シナリオガイド【イコン参加可】
超弩級高速飛空艦“迅竜”始動! 今こそ反撃開始だ!
シナリオ名:【第三話】始動! 迅竜 / 担当マスター:
影山リョウガ
ツァンダでの“フリューゲル”による蒼空学園施設襲撃より数日後。
商業都市ツァンダ レティーシア家領内 レティーシア家私設ドック
「迅竜の整備状況はどうなっている?」
ツァンダ家に連なるクロカス家が保有する私設ドックを訪れ、金 鋭峰(じん・るいふぉん)は問いかけました。
シャンバラ教導団の長である鋭峰とクロカス家の令嬢であるレティーシア・クロカス(れてぃーしあ・くろかす)の取り決めによって、今、この私設ドックは『あるもの』を整備する為に稼働しています。
「順調です。既に70%以上が終了し、もうすぐ始動可能になると思われます」
鋭峰の質問に答えたのは教導団の整備課に属する技術者。
教導団とクロカス家が共同で作業を行う為、既に多数の教導団員がこのドックに入っているのです。
「そうか。実に結構。そのまま作業を進めてくれ」
鋭峰が満足そうに頷くと、それを見計らったようにレティーシアが彼に声をかけます。
「まさか本当にこれを動かす時が来るとは思いませんでしたわ」
声をかけられた鋭峰は一度レティーシアを振り返ってからゆっくりと頷き、そして言いました。
「私も発掘された当初は大き過ぎる力とは思いましたが、あれだけの兵器を次々と投入してくる敵勢力に対抗するには、もはやこのレベルでなくては」
鋭峰の言葉を聞き、レティーシアの表情も自然と引き締まります。
上に立つ者として、極力顔には出さないよう落ち着き払ってはいますが、レティーシアは戦慄していました。
発掘当初よりその強さゆえ、実際に使われることはないと思っていた迅竜が、今まさに実戦に投入されようとしている事実。
そして、そうさせるだけの戦力が敵にはあるという事実に身震いするのに、彼女は何とか耐えていました。
「これが始動した後はどう運用されるおつもり? そもそも、貴女がた教導団とわたくしたちクロカス家の共同作業である以上、実際の所有権がどこにあるのかも、貴方がたとしてははっきりさせておきたいのではなくて?」
そこで一旦言葉を止めると、レティーシアは整備中の迅竜を一瞥してから再度、口を開きます。
「こんな状況で所有権云々なんて野暮な話はしたくはありませんし、そもそもそんな話をしている場合ではないのでしょうけれど、いずれそうしたことも決めておかなければなりませんわ。なら、早い方がよろしいのではなくて? もし必要なら重責に就く者達を会談の為に召集致しますわよ?」
すると鋭峰は予め決めていたように、淀みなく即答します。
「仰る通り、そんな話をしていられる状況ではありません。ゆえに私は迅竜を独立部隊として扱うことを考えております。迅竜は特定の学校に属さない勢力……言い換えれば九校連全体に所属する勢力としての運用――」
鋭峰が放った言葉が衝撃的だったのか、レティーシアは一瞬声が出なくなるも、すぐに気を取り直して問い返します。
「なるほど。でも失礼ながら、貴方にしては随分と珍しいことを仰いますのね――数ある学校の中でもこと軍機に関しては一番厳格な教導団の、それも防秘中の防衛秘とも言える迅竜を他校の目に触れる場所に供出したばかりか、ある種の共有財産として使用させるなんて。現に、已む無く知りえたわたくし達クロカス家の者を除けば、教導団以外の……いえ、教導団でも一部の方にしか迅竜の存在は知らされていなかったのですもの」
皮肉など一切なく、ただ純粋に気になったという口振りで問いかけるレティーシアに、鋭峰は躊躇なく答えます。
「最初の事件が起きた当初、これは我々教導団へのテロ行為であり、そしてあの事件に限らずテロリスト達のマクロな目的も我々教導団に対する敵対行動であると目されていた――しかし、その後に起きたツァンダへのテロ攻撃を考慮すれば、テロリスト達の標的が教導団以外の学校組織、ひいては九校連全体である可能性ももはや決して低くはないといえる状況。ならば、こちらも学校同士の連携を取らなければなりません」
そして鋭峰はほんの数秒黙り込んで、第一、第二の事件の際に上がってきた報告を思い返すと、再び口を開きました。
「加えて、現場レベルで学生同士が所属校の垣根を超えて協力してくれたからこそ、第一と第二の事件は何とかこちらの勝利という形に帰結させることができました、逆に言えばそうした協力体制がなければ結果はまた違っていたかもしれません」
「それは同感ですわ。わたくしたちも各校の皆様が一丸となって戦ってくださいましたからこそ、こうしていられるのですもの」
「ですが一方で、まだ完全にスムーズな協力というわけにもいかないのも事実。違いはあれど各校が機密を抱えるのは同じ、ゆえに他校生が立ち入ることが許される範囲と超えてはならぬ一線――その線引きが非常に難しい以上、毎回毎回手続きや承認に追われ、機密を優先するばかりに全てのリソースを活用できず、結果として最大限の力を発揮できないようでは今後、我々教導団……否、九校連は苦戦を強いられるでしょう」
そこまで語り終えると、鋭峰はレティーシアの目をまっすぐに見つめて言います。
「だからこそ、そうした諸々――枷となる要素を何一つ気にすることなく各校の勢力が活動できる拠点が必要なのです。それを成すにはおそらく九校連中で最も機密に厳格な我々教導団が率先して証を示す必要がある。そして、その為の迅竜です」
鋭峰の言葉に大きく頷くレティーシア。
レティーシアも鋭峰に同感のようです。
「仰る通りですわ。流石はシャンバラ教導団団長金鋭峰ですわね」
惜しみない称賛の眼差しを向けるレティーシア。
そしてレティーシアは何かに気付いた様子で更に鋭峰へと問いかけました。
「もっとも、貴方のことですから他にも理由があるのでしょうけれど」
