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仮初めの日常

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シナリオガイド

訪れた平穏。掴み取った幸せな時間。一時の休息。
シナリオ名:仮初めの日常 / 担当マスター: 川岸満里亜

 アユナ・リルミナルは、毎日のように盟約の丘に通っています。
 憧れの人である怪盗舞士……嘆きのファビオは、意識が戻ってすぐに、収容先の病院から姿を消してしまったそうです。
 アユナが見舞いに行った時には、既に病院に彼の姿はありませんでした。
「今日は月の最後の日。ファビオ様来てくれるかな……。そしたら、そしたらっ、あ、握手くらいしてくれるよね? 皆で写真も撮りたいの。でも一番はアユナとファビオ様のツーショットで〜っ! きゃーっ」
 アユナは元気を取り戻していました。
 友人達に助けてもらい、一緒に皆の為に頑張れたことで、自信を持つこともできたようです。
「多分来るよ。約束だから」
 そう微笑んだのは、ファビオのパートナーのミクル・フレイバディです。今日は彼も一緒に盟約の丘を訪れていました。
「病院から逃げたのはきっと、恥ずかしかったからだよ。彼、カッコつけしいだから」
 くすくすとミクルは笑みを見せました。
 一方、6騎士のうち、ミルミ・ルリマーレン(みるみ・るりまーれん)の祖先である、ジュリオ・ルリマーレンについては、意識を取り戻し、体力は回復したものの、精神状態が不安定でまだ正常な会話が出来る状態ではありません。
 額につけていたサークレットが洗脳アイテムだったようです。
 また、ファビオの腕にはつけられていませんでしたが、ジュリオの腕には金色の腕輪もつけられていました。こちらには爆弾が仕込まれていたようです。
 それらのアイテムは、共に転送術者の協力により肉体から外されました。

 離宮対策本部として使われていた百合園女学院の会議室は、修繕工事が完了し、再び本部の部屋として使用されています。
 離宮から持ち帰った物資や資料などが集められ、その部屋で整理が行われていました。
「ヴァイシャリーでのボランティア活動も今日が最終日です。関係者を招いて、打ち上げを行おうという案が、生徒から出ています」
 白百合団、団長の桜谷 鈴子(さくらたに・すずこ)が、校長の桜井 静香(さくらい・しずか)ラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)に報告をしていきます。
「この部屋にスイーツや飲み物を用意して、立食形式で簡単なパーティを行うということでよろしいでしょうか」
「貴族や民からも、慰労祝賀会を開き、関係者を招きたいというお話を幾つかいただいておりますわ。ただ、そういう気分になれない方が多いようでしたので、お断りしております」
 頷いた後、ラズィーヤはそう答えました。
「あと……運河に架けられている騎士の橋ですが、『賢しきソフィア』の像を『微笑みのアレナ』に変えようと生徒達が著名を集めているようです。百合園女学院にも、アレナの像を置きたいとのことです。皆でお金を出し合って作りたいと言っています……」
 鈴子は言いながら複雑そうに、軽く眉を寄せます。
 アレナ・ミセファヌス(あれな・みせふぁぬす)はずっと、微笑みながら百合園を支えてくれていたのだと。
 彼女の暖かな微笑みと、彼女の慈愛の心の上に、今の幸せがあるということを、ずっと忘れないために。
 大したことは出来なかった自分達だから、せめて街の人々に呼びかけていきたい。彼女のことを語り続けていきたいのだと、代表者達は言っているようです。
「優子さんは何て仰ってますの?」
「優子はこの話を自ら聞こうとはしません。戻ってから貫禄がついたといいますか、目つきや言動もより厳しくなったことから、一般の生徒達に少し避けられているようです。平然と仕事をしていることから、アレナのことを物としか見ていなかったんじゃないかとか、冷血漢だとか陰で色々言われているようですね……」
 吐息をついた後、鈴子はこう続けました。
「先日、私がそれとなく確認したところ『それで皆の心が安まるのなら、私は何も言うことはない』などと言ってはいました」
 離宮であったことは部外者や一般の生徒には一部しか説明されていません。
 関わった人々も固く口止めされています。
 黙って報告を聞きながら、静香は思いを馳せます。
 自分の代わりとして、人質交換に訪れたアレナ。
 自分の腕の代わりとして、首を切られたアレナ。
 そして重症のまま、離宮に向って……彼女は帰ってこなかったのです。
(どんな、気持だったんだろう……ごめ、んね……)
 自分が彼女の立場なら、それが出来ただろうか? 静香は考えるだけで、怖くて、震えてしまいます。

