シナリオガイド
不穏な手紙から広がる波紋。ミルムのこれからは……?
シナリオ名:絵本図書館ミルム(第2回/全3回) / 担当マスター:
桜月うさぎ
ヴァイシャリー近くの街、ラテル。
街の表通りは、古い煉瓦造りの建物が並び、店の前には意匠をこらした小旗が翻る、そんな洒落た大通り。
だけど少し裏に入ればそこには、庭付きのささやかな家と畑、跳ねて吠える犬たち、という風景が広がっている……ラテルはそんな街でした。
この街に、サリチェが私設の『絵本図書館ミルム』を作ったのが1ヶ月ちょっと前。
危ぶまれたオープンも、学生の手伝いによって無事に乗り切ることができました。
空京で売られている絵本から、シャンバラの手描き絵本、そして貴重な地球の絵本まで。選びやすく並べられた絵本の数々は、多くの子供たちに読まれ、楽しまれているようです。
けれど……。
「これを見てくれる?」
サリチェが差し出した1通の手紙。
白い紙の真ん中に、黒いインクで書かれた文字は、
『絵本図書館を即刻しめろ。さもなくば図書館は火の海になるだろう』
という、穏やかではないものでした。
「脅しでない証拠にか、植え込みの蔭からこんなものが見つかったの」
それは、ひどく焼け焦げたボロ布の塊でした。
「不思議なことに、植え込みもその下の草1本として焦げていなかったんだけど、やっぱりこんなことがあると心配で……。絵本のこともだけど、利用してくれている子供たちにもし何かあったら……って」
サリチェは重い溜息をつきました。
「誰も疑いたくはないんだけど……この焼けた布が見つかる少し前、植え込みの処からアンゴルさんが慌てた様子で出て来たのを、通りかかった子が見ているの」
アンゴルはラテルの煉瓦通りで本屋を開いている男性で、絵本図書館ミルムのオープンの時に来ていました。ですが、それ以来は一度も来館していないアンゴルが何故ミルムの植え込みにいたのでしょう。
「アンゴルさんの本屋さんにも行ったことがあるのだけれど、どの本も丁寧に扱われていて、本が好きな人なんだと感じたわ。そんなアンゴルさんが本を損なうようなことをするなんて思えないのだけれど……」
「この警告文は、図書館以外の場所にも貼られていて、その為に図書館に来る人はずいぶん減っているわ。本を返却するのも危ないからと、借りている本を取りに来て欲しいという人も多いの。それから……」
そう言ってサリチェは、もう1通、手紙を取り出して見せました。
「いつも来てくれてた子からは、こんな手紙も来てるの……。
『おかあさんが、ほんのおうちにいっちゃダメっていうから、いけません。
また、えほんをよみにいきたいです』
もし事件が解決したとしても、子供たちが絵本を読みに来てくれるには時間がかかりそうね……」
サリチェは沈んだ様子でした。
ミルムはまだ開館したばかり。まだまだこれからも整えていかなければならないことがあるのです。希少な絵本の公開をどうするかも決まっていません。
そんな時にこんな事件が起きてしまっては、この先どうなるか不安にもなります。
「良いお話ではなくてごめんなさい。
でも、この事態を解決する為に力を貸してもらえないかしら。
皆さんの力があればきっとこの事件も、より良い方向にもっていけるんじゃないかと思うの」
だからお願い、とサリチェは手を合わせるのでした。
担当マスターより
▼担当マスター
桜月うさぎ
▼マスターコメント
みなさま、こんにちは。桜月うさぎ(さくらづき・うさぎ)です。
絵本図書館ミルムの2回目となります。舞台となる場所は連続していますけれど、お話自体は一話完結ですので、前回参加してくださった方はもちろん、今回はじめて参加される方も大歓迎です。
初心者さん、玄人さん、そしてどの学園の方もどんどんいらして下さいね。
今回は、ちょっとした事件の回。といっても、ゆる〜い事件なのであまり構えず気軽にどうぞ。
アンゴルは絵本図書館ミルムの第1回6Pの終わりあたりにちらっとだけ出ています。アンゴルに関わる方はそちらも見てみて下さいね。どんな人なのか、知る手がかりになるかも知れません。
では、みなさまのお越しを絵本図書館にてお待ちしております。
▼サンプルアクション
・館内外の巡回
・貸し出しした本の回収
・アンゴルに会いに行く
・事件解決後の信頼回復
・風評に負けない図書館作り
▼予約受付締切日
(既に締切を迎えました)
2010年01月23日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2010年01月24日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2010年01月28日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2010年02月09日