今度は鋭峰がレティーシアに称賛の眼差しを向ける番でした。
「ほう、やはり貴女は気付いていたようで。お察しの通り、迅竜にはもう一つの目的……各校の誇る最強クラスの戦力――エース級のパイロットや彼等の駆るカスタム機を集結させる為のものでもあります。最強クラスの戦力が各校から集まれば、圧倒的な戦力を有するテロリスト達を圧倒できる。そして、そうである以上、こちらから攻勢に出ることも可能です」
鋭峰が放った『攻勢』という言葉にレティーシアは息を呑みます。
「まさかそこまで……。今更確かめるまでもないとは思いますけれども、本気ですの……?」
緊張に声を強張らせて問いかけたレティーシアに向け、鋭峰は大きく頷きました。
「当然です。このまま後手後手に回り続けていては、いずれ九校連の防衛体制は崩壊する――それよりも先にこちらから攻勢に打って出ることでテロリストを殲滅する――」
微塵の迷いもなく言い切った鋭峰を見て、レティーシアは黙ったまま彼の言葉に聞き入っています。
「――反撃の時は来たのです。レティーシア・クロカス嬢」
同日 数時間後 ヒラニプラ地方 シャンバラ教導団 イコン開発施設
「待たせてすまない。早速話を聞かせてくれ」
団長専用機から降り立った鋭峰は出迎えに現れた技術者に開口一番そう言うと、早足で歩き始めました。
「お待ちしておりました。では、早速――」
それに答える出迎えの技術者――先日、禽竜の整備と説明を担当した技術者は鋭峰をこの施設の奥へと案内していきます。
「すまないな。また得体の知れないものを君に押し付けてしまったようだ」
鋭峰が言うと、技術者は恐縮したように答えます。
「そんな滅相もない。他ならぬ団長に自分の腕を頼ってもらえるんです。ありがたいもんですよ。それにあの類の奇妙奇天烈なトンデモ機体は既に一度見てますからね。検分するんならそうした経験のある者がやるべきってもんでしょう」
「実に頼もしいな。これからも頼りにしているぞ」
言葉を交わしながら、二人は施設内を歩いていきます。
倉庫やオフィスなどの建物を幾つか超えた先には開けたスペースが広がっていました。
アスファルトで整地された広大な敷地の一部は駐機スペースとして利用されているのか、戦車や装甲車、あるいは戦闘機が停止状態で並んでいます。
そして、それらが並ぶエリアを抜けた更に先、建物も駐機も何もない――正真正銘の開けたスペースへと鋭峰を案内してきた技術者は視線の先を指さしました。
「団長、あれが例の機体です」
技術者が指さす先では二機のイコンが模擬戦をしています。
一機は教導団の制式採用機である鋼竜。
そしてもう一機は鋭峰ですら見たこともない機体でした。
全体的な印象はどことなく鋼竜に似ているものの、外装などは鋼竜よりも少なく、シンプルな見た目は余計なディティールを削ぎ落すことをコンセプトとしているようにも思えます。
「まさか……いや、同じ設計者ならばさもありなんか」
その機体を見て、鋭峰は何かに気付いたようです。
人間で言えば面影や雰囲気といったものが、この謎の機体とどことなく似ている機体を鋭峰は思い出したのです。
「纏う空気のような曖昧なものだが、不思議とあの禽竜に似ているような気さえする」
そう呟く鋭峰に技術者は頷きます。
「やはりそう思われますか。実を言うと同感でして。やはり、同じ開発者が造った可能性は高いのでしょうね――」
謎の機体を見ながら意見を交わす二人の前で、模擬戦は今も続いていました。
両者ともに武装はイコン用の刀剣のみ。
近距離での格闘戦を行っているようです。
「なるほど――高機動タイプの次は近接戦闘タイプか。禽竜の有していた圧倒的な機動性を鑑みれば、あの機体が有する近接格闘性能には、さぞ凄まじいものがあるのだろうな」
興味心身といった様子で模擬戦を視察する鋭峰。
しかし、次の瞬間に目の当たりにした光景には、さしもの鋭峰ですら驚きを隠せませんでした。
「何……ッ!?」
なんと禽竜と同じ開発者を持つ機体――謎の機体が刀剣を相手の鋼竜に斬り払われ、隙を呈した所に峰打ちをくらって負けを喫したのです。
十数秒後、すぐに模擬戦は再開。
今度は謎の機体が両手持ちで刀剣を大きく振るいます。
しかし、大きく振るった直後、謎の機体の両腕は伸びきったまま動かなくなり、駆動系の空転する音を立てながら無防備な胴体を露呈します。
ガラ空き謎の胴体に峰打ちを受け、謎の機体はがまたも負けを喫しました。
数分後、伸びきった腕を嵌め直して模擬戦は再開されます。
今度は、謎の機体が大きく踏み込みますが、脚を大きく跳ね上げ過ぎたせいで見事にひっくり返り、その状態から相手の鋼竜によってコクピット部に刀剣の切っ先を突きつけられ、三度目の負けを喫したのでした。
「どうやら、テストパイロットの腕に差があるようだな」
謎の機体がもはや旧型となりつつある鋼竜に一方的な負けを喫したことに驚いたものの、すぐに落ち着きを取り戻した鋭峰。
彼に対し、隣で見ていた技術者は平然と言いました。
予想外の勝敗を見ても落ち着き払っているあたり、彼は鋭峰が来るよりも前にこの模擬戦を見ていたのでしょう。
「いえ、テストパイロットの二人は同期入隊で技量から成績、指導教官、修了課程、ついでに酒と女の好みもほぼ同じ――言わば自他共に認める良いライバル同士です。普通のパイロット同士ならともかく、この二人に関して言えばこの結果は純粋な機体性能の差ですよ」
それを聞かされ、再び驚いた様子の鋭峰は解せないといった表情で技術者に確かめます。
「ならば訓練課程を修了して間もない新兵ということか。成程、確かにテロリスト共による損害により、イコン操縦にある程度習熟した兵士は負傷、無事に動ける者は警備や復旧作業に従事しているからな。人材不足も已むを得んか」
仮説を立て、それに納得する鋭峰。
だがしかし、またも技術者は言います。
