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戦乱の絆 第二部 第三回

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戦乱の絆 第二部 第三回

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シナリオガイド【イコン参加可】

さらわれた女王、そして巨人の襲来!
シナリオ名:戦乱の絆 第二部 第三回 / 担当マスター: 蒼フロ運営チーム

 ヒラニプラ上空――。

「まさかポータラカ人が手伝いに来てくれるなんてねー」
 高根沢理子(たかねざわ・りこ)は初めて見るポータラカ人をまじまじと見つめながら言いました。
(我々はあなた方に協力をすると言った。
 現状のゾディアックの運用に興味を持ったということもあるが)
 ポータラカ人がテレパシーで返します。

 シャンバラは、調整を終えた巨大イコン・ゾディアックへ、
 アイシャ・シュヴァーラ(あいしゃ・しゅう゛ぁーら)と十二星華を搭乗・シンクロさせる作業を進めていました。

 場所はヒラニプラの上空。
 ポータラカより届けられた空中ドックの中です。

 しかし。
 今、その空中ドックへ、“最後の戦い”を挑むカンテミールの要塞が迫っていたのでした。




 カンテミールの要塞内部――。

「この大陸を支えるアトラスの寿命は、もってあと数年だって話。本当みたいだね」
「伝説ではアトラスが逝けば、パラミタ大陸はナラカに沈んでしまうという。
 ……パラミタの崩壊、か」

 カンテミールは、ウゲン・タシガン(うげん・たしがん)の言葉を聞きながらボンヤリと呟きました。
 彼の目が調整カプセルの中のシャムシエル・サビク(しゃむしえる・さびく)を見上げます。

「しかし、シャンバラはシャムシエルとゾディアックの力により、地球と融合し、生き延びる」
「シャンバラが地球と融合したその時、他の地域は全て崩壊してしまうというのに?
 君、一応、帝国の選帝神でしょ?」
「私はシャンバラを選ぶよ」

 カンテミールの目的は『シャンバラに永遠の平和をもたらすこと』でした。
 ゾディアックを奪い、その機能によって、自身が作り上げたオリジナル・シャムシエルを“シャンバラの女王”とし、
 プログラムで制御された女王による完璧な統治の永続を実現することこそ、彼が目指しているものなのです。

「大帝との決別の時は近いね」
「お互い、初めから分かっていたことだ。
 ゾディアックを手に入れた瞬間が、私と彼が敵となる時だと」
「でも、君は今回が“最後の戦い”になるわけだよね。
 そうなると君の女王はゾディアックだけで戦いながら、
 シャンバラと地球を融合させなければいけなくなるんじゃない?」
「シャンバラの民自身に戦ってもらえばいい。
 ゾディアックと私の女王なら、彼らに力を持たせ、それなりの駒として操ることも可能だ」
つまり、君はゾディアックを手に入れたら、
 シャンバラの民を使って帝国と全面戦争をするつもりなんだね

「永遠の平穏を未来に渡せるならば、安いものだろう」

 カンテミールは、シャムシエルへ『全てのプログラム』を組み込み終わり、
 ウゲンの方へと振り返りました。

「私の意思の全ては我が娘に託した。
 あと私に出来るのは、彼女を全ての始まりへと押し上げてやることだけだ。
 この命を賭してな」

「それじゃあ、僕は君の最後の花道の準備に取り掛かるとするかな」




 空中ドック内部――。

「さあ、ゲームをしようか!」

 唐突に姿を現したウゲンが指をパチンッと鳴らすと、
 アイシャは意識を失い、テレポートで何処かへ飛ばされてしまいました。

「時間内にお姫さまを助けるって王道のゲームだよ。
 救出できないまま制限時間を過ぎると、お姫さまは大変なことになってしまいます。
 魔王は僕だ、勇者は君だ!
 というわけで、魔王のお城も用意したから、ぜひ頑張ってくれたまへ。
 じゃ、僕は次の予定があるから、もう行くよ」

 ばいばい、とウゲンが手を振って姿を消します。
 全ては一瞬の出来事で――
 後には、大きな砂時計と『魔王のお城』の場所が記された地図が残されていました。


「女王がさらわれた……?」

 報告を受けた羅 英照(ろー・いんざお)の前には、カンテミールの要塞が映し出されていました。
 第一次防衛ラインを突破したその要塞は、シャンバラのイコンや飛空艇を取り込み、
 まるで巨人のような形へ姿を変えながら空中ドックへと迫ってきています。


「十二星華の搭乗・シンクロ作業の中断は?」

 英照の問い掛けにポータラカ人が答えます。

(今、作業を中止するのは非常に危険だ。
 十二星華が破損する可能性が高い)
「十二星華は使えないか」
(作業にエネルギーを使っているため、この空中ドックを逃がすことも難しい。
 また、この空中ドックの武装では、あの要塞を退けられない。

