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シナリオガイド

夜の校舎に追跡者……果たして脱出はできるのか!?
シナリオ名:えすけーぷふろむすくーる! / 担当マスター: 高久 高久

「う……ん……あ、あれ?」
 金元 ななな(かねもと・ななな)が目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だった。
「え? ここ……どこ?」
 辺りを見回しても、全くの見覚えが無い。
「あ、気づいたみたいだね」
 混乱しているなななに、アゾート・ワルプルギス(あぞーと・わるぷるぎす)が声をかける。
「え? ここどこ?」
「それが……ボクもわからないんだ」
 そう言ってアゾートがため息を吐いた。
 改めてなななが辺りを見回す。よく見ると演説に使うような壇上があり、講堂のような場所だった。
「教導団、じゃないよ?」
「イルミンでも、こんな場所があるなんて知らないし……ねえ、キミは何か覚えていることない?」
 アゾートに言われ、ななながぼんやりしたと記憶を辿ると、最後に残っている記憶が一つあった。
「そういえば……『肝試し』に参加したんだよ、なななは!
 数日前、各校の掲示板に掲示された『肝試し』。それに興味をもったなななは参加した、はずだった。
「キミもそうなの?」
 アゾートが驚いたように目を丸くする。
「ってことは、そっちも?」
 なななの言葉にアゾートが頷く。
「ということは、他の人たちも同じなのかな……」
 アゾートが目をやると、他にも生徒達がいることになななは気づいた。同じ学校の生徒だけでなく、他校生徒も混じっている。皆同じように目を覚まし戸惑っているようであった。
 そしてなななの目に入ったのは『EXIT』と書かれた扉。真上には電光掲示板がデジタル数字で『2:00:00』と表示されたまま止まっている。
「あれ、出口じゃないの?」
 なななが扉を指差すが、アゾートは首を横に振る。
「駄目、開かないんだ」
 アゾート曰く、目覚めた生徒達もなななと同じように考え扉を開けようと試みたが、前後に押しても引いてもびくともしなかったというのだ。
「そんなぁ……」
 なななが項垂れ、ため息を吐いた瞬間だ。

『はーい、皆さん起きましたねー?』

壁に設置してあるスピーカーから、この状況とは不釣合いなくらい明るい女性の声が響く。
『さて、それでは肝試しを開催しまーす』
 戸惑い、ざわめく生徒達を置いて、スピーカーからは声が流れ続ける。
『これから皆さんはこの校舎内を探索して、脱出方法を探してもらいます。校舎は教室棟と特別教室棟の二つがあり、どこを探してもOKです。けど中には皆さんを邪魔する人がいて、見つけたら追いかけてきます。捕まると罰ゲームですので気をつけてくださいねー』
 所々で『それ肝試しか?』と声があがるが、勿論返答は無い。
『さて、そこの出口にある時間が制限時間ですので頑張ってください。それでは、スタート!』
 その宣言の直後、表示されていた電光掲示板の数字が動き出した。
「……やるしかないみたいだね」
「うーん……」
「どうしたの?」
 考え込むなななの顔を見て、アゾートが問う。
「うん……さっきのあの声、どこかで聞いたような気がするんだけど……」

「……ふぅ」
 講堂から離れた校舎外のプレハブ内、放送器具のスイッチを切った卜部 泪(うらべ・るい)が息を吐く。
「これでいいんですかね?」
「ああ」
 泪の言葉に頷いたのは金 鋭峰(じん・るいふぉん)

――数週間前、『学生が夏で少し気が抜けているので、何とかしてもらいたい』と依頼を受けた泪は鋭峰に相談を持ちかけていた。
「何かいい方法は無いですかね?」
「ふむ……そうだな、肝試しなんてどうだ?」
「肝試し、ですか?」
 鋭峰の案に、泪は顎に手を当て、考える仕草を見せる。
「うーん……時期的には合っていますが……」
「ただの肝試しではない。ただ脅かし役が脅かすのではなく、追いかけて捕まったら何かしらのペナルティを与えるようにする。そうする事により緊張感を持たせるのだ」
「鬼ごっこみたいですね」
「そうだな。この案でよければ我も協力するが、どうする?」
 鋭峰の言葉に、他に案の無かった泪は頷いた。

「で、こんな建物まで用意してしまうなんて……」
 泪が校舎を眺めて呟く。この校舎は鋭峰が用意した物だ。
「ああ、元々教導団が建物を篭城した敵の殲滅を想定した訓練のために用意していた物だ。丁度老朽化が進んできてたから壊す予定だったのだが、今回のために少し弄っておいた」
「……それにしても、大丈夫ですかね?」
「何がだ?」
「追いかける人たちですよ。やりすぎなければいいんですけど……」
「ああ、その辺りは大丈夫であろう。『やりすぎるなよ? 絶対にやりすぎるなよ? いいな絶対だぞ?』と念を押したからな」
「……それが不安なのですが」
 泪がこめかみを押さえつつ呟いた。

担当マスターより

▼担当マスター

高久 高久

▼マスターコメント

※今回マスターコメントをよく読んでくださいねー

 初めましての方は初めまして。そうでない方はまたお会いしましたね。高久高久でございます。
 今回はちょっといつもとは違うような内容になっております。コメントをよく読んでから参加を御検討下さい。
 舞台は教導団となっていますが、どなたでも自由に参加できます。

