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【Tears of Fate】part2: Heaven & Hell

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【Tears of Fate】part2: Heaven & Hell

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シナリオガイド

訪れた決戦の刻……物語に幕を下ろすのは誰だ
シナリオ名:【Tears of Fate】part2: Heaven & Hell / 担当マスター: 桂木京介

 冷たい、棺のような形をした建造物がいくつも並んでいます。
 ここは無人の倉庫街、ポートシャングリラと呼ばれる巨大商業施設の、外れに位置する一区画となります。
 ひとつの都のような複合商業施設を維持するためのものですから、その規模も膨大で、倉庫街自体が集合住宅地帯のようにも見えることでしょう。ところがそこを歩む人の姿は皆無、いずれの倉庫も黒ないし濃い灰色で、ひとつひとつには白文字で数字が割り振られているのみです。いわばポートシャングリラの裏の顔と言えましょう。この場所は、気温のみでは測れない『寒さ』に支配されているのでした。
 このようにひっそり静まり返った場所だけに、その一角より聞こえる音は酷く場違いな印象を与えます。
 金属同士がぶつかり合っているのです。
 決して重いものではありません。どちらかといえば軽い金属同士が激突を繰り返し、火花を散らしています。
 ……といっても、その金属は鋭く、危険なものなのですが。
 すなわち剣です。二本の剣がぶつかり合っているのです。
 剣戟を演じているのは二人の少女です。
 一人は黒髪。黄金の、飾り気のない半仮面を顔につけています。
 もう一人は豊かな緑色の髪、これを振り乱し剣をふるっています。
 半仮面の少女については皆さんもご記憶にあるかもしれません。クランジΚ(カッパ)です。鍔のない形状をしたアサシンソードという鋼を片手に握り、懸命に相手の攻撃を防いでいます。
 あきらかにΚは不利な状況でした。真新しいライダースーツの肩口や脇には痛々しい切り傷がつき、息も上がっています。防戦一方、必死に剣を繰り出しますが、相手の切っ先をやりすごすのが精一杯のようです。
「私たちの元に来なさい。Θ(シータ)のことが信用できないのなら、私に降伏(くだ)ると思えばいい。Κ、それがあなたの為でもあるのだから」
 緑の髪、年かさの少女が突き込みます。彼女の手にもやはり同様の長剣がありました。これが腕の延長であるかのように、真っ直ぐに伸びたのです。
 瞬間、
「断ると言ったはずだ」
 黄金仮面に迫る剣尖をしゃがんでかわしたかと思いきや、Κの姿は消えていました。
「不用意に翔ぶなと」
 きっ、と刺すような視線で緑の髪――クランジΕ(イプシロン)は睨めました。
 頭上。
 クランジΚは跳躍していたのです。
「Κ! その足、切り落としてでも連れていく……!」
 迷いのないイプシロンの一閃でしたが、それは奇妙なことに、Κには届いていませんでした。
 完璧なタイミングであったというのに。
 今ごろはΚの足首から下が、消し飛んでいたはずなのに。
 Κはたちどころに姿を変えていたのです。七、八歳ほどの幼子の姿に。
 伸ばされた剣の腹、Κはそこに着地すると、一足飛びでイプシロンとの距離を詰めました。
「殺(と)る!」
 両腕を振り上げ握った剣を叩き落とそうとします、が、
「発想はよかったけれど」
 イプシロンのほうが迅い。咄嗟に剣を捨てると、彼女の腕はΚの喉頸を捕らえていました。
「勝てるとでも思って? あなたたちに剣術を仕込んだのは私よ!」
 信じられないような力がイプシロンの手にこもります。Κの唇から呻き声が洩れ、手からは剣が滑り落ちました。
 背の低い姿になったのが仇となり、Κは高く吊り上げられた格好で左右に揺られました。
「もう一度だけ命じます。私たちの元に来なさい。シータの計画に乗れば、私たちは……」
「……だか、い……」
「?」
 イプシロンが少し手を緩めると、Κはもう一度言いました。
「……気高い……あなたはやはり、気高い…………能力を使わなかった……。師たるあなたの手にかかって死ぬのであれば……本望だ……」
 イプシロンは、長い睫毛を伏せました。
 説得はできない、と、悟ったかのようでした。
「そう。なら、せめて苦しまないよう一撃で終わらせてあげる」

 **************

 教導団、作戦室。
「もう一度、各勢力の立ち位置を確認しておく」
 団長金 鋭峰(じん・るいふぉん)が言いました。壁一面を占有する大モニターに、いくつかの写真を表示させます。
 いずれもクランジと呼ばれる塵殺寺院製少女型機晶姫のものでした。
 小馬鹿にしたような顔、ぷいと横を向く顔、目以外の表情が読み取れぬ仮面……あるいは、『?』とだけ書かれた影のような肖像もあります。
 写真は、三つのグループに分かれるようです。

