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【ザナドゥ魔戦記】芸術に灯る魂(第2回/全2回)

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【ザナドゥ魔戦記】芸術に灯る魂(第2回/全2回)

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シナリオガイド

芸術大会開催! アムトーシスに魂は灯る
シナリオ名:【ザナドゥ魔戦記】芸術に灯る魂(第2回/全2回) / 担当マスター: 夜光ヤナギ


このシナリオを含む、8月26日公開の【ザナドゥ魔戦記】へのシナリオ参加は、

『【ザナドゥ魔戦記】全体で、
1ユーザー様につき最大2PCまでの参加』
『マスターシナリオ1つにつき1ユーザー様1PCまでの参加』
『同キャラクターの複数シナリオへの参加の禁止』

をお願い致します。

1PCが2本のシナリオへの参加決定、また1ユーザーが所有するPCのうち、3PC以上の参加決定が確認できた時点で、参加した全てのシナリオにおいて白紙扱いとなります、ご了承ください。
※ただし、第1回と第2回をそれぞれ別のシナリオに参加しようとすることは可能とします。(活躍できるかどうかは別となります)。



 魔族たちに攫われた南カナン領主の双子の妹エンヘドゥ・ニヌア(えんへどぅ・にぬあ)を取り戻すため、魔族の国ザナドゥへとやって来た南カナン領主シャムス・ニヌア(しゃむす・にぬあ)たち。
 彼女たちは、魔神 アムドゥスキアス(まじん・あむどぅすきあす)が治める街――アムトーシスへと足を運びました。
 芸術の街であるその街で出会ったのは、アムトーシスを守る兵隊長の女剣士サイクス
 彼女の手引きもあり、アムドゥスキアスと交渉することのできたシャムスたちは彼から『芸術対決』による決着を提案されます。
 地上の芸術とザナドゥの魔族たちの芸術。どちらが上かを競い合おうというのです。
 その対決に勝てば、エンヘドゥはシャムスたちのもとへと返されます。しかし、負けたときはシャムス自身の魂が奪われ、アムドゥスキアスの新たな芸術品となるのです。
 シャムスはその対決を受け入れ、アムトーシスで芸術対決の時を待ちました。
 そしてその時は、着実に近づいてきていたのです――。



「これがボクの最高傑作だよ」
 アムトーシスの大広場――運河の水をくみ上げて噴水を作っているこの場所の中央で、アムドゥスキアスは仰々しく手を広げました。
 それを合図として彼の部下たちが運び込むのは一体のブロンズ像。
 同じく広場でアムドゥスキアスの様子を見守っていたシャムスの眉が、ピクリと上がりました。精鋭の近江騎士団『漆黒の翼』の騎士団長アムドや地球の契約者たちも、彼女とともにブロンズ像を見つめています。
 ブロンズ像は彼女の双子の妹――エンヘドゥです。
 はかなくも美しい姿で彫像と化している彼女は、今は身動きどころか口を開くことすら叶いませんでした。
 噴水の前に飾られたブロンズ像。それを前にして声を張り上げたアムドゥスキアスに、街の魔族たちがざわめき立ちます。
「きたる芸術大会はもうすぐだ! 地上の者か、あるいはボクたち魔族か! 勝者だけがこの最高の芸術品を手にすることが出来る!」
 アムドゥスキアスがそう言って示すのは、エンヘドゥ。
 『芸術品』。
 その言葉に、シャムスの拳がぎゅっと握られます。
 芸術大会は円舞、彫刻、絵画、曲芸……美術品から見世物まで、『芸術』であれば何でもよし。それらを街で披露してもらうという手法でした。
 決着の判断はアムドゥスキアス自身が行います。
 シャムスの脳裏に、先日のアムドゥスキアスとの対話が思い起こされました。


