薔薇の学舎

「キィちゃん？　あらあら、どこに行ったのかしら〜？」
　そう呟きながら小屋を覗いているのはミリア・フォレスト、カフェテリア『宿り樹に果実』のお姉さんとして、各校の生徒たちからも人気の高い女性です。
「あら、いいところに来てくれたわ〜！　この辺りでキィちゃんを見かけなかったかしら〜？　餌をあげようと思ったらいなくなってたのよ〜。今までこんなことはなかったのに、どうしたのかしら〜？」
　どうやら、ミリアがキィと呼ぶペットが逃げ出してしまったようです。ペットのことについて尋ねられたミリアは、こう答えました。
「キィちゃんはキメラなの〜。たてがみがもふもふで気持ちいいのよ〜」
　その笑顔で言った言葉が、周囲に戦慄をもたらしました。キメラとはライオンの顔にヤギの胴体、ヘビの尻尾を持つ魔法生物で、一般的に性格は凶暴、口から高温の火炎を吐く危険な生物と認識されているからです。
「キィちゃんは危なくないわよ〜。昨日だって一緒にお風呂に入ったんだから〜」
　ミリアの言葉に「くっ、ミリアさんと一緒にお風呂なんて、何て役得な……」「ああ、俺もキメラになりてぇ……」という声が聞こえてきましたが、ともかくそのような危険な生物を放っておくわけにはいきません。みんなで協力して捕獲しましょう。
　キメラはカフェテリアから続く道を抜けた模様です。近くには『イルミンスールの森』が広がり、その中の小高い丘のあるところに向かったようです。
　キメラと正面から向き合うことは、例えペットとして飼われていたとしても危険が伴います。前衛と後衛が協力して事に当たらないと、爪と炎の攻撃に苦戦を強いられることになるでしょう。
　罠を仕掛けて捕らえる方法は、事次第では安全に進められますが、キメラは賢く罠を感知されるかもしれません。一つの罠だけではなく組み合わせて仕掛けるなど、工夫を凝らす必要があるでしょう。
　また、ミリアから「これを見ると喜んで寄ってくるのよ〜」と言われて借り受けた、パラミタヒツジのぬいぐるみが何故か大量にあります。これを使えばキメラを簡単に見つけられるようですが、パラミタヒツジはキメラの主食であるという事前知識が気がかりです。
「お願いね、キィちゃんを連れ戻してくれた子には、サービスしてあげるわ〜」
　ミリアの魅惑的な言葉を胸に、一行は捕獲に向かいます。

　はじめまして、こんにちは。玉野　晴(たまの・はる)です。
　今回の舞台はイルミンスールの森です。校外のお話ですので、どの学校の方でも歓迎いたします。
　また、レベルよりも面白さ、スキルよりもノリで書きたいと思いますので、どなた様もお気軽にご参加下さい。楽しいアクションをお待ちしています。
　どうか、今もキィちゃんを心配して待っているミリアお姉さんの所に、キィちゃんを無事に帰してあげて下さい。よろしくお願いします。

・キメラと正面から戦う

・罠を仕掛けて捕らえる

・パラミタヒツジのぬいぐるみを使う