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ハロー、シボラ!(第3回/全3回)

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シナリオガイド

未開の地に存在した裸族とおしゃれ族! 部族間で起きている争いの真実とは!?
シナリオ名:ハロー、シボラ!(第3回/全3回) / 担当マスター: 萩栄一

 キャプテン・ヨサーク(きゃぷてん・よさーく)がさらわれた。
 生徒たち、そしてメジャー・ジョーンズ教授はその知らせを聞き、耳を疑いました。
「そ、それは本当かい!?」
 動揺しながらメジャーが尋ねると、目撃者でありパートナーでもある、アグリ・ハーヴェスター(あぐり・はーう゛ぇすたー)がその真相を目で語ります。
シボラに入って珍獣の森を抜け、遺跡前に着いた時、そこで争っていた部族に追い立てられ、ここカナン国境付近まで逃げてきたじゃろう? その逃走中、わしは見た。追いかけてくる部族たちのその奥に、ちらりと縛られたヨサークの姿を」
「それが確かなら、すぐ助けに行かないと! 元はと言えば、彼に護衛の契約を持ちかけたのも私だからね!」
 国境方面へと歩き出そうとするメジャー。しかしその足は、生徒たちによって止められました。
 何の策も、案もなしに向かっては、新たな犠牲が出るであろうことは明白だったからです。

 あの部族に関する情報が必要だ。
 そう誰もが思う中、唯一部族とのコミュニケーションに成功していた藤原 優梨子(ふじわら・ゆりこ)が口を開きました。
「あそこから逃げ出す前……あの原住民の方々と少しだけお話させていただきました」
 確かに、彼女は黒い肌を露にした者たちに囲まれ、握手すら交わしていました。優梨子はその時の会話の内容をメジャーたちに話します。
「争っていたふたつの部族のうちひとつ……私がお話したのは裸族でした」
「裸族……!?」
「はい、彼らは自分たちのことを、ベベキンゾ族と言っていました。きっとあの方たちは、こちらが裸でいれば友好的に接してくれると思います」
 そう、衣服を着用していなければ襲われないということは、優梨子がその身で実証済みです。
「そしてもうひとつ、ベベキンゾ族の方からお聞きしたのは、争っていた別の部族についてです。あの白い肌の方たちはパパリコーレ族といって、衣服で過度に着飾ることを好む部族だと言っていました」
 裸族のベベキンゾ族と、おしゃれ族のパパリコーレ族。両部族の性質を知った彼らは、当然の推理をそこから導きます。
「つまり、あの時の争いは衣服の着こなし方について揉めていたのか……!」
 そうに違いない、と言うメジャーでしたがしかし、優梨子は首を横に振りました。
「話を聞いた限りですと、パパリコーレ族の方々にとって大事な御神体を、ベベキンゾ族の方々が盗んだということで怒っていたようです。ベベキンゾ族の方々は、濡れ衣だと言っていましたが」
「御神体……?」
 それを聞き、メジャーはハッとしました。視線は自然と、荷物の中にある派手な装飾のミイラへと向いています。
「まさか、僕たちがこれを持ち帰ったせいで、彼らの誤解を生んであの争いが……!」
 どうやら彼らが持っていたミイラは、パパリコーレ族にとっての御神体だったようで、それを持ち帰ったが故に火種を撒く結果となってしまったようでした。

