「ふと思ったんだけどさ。パラ実のイコンって小さいし弱いよね」
「……は?」
先日、契約者になったばかりのパラ実生高島 要(たかしま・かなめ)は、パートナーの剣の花嫁アレックス・レイフィールド(あれっくす・れいふぃーるど)に、唐突にそんなことを言いました。
シャンバラの各学校をはじめ、エリュシオン、カナン、果ては鏖殺寺院が所有する巨大ロボット、サロゲート・エイコーン――通称イコンは様々な形状をしています。基本は2足歩行の人型ですが、中には動物の姿をしたもの、最近は可変型のものまで登場しました。
パラ実には喪悲漢と離偉漸屠という2つのイコンが存在し、種モミの塔で量産されています。その最大の特徴は顔から手足が生えているような外観であること、そして他のイコンと比べて「小型」であること……。
「天御柱学院のイーグリットやコームラントと比べたら敵わないのは仕方ないかもしれないけど、それにしては弱っちすぎない? デフォの武器も金棒1本だしさ」
「まあパラ実100万人のために用意されたモンだしな。数を揃えるためなら、多少は性能が落ちたってしょうがないだろうよ」
「まあ私はそれが不満なのよね」
基本的にパワー主義者である要は、パラ実のイコンが弱いというのが気に入らないのでした。
「そこでこの要ちゃんは考えました。どうすればパラ実イコンは強くなるのか」
「何となく答えが想像つくが、まあ拝聴しようか」
「パラ実イコンが弱いのは、Sサイズだからなんだよ! もっと大きくないと強くならないじゃない!」
「イコンも大きさ重視かい……」
イコンは大別してS、M、Lサイズと存在し、パラ実のそれはSサイズに分類されます。それこそが原因なのだと要は結論付けました。
「だからどうにかしてイコンを大きくしちゃおう! 大きかったらその分強くなるのが普通なんだしね!」
「……方法でも考えてるのか?」
「そんなの私が考えてるわけないじゃない! だからみんなのイコンを参考にして、その場で魔改造するのを手伝ってもらうんだもん!」
「他人任せかよ!!」
そこで要は知り合いに連絡を取りました。
その内容とは、
「できるだけ魔改造されたイコン、それからパーツをできるだけ持ってきて! それを私の離偉漸屠にくっつけて全体的にでっかくしてほしいの! お願いね!」
つまりはパラ実的発想に基づいた魔改造イコンの品評会を行うと同時に、持ち寄ったパーツをくっつけて要のイコンを巨大化させようというわけです。
荒野を舞台に行うイコン改造計画、あなたはどのように参加しますか?