「それで? 決着の判定方法はどうなるのだ?」
「エンヘドゥさんが賭けの対象でしょ? そして彼女はいまボクの手の中にある。シャムスさん……ボクはね。彼女を手放したくないんだ」
 エンヘドゥの部屋は塔の上の階にあります。
 アムドゥスキアスはそんな彼女の部屋を眺めるように天井を仰ぎ、そしてシャムスと向き直りました。
「だけど、あなたたちはそんなエンヘドゥさんを取り戻したい」
「その通りだ」
「なら……ボクが彼女を手放してもいいと思えるぐらいの価値のある芸術をいただく必要がある。そうは思わない?」
 半ば、シャムスの瞳に殺気が宿りました。
 エンヘドゥの美しさと存在に芸術的価値を見出し、彼女の魂を捕えているのは他ならぬアムドゥスキアスです。そしてそれは決して合意の上に成り立ったことではありません。ぬけぬけと何を言い出すと、シャムスは激昂寸前まで怒りがこみ上げました。
 彼女は思わずアムドゥスキアスを睨みつけます。
「つまり……対決の判断はあなた自身が行うと?」
「その通り。飲み込みが早くて助かるよー」
「それをオレに信用しろと言うのか? 魔神であり、一介の魔族を統べるあなたのことを?」
「それが対決への第一歩だと、ボクは思ってるよ」
 毅然としたシャムスの視線にまったく動じず、彼は飄々とそう言いました。
 しばらく、シャムスは黙ったまま彼を見つめます。やがて――その口がゆっくりと開きました。
「……いいだろう」
「ほんと? よかったー、断られたらどうしようかと思ってたんだー」
「必ず……取り戻させてもらう」
「うん。お互いに頑張ろうね」
 アムドゥスキアスはまるで来たる旅行の日を楽しみにする子供のように、無邪気な笑顔を浮かべました。


「芸術大会かー……楽しみだなっ」
「へへっ、地上の連中の芸が見れるってのも面白い」
「当日はどんな衣装で出ようかしら?」
「あれが地上のお姫様かぁ……こりゃ、確かに至高の一品だぜ」
 アムドゥスキアスの演説が終わると、街の魔族たちはきたる『芸術大会』への期待を膨らませながら、広場を後にしました。
「それじゃあ、君たちも芸術大会に向けて準備をするといいよー。ボクも大会運営の準備を進めるからさ。ふふっ、たのしみだね」
 アムドゥスキアスもまた去ってゆきます。
 しかし――ブロンズ像は広場の噴水前に残されたままでした。
 アムトーシスの兵隊長であるサイクスをはじめとしたアムドゥスキアスの部下たちが、ブロンズ像を守っています。芸術大会参加者たちの意欲をかき立てるためでしょう。大会期間中、彼女は噴水前に飾られるようです。
 しばらく、シャムスたちはエンヘドゥを見つめています。
 やがて、その瞳に宿った決意の色が色あせないうちに、彼女たちはその場を後にしました。



 エンヘドゥは夜になれば自由な身体を取り戻すことができます。
 そのため――彼女は夕闇が近づくとアムドゥスキアスの塔に運び込まれるのでした。そしてその役割を担うのは、アムドゥスキアスから何名かの部下を配属された魔神 ナベリウス(まじん・なべりうす)です。
「エンヘちゃんのお部屋着いた~」
「ついたついた~」
「とうちゃーく」
 三人娘はエンヘドゥを部屋まで連れてきました。
 彼女たちの無邪気すぎる姿に、半ば戸惑った顔をしているエンヘドゥ。しかし彼女は、親戚の子供たちでも遊びに来たかのように、その瞳に少しだけ微笑ましい色を浮かべていました。
「それじゃあ、ナナがエンヘちゃんのお部屋を調べるの~」
「モモは~?」
「サクラは~?」
「二人はアムちゃんのところでごほうこく~!」
「「らじゃー」」
 三人娘の中でも一番髪の長いナベリウス――『ナナ』が、お姉さんぶるようにサクラとモモを別行動にさせました。エンヘドゥを部屋に案内して、彼女はごそごそと彼女の部屋を調べ始めます。
 エンヘドゥはこれでも一応は人質です。なにか不審なものがないか、随時調べるように言い聞かされていたのでした。
 しかし――
「はい、出来ましたよ」
「にゃ~! ナナの似顔絵、似顔絵だ~!」
 紙に描かれた自分の似顔絵を見て、ナナはとび跳ねて喜びました。
 彼女は、エンヘドゥから様々な『遊び』を教えてもらっていたのです。初めは地球で言われる『あやとり』という糸遊びに興じていたエンヘドゥを見ていただけなのですが……やがて自分でもやってみたいと思ったのでしょう。
 エンヘドゥはかつて姉とやっていた玉弾きに糸遊び、そして今日は似顔絵を描いてあげたのでした。
「エンヘちゃん、次! 次は糸遊びだよ~!」
「ええ、良いですよ」
 そして夜は更けていきます。
 彼女は朝になれば再びブロンズ像になり、アムトーシスの街に飾られるのでした。