〇     〇     〇


 離宮調査隊を率いた神楽崎 優子(かぐらざき・ゆうこ)は、一通りの報告と挨拶を済ませ、百合園女学院が落ち着きを取り戻した頃から、長期休暇を取っています。
 彼女の真意は定かではありませんが、非公式に各学園を訪れてお礼や報告などを行っているのです。
 特に、シャンバラ教導団と蒼空学園、薔薇の学舎にはあらかじめ連絡をいれ、校長に直接の面会を求めました。

 教導団で団長と挨拶と握手を交わした後、優子は蒼空学園に訪れていました。
 御神楽 環菜(みかぐら・かんな)校長には、どうしても聞いておきたいことがあったのです。
「やはり、アレナが十二星華であることを、知っていたわけではなかったのですね」
 校長室にて、出された紅茶を飲みながら、優子は環菜に確認します。
「知る方法なんてなかったわ。せいぜい調べられたのは、射手座の十二星華の名前くらい。だけど、彼女は素直に反応してくれた」
 カンナは無表情でそう言いました。
 優子が離宮問題に奔走していたある日。アレナは環菜に呼ばれて十二星華の力を解放するよう仕向けられました。
 でもそれは、環菜のみの企てではなく……背後には、ラズィーヤの存在があったのです。
 当時。百合園にも十二星華が潜入している可能性があると考え、ラズィーヤは剣の花嫁の生徒の生い立ちを調べたり、十二星華の話題を出して探りを入れていました。
 そして優子のパートナーであるアレナの反応から、弓の光条兵器を持つ彼女が射手座の十二星華であるか、もしくは何か事情を知っていると踏み、環菜と取引をしたのです。
 真相を明らかにしてくれたのなら、彼女とパートナーをクイーン・ヴァンガードに入隊させると。蒼空学園に勧誘しても構わないと。
 環菜は蒼空学園にアレナを呼び、鎌を掛けました。
 そして、アレナの星剣が封印されていることを知り、強引にその封印を解かせようとしたのです。
「蒼空学園に迎え入れるつもりだったのに。残念だわ」
「私は百合園を離れませんよ。ラズィーヤさんは、私が絶対に百合園を離れない、そしてアレナは絶対に私の側を離れないと知っていたから、そんな取引をしたのでしょう」
「百合園には短大しかないし。それなりの条件を提示するつもりだったわ」
「でも、今の私は不要ですね」
「私が欲しかったのは、十二星華。サジタリウスを失った貴方には興味はない、と言いたいところだけど。それなりに評価はしているつもり。編入条件は十分満たしているけれど?」
 環菜の言葉に、優子は軽い笑みを浮かべました。
 ティーカップを机に置き、謝意を示して、優子は立ち上がりました。

 蒼空学園を出て、次に優子は……東の森に向います。
 獣人達の村があったその場所には、今は墓地になっているそうです。
 狼に護られ、墓と慰霊碑がひっそりと立ち並んでいます。
 離宮調査に協力をしてくれたグレイス・マラリィンも、百合園に預けていた聖像を持って訪れるそうです。

担当マスターより

▼担当マスター

川岸満里亜

▼マスターコメント

こちらは百合園女学院キャンペーン『嘆きの邂逅』の後日のシナリオです。
『【十二の星の華】日陰に咲く華』など、関連シナリオの話も含みます。
様々な事件を経た、現在の様子を描かせていただくことが目的のシナリオとなっております。

これまで関わりはなかった方も是非ご参加いただければと思います。ただし、重要な話題に入ることは極めて難しいです。あくまで、ほのぼの楽しんだり、立場の構築の為にご参加いただければと思います!
こちらのシナリオでは、ガイドに載っていてもPCが知る手段のない情報は知っているとして行動をすることができません。
(アレナが十二星華のサジタリウスであったということや、彼女が離宮を封印したことについては皆知っているとしていただいて構いません)

色々やりたいことのある方もいるかもしれませんが、どうか行動は1つ(1箇所、1目的)絞ってください。
1参加につき、描写は原則1シーンです。状況によっていくつものシーンに登場する方もいるとは思いますが、アクションは1つでお願いします。

●百合園女学院所属の方々へ
今回のリアクションで、白百合団員の信任投票が行われます(主に重役についてです)。
団員ではなくても、百合園生であれば投票いただけます(しなくてもいいです)。投票は1アクションとカウントいたしません。
投票の際には必要に応じて理由も書いていただければ幸いです。
投票以外のご提案(編成に関してなど)をいただいた場合は、1アクションとしてカウントいたします。

【役員候補者】
桜谷鈴子(現団長。一般生徒の支持率:高)