「いえ、禽竜の例がありましたもので、この機体も同じく高い操縦技術を持ったエース級のパイロットを対象にした機体と推察されましたので、多少の無理を言ってこの二人に来てもらいました。ちなみに、この二人は訓練キャンプの同期卒業メンバーの中では常に一二を争っていたエースで、イコン操縦においては正真正銘のスペシャリストです」
いよいよ鋭峰も困った顔をし始めます。
「ならば一体どういうことだ? 禽竜とは違い、この機体はどうしようもない欠陥機だったということか? 早急に説明しろ」
さしもの鋭峰すら困惑しかけているのを見て、技術者は無線機を取り出すと、模擬戦の終了を二機へと告げます。
ややあって停止した二機からそれぞれコクピットハッチを開けて出てきたテストパイロットの二人は鋭峰に名乗るとともに最敬礼すると、兵舎へと戻って行きました。
「さて、ではそれをご説明する為にも、まずは一度見ていただきたいものがあります」
パイロットが降りる為、まるでひざまずくような姿勢になったまま停止している二機。
技術者はその片方――謎の機体の方へと鋭峰を案内していきます。
怪訝な顔で機体の所まで来た鋭峰の前で、技術者はコクピットハッチを開けました。
そして、ハッチが開いたことで見せられたものに、鋭峰は三度目の驚愕を禁じ得なかったのです。
「一体何なのだ……これは……?」
コクピットの内部を覗き込んだ鋭峰の目に飛び込んできたのは、今までに見たこともないタイプのコクピットでした。
壁にも天井にもモニターの類はなく、すべて普通の壁と天井。
それどころか、操縦桿の一本、ペダルの一つもこのコクピットにはありません。
あるのはただ、コクピットの中心部に屹立するパワードスーツのような形をした装置と、それから伸びる種々雑多なケーブル群だったのです。
「まさか……まだ実用段階では……」
何かを察したものの、すぐにその考えを振り払おうとする鋭峰に技術者は言いました。
しかし、落ち着き払っていた先程とは違い、今度ばかりは既にこれを見ている彼も驚きを隠せないようです。
「……ええ。お察しの通り、マスタースレイブによる操縦システムです――それも、いまだかつてないほどの。教導団はもちろん、他校のイコンも知らないわけではありませんが……ここまで精度の異常に高いマスタースレイブは見たことがありませんよ」
それを聞かされた途端、さしもの鋭峰ですら遂に取り乱しました。
「そんな筈はないッ! それほど高精度なマスタースレイブによる操縦システムや、それを開発できるほどの人材などが存在するのならば、とっくに我々教導団の諜報網に感知され、私の知る所になっている筈だ! そもそもマスタースレイブによるイコン操縦を研究している者もそれほど多くはない、現に教導団でもマスタースレイブを積極的に研究していたのはたった一人――」
一気にまくしたてて、鋭峰はそこではたと気付きます。
それを察したように、技術者はゆっくりと答えました。
「実はこの機体……その一人――加藤博士が関わっている可能性が濃厚なんです」
そこで一拍置き、技術者はほんの数秒だけ相手を待ちます。
すぐに鋭峰が平静を取り戻したのを確認すると、技術者は再び口を開きました。
「やはりこの機体も鹵獲された鋼竜がベースになっているようで、念の為に調べてみた所、幸いなことに機体識別番号が残ってましてね。それを照合した所……この機体がもとは加藤博士の護衛に就いていた鋼竜だと判明しました」
説明を聞きながら鋭峰はかつて起きた事件を思い出していました。
「加藤博士は研究所にいたのが確認されたのを最後に行方不明になっていた筈だ。現場に残された研究施設の残骸と、護衛を含めた誰一人の遺体も発見されなかったことから、武装勢力による拉致と見られていたが、こんなことになっているとは――」
「ええ。加藤博士は校舎や街からも離れた荒野の果てに研究所を建てて、一人でそこにこもって研究しているのが好きな方でしたからね。そうした事態を想定して鋼竜が配備された護衛部隊を付けておいたんですが……しかし、まさか加藤博士に限ってテロリスト共に技術協力をするなんて……」
他ならぬ自分で言っていることにも関わらず、鋭峰も技術者も俄かにはそれが信じられない様子でした。
とはいえ、未だ確証が無い以上、ここでその真偽を争っても詮なきこと。
ひとまず頭を切り替えようと、鋭峰は違う話題で水を向けます。
「先程の模擬戦だが、一体なぜあのような結果となったのかを更に詳しく聞かせてもらおう」
「この機体がパイロットの動きをそのままトレースして動かす操縦方式なのはお察しの通りです。だからこそこの機体は人間に近い、というよりもはや人間そのもののと言った方が近いような動きができる反面、パイロット自身も武術の達人であることが求められるんです」
コクピットに入り込み、後から取り付けたデータ収集用の端末を取り出しながら技術者は語り続けます。
「パイロットの動きがそのまま機体の動きとなるということは、パイロットの格闘戦能力がそのまま機体の戦闘力となるということです。だからこの機体にとっては自らの性能を最大限引き出してくれるベストパイロットとイコン操縦のスペシャリストが必ずしもイコールではないんですよ」
コクピットから出た技術者は、端末を厳重に梱包しながら、鋭峰へと更に語ります。
「その一方で、イコンである以上、イコンという乗り物の操縦に関する感覚も大前提として求められる――即ち、この機体のパイロットには、『イコン操縦の達人である事』と『武道の達人である事』が同時に求められるわけです。どちらか片方ならともかく、その両方を備えたパイロットなんてそうそういやしません。先程の場合はパイロットが前者のみだったもので、ちなみに先程のように片一方の場合、この機体は第一世代の旧型機にも負けるんですよ。それを考えれば、その旧型機に乗った方が遥かにマシってもんです」
