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イルミンスールの息吹――胎動――

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イルミンスールの息吹――胎動――

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シナリオガイド【イコン参加可】

数多の事件を乗り越え、今、新しい風が吹く。
シナリオ名:イルミンスールの息吹――胎動―― / 担当マスター: 猫宮烈



●ザナドゥ:ベルゼビュート城

「大ババ様、迎えに来ましたよぅ」
「お久しぶりです、アーデルハイト様」

 ザナドゥ首都、リュシファルの中心、ベルゼビュート城
 その5階、上級役員用居室が並ぶフロアの一室をエリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)ミーミル・ワルプルギス(みーみる・わるぷるぎす)が訪れると、そこにはアーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)の姿がありました。
「おぉ、来たか。では、行こうかの」
 アーデルハイトが立ち上がり、エリザベート、ミーミルと共に居室を後にします。久しく顔を揃えた『家族』、そして彼女らが今後も一所を共に出来るかどうかの判断が、これから為されようとしているのでした。

 『ザナドゥ魔戦記』終結より半年が過ぎ、その間に大小の事件が起きつつも、ザナドゥは魔神 パイモン(まじん・ぱいもん)を王、魔神 ロノウェ(まじん・ろのうぇ)魔神 ナベリウス(まじん・なべりうす)魔神 アムドゥスキアス(まじん・あむどぅすきあす)を各都市の領主とする体制の下、安定への道を進んでいました。
 そしてこの間、イルミンスールを離れザナドゥの安定化に寄与してきたアーデルハイトを、地上に帰しても良いのではないかという意見が固まりつつありました。そこには、一度過ちを犯したとはいえ類稀な魔力と知識を有するアーデルハイトを、何かと騒動の多い地上の安定に寄与させるべきという思惑がありはしましたが、ある程度はアーデルハイトの働きが認められた結果でもありました。

●首都リュシファル

「おっ、そこの地上の姉ちゃん方、カワイイなぁ! 観光かい?」
「あはは、ありがと。うん、そんなとこ。店の方、繁盛してる?」
「おうよ! 一時は大変だったけどよ、今じゃ人が増えて忙しいったらありゃしねぇ。
 ま、仕事があるってのはありがてぇもんだ。姉ちゃん方も楽しんでこいよ!」
「うむ! 貴様も仕事に精を出すのだぞ!」

 大勢の魔族で賑わうリュシファルの街を、高根沢 理子(たかねざわ・りこ)セレスティアーナ・アジュア(せれすてぃあーな・あじゅあ)が時に店先の店員と会話を交わしながら見て回ります。二人はザナドゥの『今』を見届けるべく、シャンバラ王国の代表としてやって来たのでした。
「魔族の街はどのようなものかと思っておったが、案外楽しいものだな!」
「そうね、城下町が賑やかなのは、ここも向こうも変わらないわね。
 ……こんな感じで他の街も、仲良くやってくれてるといいんだけど」
 楽しげな様子のセレスティアーナに頷いた理子の目には、ごく少数ながら訪れる地上の者と魔族との交流の様子が見えていました。
(……考えてみたら、元々は同じ所に住んでいたって話なのよね。時間はかかっちゃったけど、地上の種族と魔族がまた顔を合わせ、言葉を交わせるようになる。それってとても素敵なことだと思うのよね)
 立場上、私情を挟むわけにはいかないと思いつつも、自分が見たような光景がある街はこれからも大丈夫だろうと思った理子は、端末の呼び出しに準備が整ったことを悟ります。
「向こうも準備が整ったみたいね。それじゃ、行こっか」
「うむ! 待っておるがよい、私が穴の開くほど見届けてやろう!」
 意気揚々と先を行くセレスティアーナに苦笑して、理子が後を追いかけます。

「それじゃ、まずは近い所から行きますよぅ!」
 エリザベートのテレポートで、一行――アーデルハイト・ミーミル・理子・セレスティアーナ――は最初の目的地、ゲルバドルへと向かいます。その後はアムトーシスロンウェルと見て回る予定になっていました。

●イルミンスール

「ふぅ。こんなものなんだな。……リンネ、本当にいいんだな?」
「うん。この子にはいっぱい頑張ってもらったから、少しお休みさせてあげなくちゃ。
 本当は元の場所に帰してあげたかったけどね」

 イルミンスールのイコン、アルマインが格納されているイコン基地の最奥にリンネ・アシュリング(りんね・あしゅりんぐ)モップス・ベアー(もっぷす・べあー)の姿、そして彼らの愛機、エールラインがありました。エリュシオン帝国やザナドゥとの戦いで活躍したエールラインを、戦いが終わった今、リンネはこの地に仕舞っておくことにしたのです。
「これからはこの子たちの出番がないように、リンネちゃんとみんなで頑張っていかないとだね。
 フィリップくんとルーレンさんも、頑張ってるんだし」
 ぐっ、と拳を握って、リンネが表情を引き締めます。

 ――別所、ザンスカール家新邸――。

「ルーレン様、書類、こちらに置いておきますね」
「ええ、ありがとう」

 世界樹イルミンスール内に完成した、新しいザンスカール家の屋敷内にて、ルーレン・ザンスカール(るーれん・ざんすかーる)が日夜届けられる書類に目を通していました。
 ザナドゥ侵攻の際に壊滅した都市、ザンスカールはその後、イルミンスールの周りを囲む形で復興を概ね完了していました。新たに完成した都市へは、地上へ移住を希望している魔族を受け入れる方向で調整が進められていました。一足先に、人間と精霊、魔族の共存を宣言した『共存都市イナテミス』に続くべく――。

