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白い機晶姫【サタディ】を捜せ

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白い機晶姫【サタディ】を捜せ

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シナリオガイド

アルト・ロニアに侵入したサタディを捜そう
シナリオ名:白い機晶姫【サタディ】を捜せ / 担当マスター: 半間浦太

 大廃都に全高300メートルのイコン型機甲虫サイクラノーシュ】が出現し、しばしの時が経ちました。
(※こちらの経緯についてはマスターシナリオ「機甲虫、襲来」「アルト・ロニアの復興」「白い機晶姫と機甲虫」「白い機晶姫との決戦! 機甲虫・イコン型を撃墜せよ!」を参照ください)


 雨が降りしきる中、サタディ・サタディ(さたでぃ・さたでぃ)は一人、アルト・ロニアを彷徨っていました。
「雨が……止まないな」



 相次ぐ機甲虫の出現とイコン型機甲虫の出現、そして【サイクラノーシュ】の出現は、アルト・ロニアに劇的な変化をもたらしました。
 アルト・ロニアの住民は、2つの派閥に分かれたのです。一つは、ここを出て行くと主張する一派。もう一つは、頑としてここを出て行かないと主張する一派です。
「もうここにいてもしょうがない! 機甲虫に全てを破壊されて、死んでいくだけだ! 俺たちはここを出て行く!」
「馬鹿者! 先祖代々守ってきた土地を手放すというのか!」
「だったら座して死ねと言うのか! あんな怪物……誰が倒せると言うんだ!!」
 前者の派閥に属する青年は、大廃都に聳える威容を見上げました。

 サイクラノーシュ。機械の巨人。
 イコンの戦闘データを基に構成された、キメラじみた機体。

 全高300メートルの威容は、大廃都にほど近いアルト・ロニアでは否が応でも視界に入ってしまいます。
 あの巨人が一度暴れれば、アルト・ロニアは一瞬にして消し飛んでしまうでしょう。
 青年は握った拳を震わせました。恐怖ではなく、憤りを堪えるための震えでした。
「俺には、息子と娘がいるんです……。妻は、最初の機甲虫襲来の際に亡くなっています。
 ……せめて、子供たちだけでも、争いとは無縁の場所に行かせたいんです……」
 後者の派閥に属する老人はしばらくの間、眉間に皺を寄せていましたが、ゆっくりと頷きました。
「……いいだろう。お前の家は、儂が守っておく」
「申し訳ありません……」



 一人、また一人と住民はアルト・ロニアを去っていきました。
 この場に残るは、僅かばかりの住民。この土地に強い親しみを抱いていた者たちや、家族を失い独り身となった者です。
 今やアルト・ロニアはゴーストタウンに近い有様と化していました。復旧しかけた民家や孤児院に人気はなく、ここに残った者たちの微かな生活臭が漂うのみ。上空では各学校のイコンが飛び交っており、サイクラノーシュの戦力を慎重に調査・分析していました。


「そろそろ缶詰も飽きたな……」
 この場に残った者の一人、ヨルク・ヴェーネルトは食べ終えた缶詰をゴミ箱に捨て、仮設住居から外に出ました。
 サイクラノーシュに対抗するための術を思い付いたわけではありません。ただ何となく、街を歩いてみたくなったのです。
 雨が降る中、ヨルクは傘を差して街をふらつき始めました。
「この街も……もうじき消えてしまうんだろうか」
 ヨルクの脳裏に、この街での思い出が去来しました。ここに引っ越してきた時のこと、大廃都に発掘調査しに行った時のこと、住民に迎え入れられた時のこと。そして、白い機晶姫【サタディ】と出会った時のこと……。
 すっかり廃墟と化した自宅のすぐ傍を通り、大廃都の遺物を収めていた倉庫の横を通り、契約者と出会った道路を通り過ぎ、ヨルクは溜め息をつきました。
 サイクラノーシュがその気になれば、アルト・ロニアは消えてしまいます。
 そうなったら最後、この街で起きた事はいつか忘れられてしまうでしょう。全ての思い出は風化し、忘れ去られてしまうでしょう。


「嫌だ……! 嫌だ……!!」
 ヨルクは走りました。傘を捨て、ただがむしゃらに、何も考えず、雨の中を走り続けました。
 アルト・ロニアの街並みを視界に――記憶の底に刻み付け、ひたすらに、駆け続けました。
「何をそんなに急いているのだ……?」
 不意に、聞き覚えのある声が聞こえてきました。
 雷鳴が背後で閃く中、ヨルクは振り向きました。今にも崩れそうな廃屋の中に、白い機晶姫が――サタディが座り込んでいました。
「サタディ……!?」




 その瞬間、サタディに電流が走りました。
 ――この男を知っている。衝撃がサタディの中で走り、記憶回路の一部を復旧させました。
「……人間……!」
 一部の記憶を取り戻したサタディは素早く立ち上がり、ヨルクを睨み付けました。
 雨が降り注ぐ中、サタディとヨルクはしばし対峙し続けました。
「……ぶぇっくしょん!」
 ヨルクがくしゃみをしました。
 サタディはより一層視線を険しくすると、手近にあった毛布をヨルクに投げつけました。
「うっ……!?」
 目眩ましのつもりでしょうか。ヨルクが毛布をはね除けた時には、既にサタディはその場にはいませんでした。
 雷鳴が轟く中、ヨルクはあなたに電話をかけました。
「こちら、ヨルク。聞こえるか。サタディがアルト・ロニアに入り込んでいる……!
 なるべく早急にサタディを保護したい、頼む……!」



 あなたはアルト・ロニアに向かい、サタディを捜すことになります。


担当マスターより

▼担当マスター

半間浦太

▼マスターコメント

 ヨルクの依頼を受けたあなたは、アルト・ロニアでサタディを捜索します。
 サタディがアルト・ロニアに入り込んでいるのは明確な事実です。サイクラノーシュのあの一撃からどうやって逃れたのかは不明ですが、ひとまず街の中を自由に動き回っていると見て間違い無いでしょう。
 

 以下は、アクションに関する補足となります。


1.サタディを捜す……
 アルト・ロニア内でサタディを捜します。 探索可能な場所は、仮設住居、地下シェルター、孤児院、病院です。
 サタディを発見・保護した後、安全な場所(街のどこか)に彼女を護送します。
 注意点として、アルト・ロニアには以前、機甲虫・隠密型が忍び込んでいた事があります。
 機甲虫・隠密型が街中に待機している可能性は高く、戦闘の可能性も視野に入れた方がいいでしょう。


2.サタディから事情を聞く……
 パート【1】参加者が発見・保護したサタディと会話します。
 サタディは記憶を一部取り戻しているため、スムーズに話が出来るはずです。
 NPCのヨルクとカール・エンゲルマンは、このパートに参加しています。
 サタディとは話をせず、ヨルクやカールと話をすることも可能です。



※「パート【1】でサタディを捜した後、そのまま【2】に参加する」といったアクションはダブルアクションとなってしまうため、ご注意下さい。

▼サンプルアクション

・サタディを捜す

・サタディから事情を聞く

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年03月13日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年03月14日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年03月18日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年03月31日


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