興味津津の様子で何度も頷きながらその説明に聞き入っていた鋭峰は、ふと思い出したように問いかけました。
「成程。そういえば先程見られた機体の挙動における不具合もそれが原因か?」
「その通りです。この機体の操縦システムはパイロット……即ち人間の動きをイコンサイズまで増幅して機体に伝えるからこそ、パイロットの動きをトレース可能なわけですが、そのせいでパイロットには超精密な力加減が要求されるんです」
梱包を終えた端末をアスファルトに置くと、技術者は何か棒のようなものを振るジェスチャーをしてみせます。
「さっきのはテストパイロットがコクピット内部で力任せに腕を振り回したせいでその動きが増幅されて機体に伝わって……結果的にその激し過ぎる動きに機体そのものが耐えられずに、『機体が肩を脱臼した』んです。幸い、パーツの合わせが外れただけだったんで、嵌め直したらすぐに元通りになりましたが。つまるところ、高精度過ぎるシステムが逆に仇となったということですね」
そう説明しながら技術は今度は左手で右肩を持って嵌め直すジェスチャーをしました。
「武道でもなければ格闘技でもなく、それこそキレた子供や酔ったチンピラがやるみたいにただ腕を振りまわすような真似をすればまたすぐにこの機体は『脱臼』するでしょうね。団長ほどの達人なら御存じと思いますが、拳による突き一つとっても自分の身体を痛めないように繰り出せるようになるにはかなりの修行が必要だと言われていますから。当然といえば当然のことなのかもしれませんが」
しみじみと語りながら、技術者はアスファルトに置いた端末を持ち上げます。
「さっき機体がひっくり返ったのも同様の理由です。中のパイロットが激しく脚を動かし過ぎたせいで、勢い余って機体がひっくり返ったんでしょう」
しばらく聞き入っていた鋭峰ですが、そこでふと問いかけます。
「感度の調整はできないのか? 感度をもう少し低くすればこのようなピーキーな機動性による問題は解決できるだろう」
そう問われて、技術者は苦笑しながら答えました。
「仰る通りなんですが、この機体も禽竜と同じくブラックボックスでして。重要な設定は我々ではいじれないようになってるんです。それに、よしんばそれができたとしても、そうすると今度は達人の精細な技を再現できなくなってしまうので、せいぜいが操縦桿とペダルのない鋼竜程度の機体になってしまいます」
そう言われては鋭峰もこれ以上、感度を低くしろとは言えないようです。
困ったように考え込んでいる鋭峰に、技術者は静かな口調で語りかけました。
「そこまで御心配には及びませんよ……もとより達人の武術を再現する為の機体なだけあって、武道として洗練された動きならば激しい動きをしても機体にガタがくるなんてことはないでしょうから。あくまで、滅茶苦茶な動きがダメというだけであって――もっとも、まずは激しく動いても大丈夫なだけの洗練された動きができるパイロットを探さないといけませんが」
技術者の説明に頷いた後、鋭峰は問いかけました。
「しかし何故ここまでのピーキーな機体にしたのだろうな? 禽竜といい、この機体といい、実にピーキー過ぎる機体だ」
すると技術者はしばらく考えた後、ゆっくりと答えました。
「禽竜はどうかはわかりませんが、この機体には理由のほどは全くもって不明ですが、加藤博士が関わっている可能性があります……だとすれば、それも頷けるかと」
目線で続きを促す鋭峰の意を受け、技術者は更に語ります。
「日本には古くから人馬一体という言葉で表される思想があります。科学者であると同時に古武道の使い手でもある加藤博士ならば人馬一体ならぬ、人機一体を体現した機体を設計しても不思議ではないかと」
「なぜそうだと?」
「この機体にとっての長所も短所も、いわば機体とパイロットの身体が一つになるということに集約されます。だからこそ、パイロットには腕一つとっても機体の腕部パーツではなく、自分の腕を扱うように労わることが求められる。さっきの例ではないですが、自分の腕や肩がイカレるのも構わず腕を動かすなんて、自分の身体であればしないでしょう? 武道にはただ単純に筋力に任せた動きをするのではなく、いかにして効率良く肉体を動かし、より小さいコストで大きなパワーを引き出す為の学術という側面もありますからね――その理論を設計に取り入れた可能性は高いでしょう」
「確かにそうだな。小さな力で大きな相手を倒す――武道とはそうしたものでもある」
「でも、それさえ理解した上で動かせば、人間の身体そっくりな動き……もちろん武術も再現可能です。これは近接格闘を行う機体にとって凄まじい優位性ですよ――良くも悪くも機体とパイロットが一体……まさに人機一体です」
技術者の説明を聞き、鋭峰は納得したように頷きました。
「ふむ。一理あるな。それと武装についても聞いておこう。もっとも、今の話からすれば加藤博士の設計思想らしく、武器は刀剣一本という潔さでありそうなものだがな」
件の機体を見上げながら、鋭峰はそう言います。
「ご明察。加藤博士の護衛についていたパイロットも古流剣術の使い手だったそうで、その拘りから標準装備のマシンガンも持たず、ただ大型超高周波ブレード一本を持たせた鋼竜を愛機としていたらしく……それがベースとなった機体である関係から、武装もそのブレード一本です」
技術者は件の機体が背中に背負っている大型の刀剣を指さしながら説明していきます。
「“ドンナー”タイプとの交戦を想定して、あの刀剣にはこちらの手で禽竜のコンバットナイフと同じ対ビームコーティングを施してありますんで、短時間であればビームエネルギーでコーティングされた“ドンナー”の刀剣とも鍔迫り合いが可能です」
何度も深々と頷きながら聞いていた鋭峰は、すべての説明を聞き終えると、技術者に向き直りました。
「委細承知した。ところで、禽竜の整備状況はどうなっている?」