 要塞がここへ辿り着いた時が、ゾディアックを奪われる時だと考えていいだろう

 英照は緊急通信を行いました。

「明倫館を除く西シャンバラ各学は、要塞の足止めとヒラニプラ地域の防衛。
 明倫館と東シャンバラ各学は要塞へ侵入し、内側から破壊を。
 今回は各校長にもご足労願う。

 その上で、女王奪還は代王指揮下、ロイヤルガードを中心に行う。以上だ」





 一方、キマク――。
 アイリスは大帝の命を受けてパラ実の校舎跡を訪れていました。

「……アスコルド大帝が俺を呼んでる、っすか?」

 御人 良雄(おひと・よしお)アイリス・ブルーエアリアル(あいりす・ぶるーえありある)を怪訝に見やりながら問いかけます。

「君が大帝にその身を捧げれば、大帝はシャンバラとの和平交渉を決めると言っている」
「そ、その身って、そんなの嫌っすよ!
 大体、なんで俺の貞操がシャンバラの和平に繋がるっすか!」
「貞操……? よく分からないが――
 君はシャンバラの英雄になれるかもしれないんだぞ?」

「あははは。嫌だって言ってる人を強要するのは良くないなぁ」

 ウゲンの声がした途端、良雄の姿は消え去ってしまいました。。
 アイリスはいつの間にか姿を表していたウゲンへ問いかけました。

「……彼を何処へやった?」
「何処へって、雲海に捨て――……ようと思ったんだけど」

 ウゲンが眉根をひそめます。

「手元が狂ったみたいだ。
 彼の、あのどーでもいい力のせいかな?
 ……まったく、妙なところに飛んでくれちゃったよ」


担当マスターより

▼担当マスター

蒼フロ運営チーム

▼マスターコメント

『蒼空のフロンティア』のグランドシナリオ 戦乱の絆、第二部の第三回です。

前回ご参加いただけなかった、あるいはまだリアクションを全て読んでない方も、
前回の最終ページと今回のガイドさえ見れば基本的な情報は得られますので問題なくシナリオに参加できます。

また、戦乱の絆第二部は全五回となる予定です。

■ヒラニプラの戦況について
 カンテミールの要塞はヴァイシャリーの南を抜け、東から迫って来ています。
 既に沿岸部の第一次防衛ラインは突破されています。

 要塞の至るところからは触手のようなワイヤーが無数に姿を現し、まるで意思を持った生き物のごとく蠢いています。
 そのワイヤーに囚えられると、イコンや飛空艇といった機晶技術を扱ったものは制御を奪われてしまうようです。
 現在、要塞はシャンバラのイコンや飛空艇などを次々に囚えながら、不恰好な巨人のようなシルエットを成しつつ、空中ドックへと迫ってきています。

 また、地上からは、要塞より放たれた巨大な機械化ヒュドラや機械化ベヒモスといった機械化モンスターがヒラニプラへ向かっています。


■今回のシナリオは以下の区分で、各マスターによって執筆されます。

【1】ヒラニプラ地域の戦い:森水鷲葉(イコン参加可)
明倫館以外の西シャンバラの各学に要請が来ていますが、東シャンバラの生徒の参加も問題ありません。

要塞内部への突破口を上手く開けるかによって、【2】メンバーの初期状態の有利不利が決まります。

主なNPC:辻永翔、金鋭峰、羅英照、関羽、山葉涼司


【2】要塞内部:九道雷
東シャンバラの各学と明倫館に要請が来ていますが、明倫館以外の西シャンバラの生徒の参加も問題ありません。

主なNPC:ラズィーヤ、桜井静香、エリザベート、ハイナ・ウィルソン、ジェイダス観世院、カンテミール、シャムシエル


【3】アイシャ奪還:大里佳保(イコン参加可)
ロイヤルガードへ要請が来ていますが、ロイヤルガード以外の生徒の参加も問題ありません。
今回は高根沢理子とセレスティアーナ両代王が陣頭指揮を執ります。

『魔王のお城』はヒラニプラの南の大陸の縁、雲海を潜った下にあります。
名の通りおどろおどろしい大きな城の外観を持ち、内部は巨大な迷路となっています。

・外はウゲンに従う吸血鬼と鏖殺寺院のイコン・シパーヒーが守っています。
・中にはゴブリンやミノタウロスといった様々なモンスターが放たれています。
・【七曜】は既にこちらへ連れてこられており、城へ侵入してくる契約者の排除を命じられています。

