薔薇の学舎

「くしゅん！」
　明るい光りを取り込んだ蒼空学園のカフェテラスで、生徒たちが休憩を取っています。
　そこで、旅の疲れで一時くつろいでいました御神楽　環菜（みかぐら・かんな）の横で
ルミーナ・レバレッジ（るみーな・ればれっじ）は大きなくしゃみをしました。

「あら、風邪？」
　ルミーナは環菜を気遣って声をかけます。
「大丈夫です！」
　ルミーナは風邪の用に体が重くなる、熱が出るなどといった症状は無いようです。
　ただ、出たのはくしゃみ……それと――
「じゃあ、何で私の体にそんなに抱きついてるのかしら」
　ルミーナは手を伸ばして、環菜の体にがっしりと巻き付くように抱いていました。
「ご、ごめんなさい！　くっしゅん！」
　一度環菜の体から離れたはずのルミーナの手はしっかりと、環菜の体を抱いていました。
「わざとかしら？」
　眉を少し吊り上げ、子犬をしかるように環菜は聞きます。
「か、体が勝手に」
　ルミーナの言い訳に環菜は怪訝そうな顔を浮かべるだけで信じてくれません。

　そんなとき、臨時ニュースを知らせる電子音がテレビから、カフェテラスに響かせました。
「全地域で謎の伝染病が広まっています。この病気のせいで村が一つ消えかけています」
「この病気、感染するとくしゃみと共に誰かまわずそばの人に抱きつ――くっしゅん」
　テレビのニュースキャスターはくしゃみをすると、画面から消えてしまいました。
「……抱きつきたくなる病、むかしにあったような気もするわね」

　しかし、ルミーナはこの病気のせいで村がひとつ滅んでいるという話ばかりが気がかりです。
「あの、この病気は治す方法がないんでしょうか」
「ん、ああ……たしか秘薬がどっかで――あっ、ここね」
　テレビに全滅しかけている小さな村が移った瞬間、環菜は一点を指差しました。
　そこには、ぼろぼろの石が積み上げられてできている崩れそうな神殿がありました。
　同時に映像に映っているのは、抱き合う村人たちです。
　テレビによると、生活に支障が出ておりご飯もつくれないそうです。
「行きましょう……」
「本気なのかしら？」
　環菜は切り捨てるように聞きます。だが、ルミーナは強く頷きました。
「……あなたの病気も治す必要がありますし、行きましょうか。
　それに確か、人を従えることが出来る秘宝が眠ってるみたいですし」
　少し考えた後に、環菜はため息混じりに答えました。
「とはいっても、罠がたくさんあるはずだから……何人か生徒にも手伝ってもらおうかしら」
　環菜はそういってカフェテラスに居る生徒たちを見渡しました。

　こんにちは、初めましての方には初めまして。
　今年も、寒い時期がやってきておりますが、皆様体調不良などはどうでしょうか。
　1月〜2月にかけましては、風邪にかかるという方が多いと思います。
　パラミタ大陸の一部では、風邪よりも恐ろしい伝染病が流行りはじめました。
　その名も、「抱きつきたくなる病」
　その名の通り、かかってしまうと、誰かまわずに抱きついてしまうというものです。
　この病気は、参加されるMC、LCにも当然影響がでることになります。
　ぜひ、病気を治すためにもご協力をお願いいたします。
　しかし……抱きつきたくなる病とは、考えようによっては治したくなくなる病気かもしれませんね。

■廃墟について
　廃墟は、大変崩れやすく壁に穴を開けるなどの行為は、自殺行為となるためご注意ください。
　また、至る所に先人達の罠が待ち構えています。罠としましては落とし穴などの物理的な物から
　魔法による錯乱などが用意されているようです。

■秘宝・モンスターについて
　秘宝はどうやら、病気を治すための薬とは別に人を思うように動かせる秘宝がある……らしいです。
　なお、この廃墟ではモンスターが潜んでおります。
　秘宝を守ろうとする番犬などではなくノラコウモリなどの一般的なモンスターです。
　ただし……病気を治すための薬、秘宝の置いている場所には何のモンスターも潜んでいないという保証はございません。
　
■伝染病について
　この病気は伝染します。よって、MC、LC関係なく感染する可能性があります。
　突然起きた、伝染病のため病院の方では治療の対応が出来ずにいます。
　体への直接的な影響はありませんが、異性など関係なく誰にでも抱きついてしまいます。
　そのため、戦いなどでは少々影響がそういう面では出てしまうのではないかと思われます。
　またこの病気はスキルやアイテムによる治療も出来ません。

・モンスターを倒してみんなが進む道を切り開く

・トラップを解除する

・みんなより先につきすすむ