「既に整備は完了しています。万全の状態でこの施設に保管してありますんで、いつでも出せますよ」
「そうか、実に結――」
満足気な顔で鋭峰が技術者を褒めようとした時です、この場に大急ぎで走ってきた兵士が割って入りました。
「お取り込み中の所失礼致します! ツァンダからの緊急連絡があり、お伝えに参りました次第であります!」
最敬礼する兵士に向きなおると、鋭峰は頷きました。
「御苦労。内容を聞かせてもらおう」
「は! たった今、“迅竜”の整備が完了したとのことです!」
威勢良く伝える兵士に向けてもう一度頷くと、鋭峰は改めて技術者に向き直ります。
「聞いての通りだ。私はこれより再びツァンダに向かわねばならない。早急に禽竜とこの機体――」
そこで一瞬、鋭峰が言い淀んだ理由を察すると、技術者は彼に告げます。
「――剣竜です。それがこの機体……禽竜に続く我々の新たなる力の名前です」
「了解した。禽竜と剣竜の二機をツァンダに移送し、そこで迅竜に搭載する。その為にも、すぐに作業を頼む」
鋭峰から頼まれ、技術者は姿勢を正して最敬礼するとともに、威勢の良い声で応えました。
「了解!」
某日 同時刻 某所
とある場所に位置するエッシェンバッハ派の保有する格納庫。
先端に鈴の付いた三つ編みの黒髪の青年――来里人が漆黒の愛機を見上げていると、一人の青年が話しかけました。
歳の頃は来里人と同じくらい、まるで羽のようにシャギーの入った髪はどうやら染めているらしく、オレンジ色です。
「よぉ、やっぱ“グリューヴルムヒェン”は見てて飽きねえよな。それも愛しの愛機とくりゃあ尚更なもんだろ?」
オレンジ髪の青年は陽気で人懐っこそうな物腰で来里人に話しかけると、来里人の隣に立って同じく機体を見上げました。
彼が見上げているのは来里人の機体の隣に立つ機体であり、漆黒の色に塗られた“グリューヴルムヒェン”の一機。
その機体こそ、大きな翼を持つ“グリューヴルムヒェン”――ツァンダの上空で九校連と交戦した、他ならぬ“フリューゲル”です。
「んまあでも、性能と見てくれからいって俺の“フリューゲル”が一番かな。斬られた腕も無事直ったことだし、カッコ良さも十倍増しだぜ」
上機嫌で語るオレンジ髪の青年に、来里人はいつもの淡々とした口調で言います。
「前回の交戦時、敵に対して“鳥(フォーゲル)”などと名乗ったそうだな」
来里人に声をかけられて振り返ると、オレンジ髪の青年は上機嫌な様子で答えます。
「おうよ。誰かさんが「“グリューヴルムヒェン(蛍)”――とでも呼べばいい」とか言ってカッコつけたらしいからな。俺も是非それにあやからせてもらったわけだ。おまけに結構なカワイコちゃんとも知り合いになれたし、実に上々ってやつだな」
冗談めかして言うオレンジ髪の青年。
それに対し、来里人は間髪入れずに言い返しました。
「鳥のような頭をしたお前には丁度良い自称だ」
あまりにも自然な調子で言われ、オレンジ髪の青年は一瞬、反応が遅れたようです。
しかしすぐに来里人の発言を理解すると、すぐに彼へと抗議を始めました。
「んだとぉ! お前なぁ、それはどういう――」
「――そのままの意味だ。この前は「俺のパートナーに比べたら、巷のカワイコちゃんもみんなフツーとかそういうレベルだな」などと言っていたのをもう忘れたのか?」
遮るように言う来里人にそう指摘され、オレンジ髪の青年は、思わず抗議の勢いを緩めてしまいます。
「え……? 俺、そんなこと言ったっけ……?」
「だから鳥のような頭だというのは――外見も中身もな」
「……言わせておけばッ! お前なんてこうしてやらぁ!」
しかしオレンジ髪の青年も黙ってはいません。
来里人に向けてヘッドロックをかけ始めます。
「……何をする?」
相変わらずの淡々とした淡々とした声で抗議する来里人ですが、心なしかいつもよりリラックスしているようにも感じられます。
それをわかっているのか、オレンジ髪の青年もヘッドロックを続けました。
もちろん、彼もリラックスしているのは同じなようです。
そして、来里人も負けじとヘッドロックで反撃を始めました。
二人がそうしていると、新たに二人の人物が格納庫へと入ってきます。
入ってきた二人はのうち一人はコンコルドクリップで後頭部に纏めた長い髪が特徴の少女――深行(みゆき)。
そして、もう一人はショートヘアの髪型と、良く言えば開放感のある、率直に言えば露出度の高い服装をした少女です。
トップスは、もはやノースリーブに近いような短い袖で、バストがかろうじて覆えるほどの丈しかないTシャツ。
そのTシャツは裾から伸びたクリップ付のベルト――サスペンダーを思わせるパーツでミニスカートに繋がっているようです。
更にはミニスカートも同様のパーツでロングブーツの裾と繋がっており、そうした構造がただでさえ露出度の高いコーディネートをより扇情的にしていました。
「仲良きことは良き事――ですね」
ヘッドロックの応酬を繰り広げる来里人たちを微笑ましげに見ながら深行が言うと、同じく隣でその様子を見ていたショートヘアの少女が相槌を打ちます。
「あいつはともかく、いつもクールな来里人まで、あんなオフザケに乗っかるとは思わなかったわ」
深行たち二人が話していると、それに割り込むように重厚な音が響きます。
彼女たちはもちろん、来里人たちもそれに気付いて振り向くと、帰還した一機のイコンが格納庫へと入ってくる所でした。
その機体も来里人やオレンジ髪の青年の愛機と同じく漆黒に塗られた“グリューヴルムヒェン”。
身の丈ほどもある長大な刀剣が特徴の機体です。
四人が見守る中、ハッチが開いて操縦桿もペダルもないコクピットが露わになると、それに合わせて中から出てきたのは真っ直ぐでショートの黒髪が特徴の青年。