主なNPC:高根沢理子、セレスティアーナ・アジュア、神楽崎優子、ヴィルヘルム・チャージル、ウゲン、その他ロイヤルガードNPC


【4】その他:村上収束(イコン参加可)
他の区分に登場する場所などと関係のないアクションはこちらとなります。採用率は厳しくなりますのでご注意ください。

※良雄について
 良雄を感知したコリマによると、良雄は中国西部にあるドージェの祖国に飛ばされてしまっているそうです。
 そして、どうやら彼は、そこに居つく鏖殺寺院の手に捕まっているようです。寺院にはシパーヒーなどのイコンの姿も確認されています。
 救出を希望する方が居れば、コリマがテレポートで送ってくれます。

 また帝国側の方については、アイリスと共に帝国の魔術師によるテレポートでそこへ向かうことが出来ます。

(どちらとも、イコンは持っていけません)

※十二星華について
 現在、ゾディアックの内部で同調作業を行っているため、動くことは出来ません。
 また、ゾディアック内の十二星華と意思の疎通を行うには、それぞれに対応した神騎が必要となります。
(【神騎】についての説明は、下記<ゾディアック>内にあります)

主な登場NPC:御人良雄、コリマ、アイリス、高原瀬連


■パラ実生徒の方へ■
キマクはエリュシオン占領下にありますが、特に行動に制限はありません。


■第七龍騎士団の方へ■
今回、帝国はカンテミールの行動を『暴走』としています。
そのため、希望があればシャンバラ政府を通し、一時的にシャンバラ側へ加担することが可能です。


■ヒラニプラに拘束中の方へ■
ヒラニプラにいる捕虜は装備を剥がれた状態で拘束されていますが、どさくさにまぎれて脱出は試みられます。


■関連シナリオについて■
野田内 廻マスターによる恐竜騎士団を扱ったペリフェラルシナリオが4月4日(月)に公開予定です!

また、関連キャラクタークエストも近日中に発表予定です。お楽しみに。

それでは、皆様のシナリオ参加、お待ちしております。


■関連設定解説■
<空中ドック>
リング状の宇宙ステーションのような形の巨大施設です。
ゾディアックの調整をするためにポータラカより来ました。
現在はヒラニプラ上空に存在します。

<ゾディアック>
女王と十二星華によって動く特殊な巨大イコンです。
女王の力を最大限に引き出し、コントロールするための装置でもあります。
カンテミールは、このゾディアックの機能を応用して、シャムシエルを『シャンバラの女王』にしようと画策しています。

また、現在、以下の十二星華がゾディアック内で同調作業を行っている最中です。
 ホイップ
 セイニィ
 ティセラ
 パッフェル
 アレナ
 リフル
 テティス
 エメネア

彼女たちは、キャラクタークエスト『集え十二の星』で手に入る「古代、十二星華のためにつくられた、それぞれの乗り物」を用いてゾディアックに搭乗しています。
ポータラカ人は、これらを【神騎】と呼んでいます。



<人物>
●テレングト・カンテミール
 エリュシオンの選帝神だが、ヒラニプラ家の血を引いている。
 自らの目的のために『本物のミルザム』を殺し、エリュシオンに渡っていた。
 ゾディアックの機能を使い、自らが作り出した十二星華シャムシエルを完全な女王として、シャンバラに永遠の平穏をもたらすのが目的。

●シャムシエル・サビク
 カンテミールに生み出された13人目の十二星華。
 何人ものクローンが居たが、オリジナルは【クイーン】と呼ばれ、
 ゾディアックの機能を使うことで『シャンバラの女王』となれるように造られている。

●アイシャ・シュヴァーラ
 現シャンバラの女王。
 元々、エリュシオン宮殿でメイドをしていた吸血鬼の少女。
 エリュシオンに連れ去られてきたアムリアナに『女王の力』と『望み』を託され、シャンバラの女王となる運命を辿る。
 時々、安定しない面を見せていたが、最近は自分自身をしっかりと持ち始めている。

●アムリアナ
 元シャンバラの女王。
 女王の力が封印されていた時の名はジークリンデ。
 今は女王の力と記憶を失い、『ジークリンデ』として日本で暮らしている。

●高根沢理子
 西シャンバラの代王。
 元アムリアナ(ジークリンデ)のパートナー。
 今はアイシャのパートナー。

●セレスティアーナ
 東シャンバラの代王。
 元アムリアナのパートナー。
 今はアイシャのパートナー。

●アスコルド大帝
 エリュシオン帝国の大帝。
 自分の望んだ事が実現されるように『運命』が働いてくれる力を持つ。

●ウゲン・タシガン
 元タシガン領主。
 自分に忠誠を誓う生徒に強力なフラワシを貸し与えた。(七曜)


2011年4月8日:修正
シナリオガイド本文に一部過剰な表現がございましたので修正いたしました。

▼サンプルアクション

・【1】機械化モンスターと戦う

・【2】要塞を攻略

・【3】アイシャ奪還

・【4】空中ドックで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年04月08日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年04月29日


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