 自分たちのせいで、余計な争いが生まれてしまった。なおかつ、それを引き起こしたミイラもまだ手元にある。
 そのことはメジャーたちにとって、ヨサークの救出以外に、今一度シボラへ行く理由となりました。メジャーは少し考えた後、おもむろに上着に手をかけ、大声で言いました。
「要するに、裸で行けば彼らとはコミュニケーションがとれるわけだね! よしみんな、服を脱ごう!」
「待ってください教授! それは危険です!」
 服を脱ごうとしたメジャーを、慌てて生徒たちが止めます。
「パパリコーレ族の方々は、私が全裸でも襲ってきました。いえ、むしろ脱いでいたから……あの方たちは逆に、服を着ていない者を見ると襲ってくるのです」
 優梨子が冷静に、経験から得た知識を話します。まあ、さっきのは別な意味でも危険でしたが。
 彼女の話は、的を射ていました。つまり着衣状態でも脱衣状態でも、どちらかの部族には襲われてしまうのです。
「ならどうすれば……! どんな服装をすればいいんだ!!」
 初デート前日の夜みたいなセリフを言いながら、メジャーは崩れ落ちました。
「……あっ!」
 と、メジャーが何かを思い出したように声をあげます。彼の脳裏に浮かんだのは、サイコメトリによってミイラの装飾品から過去の記憶の断片を得た生徒たちの話です。メジャーはそれを反芻します。
「多くの人が、ぐるりと円を成して頭を下げひれ伏しているシーン……透き通るように美しい水……薄暗い洞穴……直径1メートルはあるであろう、丸みを帯びた綺麗な石……カラフルな衣装を身にまとった、個性溢れる格好の人々……」
 そして彼は、持っていた古文書を勢い良くめくりだしたのです。
「もしや……これが!?」
 そこに記してあったのは、神々しく描かれた水が、ミイラと丸い石を濡らしている様子でした。
 円を成し、頭を下げている人々という単語とその絵から、彼はある推論を出します。
「きっとこの水は、聖なる水か何かに違いない! これを御神体にかければ浄化的なアレでより輝きが増し、どっちの部族も機嫌が良くなってはくれないだろうか!?」
 こちらが先に御神体を持ち出したという非がある以上暴力には頼れず、かといってどんな格好で話に赴いても襲われるのなら、御神体をより磨き上げて返却すれば、許してもらえるかもしれない。
 何も根拠のない話でしたが、他に案も出ず、彼らはそれを試すことにしました。しかしここで、疑問が出ます。
「パパリコーレ族の御神体はミイラだとしても、ベベキンゾ族のは……?」
 生徒たちから出た質問に、メジャーは意外にも即答しました。
「石だよ」
 丸みを帯びた綺麗な石。その単語に、メジャーは覚えがありました。それは、彼が前回ベベキンゾ族に襲われた際、盾にした石です。その時だけベベキンゾ族の反応が異常だったことに、彼は気付いていました。
「聖なる水をこのミイラと僕が見た石にかければ、きっとすべてうまくいくよ!」
 ポジティブに、悪く言えば能天気に彼が言いますが、いつものことなので生徒たちはもはや何も言いません。

 ただ彼らが気になったのは、古文書に聖水と共にあった絵です。そこには、いかにも凶悪そうなドラゴンが洞穴の奥で睨んでいる絵が描かれていたのです。
 つまり水を手に入れるには、この生物との対決は避けられないということでしょう。さらに、まだ問題はあります。
 古文書によれば洞穴の場所は、ちょうど両部族の集落に囲まれるような位置にあるそうです。ということは部族との接触も不可避であり、聖なる水を入手するまでの間、どうにかして気を引き時間を稼ぐ必要もあります。
 ヨサーク救出、水の入手、部族の関係修復。与えられた課題の多さに生徒たちは不安を覚えますが、メジャーはそれでも元気に拳を上げるのでした。
「さあみんな、シボラがまた僕たちを呼んでるよ!」

担当マスターより

▼担当マスター

萩栄一

▼マスターコメント

マスターの萩栄一です。
扉絵にあるメジャー教授のイラストは、特別に梅村象山マスターに描いていただきました。ありがとうございます。
タイトルは続き物になっていますが、前回参加していない方、内容を知らない方でも全く問題ありません。
ちなみに下記のリンクから今までのガイドへ行けますので、過去のシナリオを参照したい方はこちらから参照できます。
「ハロー、シボラ!(第1回/全3回)」
「ハロー、シボラ!(第2回/全3回)」
なお、ガイドで御神体という単語を使用していますが、シボラの国家神や世界樹アウタナとは関連性がありません。
そのため、それらの情報は本シナリオでは扱いません。
空京大学が探検活動の資金を出しているスポンサーである関係で空京大学の生徒は受かりやすいですが、
学校の制限はありません。
ガイドの時系列としては、前回遺跡から逃げ帰った日の夜の話で、日が明けてから出発となります。
「夜カナンをうろついてて合流した」「噂を聞き急いで駆けつけた」など参加理由も特に難しく考えなくて大丈夫です。
所属学校関係なくどこに所属している方でも遠慮なくご参加ください。

