薔薇の学舎

　百合園女学院家庭科部――

　その教室には色とりどりの生地が舞い、その材質はシルクをふんだんに扱った高級感を見せます。
「デザイナーへの一歩になるかもしれないんだよねぇ、頑張らなくっちゃ！　でも男性の服って華やか過ぎても地味過ぎても映えないから難しいなぁ」
「ファッションショーには男性部門も設けるってあったからね、私達の腕の見せ所よ！　執事の燕尾服やタキシード、街を歩く男の子を片っ端から観察しましょ！」
　教室の黒板にはファッションショーのテーマとして和服、ゴスロリ、獣耳着ぐるみ、メイド、軍人、中華風といった衣装が挙げられており、その衣装に沿ったフリルやリボンが飛び、時にはショールやマフラー、マントなども少女達の間で忙しく行き来するのでした。

　


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　百合園女学院校長室では、桜井静香（さくらい・しずか）とラズィーヤ・ヴァイシャリー（らずぃーや・う゛ぁいしゃりー）がヴァイシャリーの水上公園で催されるファッションショーの企画を詰めていました。
「モデルになって下さる紳士淑女の皆さんはシャンバラ中から募集するという事で、いいですわね？　静香さん」
「うん、後はそうだね……実況とか司会進行とか？　でも持ち込みの衣装やアクセサリで勝負をかけるのもいいよね」
「露店商の出店希望もあるようですから、ショーの会場に露店ブースを設ける……というのも出来ますわね。ショーにちなんだアクセサリーや間に合えばショーに出すデザインの服を出す事も可能かしら？」
　あれこれと２人で内容を詰めながら、各学校へ配布するポスターの原稿を完成させたのでした。


　そして、静香にとってはほんの少しの出来心だった心の叫びが――何を間違ってしまったのかポスターのキャッチフレーズとなってしまっていました。


「……静香さん」
　ファッションショーを数日後に控え、ポスターも出来上がりラズィーヤもホッと肩の力を抜いた瞬間、彼女の笑顔が凍りつきました。至極穏やかに静香の名を呼び、その表情は淑女の鑑ともいうべき優雅な微笑みを浮かべていましたが――

「最終確認を怠ったわたくしにも責任はありますわね……ええ、勿論静香さんだけに責任を負わせるようなそんな事はしませんわ……でも、１つだけ言わせて下さいな？　校長というお立場を自覚してまして？」

　ラズィーヤが見せたポスターには強調されたあるキャッチフレーズが載せられていたのです。


『来たれ、男の娘！　バレなければ怖くない！』


　ラズィーヤの微笑みに、静香は青くなるばかりなのでした。

初めましての皆様も、再びお目にかかれた皆様もこんにちはです。

小湊たまごです。

今回のシナリオはヴァイシャリーで行われるファッションショーのモデルで登場、あるいは司会進行、実況などができます。
または露店で自慢の商品を売ったり買ったりとお祭りのようなシナリオです。


■ファッションショーについて
・男性部門と女性部門があり、百合園女学院家庭科部でデザインされた服を着てステージに登場します。
・シナリオガイドにありますように「男の娘」での出場もバレなければ問題はありません。
・ショーにはそれぞれテーマが設けられておりますのでそれに沿ったデザインの服を選んでください。お１人２テーマまでお選び頂けます。テーマについては下記をご参照下さい。



■司会進行、実況について
少人数の予定ですが、アクションをご希望される方は司会進行・実況のどちらかをお選びください。
また、こちらのアクションはアドリブも多くなると予想致しますが、もしご不快を感じられる場合は「アドリブ不可」と追記願います。

■ファッションショーのテーマ
・和服
・ゴスロリ
・魔法少女
・獣耳着ぐるみ
・軍人
・中華風
・とにかくカッコいい
・とにかくカワイイ
・メイド
・執事
・怪盗
・男装（女装）

・モデルで参加する

・司会、実況等の担当をする

・露店を出す