(これからイルミンスールは、新しい風を取り入れつつ脈打ち続けるはずですわ。
 そして、そこに関わる者たちも、また……)
 手を止め、窓の外に目を向けたルーレンが、パートナーであるフィリップ・ベレッタ(ふぃりっぷ・べれった)のことを思い浮かべます。契約した最初の頃は四六時中ベッタリだったのが、今では一緒にいる時間の方が少ないことに、ルーレンは少々の驚きと、淋しさと、けれど納得のようなものを感じていました。

●共存都市イナテミス

「……暑いわ。暑くて溶けそうだわ」
「どうかーん。確かにさ、魔力の無駄遣いを抑えるってのは分かるけどさ、何もここまでしなくたっていいんじゃないかな?
 これじゃあボクたち、暑さで病気になっちゃうよ」
 『氷雪の洞穴』の一室にて、カヤノ・アシュリング(かやの・あしゅりんぐ)と洞穴の『守護龍』メイルーンが額に汗を浮かべ、ぐったりしていました。原因は、洞穴内の冷気を保つための魔力を制限していたためでした。
「ここも最初に比べたら、精霊の数増えたからねー。本当なら眠りにつくはずの子たちまで起きてるようになったから魔力不足が起きるなんて、考えもしなかったよ」
 メイルーンが呟き、カヤノがそうね、と返します。イナテミスの人口増加に、供給エネルギーが追い付いていないが故の弊害でしたが、カヤノもメイルーンもそれは仕方ないことと思っていました。『氷雪の洞穴』や『ウィール遺跡』はむしろまだいい方で、本格的に魔族が移住している市街地の方は、エネルギー問題はより切実なものになっているのでした。
「カヤノやボクみたいに、契約する子がもっと増えれば楽になるんだけどねー」
「ま、こればっかりはね。あたいやあんたみたいに、いい出会いがそうそうあるわけじゃないわよ。ひとまず夏の間は我慢するしかないわね。
 ……そうだわ、ウィール遺跡ならここより涼しいかも。セリシアにもしばらく会ってなかったし、ちょっと行ってくるわ」
 カヤノが立ち上がると、メイルーンが不満げな声をあげます。
「えー! カヤノちゃんだけずるいー! ボクも行くー!」
「あんたまでここを離れたら、何かあった時に困るじゃない。
 お土産買ってきてあげるわよ。せっかくだからイナテミスにも寄っていくから」
「ホント!? わーい!!」
 一変して喜ぶメイルーンに、『龍』の時の勇ましい姿とは似ても似つかないなとカヤノは苦笑しながら、『ウィール遺跡』、そしてイナテミス市街地へと足を運びます。

 それぞれの地で、新しい風が吹こうとしているのでした――。

担当マスターより

▼担当マスター

猫宮烈

▼マスターコメント

(7/10追記)●イコンの扱いについて
イルミンスール、およびイナテミスでは普通に運用できます。場所や行動の制約は特にありません。平和利用を心がけてくださいね。
ザナドゥでは、『魔戦記』の頃は運用に制限がありましたが、あれからしばらく時が経ち、ザナドゥでもイコンを(主に乗り物や作業用として)運用するようになった結果、地上と変わりなく運用ができるようになった、とします。(機体性能は変わらなくて、操縦するPCは「地上とこことでは感覚が違うな」くらいに感じている、と考えてください)
ただし、イコンの地上とザナドゥの行き来は人の行き来と比べて大変です(人の何倍の大きさのものが移動するわけですしね)。そのため、人の場合と比べて厳しい審査が事前に入ります。故に、もしザナドゥでイコンを使って意図的に問題行動を起こそうとした場合、どれほど上手く立ち回ろうとしたとしても最終的にイコンは破壊される&PCはペナルティを受ける、という判定になります。くれぐれも平和利用を心がけてくださいね。



猫宮烈です。

『ザナドゥ魔戦記』終結から時が経ち、それぞれの場所で新しい風が吹き、新しいものが生まれようとしています。
ぜひ皆さんも、未来への息吹を感じてみてください。


●ザナドゥ方面
ザナドゥの治安回復に努めてきたアーデルハイトの地上帰還を判断するべく派遣された理子とセレスティアーナを交え、エリザベート・アーデルハイト・ミーミルがザナドゥの各都市を回ります。順番はゲルバドル→アムトーシス→ロンウェルの順です。

ゲルバドル:ナベリウス
アムトーシス:アムドゥスキアス
ロンウェル:ロノウェ

がそれぞれ控えています。地上とザナドゥの行き来は世界樹を介して自由になっていますので、彼らと交流したい方はそれぞれの街を訪れてみてください。
なお、パイモンは基本、居城であるベルゼビュート城にいます。ですが時たま、崩落し瓦礫と化したメイシュロットに足を運ぶことがあるようです。


●イルミンスール方面
都市ザンスカールは、世界樹イルミンスールの周りを囲む形で復興を遂げつつあります。
ルーレンはイルミンスール内に出来たザンスカール家邸宅に、リンネとモップス、フィリップはイルミンスール内にいます。


●イナテミス方面
人口増加によるエネルギー問題があるようです。また、最近になって異常な温度の上昇があるようですが……?
カヤノが『氷雪の洞穴』にメイルーンを残し、ウィール遺跡→イナテミス市街地へと向かうようです。ウィール遺跡にはセリシアとヴァズデルが、イナテミス市街地にはサラ・セイラン・ケイオースがいます。
アメイアとニーズヘッグも、イナテミスにいることが多いようです。


それでは、皆さまの参加をお待ちしています。

▼サンプルアクション

・ザナドゥの各都市を訪れる

・イルミンスールで過ごす

・イナテミスの各所を訪れる

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年07月08日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月09日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月13日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年08月01日


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