神楽崎優子(現副団長。一般生徒の支持率:普)

風見瑠奈(現班長。一般生徒の支持率:高)

ティリア・イリアーノ(現班長。一般生徒の支持率:普)

結果により、役職が入れ替わる可能性があります。
鈴子と瑠奈の支持率が高いのは、生粋の旧家の日本人であり、優しさと強さを兼ね備えているからです。
ティリアは団員は大切にしますが、自身は多少好戦派です。
例えば百合園は武術面でももっと強くあるべきと考える方は、優子やティリアを推してみるのも良いかもしれません。

またそれとは別に『特殊班』の結成が検討されています。
団員のうち何人かの方はこちらの所属とさせていただく予定です。班長とは別の昇格の形とお考え下さい。
班長は百合園生の見本となれるお嬢様でもある必要がありますが、特殊班は純粋になんらかの能力に優れた人物が所属する班となります。

●神楽崎分校所属の方々へ
・分校で祝賀会が行われます
今回はホールだけではなく屋外も利用して誰でも参加できる形で行うことになります。
分校名について、ご提案がありましたらお願いします。
神楽崎優子は全ての挨拶等を終えた後、分校へ訪れてパーティに参加をします。その際に、新たな講師(担当:体育)を一人連れていきます。
その他、占い師リーアも、講師として時々分校で教鞭を執ることになります。

・役職が変更になります
以後、神楽崎優子(個人)が東シャンバラの各学園所属者と協力して、全面的に分校の支援を行います。
分校長という役職は廃止予定です。分校長顧問は生徒会長補佐、もしくは理事長秘書として継続して活動していただいても構いません。
分校の運営については、生徒会長、番長のパラ実生のツートップを提案します。現生徒会長、現分校長代理のPCに引き続き就いていただければ幸いですが、難しい場合は辞任をしていただいても構いません。その際には、早めに公式掲示板で辞意を表していただけると助かります。
役職に空きが出た場合は、パラ実生の立候補者(今回は推薦は不可)の中から優子が決めることになります。PCの立候補者がいない場合は、NPCが就きます。

【関係NPCの動向】
ラズィーヤ・ヴァイシャリー(百合園の打ち上げ参加)
桜井静香(百合園の打ち上げ参加)
桜谷鈴子(ジュリオのお見舞い、百合園の打ち上げ参加)
ミルミ・ルリマーレン(ジュリオのお見舞い、百合園の打ち上げ参加)
ライナ・クラッキル(神楽崎分校祝賀会参加)
神楽崎優子(休暇中(百合園の打ち上げ不参加)。元獣人達の村で慰霊、神楽崎分校祝賀会参加)
リーア・エルレン(神楽崎分校祝賀会参加)
レイル・ヴァイシャリー(女装して百合園の打ち上げに参加)
パイス・アルリダ(レイル付き添い)
アユナ・リルミナル(盟約の丘でピクニックしながら、ファビオを待つ)
ミクル・フレイバディ(盟約の丘でピクニックしながら、ファビオを待つ)
早河綾(墓参りに行く)
ルフラ・フルシトス(墓で綾と待ち合わせ)
ラザン・ハルザナク(ルリマーレン家執事。必要に応じて登場)
ミズバ・カナスリール(白百合団員。必要に応じて登場)
レッザ・ラリヴルトン(離宮から生還。必要に応じて登場)
御堂晴海(留置場で取り調べ中)
クリス・シフェウナ(留置場で取り調べ中)
他捕縛された闇組織NPC(獄中生活中)

【神楽崎優子の移動ルート】
→教導団(済)→蒼空学園(済)→慰霊(●)→薔薇学→パラ実本校→キマク(拠点跡地)→研究所跡地→神楽崎分校(●)→百合園へ帰還
(●)の場所については、リアクションで描写予定です。その他は必要に応じて描写いたします。

【行動可能場所】
ヴァイシャリー街中
ヴァイシャリー留置場(容疑者との面会は原則集団面会になります)
ヴァイシャリー監獄(囚人との面会は、原則集団面会になります)
病院
百合園の会議室(男子協力者も入れます)
元獣人達の村
神楽崎分校
キマク職業斡旋所
ヴァイシャリー墓地

その他、他人より有利になるような場所ではなければ、採用させていただくかもしれません。
ヴァイシャリー家などは申し訳ありませんが、不採用です。

それではアクション楽しみにお待ちしております。

▼サンプルアクション

・白百合団について意見する

・墓参りに行く

・囚人と面会

・悩む

・大好きな人の側にいる

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年08月30日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年08月31日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年09月04日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年10月08日


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