【Θ一派】
 塵殺寺院から離脱、クランジの国家設立を宣言してシャンバラに宣戦布告している。所属は、
 クランジΘ(シータ):催眠術を使う策士。恐らくは首謀者。
 クランジΙ(イオタ):高い技量を持つスナイパー。
 クランジΠ(パイ):破壊力を有す超音波を口から放つことができる。
 量産型クランジ:電磁鞭を使う。ロボットのような存在で自意識は持たない。

【塵殺寺院】
 すべてのクランジがΘに加わったわけではない。塵殺寺院に残留する敵対勢力。所属は、
 クランジΚ(カッパ):まったくの別人に姿を変えることができる。
 ※クランジとしては一名きりが確認されるだけだが、塵殺寺院の増援ないし新たなクランジが参戦する可能性も?

【大黒美空】
 別名、クランジΟΞ(オングロンクス)
 たった一人だが便宜上勢力として分類した。かつてΞ(クシー)、Ο(オミクロン)であった二体が融合した姿。半ば暴走状態で、クランジすべての破壊を信条にしている。Θ一派、塵殺寺院にかかわらずクランジと名の付く相手はすべて破壊すると宣言していた。

 モニターを見上げて、蒼空学園校長山葉 涼司(やまは・りょうじ)が述べます。
「強いて言うなら、俺たちもクランジ第四の勢力だな」
「その通りだ」
 鋭鋒が合図すると、さらにモニターに二人の写真が現れました。
 一人は満面の笑顔、そしてもう一人は、祈るような姿勢と表情をしています。

【味方勢に所属するクランジ】
 ユマ・ユウヅキ:別名、クランジΥ(ユプシロン)。シャンバラ教導団所属。
 ローラ・ブラウアヒメル:別名、クランジΡ(ロー)。蒼空学園所属。

 自分の写真が表示されたためでしょう、涼司のかたわらにあってローラ・ブラウアヒメル(クランジ ロー(くらんじ・ろー))は、緊張したように身を強張らせました。
「ワタシ……」
 ローラは視線をユマ・ユウヅキ(ゆま・ゆうづき)(クランジΥ)に向けます。しかし、ユマは顔をモニターに向けたまま、眉一つ動かすことはありませんでした。
「クランジではなかったが、クランジΣ(シグマ)疑惑のあった小山内 南(おさない・みなみ)が参戦を希望しているのことだ。確かに、彼女はクランジとは関連が深い。同行する意味はあるが……退院したばかりという話もあり危険でもある。どうするかは山葉校長に判断を委ねたい」
 本日、この場所では鋭鋒、涼司、そしてエリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)らが集まり、来るべき作戦に備えて作戦会議を行っているのです。
「これまでは、我々はクランジの一方的な侵略行為を防ぐばかりだった。だが今回、初の積極攻勢に出る」
 鋭鋒は一旦言葉を切り、続けました。
「……ユマ・ユウヅキの協力の下に」
 葦原島の近くにある浮島の一つ、魍魎(もうりょう)島という無人島にクランジ勢をおびき寄せ一気に叩くという作戦です。
「この二ヶ月ほど、ユマには身を隠してもらった。それは様々な噂や憶測を招いたことだろう。しかし、それこそが我々の望むものであった」
 これはユマの提案によるものだったと言います。実際の所、ユマは他ならぬ教導団におり、それでいて、決して外に顔を出すことはありませんでした。
 時期を見て、教導団から意図的にある情報をリークする計画です。それは『ユマの体からクランジに共通する致命的欠点を発見した』というものです。また、その研究施設が魍魎島にあり、ユマもそこにいるという情報も別ルートで流します。無論いずれも嘘の情報です。
 モニターが魍魎塔の地図に変わりました。全体で5キロ平方程度の大きさ、四方を海に囲まれた無人島、近隣にも民間施設はありません。鋭鋒はその中央付近にマーカーを表示させます。
「島の中央に、研究施設を装った塔が構築されている」
 元々は、遺棄された古代の建造物だったようです。これを補強し、防衛戦に適した要塞へと改造する工事が密かに終えられていました。
「情報を入手すればシータ一派、それに塵殺寺院も動くことが予想されよう。今度ばかりは不意打ちを受けない。敵を待ち伏せし、返り討ちにする」
 ユマが補足しました。
「もちろん、これが偽情報だということに勘づかれる可能性があります。シータという人……直接の面識はないのですが……であれば、見抜いたとしたとしてもおかしくはありません。ですが、たとえ罠と判っていても、仮にも国家樹立を標榜する彼女らであれば、自分たちの力を誇示するため踏み込んでくると思うのです」
「たとえ嘘と判っていても来る……ですかぁ」
 エリザベートは怪訝な顔をしますが、涼司は「あり得るな」と言いました。
「しかも情報が『クランジの致命的弱点』なのだから、伝え聞くシータの性格であれば、挑発とみなし敢えて攻め寄せる可能性はあるな……」
 涼司はふと気づいたように、ローラを振り向いて告げました。
「ローラ、このままでは恐らく、パイとは敵同士になる……辛ければ、学校に残ってくれていいんだぞ」
「涼司、それ、違うね」
 しかしローラは、ゆっくりと首を振ったのです。
「ワタシ、行く。パイ、止める。それ、ワタシの義務と思ってる」
「『止める』とは、最悪、『殺してでも』という意味になるんだぞ」
「わかってる」
 ローラはきっぱりと言いました。唇を噛んでいます。決意は動かぬ様子です。
「もう一つ、我々で事前に確認しておくべき方針がある」
 鋭鋒は座したまま、宣誓するように告げました。
「シータが成そうとしていることはシャンバラの平和を脅かすことであり、決して認めることはできない」
 シータは『クランジによる国家樹立』を目標に掲げました。それゆえに、パイやイオタは賛同したのです。
 ですがそれは、断じて、軽々しく口にしていい言葉ではありません。
 パラミタでは『国家神がいない国は国として認められない」と昔からの習わしがあります。
 ですのでクランジたちの国を作るのであれば、それ用の国家神を擁立する必要があり、そのためには国家神を攫ってくる必要が出てくるでしょう。
 そのような行為が新たな戦争の火種となるのは言うまでもありません。ようやく得た平和が覆り、終わらぬ戦乱に突き進むこともありえるのです。
「個々人としては別の考えを持つ者もあるかもしれない。しかし、この基本方針は絶対に揺るがしてはならない。同意できるか」
「同意する」
 涼司は躊躇せず答えました。
「……同意しますぅ」
 エリザベートは少し考えたようですが、結論は同じでした。
「それでは、作戦内容の検討に移ろう」