真面目で実直そうな印象のその青年の格好は、来里人やオレンジ髪の青年が着ていたのと同じ、スリムなシルエットで漆黒の色をしたパイロットスーツ。
彼はそれを纏ったまま、コクピットから鞘袋に入った太刀を担いで軽々と飛び降り、格納庫の床に降り立ちます。
彼に向けてオレンジ髪の青年が手を挙げて挨拶し終えると丁度良いタイミングで、インテリ貴族のような青年――スミスも格納庫へと入ってきました。
「お疲れ様です。さて、戻ったばかりですみませんが、早速次の作戦行動の準備をお願いしてもよろしいでしょうか?」
スミスに問いかけられた黒髪の青年は、彼に向けてはっきりと頷きます。
「承知しました。次の目的地はいずこに?」
するとスミスは既に答えを用意していたように即答します。
「葦原島に存在する九校連のうちの一校――葦原明倫館。そこに十四機の“シュベールト”と君のシュバルツタイプで奇襲をかけます」
単純明快なスミスの説明に、黒髪の青年はもう一度はっきりと頷くと、鞘袋に入った太刀を担ぎ直し、愛機へと向かっていきます。
「待てよ」
そこで声を発したのはオレンジ髪の青年でした。
「その話、俺も混ぜてくれよ。間違いなく今回も他校の奴等が介入してくる。んでもって相手が九校連なら、またあの妙に速いイコンが出てくるだろうからよ。だったら俺の“フリューゲル”が必要になるだろ? それにこちとら……ちぃとばかし再会したい相手がいるんでね――」
突然の申し出にも関わらず、スミスはさほど悩む素振りも見せずに、先程と同様に即答しました。
「構いませんよ。むしろ君が同行してくれるなら心強いです。来里人くんの言う通り、連中は少しずつではありますが我々に追いすがりつつある……ならばこそ、シュバルツタイプが二機もあれば安心というわけです――くれぐれも頼みましたよ」
「相変わらず話が早いぜ。じゃ、俺も行んでよろしくな、っと」
オレンジ髪の青年はスミスにそれだけ言うと、鞘袋を持った青年の肩を軽く叩きます。
そして、開放的な格好の少女と目配せし、二人連れだって漆黒の“フリューゲル”へと歩いて行きました。
リフトに乗った二人は“フリューゲル”の胸の前まで来るとハッチを開き、単座式のコクピットをじっと見つめたのでした。
商業都市ツァンダ レティーシア家領内 レティーシア家私設ドック
遂に修復を完全に終え、始動準備の完了した“迅竜”。
それを前に鋭峰は、この場に集まったシャンバラ教導団と蒼空学園の学生たちに向け、ゆっくりと口を開きました。
「先だって起きた事件に端を発する一連のテロ攻撃。それにより我々は多大なる犠牲、そして大きな恥辱を受けた」
朗々と響き渡る鋭峰の声。
「敵は強大。そして、我々はその強大な敵を前にただただ防戦を強いられてきた――忸怩たる思いながら、それは認めねばならない」
そこで一旦言葉を切る鋭峰。
それにより、水を打ったような静けさがより一層際立ちます。
「だがしかし――いつまでも防戦一方に甘んじている我々でもなければ、強大な敵を前に屈する我々でもない!」
一気に声を張り上げる鋭峰。
学生たちは誰一人として口を開かず、相変わらず水を打ったような静寂が場を支配していますが、同時に無言の興奮が場に広がっていきます。
「奴等に――テロリスト共に思い知らせてやろう。自分達の行為がいかに愚かしい行為であるかを! そして、我々シャンバラ教導団や蒼空学園……否、九校連を相手に戦端を開いたということがどれだけ恐ろしいことであるかを!」
鋭峰以外は全くの無言、そして、全くの無音ながらも、既にその場に満ちた興奮は最高潮に達していました。
「我々の切り札は今ここに出航準備を完了した。そして、私はこの切り札――迅竜を諸君らに託す」
そして、鋭峰は場に満ちた興奮のすべてを一手に引き受けながら、満を持したように宣言します。
「時は来た、今こそ反撃開始だ!」
同日 同時刻 葦原島 葦原明倫館 イコン整備施設
「第参雷火部隊……壊滅!」
明倫館の所有するイコン整備施設の中央コントロールルームに悲痛な声で通信が入ります。
突如としてして襲来した十五機の“ドンナー”。
施設への破壊活動を開始した彼等に対抗するべく、整備を終えて待機中だった雷火部隊が一斉に出撃したものの、その戦力差は歴然でした。
第参雷火部隊の壊滅報告を受け、オペレーターが歯噛みしている前で、また別の部隊が次々と“ドンナー”の振るう太刀によって斬り倒されていく映像が流れます。
そして、脅威はそれだけではありませんでした。
濃緑の十四機と漆黒の一機からなる“ドンナー”部隊に同行する一機の黒い“フリューゲル”も今まさに猛威をふるっています。
「明倫館本校に鬼鎧部隊の出動要請を! それと……他校にも同様の連絡を頼みます!」
たまたまこの施設へと視察に訪れていたハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)にオペレーターが言うと、彼女はすぐに言い返しました。
「葦原島の立地を忘れたでありんすか! 他校の部隊がここまですぐに来れるわけがな――」
ハイナがそこまで言いかけた時、別のオペレーターが告げました。
「たった今、シャンバラ教導団との連絡が取ったところ、高速飛空艦の使用が可能な状態にあり、こちらへの迅速な到着も可能とのことです!」
それを聞き、ハイナの顔に驚きの色とともに希望の色が浮かびました。
「よしっ! ならば即座に救援を要請するでありんすよ! 我々はそれまで持ちこたえるでありんす!」
担当マスターより
▼担当マスター
影山リョウガ
▼マスターコメント
■12/19 追記
禽竜の「耐性ステータス」と迅竜の「移動」に誤記があったため修正を行わせていただきました。
*****マスターより*****
今回は葦原明倫館が舞台のシナリオですが、所属学校に関係なくどなたも気軽にご参加ください。
さて、前回のシナリオに続き、第三話のシナリオガイドが公開です!
