百合園女学院へ

薔薇の学舎

校長室

波羅蜜多実業高等学校へ

【戦国マホロバ】弐の巻 風雲!葦原城攻め

リアクション公開中!

【戦国マホロバ】弐の巻 風雲!葦原城攻め

リアクションが公開されました!

リアクションの閲覧はこちらから!

リアクションを読む

参加者一覧を見る

シナリオガイド【イコン参加可】

~風雲立ち込める乱世に立ち向かえ
シナリオ名:【戦国マホロバ】弐の巻 風雲!葦原城攻め / 担当マスター: かの


【マホロバ暦1187年(西暦527年) 6月2日 早朝】
 本之右寺(ほんのうじ)――


 時は戦国――

 川霧の中をぬうように、軍勢を率いて出陣する武者の姿がありました。

 まだ人々が寝静まっている寺を完全に包囲します。

「敵は……本之右寺(ほんのうじ)にあり!」

 その号令とともに、軍勢は本之右寺に向かって鉄砲を撃ち放ち、同時に四方よりなだれ込みました。

 この寺は、天下を目前とし、扶桑の都へ上洛途中の織由上総丞信那(おだ・かずさのすけ・のぶなが)が立ち寄った寝所でした。

「謀反です! お逃げください、信那(のぶなが)様!!」

 手負いの小姓が、信那のもとへ慌てふためきながら飛び込みこんできました。

 しかし、兵はわずか。多勢に無勢。

 寺は一面たちまち火の海と化しました。

「乱世の巨獣武菱の大虎も天下を前にして倒れた。人生五十年とはよく言ったものぞ……あと一年……いや、一月あれば都に上り、天子に会い、俺が天下を治めたものを……!」

 覚悟を決めた信那は槍を置き、炎舞う中で辞世の句を読むのでした。


【マホロバ暦1187年(西暦527年) 6月2日 昼】
 港町 境(さかい)――


「於張国の信那(のぶなが)殿が討ち死にじゃと?」

 鬼州国国主鬼城 貞康(きじょう・さだやす)は、マホロバ最大の交易の港町、境(さかい)にいました。

 境には人も物も金も情報も集まっています。

 貞康はそれらを求めてのことでしたが、時は一刻を争いました。

「……して、誰の謀反だ?」

「それが素性がまだわからぬのです。鬼らしき姿を見たというものもおり、真っ先に疑われているのが殿(との)です。殿が豪商たちに会うために境に来られたのは知られています。都や街道はすぐに封鎖されましょう。早くここをお発ちください。鬼州へお戻りを!」

「わしが信那殿を討っただと……? そんなばかなことがあるか!」

 貞康の治める鬼州国は、隣国である於張国の信那とは同盟関係にあります。

 信那がマホロバで苛烈に勢力を増す一方で、貞康は地道に東国での地固めを行ってきたのでした。

 貞康はにわかに信じられませんでした。

瑞穂攻略に向かっている信那公の家臣、羽紫秀古(はむら・ひでこ)殿はまだ戻られぬだろうな。もし戻ればすぐに戦場になる。境は惜しいが……よし、わかった。山を越え、鬼州へ戻るぞ」