 アムトーシスの兵隊長――サイクスは見回りがてらに街を散策していました。
「おーい、これそっちに持っていってくれー!」
「ばっかやろう! ちげぇーよ! それはもうちょっと右上だって! だー、わかんない奴だなもう」
「当日はどんな衣装で出ようかしら? 楽しみね」
 街の至る所から聞こえてくる、『芸術大会』へ向けた声の数々。久しぶりの大規模な催しものとあって、街の者たちは気合を入れてアムトーシスを装飾し、自らの見世物を準備しています。
 それが魂をかけた戦いであっても――いや、あるいはだからこそ、彼らは真剣に芸術に取り組もうとしているのです。
 それは契約者たちも同じであって、彼らもまたアムトーシスの劇場を利用したり、自らステージを作ったり、己の芸術の表現に趣向を凝らしていました。
 サイクスはそんなアムトーシスの街を歩きながら、ある三人の人影が街の路地裏にいることに気づきました。
「ナベリウス様?」
 彼女たちに近づこうとしたサイクスは、ふとその足を止めました。
(あれは……)
 彼女たちが話していたのは、誰ともわからぬ者でした。
 身につけているのは魔道士のようなローブで、目深く被ったフードによって顔がまるで見えません。足元に見えるのは竜のごとき尾です。魔族であることは間違いなさそうですが、なぜこう人目につかないような場所でナベリウスと話しているのか。
 やがてローブの魔族と話し終えて、ナベリウスは路地裏から出てきました。
 とっさに身を隠したサイクスは、彼女たちがその場から離れたのを確認して路地裏を覗き込みます。すでにローブの魔族は姿を消していました。
(ナベリウス様は…………たしかパイモン様とバルバトス様から送られてきたんだったな)
 嫌な予感はぬぐえません。
 サイクスは身を翻すと、アムドゥスキアスの塔へと戻っていきました。


 ザナドゥは芸術の街アムトーシスで『芸術大会』が開催されます!
 エンヘドゥをかけた大会の行方はいかに?
 運命の歯車となるのは、あなたたちなのです!

担当マスターより

▼担当マスター

夜光ヤナギ

▼マスターコメント

初めましての方は初めまして。
そうでない方はお世話になっております。
夏にはやっぱり浴衣と線香花火だね、とか思ってるMS、夜光ヤナギです。

今回は【ザナドゥ魔戦記】アムトーシス編の第2回となります。この回からのご参加も可能となっておりますので、ご了承ください。
若輩者のMSですが、何卒よろしくお願いいたします。

【内容補足】

●芸術大会について
芸術大会は主に学園祭・イベント方式で行われるようです。
見世物の参加者は自らの好きな芸術(彫刻、絵画、書道、彫像、舞台、踊り、歌、演奏、などなど)を披露し、自らの芸術をアピールすることになります。
劇場や舞台は借りることが出来ますし、ステージも場所によってはアムドゥスキアスが準備してくれるようです。
ただし、生半可な芸(例えば飲みの席での一発芸など)であればそれは叶わないと思われます。
付け焼刃の芸はリスクもあるということですね。
しかし、基本的に道端のパフォーマンス芸は比較的緩い規制になっているようですので、なんでもアリな風潮があります。
よほど危ないものでない限りは、止められることはないでしょう。
芸術大会は運営も存在するので、兵隊長のサイクスなどは警備主任として大会を見回っています。
パンツや全裸などは、場合によっては捕まる可能性があるかもしれませんね。
ちなみに、アムドゥスキアスとシャムスは一緒に芸術大会を見て回るようです。

●アムトーシス
魔神アムドゥスキアスが治める、数少ない水辺に面した、ザナドゥで最も美しいとされる街です。
芸術や絵画をたしなむアムドゥスキアスの性格が反映され、街の作りから既に芸術的であり、街の至るところには芸術作品が並んでいます。
それでありながら軍事的な部分も決しておろそかにはされておらず、この辺りにアムドゥスキアスの性格が出ているようです。
この街の住民は、武力による争いを好みませんが、その代わり芸術に対する並々ならぬ情熱を持っています。

●エンヘドゥ
アムドゥスキアスによって魂を抜きとられたエンヘドゥは、昼間はブロンズ像に魂を封印されており、彼の屋敷に飾られています。
それは魂の加工や封印を得意とするアムドゥスキアスの成した技によるもので、彼女の魂はブロンズ像の中で生きながらえているようです。
夜の間だけは元の身体を取り戻し、エンヘドゥとして行動することが可能ですので、アムドゥスキアスの意向によっては彼女も夜に芸術大会に参加できるかもしれません。