■目的
 今回は役割が探索者、追跡者の二つに分かれます
1、探索者:校舎内からの脱出
 校舎内からスキル、アイテムを利用して脱出してください。教室にある物を利用する事も可能です。
 探索可能な場所は二箇所。どのような目的で探索するか、をアクションでお願いします。目的によってはその場所で脱出用の特殊なアイテムが手に入るかもしれません。
 また校内には追跡者がいます。鉢合わせた場合、捕まらない為のアクションを考える必要もあります。
2、追跡者:探索者達の捕獲
 校舎内から脱出をする生徒達を邪魔し、捕獲してください。
 探索者同様、行き先を二箇所選んでください。鉢合わせた場合探索者の追跡が始まります。スキル、アクションを利用して捕獲を試みてください。
 追跡者は探索者より先に校内にいるため、教室内に隠れる事も可能です。しかし『探索者のフリをしてついていく』ということはできません。
 また、生徒を捕獲した場合、何か一つペナルティを与えることができます。
 例、『タイキック』『石抱き』という過激な物から『強制コスプレ』『顔面落書き』なんていう羞恥系等、一つ考えてアクションしてください。
 やり過ぎないでくださいね!? いいですかやりすぎないで下さいね!? 絶対ですよ!?(余りにひどい物はNGになります)

※参加される方はまず「挨拶スレッド」にて挨拶をお願いします。その際のサイコロで目が8以下の方は探索者、9以上の方は追跡者になります。

■校舎
 教室棟と特別教室棟、講堂があります。どこから脱出してもかまいません。脱出できれば、の話ですが。

◎教室棟:三階建。各階に三つの教室と男女別にトイレが一つずつあります。また、屋上への扉もありますが、鍵がかかっています。
・教室:机、黒板、教卓、ロッカーといったごく平凡な教室です。前後に出入り口があり、鍵はかかっていません。三階の教室には非常時の脱出袋(滑り台のようになるアレ)がベランダにありますが、ベランダへの扉は溶接されており、強化ガラスがはめ込まれています。
・屋上:出入り口は鍵がかかっていて開かないと入れません。周囲は落下防止用の柵で囲われています。
※探索の場合、『○階の教室』というように調べてください。教室棟はそのフロアすべての教室を探索することになります。

◎特別教室棟:三階建。それぞれのフロアに特別教室等があります。それぞれの内訳は以下の通り。
○一階:美術室、理科室、用務員室
・美術室:美術の授業に使う教室。絵画や胸像などが置かれており、ごちゃごちゃとしています。隣には準備室があり、工具などが置かれています。
・理科室:理科の授業に使う教室。模型や標本、実験で使う薬品(硫酸や液体窒素なんて物も)が置かれています。
・用務員室:用務員が滞在している場所。もちろん用務員さんはいません。
○二階:職員室、図書室、音楽室
・職員室:教師が滞在する部屋。もちろん教師はいません。
・図書室:かなりの蔵書があり、数多くの本棚があります。
・音楽室:合唱などで使うためか、通常の教室より物が少なく広くなっている教室です。
○三階:体育館、倉庫
・体育館:アーチ状に広い天井に板張りの床のごく普通な体育館。奥に非常口がありますが、鍵がかかっている上にドアノブが針金で固定されています。
・倉庫:主に体育の授業で使う跳び箱、大縄、マットなどが収容されています。

※教室棟と特別教室棟の共通点
 廊下の端にそれぞれ上下する階段が存在してます。また、窓はありますが衝撃や斬撃に強い強化ガラスがはめ込まれ、簡単には開けたり割ったりできなくなっています。同様に扉、壁なども破壊はできないものと思ってください。
 また、どちらの棟の一階には出入り口がありますがバリケードで封鎖され出入りはできないものと思ってください。
 それと一階、二階は渡廊下が存在し各棟への行き来が可能です。

◎講堂:体育館より少し小さい朝礼などで使う建物。皆さんが目を覚ました場所でもあります。机や椅子といった障害物はありません。
・扉:不釣合いに【EXIT】と書かれた洋館風の扉が存在します。しかしドアノブを捻っても押しても引いてもびくともしません。また、鍵穴らしき物が見当たりません。
・電光掲示板:制限時間が表示されています。『2:00:00』と二時間に設定されており、一箇所探索すると一時間が経過する事になります。

■建物の位置関係
 
 特別棟 教室棟   三階 □   □
  □―――□      二階 □ ― □
   \ /       一階 □ ― □
     □          特別棟↑教室棟
    講堂              ↑
                   渡廊下
 ※真上から見た図    ※横から見た図 

■逃走、追跡について
 探索者、追跡者が同じ場所に居合わせたとき、追跡が始まります。
 基本的に逃げられる場所は同フロア内の場所のみとなります。他フロアへの移動はできません。
 渡廊下がある場所では、棟を移動することは可能です。移動先の同フロア内場所であれば逃げることが可能です。
 例、教室棟二階で追跡開始→特別棟職員室に逃げ込む ○
                 →特別棟体育館へ逃げ込む ×

■装備、スキルについて
 今回使用できる装備、スキルは『「武装1」「スキル1」に装備しているものしか使えない』という制限がついています。
 それ以外の装備、スキルを使用した場合はNGとなりますのでご注意ください。
 教室内で手に入れたものはこの限りではありません。

■NPCについて
 今回NPCは
・探索者:アゾート、ななな
・追跡者:金団長、泪
という役割ですが、リアクション内で登場する場所はランダムで決めさせていただきます。
『○○(NPC)と一緒に行動する』というアクションはNGとなりますので注意してください。

 長ったらしい説明となりまして申し訳ございません。小難しい内容ですが、いつもの私らしい所もあると思いますので捕獲を恐れずがんばってください。

▼サンプルアクション

・脱出するための方法を探す

・隠れて隙を見る

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年08月18日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年08月19日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年08月23日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年09月06日


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