薔薇の学舎

ダークサイズ「蒼空の城ラピュマル」計画・前編



「我々は、謎の闇の悪の秘密の結社ダークサイズ……」

　パラミタ大陸征服を夢見る悪の秘密結社ダークサイズ。
　ダークサイズの大総統・ダイソウ　トウ（だいそう・とう）は、今日もカリペロニアの大総統の館で考え事。

（空京放送局の株主となり、カリペロニアの施設も充実した。さらに先日のオーディションで、大総統の館を守るガーディアンたちも決まった……。最後の一手、これが出来上がれば、いよいよ我々ダークサイズは、外に打って出ることになるだろう……）

　ダイソウは、ある報告を待っていました。その連絡が今か今かとそわそわしているのです。
　そこへ、がちゃりとダイソウトウの間のドアが開きます。

「ダイソウちゃん、パパからの結果報告がきましたわ」
「おお、来たか」

　ダイソウトウの間にやってきた、キャノン　ネネ（きゃのん・ねね）とキャノン　モモ（きゃのん・もも）のキャノン姉妹。

「これがラピュマルさんから受け取った欠片と……」

　モモが、ダークサイズ幹部から受け取った「マ・メール・ロアの欠片」と、それに関する研究レポートをダイソウの前に置きます。
　マ・メール・ロアの欠片は、十二星華の牙城、浮遊要塞マ・メール・ロアを攻略した証で、破片でも微弱な魔力を帯びています。
　「パパ」からの研究結果。

『結果から言う。これを研究するのは不可能である……。
確かにマ・メール・ロアを構成していた破片であるが、少なくとも現在のシャンバラの技術で能力の抽出、量産はできぬ。
動力は機晶石を利用した浮遊エンジンだが、それが分かったところで、新規に浮遊要塞を製造することはかなわぬ……』

　この結果を聞いて、さすがのダイソウも失望の色を隠せませんでした。

「むう、残念だ。パラミタ上空を思うさま飛び回る姿を想像していたというのに」
「そうですわね。ま、カリペロニアで温泉につかれるだけでも良しとしましょう」
「うむ。私はもう、あと一つしか手段が思いつかぬ」
「あと一つ？　トウさん、まだ手段があるのですか？」

　モモが興味深げにダイソウを見ます。

「作れないなら買いに行くしかあるまい」
「まあ、なんですって？」
「エリュシオンに、浮遊要塞の土台を買いに行くぞ。それを島に取り付ければ、カリペロニアはシャンバラを恐怖に落としいれる『蒼空の城ラピュマル』となるのだ」
「お金はどうするんですか？」
「……皆がなんとかしてくれる！」
「またそこは幹部頼みなのですね……」

　というわけで、ダークサイズは、浮遊要塞を買いにエリュシオンへの旅立ちを決意しました。
　ダークサイズは、はじめてのおつかいに行くことになるのです。
　そんな様子をこっそり窺っていた秋野　向日葵（あきの・ひまわり）。
　彼女は打倒ダークサイズに執念を燃やしますが、すっかりカリペロニアに出入り自由となっています。

（え、エリュシオン！　……行ってみたい！）

　向日葵のジャーナリスト魂が燃えたぎります。

「やいやいダイソウトウ！　浮遊要塞なんて絶対渡さないぞ！」
「む、お前は魔女っ子サンフラワーちゃん」
「その名前で呼ばないでよ！　わたしが一緒に着いていって、邪魔してやるよ」
「よかろう。旅は多い方が楽しいからな」
「言っとくけど、わたしあなたの敵だからね？」
「私からも言っておく。バナナはおやつに入らないぞ」
「ええー！」


今回はダークサイズで浮遊要塞を獲得するため、浮遊要塞の製造元エリュシオンへと旅をします。
前編は、エリュシオン到着までのお話です。
エリュシオンへのルートは、カリペロニアを北上してシャンバラに上陸し、
シャンバラ大荒野→サルヴィン川→イルミンスールの森→ジャタの森→北カナン→エリュシオン
以上のルートで陸路を取ります。
（今回はヒラニプラ、ヴァイシャリーは通過しません）
（キマクとザンスカールは簡単なものとなりますが、描写可能です）

みなさんこんにちは、大熊誠一郎です。

以前少し話題に出たカリペロニアの浮遊要塞計画。
それに乗り気になったダイソウトウたちが、本気で浮遊要塞のために旅をします。
敵とか言いながら、エリュシオンに行ってみたいだけの向日葵も巻き込んで、一体どんな旅路になるのでしょうか。
大幹部クマチャンや総帥の超人ハッチャンは、果たして旅の役に立てるのでしょうか。

長めのお話なので、今回は前後編のスペシャルシナリオにさせていただきました。
敵味方とも、たくさんのご参加をお待ちしております。
ジャンルが冒険になっていますが、あくまで「ダークサイズにしては冒険寄り」とお考えください。


【私信】
ツイッターを始めました。
ダークサイズには何の役にも立たないことばかりつぶやいています。
ニコニコ生放送「蒼空どうでしょう」で最近タッグを組んでいるライジュウさんと、深夜に時々ツイット漫才（雑談）やってます。
フォローはお好きにどうぞ！（フォロー返しはできないようで、ごめんなさい）

【私信２】
ニコニコ生放送での特番「蒼空どうでしょう」のご視聴ありがとうございました。
改めて御礼申し上げます。
番組レギュラー化に向けて、マジツジノはじめディレクター陣も動いてくださっています。
しかしみなさんの応援があってこそ。
期待が大きければ上の方も動いてくれるのではないかと。
今しばらくお待ちください。お楽しみに。

・ダークサイズの一員として、エリュシオンへの旅に加わる

・秋野向日葵と一緒にダークサイズの邪魔をする

・自分の学校にダークサイズを立ち寄らせたい（イルミンスール生、パラ実生向け）