薔薇の学舎

　契約者たちに仕事を与えてくれる冒険の店――通称、ギルド。
　ネコ耳型のニット帽を目深く被った不思議な店主のいる〈夜の黒猫亭〉では、つい最近、こんな依頼が舞い込んできました。

　カルディノスの角を知ってるかい？
　〈破砕の獅子〉と呼ばれる巨獣カルディノスの頭に生えている角のことさ。
　その角から取れるエキスっていうのが、これまた美味なのさ！
　そこで、あんたたちに頼みがある！
　あたしは飲食店を経営してるんだがね。
　その店でカルディノスの角をぜひともメニューに出したいのさ！
　もし取ってきてくれたら、報酬だけじゃなくて、カルディノスの角料理を振る舞ってやるよ！
　お願い！　忙しいあたしの代わりに、カルディノスの角を採ってきてくれないかね？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈白鹿の彫刻亭〉おかみ

　黒猫亭のマスターであるクロネコは言います。

「しかも最近、カルディノスの縄張りが町に近くなってきてね。やんちゃな子どもがうっかり迷い込んじゃうこともあるらしくて、困ってるとか。もし見つけたら、ぜひとも助けてあげてほしいね。お礼？　もちろん、謝礼金は出すさ」

　かくして、角を求める者たちの戦いが始まった。

初めましての方は初めまして。
そうでない方はお世話になっております。
携帯電獣を見つけて歓喜しているＭＳ、夜光ヤナギです。

【内容補足】
今回はシンプルな冒険物になっております。
舞台は、シャンバラ大荒野の一角にある渓谷地帯です。
初めての方もそうでない方も、お気軽にご参加ください。

●カルディノス
獅子の頭に竜のごとき翼と鱗を持った、二足歩行の獰猛な獣。
見つけた者を容赦なく襲ってくる荒々しい性格で、〈破砕の獅子〉と恐れられています。
その二本の角から採れるエキスは稀少なもので、角を求めて遠方からカルディノスの生息地に訪れる者もいるとか。
カルディノスの性質として、匂いに敏感なところがあげられます。
そのため、臭い匂いや酸っぱい匂いなど、鼻に強い刺激を与えるものは嫌いなようです。

●カルディノスの縄張り
カルディノスは渓谷地帯に住んでいます。
渓谷は密林に包まれた日陰の広場もあれば、開けた絶壁地、地底湖のような洞窟などもあるようです。
カルディノスはどこにいるかハッキリしたものはありませんが、食事以外は基本的に静かなところで眠ることがお気に入りな様子。
日陰や地底湖では、眠っているカルディノスの姿を見ることが出来るかもしれません。

●二人の子ども
どうやら町の噂では、カルディノスの縄張りに二人の子どもが迷い込んだそうです。
名前はシャディとビクル。シャディは女の子。ビクルは男の子です。
二人は幼なじみで、男の子のビクルが、内気なシャディを無理やり冒険に誘ったとか。
町の人たちの願いでは、どうにか二人を保護してほしいとのことです。

●ＮＰＣについて
【クロネコ】
　ギルド〈夜の黒猫亭〉のマスター。
　ネコ耳型のニット帽を目深く被っていて、口元しか見えない。
　基本的に、ずっとギルドにいる。
【シャディ】（９才）
　女の子。カルディノスの縄張りに迷い込んでしまった子ども。
　すこし気が弱い。褐色の肌で、三つ編み。
【ビクル】（９才）
　男の子。カルディノスの縄張りに迷い込んでしまった子ども。
　シャディとは幼なじみ。彼女を渓谷地まで連れてきてしまった。

※以上はアクションを考える上での参考情報です。あくまで参考となるものなので、必ずしもＭＣやＬＣ自体がそれを知っている前提でなければならない、ということはありませんのでご安心下さい。（もちろん、周知を前提にされても結構です）

・二人の子どもを助ける

・カルディノスを退治する

・カルディノスをおびき寄せる

・おかみさんの手伝いをする