薔薇の学舎

「あの本をぉ、持ってくるですぅ！」

　イルミンスール魔法学校。今日も静かに佇む世界樹イルミンスールの中で、校長のエリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）が突然叫び声を上げます。
　なんでも、彼女が小さな頃に（今でも十分小さいのですが……）読んだ『詳説魔術体系』という魔術書を、今になってまた急に読みたくなったとのことです。

　校長たっての希望とあって、すぐに生徒たちが本探しへと駆り出されました。
　学校の名所ともなっている大図書館は、内部が複雑な迷宮となっていて、実力に見合った蔵書しか読むことができないようになっています。しかし、エリザベートによれば「やさしい本なのでぇ、そんなに奥に行かなくても見つかるはずですぅ」とのことです。

　この図書館の司書は、アーデルハイト・ワルプルギス（あーでるはいと・わるぷるぎす）にも匹敵する魔女だという噂ですが、彼女を見た生徒は誰もいないといいます。図書館の蔵書目録も所々適当になっているので、目当ての本を探し出すのには骨が折れるでしょう。

　しかし、いくら魔法の才能があって校長を務めているとはいっても、エリザベートはまだまだ子供。彼女の頼みを無下に断るわけにはいきません。
エリザベートのために是非一肌脱いであげましょう！

　また、この件とは別に、最近図書館内で夜な夜な怪しい影が目撃されており、一部の生徒が不気味がっているという報告も入っています。
　
　今回の任務は、図書館を利用する人たちの邪魔にならないよう、夜間に行われます。本探しには大勢の生徒が向かうでしょうし、ちょうど怪しい影が目撃されている時間帯なので、謎の影について調査してみるのもいいかもしれません。

　ただ今回は図書館に大勢の生徒がおり、明かりもついています。相手は異変に気がついて近づいてこないかもしれません。図書館から離れたところで待ち伏せしようにも、辺りは暗くてよく見えないでしょう。さてどうしたものでしょうか……みなさんの知恵の見せ所です
　
見事謎の影の正体を突き止めた暁には、きっとあなたに賞賛と感謝の念が寄せられることでしょう！

　迷宮のような世界樹の中にある、これまた迷宮のような大図書館。いつの時代も迷宮探索とはわくわくするものですよね。
　今回はみなさんに捜し物とちょっとした調査をしてもらおうと思います。
　本を探すのか謎の影の正体を突き止めるのか、目標は一つに絞ったたほうがよいでしょう。どちらにせよ一筋縄ではいかないでしょうが。
　友達と手分けして『詳説魔術体系』を探そうというのなら、少なくともその特徴くらいはエリザベートに聞いておかないと、膨大な蔵書の中から見つけるのはとても無理でしょう。
　怪しい影を捕まえたいのなら、昼間のうちに鈴をとりつけた糸を張っておくなど、罠をしかけてみるのもいいかもしれません。
　単独行動をとるもよし、誰かと協力するもよし。みなさんがどんな工夫をしてくださるか楽しみにしています！

・大図書館の中から『詳説魔術体系』を探し出す

・怪しい影の正体を追う

・面白そうな本を探して読む

・大図書館の地図を作成する