 **************

 イプシロンは振り返ると同時に右手で空を切りました。「どいて」とでも言うような動きです。
 逆に言えば、その程度の勢いしか出せませんでした。
 右腕から三本の電磁鞭が飛び出すも効果はありません。いずれも切り落とされています。ですが残る力を振り絞って、
「……がっ!」
 イプシロンは左手から鉄杭を射出しました。手負いのコンディションでなければ、大黒美空に命中していたことでしょう。
 逆袈裟に背を斬られていなければ。
「ためらわずΚを殺(や)っていれば、この程度かわせただろうが……でしょう、ね」
 R U ready? と、書かれた文章を読むような口調で言うと、美空はイプシロンに迫りました。
 黒豹のようにしなやかな動きです。桃色の長い髪、片眼を隠し、黒い三角帽を被った美空の容貌は、かつてΞ(クシー)と呼ばれたクランジ、Ο(オミクロン)と呼ばれたクランジ、その両者の中間のように見えます。美空に右腕はなく、かわりに、長く鋭利な刃物が生えていました。
「クシー……いや、オミクロン……か? その両方でもあるようで、どちらでもない……一体あなたは、何?」
 ここまで言って気力が尽きたか、イプシロンは片膝を付き、さらには手で地を付いて身を支えました。それほどに、美空から受けた一刀は深く、彼女の身を傷つけていたのです。
「あなたも……お前も、同じだろう? でしょう? 機械でもなく人間でもない。土壇場でつまらない仏心なんて出して、殺人機械に徹することができなかった……愚か者だな、ですね」
 美空の語尾がいちいち変化するのは、安定していない自己をあらわすものでしょうか。
 このとき美空に生じた隙をイプシロンは見逃しませんでした。
「……!」
 イプシロンが左膝をついたのは意味があったのです。立てた左膝に手を触れると肌がするすると剥がれ、ミサイルの発射口が現れました。
 ですがミサイルが火を噴くより早く、大黒美空の刃がイプシロンの頭部を両断しました。縦に。
「GO 2 Hell」
 剣は頭部を兜割にして首も貫通、胸の上の辺りまで斬り下げてようやく停止しました。
 寸前までクランジΕと呼ばれていた残骸を冷ややかな目で一瞥すると、美空ははもう一人のクランジに目を向けました。
 首を押さえながらΚが起き上がります。イプシロンにとどめを刺される直前、美空の乱入により辛くも難を逃れたのです。
「礼は言わんぞ」
「必要な……ありません」
 大黒美空は地を蹴りました。
「次はお前、いや、あなた、が死ぬ番だからだ……です」