ここからはシナリオ内の設定についての捕捉です。よくお読みの上アクションをかけてください。

【メジャー教授について】
メジャー・ジョーンズ。47歳。男性。考古学などを専門とする大学教授です。
もっともその活動は、壇上での講義より現地調査をメインとしており、長期間大学を空けることもザラです。
危険というフレーズが大好きで、自ら危険な環境にどんどん身を置きます。
ただし戦闘能力はそこまで高くなく、武器も拳とムチくらいなため、ちょくちょく命を落としそうになります。
主に部族間の気を引く時間稼ぎ場面での出番となります。

【ヨサーク空賊団について】
元農家から成り上がった空賊です。以前のシナリオで船が大破したため、現在飛空船はありません。
船長のヨサークは男性にはフレンドリーですが、女性にはやや乱暴な振る舞いをする癖があります。
ヨサークと絡むアクションをかける場合、外見性別が女性だとひどい扱いを受ける可能性がありますのでご了承ください。

【洞穴のドラゴンについて】
「ブッチョウ」という種類のドラゴンで、オスです。思春期です。体長は3メートルほどと、さほど大きくありません。
ただ体はとても硬い上に、基本的に愛想が悪く、よく舌打ちをします。
シボラでは「ブッチョウの笑顔はどんな宝石よりも価値がある」と言われているくらい笑いません。
どうやらこのドラゴンとの対決とは、ブッチョウを笑顔に出来るかという点が勝負の分かれ目になりそうです。

【ふたつの部族について】
今回、参加者の方々はベベキンゾ族、パパリコーレ族どちらかに味方することも可能です。
「ハレンチは許せない」「おしゃれが鼻につく」「脱ぎたい」などどんな理由でどちらについても構いません。
ただし、ベベキンゾ族は裸族ですので「服装欄」に衣服がある場合、敵とみなされます。
服装欄に衣服は装備せず、アクションのどこかに「全裸です」と書いてください。
女性の場合、大事な部分は葉っぱで隠しても構いません。ちなみにリアクション上では諸事情でオブラートに描写します。
パパリコーレ族はおしゃれに着飾ることが命のおしゃれ族ですので、逆に裸だと敵とみなされます。
おしゃれの基準は人それぞれですが、とにかく過剰に着飾ってください。
服装欄に該当アイテムがなくても、日常で手に入る範囲の衣類でしたらアクションに記入すれば着ていることになります。
どちらかに味方した方は、思う存分ディベートするも良し、自分の格好を自慢するも良しです。

【ものボケアクションについて】
今回、特別に「ものボケアクション」というものを設けさせていただきます。
端的に説明すると、「これまで皆様から募集した秘宝や珍獣を使いボケる」というアクションです。
ただしこれには、何点かルールがあります。
・使用出来る秘宝はアイテム化された「全自動みかんの皮剥き機」「熱狂のヘッドセット」「ヘーデタース」の3点です。
・使用出来る珍獣はアイテム化された「シボライオン」「イチャウイチャウ」と、
 前回手懐けられた「オラウンコ」の3種類です。オラウンコについては前回のガイドをご参照ください。
・何個ボケても構いませんが、1PLが使える道具はひとつだけです。
・これまでと違いLC欄がものボケアクション専用欄とはなりません。通常のアクション同様に、
 アクションの選択肢のひとつとして捉えてください。
・ただし、上にもあるようにMCとLCが別々のアイテムを使用することは出来ません。
 別々な道具でボケた場合、LCのボケはリアクションに登場しません。MCのボケにLCがつっこむなどは可能です。
・秘宝や珍獣を使わないボケも可能です。ただ未開部族ゆえネタが通じないので既存の武器、スキルなどは使用禁止です。
 この場合使えるのは自分の体と言葉です。
・なお、もし満点大笑い級のボケをした方が現れた場合、両部族から神と崇められ、
 今後両部族が出てくるシナリオでは両部族から神扱いされます。ただ今後彼らが出てくるかは不明です。

今回はキャンペーンでジャンルも冒険となっていますが、全体的にコメディ要素を含んだテイストでいこうと思います。
皆様の予想外なアイディアを楽しみにしております。
なお、前回アイテム化されるとコメントで書いた珍獣が先日各学校の購買に並びました。
上にあります通り、シボライオン、イチャウイチャウの2点です。

▼サンプルアクション

・ベベキンゾ(裸)族側につく

・パパリコーレ(おしゃれ)族側につく

・ヨサークを助ける

・ものボケアクション

・聖水を取りに行く

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年07月09日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年07月10日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年07月14日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年08月03日


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