校長室
戦乱の絆 第二部 最終回 リアクション公開中! |
シナリオガイド【イコン参加可】2つの世界は分断しなくてはいかないのか。地球とパラミタを繋ぐ絆の答えは!?
シナリオ名:戦乱の絆 第二部 最終回 / 担当マスター:
蒼フロ運営チーム
人々は争う。 ■ ■ ■ 世界の消滅を行おうとしたゾディアックの停止は成功し、ウゲン・タシガン(うげん・たしがん)は倒されました。 一方、アイシャ・シュヴァーラ(あいしゃ・しゅう゛ぁーら)もウゲンの影響から解き放たれ、 その自我を取り戻し、危機は乗り越えられたかのように見えました。 しかし、 ウゲンの脅威はそれで終わったわけではありませんでした。 ウゲンによってコントロールされていた数億のフラワシの集合である超霊たち。 それはウゲンの死と共に暴走を始め、地球に新たな危機を招こうとしたのです。 危機を懸念していた契約者の訴えを受け、 ウゲン対策に協力を表明していたエリュシオン帝国のアスコルド大帝でした。 彼は、東京湾上へ2つの世界を繋ぐ力の繋ぎ目である巨大な繭を出現させました。 そして、大帝はウゲンの骸を繭の中心部へ取り込ませ、超霊の力を押さえ込みながら地球各国とシャンバラへ告げました。 『我の力をもってしても超霊を封じ続けるのは難しい……。 しかし、悲観するナ。 我は、世界を繋ぐ力とウゲンと超霊の繋がりを同質化させた。 後はゾディアックで2つの世界を結ぶ力を断ち切れば、超霊もウゲンから切り離されて消滅するだろう。 迷う必要はない。 全てを平和へ導くための唯一確実な方法はこれしか無いのだからナ』 ■ ■ ■ 東京湾沖、空中ドック。 (今、解き放たれようとしている超霊の力は危険なものだ) そう伝えたポータラカ人の背後ではモニターに、モンスターとの戦闘の様子が映し出されていました。 (既に大帝の力で抑え切れなくなった超霊が、モンスターとして具現化する現象が確認されている) モニターが東京湾周辺の上空写真へと切り替わり、パタタとそこへ幾つもの点が描かれます。 (点はモンスターの発生報告のあったポイントだ。 モンスターは“繭”を中心とし、時間の経過と共にその発生地域を拡大している。 そして、それは現在、徐々に拡大速度を増しながら関東沿岸へと達している。 エリュシオンとシャンバラが合同で対処に当たり、今のところ目立った被害はないようだが―― 大帝の力が超霊の暴走を抑え切れなくなれば、 さらに爆発的なスピードで超霊の発生地域が広がることが予測される。 事は日本だけに留まらず、世界中へ広がることになるだろう) 「……それを避けるためには、世界を分断しなくてはいけない」 高根沢 理子(たかねざわ・りこ)が呟き、唇を噛みました。 と、理子は何かに気付いたように手をポンッと打ち合わせ。 「思ったんだけど…… 一度分断して、もう一回くっつければ問題ないんじゃない?」 (数千年後で良いならば可能だと考えられる) 「う……」 (分断が引き起こす影響については、まだ正確に分かっていないが…… 完全に世界が分離すれば、全ての繋がりが断たれるため、コントラクターが正常でいられるとは考えにくい。 また、今のパラミタ大陸の状況から考えれば、 世界が完全に別れた時、地球へ露出している西シャンバラ地域が崩壊する可能性は否定できない。 とはいえ、 完全に世界が分離するまでには、それなりの期間がある。 東シャンバラへ避難を行う余裕はあるだろうが) 「に、西シャンバラが崩壊って…… 全然、全てが平和になってないじゃない!! そこに住む皆の生活を切り捨てろっていうの!?」 (だが、分断は現状を打破する、ただ一つの確実な方法であるのは確かだ) 「そして――地球とパラミタの分断は、 前女王アムリアナ様が私に託された望みでもあります」 アイシャが言って、ジークリンデ・ウェルザング(じーくりんで・うぇるざんぐ)は小さくうなずきました。 「……結晶に残されていた力。 そこには確かに『2つの世界の繋がり』に対する深い憂いがありました。 5000年前に起きた熾烈な戦乱は、地球とパラミタが繋がっていたために起きてしまったことだったから……。 だから……“私”は、ゾディアックを使って世界を分断した」 理子がジークリンデへ悲しそうな目を向けます。 「ジークリンデは、今も世界を分断した方がいいと思ってるの?」 「分かりません。 先ほどの話は全部、結晶のイメージの受け売りだから……。 その結晶の力も、ほとんど無くなってしまったし、今の私には、どうしたらいいかは、何も」 「……アイシャは――」 理子はアイシャを見据えました。 「アイシャは、どうするべきだと思ってる? ――本当に世界は引き離されなくちゃいけないっての!?」 「…………」 アイシャは問いに応えることなく、目を閉じ、ただ静かに佇んでいました。 と、大帝からの通信が入り、モニターに大帝の姿が映し出されました。 『シャンバラの女王よ。 ゾディアックの調整は、じきに終わると聞いタ。 汝の心は定まったか?」 しばらくの間を置いて、アイシャは瞼を開きました。 「ゾディアックを使います」 「そんな……!」 「ただし―― 世界を分断するためではなく、私たちが共に歩んでいける未来のために」 『……何だと?』 「ゾディアックでそのままウゲンと超霊の繋がりだけを断ち切ろうとするのは難しいでしょう。 