 山路には、暴漢の朱天童子(しゅてんどうじ)率いる鬼一族が潜んでいるといいます。

 供はわずか数人。危険は承知の上です。

「無法者の鬼は、鬼城のため世のためになりませぬ。手向かうのならば、叩きのめしてやりましょう」

 そのような家臣の言葉を受けて、貞康決死の山路越えが行われようとしていました。


【マホロバ暦1187年(西暦527年) 6月3日】
 瑞穂国――


 瑞穂国瑞穂魁正(みずほ・かいせい)は、西国侵攻を行っていた羽紫秀古(はむら・ひでこ)よって水攻めを受けていました。

 が、魁正は秀古が早々に和睦しようとすることに、何か腑に落ちないものがありました。

「一度は織由と手を結ぼうとした魁正殿ではありませぬか。戦上手とはいえ、いつまで意地を張っても瑞穂の為にはなりませぬぞ。ここらで手を打ったほうが良いでしょう……」
 
 そういって兵を退く秀古の影に、一瞬、鬼の影のようなものを見た気がしました。

 魁正は一方的に講和を破棄し、追撃します。

 そして信那死去を知った魁正は、そのまま扶桑の都まで駆け上り、蹴散らし、諸侯を従え於張国を侵略してしまいました。

 さらに、遠く葦原国に目をつけます。

「武力だけでは天下は取れぬ……知略をもって制す。そう教えてくれたのはこなただ、秀古」

 葦原国には葦原祈姫(あしはらの・おりひめ)という姫君がおり、またの名を葦原の戦神子(あしはらの・いくさみこ)と言いました。

 未来を書き記す御筆先(おふでさき)という不思議な術を使うときいています。

 もし葦原を手に入れられれば、瑞穂の天下取りは確実なものとなるでしょう。

「どうやったかはしらんが葦原は、鉄砲をも凌ぐ鬼鎧(きがい)という新しい武器をも造ったらしい……」

 ただひたすらに天下を望む魁正にとって、鬼鎧がどのようなものかはもはや関係ありませんでした。

 彼は首に提げた十字架(ロザリオ)を握り締めます。

 すでに大事なものを失っていた魁正にとっては、異国の教えが何よりも心地よいものになっていました。


卍卍卍



【マホロバ暦1188年(西暦528年) 6月初旬】
 葦原国――


 一年後、葦原城は嵐のような風雲に見舞われていました。

 信那の亡き後、於張国を手中に治めた瑞穂魁正(みずほ・かいせい)は、巨大な兵力をもちいて、北東にて大勢力を誇る葦原国を帰服させることを目標に立てました。

 そして、鬼城 貞康(きじょう・さだやす)らをはじめ、諸大名に葦原攻めを命じていたのです。

 とくに本之右寺(ほんのうじ)での黒幕は鬼城ではないかと不審を抱いていた魁正は、貞康に先陣を切るように告げていました。

 貞康が講和を働きかける手立てもなく、あっという間に葦原国内の支城は次々と攻略され、葦原城は包囲されます。

「こんなところで……シャンバラ建国を目にすることなく、果てるわけにはゆかぬ……!」

 国主である葦原総勝(あしはら・そうかつ)は、砲撃による一斉攻撃を受けながら悔し涙をにじませました。

 孫娘の葦原折姫(あしはらの・おりひめ)をかき抱きます。

「葦原が……滅ぶ! このような歴史があってはならん。そなたは生き延びて……葦原を救ってくれ!」

「おじいさま」

「お前の父、葦原鉄生(あしはら・てっしょう)鬼鎧(きがい)などというガラクタを造ることにうつつを抜かして国を傾けた。あんな鬼の魂の抜け殻、何の役にも立たぬ。何が鬼じゃ、鉄の鬼じゃ! やはり頼れるのは人のみ。祈姫、そなたには不本意であろうが……瑞穂魁正(みずほ・かいせい)を頼るが良い。そなたを嫁にしてもよいというておる……!」