このシナリオは今年5月に公開された『【第一話】動き出す“蛍”』、同じく今年の7月に公開された『【第二話】激闘! ツァンダ上空』と設定的に繋がりはありますが、既出のシナリオを全く知らなくても楽しめるように設計されていますからご安心ください。
皆さんはハイナから救援要請を受けたという設定でシナリオに参加します。
葦原明倫館はもちろん、蒼空学園や教導団だけでなく、救援要請を受けて他の学園から応援に駆けつけたという設定でも可ですので、それ以外の学園の生徒の方も奮ってご参加ください!
今回のシナリオでは、どなたか一組がスポット参戦するイコン――禽竜に、もう一組が剣竜に乗ることができます。
我こそは! という方々は奮ってご搭乗ください!
☆☆☆アクションの例☆☆☆
選択肢は六つ。
●●●選択肢データ●●●
1.救援が来るまで持ちこたえる(葦原明倫館限定)
襲撃をかけてきた敵機を迎撃し、救援が来るまで持ちこたえる選択肢です。
なお、この選択肢は葦原明倫館の生徒限定で選択可能です。
2.迅竜で救援に駆けつける
“迅竜”に乗って救援に駆けつける選択肢です。
教導団と蒼空学園の生徒はこちらが選択可能です。
3.独自に救援に駆けつける
“迅竜”に乗らず、独自の方法で救援に駆けつける選択肢です。
葦原明倫館、シャンバラ教導団、蒼空学園以外の生徒が選択可能です。
こちらのルートで救援に向かう場合、到着は“迅竜”よりも遅くなります。
4.救援には行かず『偽りの大敵事件』を調査する
前回、その一端が語られた『偽りの大敵事件』について調査する選択肢です。
他の参加者とは別行動となります。
現時点では教導団の生徒のみ選択可能です。
迅竜の扱いについて
今回より登場する“迅竜”はプレイヤー側の共有ユニットとなり、本シリーズにおける拠点となります。
今後は“迅竜”に乗艦しているという扱いにすることもできるので、たとえばシナリオのどれか一つに参加できなかったとしても、『描写されなかっただけで前回の戦いにも同行していた』という扱いで次のシナリオにも矛盾なく登場することが可能です。
その為、今後のシナリオに安心してご参加頂けますので、是非是非、活用してみてください。
また、“迅竜”は様々な機能を内包しており、【第一話】と【第二話】で役割分担(アクションの選択肢)だったものが担当セクションという形で表現されています。
加えて、現在、それらの役職にはリーダーがいないので、ご参加頂きました皆様同士話し合った上で決めて頂いて結構です。
現在、“迅竜”のセクション及びリーダーの席は
セクション1.ブリッジクルー
リーダー1.艦長
セクション2.イコン部隊
リーダー2.イコン部隊隊長
セクション3.整備班
リーダー3.整備班長
セクション4.給仕班
リーダー4.コック長
●●●敵データ●●●
■■■
コードネーム:“ドンナー”
所属:鏖殺寺院・エッシェンバッハ派
出現数:十四機
■特徴:
・超大型の振動ブレードを装備。刀身はビームでコーティングされ、ビーム刃と斬り結ぶことも可能。
・五機中、最も人間に近い動きが可能。それにより、人間の使う剣術をそのまま使うことが可能。
■武装:
・対イコン用ビームコート式大型高速振動ブレード“斬像刀”
(高速振動機能を持つ実体剣としての使用はもちろん、ビームエネルギーを刀身にコーティングすることによりビームによる斬撃の他、ビームサーベル等の鍔迫り合いも可能な刀剣)
■■■
コードネーム:なし(※未確認機の為)
所属:鏖殺寺院・エッシェンバッハ派と推定
出現数:一機
■特徴:
・超大型の振動ブレードを装備。刀身はビームでコーティングされ、ビーム刃と斬り結ぶことも可能。
・五機中、最も人間に近い動きが可能。それにより、人間の使う剣術をそのまま使うことが可能。
■武装:
・対イコン用ビームコート式大型高速振動ブレード“斬像刀”
(高速振動機能を持つ実体剣としての使用はもちろん、ビームエネルギーを刀身にコーティングすることによりビームによる斬撃の他、ビームサーベル等の鍔迫り合いも可能な刀剣)
・秘剣・一文字斬り(必)
(達人の技術により“斬像刀”の切れ味を最大まで引き出す剣技。通常の“ドンナー”とは比べものにならないほどの切断力を発揮する)
標的が近距離に密集している場合は、複数の標的を同時攻撃可能。
※名称の末尾に『(必)』がある武装は厳密には武装ではなく必殺技であるが、便宜上武装として表記しているもの。
■■■
コードネーム:なし(※前回、特定のコードネームが付けられていなかった為)
所属:鏖殺寺院・エッシェンバッハ派と推定
出現数:一機
■特徴:
・大型翼状パーツ搭載の飛行ユニット装備による超高機動力。
・飛行ユニットのジェネレーターから得られるエネルギー供給による大出力・高威力のエネルギー兵器。
・“フリューゲル”と同様の仕様ながら、全体的な性能は一段階上。
■武装:
・新式プラズマライフル:
大出力のビームライフル。
・新型ビームサーベル:
大出力のビームライフル。
・マニューバ Celestial Light(必):
超高速で超高高度まで上昇し、新式プラズマライフルの最大出力で地上を薙ぎ払う。
複数の標的を同時攻撃可能。1シナリオ3回まで。
※名称の末尾に『(必)』がある武装は厳密には武装ではなく必殺技であるが、便宜上武装として表記しているもの。
■イコンアビリティ:
・ゼロオアハンドレッド
(一定確率で攻撃を回避、または高速での移動が可能)
■■■
●●●スポット参戦機体データ●●●
■■■
コードネーム:禽竜
所属:シャンバラ教導団
保有数:一機
■特徴:
・四連装ターボファンエンジンによって生み出される、“フリューゲル”と同等かそれ以上の超高機動力。
・最新式のビームコートによる、ビーム兵器への高い防御力。
・心身ともに強化された高レベルの契約者ですら耐えられないほどの超加速と強力なG(推定20G以上)。
■スペック
サイズ:M
定員:2
HP:700
EN:500
パワー:250
照準:250
機動:500
機甲:150
誘爆:50
追加回避:50
追加防御:0
センサー:25
■移動
移動属性(地上):○
移動属性(水中):×
移動属性(空中):○
移動属性(異界):×