しかし、 ゾディアックの力を皆さんへ渡し、繭の中心部で直接ウゲン本体のみへ送り込んでもらえれば、 世界の繋がりを残したまま、超霊を切り離すことが出来るかもしれません」 『クックック……何を言い出すかと思えば―― 汝らの親しき友である地球人たちの平和と大陸の一部の崩壊、どちらがより優先されるべきかも分からないということはあるまい?』 「この方法が危険なのは分かっています。 今、繭の中心部に刺激を与えれば、超霊の活動を一気に活発化させてしまう」 『そうなれば我の力で押さえ込むことは出来なくなる。 全ての超霊が地球上へ吹き出すと共に、繭の中心部は最も危険な場所となろう。 果たして、ウゲンを超える怪物を相手にしながら事を成し遂げられるカ? 答えは分かりきっている。 ――“不可能”ダ。 それに、ゾディアックの力をそこで使うということは危機をまき散らしたまま切り札まで失うことになるのダ。 そうなれば超霊の増殖を止めるタイミングは失われ、パラミタにも影響を及ぼすことになるゾ』 「もしもの時は、この命で足りぬ分を補って世界を分断します」 『…………。 何故、素直に分断を行わない? これはアムリアナの願いでもあろう』 「確かにアムリアナ様は戦乱の運命を憂い、世界の分断を望んでおられました。 しかし、運命は変えられる。 ――きっと皆さんが証明してくださいます。 別れだけが平穏をもたらすものではないと」 『かつて、アムリアナも汝と同じことを思ったのかもしれんナァ。 希望を持ち、しかし、それは絶望に変わった。 器が変わったとて、それが逃れられぬ運命と気づかぬまま愚かな繰り返しを続けるだけ……虚しいことダ』 そして、大帝は宣言しました。 『残念だが、我は汝の妄想に付き合う気など無い。 我がエリュシオン帝国は、シャンバラより“繭”を防衛する! ゾディアックのエネルギーが無駄に消費される前に、汝らには運命を変える力など無いことを証明してやろう!!』 ■ ■ ■ 繭内部――。 「シャンバラの女王アイシャ……何かが変わったカ」 通信を終えた大帝は呟きました。 「他者の心への揺ぎ無い信頼……? ……愚かナ」 と、唐突に通信が開き。 『エリュシオン帝国が大帝アスコルド! よーやく決着の時が来たようね!』 モニターに映し出されていたのは、横山ミツエ(よこやま・みつえ)でした。 「クックック……。 これは意外な者の顔を見たナ」 『乙王朝、横山ミツエ! 新型トウテツと量産型トウテツを引っさげて、シャンバラに助太刀することにしたわ!』 「シャンバラに加勢か。解せんナ。 汝は自身の為以外に動くような者では無いと聞いている。 ……汝の望みは何ダ?」 『困るのよ』 「……?」 『世界が分断されたら、中原の覇者になるのも遠のくじゃないっ! 大体ねえ、瀬蓮が見つかってあたしが用済みになったら、良雄なんてムシが良すぎるのよ! それから……あの物凄いイコンもあたしが貰うわよ! 朝貢しなさいよ、ちょ・う・こ・う!』 「気づいていたか“マレーナの裔”」 『ええ! あの胸は遺伝してないみたいだけどね!』 「クックック……どうやらそのようだナ」 『笑うなッ! コロスッ!!!』 とミツエがエキサイトした瞬間、大帝は通信を切ったのでした。 ■ ■ ■ 太平洋上――。 「女王は、世界の分断による平和を否定したか」 シャンバラの動向を知ったマヌエル枢機卿は、虚しさを噛むように呟きました。 ヴァチカンが管理する地球の反シャンバラ勢力最大の組織、独立武装勢力対策軍 F.R.A.G(フラッグ)。 その目的は『地球の平和』にあります。 また、彼らはゾディアックが停止して間もなく、シャンバラが地球の平和を脅かしたとして、正式にシャンバラへの軍事的制裁を行うことを宣言しています。 マヌエルは自らが指揮を取るフラッグ第二部隊全機へと通信を開きました。 「これ以上、地球に脅威をもたらす事は許容されるものではない。 世界の分断は可及的速やかに、そして、確実に叶えられる必要がある。 これより、我々は空中ドックを制圧する。 そこに“繭”へ向かう契約者にゾディアックからのエネルギーを分配する装置があるはずだ。 地球の平和のため―― シャンバラの作戦を阻止し、女王に世界の分断を決意させるのだ」 ■ ■ ■ 東京――。 シャムシエル・サビク(しゃむしえる・さびく)は鉄塔の上に立って、繭を見ていました。 「……ウゲン。 キミはパパを騙していたんだね。 だから調整槽の中のボクに超霊を仕掛けていた。 あの時、ボクがゾディアックを手に入れていたら、女王となる直前でコントロールして全てを奪うために」 シャムシエルの半身はモンスター化しており、その右手は大きく肥大していました。 「でも、残念だったね。 奪うどころか、キミは全てを失っちゃったんだもん。 ボクは、全てを手に入れるよ。パパの望んだ世界の為に」 そうして―― 今、一つの終わりを巡る戦いの幕が上がろうとしているのでした。 担当マスターより▼担当マスター ▼マスターコメント
『蒼空のフロンティア』のグランドシナリオ 戦乱の絆、第二部の最終回です。 ▼サンプルアクション ・【1】空中ドック防衛 ・【2】東京湾上の闘い ・【3】繭内部 ・【4】西シャンバラでの避難活動 ・【5】大帝に謁見する ▼アクション締切日(既に締切を迎えました) 2011年07月02日10:30まで ▼リアクション公開予定日(現在公開中です) 2011年07月22日 |
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