 **************

 羅紗の布で眼鏡を拭うと、クランジΘ(シータ)はそれをかけ直しました。
「ふぅん」
 彼女の目の前にはテーブル、テーブルの上には広げたばかりの地図……魍魎島を描いたものがありました。
 同じテーブルを、パジャマ姿の少女、郵便配達でもするような服装の少女、それに、ビーフジャーキーをくわえた少女の三人が囲んでいました。
 それぞれ、クランジΗ(イータ)クランジΙ(イオタ)クランジΠ(パイ)です。
「罠だね」
 あっさりと、シータは断じました。
「情報が入ってくるタイミングが良すぎる。出所も怪しい。しかもご覧よ、この守るに堅く攻めるに難しいこの地形を。この島に我々を上陸させて迎え撃つ気だろう。あわよくば、Κやオングロンクスも誘い込んで一緒に始末する気だろうね」
「なら、無視するわけ?」
 クランジ パイ(くらんじ・ぱい)が訊くと、「まさか」とシータは鼻で笑いました。
「……逆に叩き潰すまでさ。悪いが、ユプシロン(ユマ・ユウヅキ)には死んでもらおう。彼女はシンボル的存在のようだからね」
「で、でも……」
 パジャマ姿でクマのぬいぐるみを抱いた少女――イータが、怯えたような目で言います。それを制して、
「デモもゲバもないさ。我々を甘く見たことを後悔してもらうにはいい機会だよ。オメガも待ち受け側にいるといいね、是非会いたいよ。彼は、来るべき新たな国家の王となる資格のある者だから……。嘘かまことか、ロスト・ナンバーを自称しているのもいるようだし」
 シータは次の一言を、わざとゆっくりと言いました。
「そうそう、山葉涼司の忠実な秘書『ローラ・ブラウアヒメル』くんとの再会も楽しみだよ」
 パイは、奥歯を噛みしめて横を向きました。ローのことには触れてほしくなかったのでしょう。
 そんなパイの様子を存分に楽しんでからシータは言いました。
「ちょうど、『ピース』の準備も整った」
 ピース(手駒)とは、シータが独自に編成した量産型クランジのカスタム部隊のことです。『ビショップ』『ナイト』『ルーク』と名づけた機体が各二体、さらに『ポーン』と名づけた機体が各八体あります。
「上陸しやすい北の海岸から『ピース』、それに私が行くとしよう」
「チェスにたとえるならあんたが『キング』ってわけ? なら『クイーン』は?」
 と言うパイに、黙ってシータはイータの肩を抱いて見せました。イータはぬぎぐるみを抱いたままうつむき、頬を桜色にしました。
「あっ、そ。まあ、私は勝手にやらせてもらうから……」
 パイが言い終わるより前に、彼女の視界は暗転しました。パイは頭を、強くテーブルに押しつけられていたのです。
「シータ。いつまでこいつに、こんな口の利き方を許す?」
 イオタです。年齢はせいぜい十歳、郵便配達人を思わせる緑の外套に帽子、銀の短髪。これまで沈黙を守っていたイオタが、パイの頭を片手で押さえつけていました。
「イオタ、やめなさいよ!」
 とパイは抵抗するのですが、イオタの腕はものすごい力であり、身を捩っても脱出できません。
 そんなパイをまるで無視して、
「こいつは下級品だ。僕らと対等に口を利く権利なんかない」
「その意見には賛成しかねる。放してあげなさい」シータは声を怒らせるでもなく冷静に応じました。
「嫌だ」イオタは帽子の下から、狼のような目をシータに向けました。
 おろおろしたように、ぬいぐるみを抱いたままイータは二人を交互に見やっています。
 やれやれ、とクランジΘは言って、眼鏡の奥の目を歪め微笑しました。
「Ε(イプシロン)が見たらなんて言うかな?」
「……」
 イオタは舌打ちし、パイを突き放して言いました。
「これまでのようなバックアップ役は御免だ。シータとイータは勝手にやるといい。タイプIII(※パイのこと)もな。僕は、僕独自の判断で動く」
「それでいいよ。主力部隊とは別に、イプシロンには島の南岩から攻め上がる別働隊を任せようと思っている。イオタもそっちに行くかい?」
「ああ」
「結構」
 シータはまだ、微笑を浮かべていました。