●アムドゥスキアス
『四魔将』の一柱で、絵画や音楽といった芸術を愛する魔神です。
外見は少年のそれであって、四魔将の中で最も戦いを好まない性格をしていますが、魔族の軍勢を率いる四魔将としての務めは確実に果たしています。
魂の加工や封印を得意としており、彼の屋敷には魂を封印した芸術品が多く飾られており、それ以外の価値のないものと判断されたものは服や鎧へと加工されております。
それらを平然とやってのけるところは、彼が魔族である証拠とも言えるでしょう。
地上の美術品にも興味を持っており、それがある種パイモンにとっては危惧される要素であるようです。

●ナベリウス
『四魔将』の一柱、三人の魔神です。彼女たちは三人で『ナベリウス』を名乗っています。
髪の長い順から「ナナ」「モモ」「サクラ」と個別の名前も冠しています。
どうやらアムトーシスに滞在しているようで、その目的は「遊びにやってきた」とのこと。
しかし、彼女を送り込んだのは他ならぬパイモン。
ナベリウス自身は大きく意識してはいませんが、アムドゥスキアスは彼女が『監視』の目的もあって送りこまれたことに気づいているようです。
最近、「ナナ」はエンヘドゥと仲が良いようで、戦い以外の『遊び』に興味を持っていたりします。

●味方NPCについて
【シャムス・ニヌア】
南カナンを統治する若き女領主。
長い間、男と思われていたが、【カナン再生記】の大戦を経て女性であることが発覚した。
漆黒のフルプレートメイルを身に纏っていることから、“黒騎士”の異名で知られている。
正義感が強く男義にあふれているが、融通がなかなか効かない頑固な性格でもある。
常に漆黒の兜をかぶっていることから、その素顔を見た者はほとんどいなかったが、現在では兜を外している。
【アムド】
南カナンの誇る精鋭騎士団漆黒の翼で騎士団長を務める男。
シャムスに忠誠を誓っており、彼女の統治する南カナンを守るべく戦うことを誇りとしている。
武骨な肉体で大剣を武器に戦うその様は鬼神のようだが、そこには洗練された訓練の賜物も培われている。
芸術大会ではサイクスとは別に地上隊として警備に回るつもりらしい。

※以上はアクションを考える上での参考情報です。あくまで参考となるものなので、必ずしもMCやLC自体がそれを知っている前提でなければならない、ということはありませんのでご安心下さい。(もちろん、周知を前提にされても結構です)


以下は、【ザナドゥ魔戦記】に関係する記述です。

『悪魔LCの立場』『魔鎧LCの立場』『死亡描写につきまして』『ザナドゥ側に付く場合』につきましては、【ザナドゥ魔戦記】特設ページに記載がありますので、そちらをご確認ください。

『魂を奪われた、もしくは捧げたPCについて』
普通の生活を送る分には、他の人と変わり無く過ごすことが出来ます。
但し、魔族に反逆する意思が見られた時点で身体の自由が利かなくなり、意思と行動の自由を奪われます。シナリオ終了時には元に戻ります。
(奪われるかどうかは、皆様の送っていただいたアクションを元に、マスターが判定します)

また、以上のPCが行動する場合、魔族の力の一部を与えられているとし、身体能力が一箇所強化されています。
どこが強化されているかは、アクションで指定することが出来ます。(例:目がとても良くなった、速く走れるようになった等々)


(以下は新規に追加されたものです)


今回よりザナドゥ側についたPCについては、

・シャンバラ、カナンの敵対勢力とみなされ放校処分

となります。システム的にはパラ実に転校となり他校に転校が出来なくなり、ロイヤルガードや教導団の階級などの地位も失われます。
※称号は残る場合もありますが、無効となります。

これはパートナーも同様です。
放校はキャラクターレベルでどんな事情があろうと、ザナドゥ側についたことが判明した時点での処理となります。

放校されるとマスターシナリオや、その他のコンテンツの参加や行動に制限が出る場合があります。
放校はシナリオ状況やアクションによっては解除される可能性がございます。
今回ザナドゥ側についてないとしても、過去の本シリーズにおいて同様の行為をしていた事が発覚した場合も同様の処理となる場合もございます。

また、放校されたからといってどんな悪事も許される訳ではありません。
シナリオと関係のない悪事、あるいはシナリオや他PCに対する害意しかうかがえないと判断した場合は、アクション不採用とさせて頂く場合もございますのでご了承ください。
※もちろんザナドゥ側として戦うなどは問題ありません。

近日中に放校PCについては、運営チームのマスターページで一覧が掲載される予定です。



それでは、皆さんの個性あふれるアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・芸術大会で芸を披露する

・芸術大会を鑑賞してゆく

・大会の運営を手伝う

・警備係として街を見て回る

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年08月27日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年08月28日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年09月01日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年09月26日


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