内容となっているとは思います。

　よろしくお付き合いをお願いします。

・巨人を探し、戦って倒す

・オリヴィエを探す

・グランディエ（ウーリア）を捕える