移動力:10
移動タイプ:飛行
イコンアビリティ:なし
■耐性
攻撃属性(格闘):100
攻撃属性(射撃):100
ダメージ属性(物理):100
ダメージ属性(炎熱):100
ダメージ属性(雷電):70
ダメージ属性(氷結):100
ダメージ属性(光輝):100
ダメージ属性(闇黒):100
クリティカル属性(物理):100
クリティカル属性(魔法):100
クリティカル属性(精神):100
■ウェポン:
・M61バルカンライフル(強化型ガトリングガン):
“ラプター”のM61機関砲と鋼竜のマシンガンのパーツで組み立てたライフル。高い連射力と破壊力を持つ。
・コンバットナイフ(ソード):
鋼竜のマシンガンに装着されていた銃剣を単独で使用できるようにしたもの。
■道具:
・四連装ターボファンエンジン壱號基(スラスターユニット):
背部に装着された強力な推進機構のうちの一基。機動、移動力が上がる。
・四連装ターボファンエンジン弐號基(スラスターユニット):
背部に装着された強力な推進機構のうちの一基。機動、移動力が上がる。
・四連装ターボファンエンジン参號基(スラスターユニット):
背部に装着された強力な推進機構のうちの一基。機動、移動力が上がる。
・四連装ターボファンエンジン四號基(スラスターユニット):
背部に装着された強力な推進機構のうちの一基。機動、移動力が上がる。
・最新式ビームコート(超電導バリアー):
全身の装甲に施された対・ビームコーティング。雷電属性への耐性が得られる。
■■■
コードネーム:剣竜
所属:シャンバラ教導団
保有数:一機
■特徴:
・操縦桿やコンソール等ではなく、マスタースレイブシステムの操縦デバイスを用いた操縦。
・操縦システムに合わせて各部可動域の改良が行われており、人間同様の滑らかな動きが可能。
・剣術などの生身での武技がそのままイコン戦で使用可能。
■スペック
サイズ:M
定員:2
HP:700
EN:500
パワー:250
照準:250
機動:250
機甲:250
誘爆:10
追加回避:30
追加防御:30
センサー:25
■移動
移動属性(地上):○
移動属性(水中):×
移動属性(空中):×
移動属性(異界):×
移動力:6
移動タイプ:地上
イコンアビリティ:マスタースレイブ(生身で使用する武技がイコン搭乗時も使用可能。精度の異常に高いマスタースレイブ)
■耐性
攻撃属性(格闘):120
攻撃属性(射撃):100
ダメージ属性(物理):100
ダメージ属性(炎熱):100
ダメージ属性(雷電):100
ダメージ属性(氷結):100
ダメージ属性(光輝):100
ダメージ属性(闇黒):100
クリティカル属性(物理):120
クリティカル属性(魔法):100
クリティカル属性(精神):100
■ウェポン:
名称:弐〇式高周波振動刀剣(大型超高周波ブレード)
解説:剣竜の背中にマウントされた大型の超高周波ブレード。対ビームコートされている為、ビーム刃と鍔迫り合いが可能。
■道具:
なし
■■■
機体名:迅竜
所属:九校連
■スペック
サイズ:LL
定員:1
HP:3000
EN:1500
パワー:250
照準:230
機動:227
機甲:312
誘爆:34
追加回避:0
追加防御:35
センサー:50
※定員は1名となっているが、実際には多くの人間や荷物を積むことができる。
■移動
移動属性(地上):○
移動属性(水中):×
移動属性(空中):○
移動属性(異界):×
移動力:6
移動タイプ:地上
イコンアビリティ:艦船
■耐性
攻撃属性(格闘):120
攻撃属性(射撃):120
ダメージ属性(物理):120
ダメージ属性(炎熱):120
ダメージ属性(雷電):120
ダメージ属性(氷結):120
ダメージ属性(光輝):120
ダメージ属性(闇黒):120
クリティカル属性(物理):120
クリティカル属性(魔法):100
クリティカル属性(精神):100
■ウェポン
主砲(艦載用大型荷電粒子砲)×1
副砲(二連磁軌砲)×2
速度ミサイル×6
誘導ミサイル×6
分裂ミサイル×6
二連機砲×10
■道具:
なし
備考:
・ウェポンや道具の名前の横にある()内の名前は判定上使用するウェポンや道具のデータです。
(例:『M61バルカンライフル(強化型ガトリングガン)』の場合、強化型ガトリングガンのデータを用いて判定を行います)
・乗りたい方はアクション相談用の掲示板にてダイス機能を使用しての表明をお願い致します。
・基本的にはどの学園所属でも乗ることができます。
・誰が乗るかは話し合いで決めて頂いて構いません。
・立候補が複数の場合で、アクション締切日まで決まらなかった場合は、ダイスの目が大きい順とさせて頂きます。
・もしダイス目が同値だった場合は教導団→明倫館→蒼空学園→その他の順で優先とさせて頂きます。
・それでも決まらない場合は、当事者の方々同士で話し合ってご決定ください。
・禽竜に乗ったパイロットは、骨折したり吐血したりした末、気絶します。
・剣竜は武道の熟練者でなければ本来の性能を発揮できません。
・なお、これらの機体はこのシナリオでのみ使用可能です。
・他のマスターシナリオやロボットミッション等々への持ち込みはできませんので、予めご了承くださいませ。
・濃緑色の“ドンナー”と交戦する方は『1』〜『14』までの番号で、何番目の機体と交戦するかを指定して頂けますと助かります。
▼サンプルアクション
・禽竜に乗って、漆黒の“フリューゲル”と戦闘し、激しい空中戦を繰り広げる。
・剣竜に乗り、漆黒の“ドンナー”と達人同士の立ち合いを演じる。
・迅竜の乗組員として全力を尽くす。
▼予約受付締切日
(予約枠が残っている為延長されています)
2012年12月15日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2012年12月16日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2012年12月20日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2013年01月16日