 ###############

 魍魎島に、暗い雲がさしています。
 草木の少ない火山島、地熱がゆらゆらと立ち昇るこの地で、三手に別れたクランジたちとの決戦がはじまろうとしています。
 いよいよ、『Tears of Fate』の物語は完結へ。
 長く続いたクランジとの戦いに終止符を打つのはあなたです。
 あなたの決意と、その目指すものをお聞かせ下さい。

担当マスターより

▼担当マスター

桂木京介

▼マスターコメント

 あいかわらず長いシナリオガイドでごめんなさい! それでも読んで下さったあなたに最大限の感謝を捧げます。
 マスターの桂木京介です。

 これまで展開してきた『クランジ編』に一段落つけるためのシナリオ、その後編となります。
 前編シナリオ(『【Tears of Fate】part1: Lost in Memories』)に参加していたことは、本シナリオの参加条件ではありません。このシナリオからでも参加できます。
 ですが、前編で説明した部分についてはあまり言葉を割いていませんので、できれば前編のリアクションをある程度でいいので読んでおいたほうが参加しやすいと思います。
 もちろん、どの学校の所属でも参加可能です。

 決戦は冬の終わりのある一日、払暁をもって開始されます。
 クランジΘを旗頭とする叛乱勢力(ΠΙΗ、それに量産型が所属)が最大の敵です。(クランジΕはシナリオガイドの時点で破壊されており本編には登場しません)。彼らの本隊は魍魎島北部の海岸から攻め寄せることになるでしょう。ここに多くの人材を割かないと、あっさりと突破されて最終防衛拠点(ユマ・ユウヅキのいるところは陥落します。
 島の大半は岩場ですが、わずかに森が存在する南部からはΙ(イオタ)が単体で攻めてきます。
 叛乱勢力の主力が北からやってくることは予想の範囲内であり、彼らも特に隠密行動は取らないので全参加キャラクターがこの情報をアクションをかける前の段階で得ることができます。
 Π(パイ)がどのようにして上陸してくるかは定かではありません。

 一方、クランジΚはシナリオガイドの状況からなんとか逃れ(その理由はリアクション本編で明らかになること
でしょう)、塵殺寺院ブラッディ・ディバインの一派と接触して増援を得た上で上陸してきます。ブラッディ・ディバインは少数精鋭部隊ですので、Κたちが大軍勢となることはありませんが、それだけに、一丸となり戦闘の混乱の合間をうまく突破してユマ、あるいはクランジΘの首を取ろうとしてくることが予想されます。
 ブラッディ・ディバインという過激な組織と結んでいるので、現在の彼女に共闘をもちかけるのはあまり賢明な判断とはいえないでしょう。
 なお、Κがブラッディ・ディヴァインと接触し助力を得たという情報も、なんらかの理由づけをすればアクション開始前に得ておくことができます。(サンプルアクションをその一例としてご参照ください)

 魍魎島にはローラ・ブラウアヒメルことクランジΡ(ロー)も味方側として上陸します。
 それに、クランジとは因縁の深いイルミンスール魔法学校生小山内南も上陸を希望しているようですが、南についてはつい先日退院したばかりという背景がありますので、展開によっては(※同行するアクションを出すプレイヤーがいなければ)登場しません。

 最後に、このシナリオのジョーカー的存在となるのがクランジΟΞ(オングロンクス)こと大黒美空(おぐろ・みく)です。
 彼女は、Θ一派、本来の塵殺寺院、シャンバラ側にかかわらず、クランジの一族であれば誰であれ攻撃してきます。失われていた戦闘能力が徐々に回復しており大変危険な存在です。

 クランジが出てきて暴れるシナリオは、このお話を区切りとして一旦終了とさせて頂く予定です。
 このような経緯がありますので、普段のシナリオに比べれば初めての人には難しい印象があるかもしれませんが、前編同様、もちろん初心者の方も歓迎したいと思います。

 皆様のご参加、楽しみにお待ち申し上げております。
 桂木京介でした。次はリアクションでお会いしましょう。

▼サンプルアクション

・北の海岸を防衛しクランジΘ・Η(Θ勢力本隊)と戦う

・島の南方面の防衛につきクランジΙ(Θ勢力別働隊)と戦う

・ローラと行軍しクランジΠ(Θ勢力遊撃隊)を捜す

・クランジΚ/ブラッディ・ディヴァイン(塵殺寺院軍)と戦う

・大黒美空を捜索する

・最終防衛拠点となる中央の塔でユマ・ユウヅキを守る

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2012年02月27日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年02月28日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年03月03日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年03月21日


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