「……!?」

 祈姫は狼狽します。

 少なくともこれは、彼女の知っている歴史にはありませんでした。

 その最中、ついに葦原の城門は破られます。

 兵士が怒涛のごとくなだれ込み、総勝は、葦原国を残すべく自らの腹に刃を突き立てました。

「生き抜いて、この姿を先の世に伝えよ……!」

 これが総勝最期の言葉でした。

 祈姫はとっさに巨大筆で輪を描き、時空の月(じくうのつき)へと逃げ込みます。


 どこかで……鬼の笑う声が聞こえてきました。

『葦原も瑞穂も……すべてわらわの意のままに……』


卍卍卍


【西暦2022年 5月6日】
 マホロバ――


「これが……変わってしまったマホロバの歴史です。おじいさまが……葦原城が……」

 憔悴しきった顔で葦原の戦神子(あしはらの・いくさみこ)こと葦原祈姫(あしはらの・おりひめ)は、再び西暦2022年のマホロバの地に現われました。

 その凄惨さは話に聞くまでもなく、祈姫のうろたえぶりを見るだけで十分でした。

 葦原島の葦原 房姫(あしはらの・ふさひめ)が、復活したという御筆先(おふでさき)にもそれは現われています。



マホロバ暦一一八五年 鬼城貞康 四方ヶ原にて武菱軍を退ける。翌年、武菱氏滅亡
 マホロバ暦一一八七年 本之右寺の変
  マホロバ暦一一八八年 葦原城攻め 葦原総勝、自刃
   マホロバ暦一一九0年 鬼城一族率いる鬼の軍勢 崎ヶ原の合戦にて瑞穂・葦原の連合軍に敗れる
    マホロバ暦一一九二年 扶桑の噴花 花枯を観測
     マホロバ暦一一九三年 鬼の反乱がマホロバ各地で相次ぐ
      マホロバ暦二六八二年 マホロバ滅亡__


「……ここに、二つの月を描きます。ひとつは1187年の本之右寺へ。もうひとつは、1188年の葦原国へと。ひとりがくぐれるのはどちらかひとつ」


 祈姫の両手にはあの時空の月(じくうのつき)を描くことのできる巨大な筆が握られています。

 マホロバの上空には、普段より大きな満月が浮かんでいました。

 満月と地球に最も接近する時だというのです。

 二つの月が描けるのも、近年稀に見る巨大な月の接近のおかげだと祈姫は言いました。

「……あなた方の手でしか、月の輪をくぐったものにしか……それは果たせないから。お願い、来て!」

 二つの時空の月が、新たな運命を飲み込もうとしていました。



担当マスターより

▼担当マスター

かの

▼マスターコメント

 ゲームマスターのかのです。
 マホロバキャンペーンシナリオ【戦国マホロバ】弐の巻をお届けします。

 今回は、マホロバ暦1187年と1188年のマホロバ戦国時代が舞台となります。
 PCは葦原の戦神子が描いた『時空の月(じくうのつき)』ふたつのうちどちらかをくぐって、過去へと向かいます。
 この二つの年代は密接に関わっているものの、どちらか片方しかいけません。
 しかし互いに影響しあっていますので、両時代のPCの行動が関係しています。


※このシナリオには以下の注意事項がございます。

・戦国時代のマホロバでは、携帯電話やインターネットの使用はできません。
情報伝達手段は「のろしやラッパなど」戦国時代ならではのものとなります。
移動手段も馬や徒歩などです。

・『時空の月』を通って持って行けるものは、「装備しているもののみ」です。
イコンも行くことはできますが、稼働時間は限られます。
鬼鎧は『鬼の血』を入手することができれば、その限りではありません。

・PCは必ず2022年の現在から『時空の月(じくうのつき)』を通って、戦国時代へタイムワープします。
1500年前のマホロバ世界側にPCを作成することはできません。

・同じ時間、同じ場所に、同じ人物が同時に存在することはできません。
その場合は『一人に同化』されます。
記憶は『時空の月』をくぐってきたPC側にあるとします。

・PCの目的は『過去を取り戻しマホロバの歴史を新たにつくる』ことです。
ただし、歴史をゆがめようと過度に干渉しすぎると、その時代から弾き飛ばされる場合があります。

・MCとLCは同じ時代にいるようにしてください。過去、未来での別行動はダブルアクションに含まれます。


 なお、この【戦国マホロバ】シリーズは、一話完結の数話構成となっています。
 (※予定は変更される場合もあります)
 各校の参加制限はありませんが、抽選となった場合は葦原明倫館生が受かりやすくなっています。

【戦国マホロバ】第壱巻 マホロバ暦1185年頃のシナリオ
【戦国マホロバ】第弐巻 マホロバ暦1187年と1188年頃のシナリオ
【戦国マホロバ】第参巻 マホロバ暦1190年頃のシナリオ
【戦国マホロバ】第四巻 マホロバ暦1192年頃のシナリオ

※ 「壱の巻」のアクション結果を受けて、葦原房姫の御筆先も変化しています。

 後ほどマスターページに年表や設定を載せる予定ですので、アクションの参考にしてください。


 マホロバの戦国時代を駆け抜け、新たな時代をつくりましょう。
 皆様のアクションをお待ちしています。


【NPC一覧】

(マホロバ暦1187年、1188年)
鬼城貞康(きじょう・さだやす)……鬼城家当主。鬼の血脈を受け継ぐもの。正史ではマホロバ幕府の初代将軍となったが……?

