薔薇の学舎

霧深きタシガン。
そこには、未だ謎に包まれた土地が多く存在します。

そのひとつ。……とある山の森の中に、一軒の荒れ果てた屋敷がありました。
かつては、『夏の館』。そう呼ばれたこともあったそうです。
それは、タシガン領主の別宅のひとつでした。
しかしそれも遠い昔のこと。今では、訪れる者といえば、霧と風ばかりです。

誰の記憶からも忘れ去れた屋敷。……そのはずでした。

学園祭の成功と、再び失踪したイエニチェリという、正と負の興奮がさめやらぬ薔薇の学舎にて、
その現在の姿が暴かれました。

文化祭にまぎれこんだ一味を尋問したところ、薔薇の学舎はとある情報を得たのです。
それは、山深くの屋敷に、タシガンの吸血鬼による排斥運動、その勢力の一部が集まっている――ということでした。
確かに、隠れ家としてはうってつけでしょう。

アーダルヴェルトは、この件に関しては黙認しているようです。

しかし、薔薇の学舎としては、そうも言ってはいられません。

とはいえ、単なるテロリストの掃討作戦では、薔薇の学舎たるもの、美しさに欠けるというものです。
そこで、ラドゥの手により、生徒たち全てに、とあるものが配布されました。

――それは、小さな黒色の『種』です。

この種は、特殊な魔法により作られています。
吸血鬼の体内に入り込むと、その身体を苗床として、薔薇を咲かせるのでした。
苗床となった吸血鬼は、瀕死の状態となり、もはや意識がわずか残るのみ。
なにより、吸血鬼にとっては、耐え難い屈辱でもあります。

「最も美しい薔薇を咲かせるのは誰か」

それが、生徒たちに課されたテストです。


うち捨てられた廃屋に、美しい花が咲き乱れるのか。あるいは。


そして、生徒達はそれぞれに、薔薇の学舎を発ったのでした――。

今回のシナリオは、キャンペーンシナリオ、第二回です。
全体を通じて注意していただきたいのは、以下のこととなります。

・イエニチェリとなるのは、単なる『見かけの美しさ』ということではありません。
　美しく強い行動、品性、人格が求められます。（但しジェイダスの基準ではあります）
　
・全てのイエニチェリが、一般生徒と同様に、再び試練を受けます。
　結果として、イエニチェリという立場を失う可能性もあります。それは、ＮＰＣもＰＣも同じです。

・三つの試練となっておりますが、全ての試練をクリアしなければならないというわけではありません。
　どれか一つだけの参加でも、資格は発生します。
　
・基本的には薔薇学の生徒が優先されますが、他校生でもイエニチェリに選ばれる可能性は若干ながらあります。

・実際の性別はどうあれ、外見性別が「女性」の場合は、選ばれません。

また、当シナリオについての注意点です。
・校長室（また、ジェイダスとラドゥへの面会を含む）への入室は、薔薇を持った生徒のみが可能です。
目的を達成しないうちに、面会を申し出ることはできません。

・ＬＣの吸血鬼を苗床とした場合、ＭＣも瀕死のダメージを受けます（死亡はしません）。
　なお、種を体内に植え付けてから、薔薇が咲くまでの時間は、若干の差異はあれど、だいたい五分程度です。

・種は生徒一人につき一つです。再配布は致しません。

・他学生がこの情報を噂として聞きつけることは可能とします。


また、薔薇の学舎においては、ＢＬ要素がございます。不可の場合は、そのようにアクションにお書き添えください。

皆様のご参加をお待ちしております。

・吸血鬼と戦い、倒す

・吸血鬼を色仕掛けでそそのかす

・他生徒の持つ薔薇を奪う

・吸血鬼が集まるということは、なにか屋敷に秘密があるのかも

・加勢やモンスターが来る可能性もある、そのための見張りをする