薔薇の学舎

　
「ふーん……巨大温泉施設を作るんだ」
　ニルミナスの村。その契約者の拠点である宿『ウエルカムホーム』。そこで熾月　瑛菜（しづき・えいな）はミナホ・リリィ（みなほ・りりぃ）から何度目かも忘れた相談事を受けていました。
「あ、いえ……村にしてみれば相対的に巨大というだけで絶対的に見ればそんなに大きくはないです。空京にある大きな建物とかとは比べようのないくらい」
「あ、ミナホちゃん空京に行ったことあるんだ」
　瑛菜同様、ミナホの相談を一緒に受けていたアテナ・リネア（あてな・りねあ）はミナホの言葉の中に興味を持ったものがありそう聞きます。
「いえ、行ったことないですよ。あくまで噂とかそういった資料の話です。むしろ私は村から出たことがないくらいで……」
「？　村から出たことがないって、村が出来る前まではどうしてたの？」
　ミナホの言葉に彼女の年齢と村が出来た年をアテナは計算します。
「それはその……覚えがないというか……って、いつの間にか私の話になってるじゃないですか」
　村のことを相談していたのにとミナホは言います。
「それで？　事情は分かったけど、相談することって結局何なんだ？　建物の設計？」
　瑛菜がそう話を戻します。
「そちらの方も何かアイディアがあればお願いします。ただ、瑛菜さんたちに相談したいことはもっと別のことで……」
「『休養地』と『音楽』の関係か。ミナホ、まだ分かってなかったんだ」
「？　瑛菜おねーちゃん、なにそれ？」
　ミナホの言いたいことを察した瑛菜にアテナは首を傾げます。
「前にそういう話をしたんだよ。休養地として発展していくって決めたニルミナスに、音楽は関わっていけるって」
「はい。それで今度の温泉施設は村の目玉になる予定です。だからこそ単なる温泉施設ではなく、ニルミナスらしさを出したいと思って……」
　その時に思い出したのが、瑛菜の言っていた休養地と音楽の関係だとミナホは言います。
「んー……別に今あたしの考えを言ってもいいけど、この際だから他の契約者にも聞けば？　もしからしたらあたしの考えついてない案がくるかもしれないじゃん」
「音楽に詳しいのは別にアテナたちだけじゃないもんねー。それによく知らないからこそ思い浮かぶアイディアとかあるかもだし」
「そう……ですね。いろんな人の意見を聞いてみたいです」
　二人の意見を受け、ミナホは考えた上で同意します。
「あたしのアイディアはある程度意見が出揃った所で言うよ」
「お願いします」

　そんな感じで瑛菜たちは少し大きな温泉施設作りをすることになったのでした。




――――――
「ところでミナホ。その温泉施設の名前って考えてるの？」
「あ、はい。『ニルミナス温泉』というのはどうでしょう？」
「…………却下」
「悪くないんだけど……そのまんますぎるというか……ミナホちゃん、ネーミングセンスはほんとに残念だよね」
「それも契約者に聞いてみるんだね」
「うぅ……お父さんと一週間くらいかけて相談した名前なのに……」
「「………………」」

　というわけで、新しく出来る温泉施設の名前も募集しています。

初めての方ははじめまして、前回参加してくれた方はお久しぶりです。河上誤停です。
今回は村興しシナリオになります。何かものを作ったり企画したりするのが好きなPCの方は是非ご参加ください。
またマスターページを更新して舞台となるニルミナスの説明も行なっています。アクションの参考になるかもしれませんのでお伝えしておきます。


■視察・整備について
村興しシナリオでは今までのシナリオで調査したり作った場所を訪れ、視察したり整備することができます。
今回であれば『ニルミナス街道』・鍾乳洞・『ウエルカムホーム』・ユニコーンの住処です。


■温泉施設について
基本的に木造建築になります。材料となる木材は十分に用意されていますが、それ以外の材料は場合によっては足りなくなるかもしれません。
PCの皆さんには実際に建築していく作業や、温泉を引いてくる作業ができます。
また建物の中にどんな施設を作るかなどアイディアを出すことができます。


■『休養地』と『音楽』の関係
本質的な問の答えを自分なりに出したり、具体的な休養地における音楽の関わり方を提案したりできます。
前者はそれを受けてミナホが案を出します。後者はアイディアの一つとして受け入れられます。
今後のニルミナスにおける大きな特徴の一つになる予定です。

■その他アクションについて
村興しに関するアクションであれば採用させて頂きます。
ただしガイド外のアクションは大きく村に影響を与えるということはできません。
今後の村興しシナリオのガイドの方針を決める参考にはなります。

※ニルミナスを拠点に活動してくれるPCを募集しています。
　また、新しく出来る温泉施設の名前を募集しています。

・温泉施設作り

・休養地への音楽の関わり方を提案

・ユニコーンの住処を訪れる