葦原の戦神子(あしはらの・いくさみこ)……本名:葦原祈姫(あしはらの・おりひめ) 西暦2022年のマホロバに突如現れた少女

葦原総勝(あしはら・そうかつ)……葦原国国主。祈姫の祖父
葦原鉄生(あしはら・てっしょう)……からくりオタク。祈姫の父


瑞穂魁正(みずほ・かいせい)……別称:瑞穂の軍神。瑞穂国国主
日数谷現示(ひかずや・げんじ)……瑞穂藩士。瑞穂藩の侍大将


鬼子母帝(きしもてい)……鬼城貞康の実母

朱天童子(しゅてんどうじ)……金品を奪うなどして都を荒らしている鬼一族の棟梁


織由上総丞信那(おだ・かずさのすけ・のぶなが)……於張国の豪傑
羽紫(日輪)秀古(はむら・にちりん・ひでこ)……信那の腹心


雪うさ……貞康が四方ヶ原合戦場で助けた童女


(西暦2022年)
鬼城貞継(きじょう・さだつぐ)……マホロバ前将軍

鬼城白継(きじょう・しろつぐ)……マホロバ将軍。貞継と(SFM0033439) 樹龍院 白姫の子。行方不明

葦原房姫(あしはらの・ふさひめ)……葦原藩姫。『御筆先』が復活
ハイナ・ウィルソン……葦原明倫館総奉行(=校長)。房姫のパートナー


■戦国時代の主なマホロバ勢力

【鬼州国(きしゅうのくに)】(鬼城家)
マホロバの東地方を勢力にもつ

【葦原国(あしはらのくに)】
マホロバの北東地方を勢力にもつ

【瑞穂国(みずほのくに)】
マホロバの西地方を勢力に持つ

【於張国(おわりのくに)】
扶桑の都近郊に勢力にもつ



【付記】
マホロバ暦1187年 6月 『本之右寺の変』
於張国の織由信那は、扶桑の都への上洛を前にして本之右寺にて謀反にあい自刃。
同時期、境にて豪商らの歓待を受けていた鬼城貞康は、信那討死の変報を聞き、少数の供を連れて山路越えを決行する。
西方にて主君の横死を知った羽紫秀古は、瑞穂国・瑞穂魁正と講和を結び、急ぎ扶桑の都に向けて前代未聞の軍団大移動を行った。
これをもとに天下への足がかりをつけたといわれる。

(出典『まほろば史記』「本紀」巻97 著者不明)


マホロバ暦1188年 6月 『葦原城攻め』
北東にて大勢力を誇る葦原国は、羽紫秀古率いる鬼城貞康、瑞穂魁正ら諸大名によって葦原城を包囲された。
葦原城内では、臣下に付くか徹底交戦するかでなかなか決着せず、鬼城が味方についてくれるのでないかという公算もあった。
葦原城攻めは、葦原国主・葦原総勝が自らの命と講和を引きかえに終結し、東・北東地方が平定された。
魁正は武功を挙げ西方軍の重臣となり、また貞康は新領を鬼州からさらに東へ移した。

(出典『まほろば史記』「本紀」巻99 著者不明)



▼サンプルアクション

・1187年の本之右寺(瑞穂国)へ向かう

・1187年の境へ向かう

・1188年の葦原城へ向かい防衛する

・1188年の葦原城攻めに加わる

・1187年の本之右寺にて織由信那を討つ

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2012年05月14日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年05月15日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年05月19日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年06月12日


イラストを設定する 設定イラストを編集/解除する

リアクションが公開されました!

リアクションの閲覧はこちらから!

リアクションを読む

参加者一覧を見る