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【ザナドゥ魔戦記】イルミンスールの岐路~決着~

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【ザナドゥ魔戦記】イルミンスールの岐路~決着~

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シナリオガイド【イコン参加可】

――これが、わたしの決めた路。
シナリオ名:【ザナドゥ魔戦記】イルミンスールの岐路~決着~ / 担当マスター: 猫宮烈



このシナリオを含む、10月21日公開の【ザナドゥ魔戦記】へのシナリオ参加は、

『【ザナドゥ魔戦記】全体で、1ユーザー様につき最大2PCまでの参加』
『マスターシナリオ1つにつき1ユーザー様1PCまでの参加』
『同キャラクターの複数シナリオへの参加の禁止』

をお願い致します。

1PCが2本のシナリオへの参加決定、また1ユーザーが所有するPCのうち、3PC以上の参加決定が確認できた時点で、参加した全てのシナリオにおいて白紙扱いとなります、ご了承ください。
※ただし、追加募集になった場合はその限りではございません。
 追加募集になったシナリオに限り、上記のルールは適応されなくなります。



(前回のあらすじ)

 ジャタの森に出現した世界樹クリフォトを足がかりに、カナン侵攻を果たそうとした魔族の企みは、契約者によって打ち砕かれました。
 少なからぬ犠牲を払いつつも、契約者はザンスカールから一時的に、魔族を追い払ったのです。

 時を同じくして、イルミンスールの森に一つの砦が完成しました。
 『ウィール砦』と名付けられたそれは、『飛空艇発着場』で建設が進められていた大型飛空艇、そしてそれらを束ねる旗艦『I2セイバー』と共に、これまで魔族に翻弄されてきたイルミンスールの、反撃の狼煙でもありました。


「皆さんにお伝えします。
 私は、今イルミンスールに建設中の砦が完成次第、クリフォトをぶん殴りに行きますよぅ」


 そして、これまで本人なりに我慢をしてきたイルミンスール魔法学校校長、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)はついに、いくつかの決断をします。
 自分はザナドゥと戦うこと。その結果として自分がどのような処分を受けようと、構わないということ。

 岐路を前に揺れ動いていたイルミンスールが、その路をようやく定める時が来たのでした――。


●ベルゼビュート城:王の間

「虫の息と思うておったが……小賢しい真似をしてくれる。迂闊に魂を分かつべきではなかったか」
「ふん、こうせざるを得なかったことは、おまえが一番よく理解していように」

 玉座に腰掛ける、妖艶さを滲ませた女性、アーデルハイトが、直下に立つ少女、アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)を睨みつけます。
 二人の間には一本の縄のようなものが架かり、両者ともその縄に絡み取られている格好でした。

 ザナドゥの『大魔王』、ルシファーがアーデルハイトの身体を借りて顕現するに当たり、アーデルハイトの魂をそのままにしては、ルシファーの魂が取り込まれてしまう(それほど、アーデルハイトの力は強力であった)ため、魂を分割せざるを得ませんでした。
 しかし、今となってはそれが仇となった格好でした。契約者を利用し、あわよくば葬り去る目論見が崩れてしまったのです。

「アーデルハイト、我の妻ともなれば、我の動きを封じることなど造作も無い。ましてやこの身体は、お前のものなのだからな。
 ……しかし、何故このような真似をする? 魂を分かたれたとはいえ、再び我を封じることくらいは出来よう」
「おまえに“妻”などと呼ばれとうないわ、虫酸が走る」

 アーデルハイトはこの時点で既に、自らの身を投じさえすれば、ルシファーをクリフォトに封じることは可能でした。
 そうする覚悟も(何をするかは濁しましたが)、わざわざベルゼビュート城にやって来た愛すべき生徒たちに伝えていました。

(……私も、未練がましいのう。もう十分と言えるほど生きておろうに)

 ……それでも、最後の一押しを躊躇っているのは、彼女が一番の愛情を(本人なりに)注いできた“孫”の顔を一目見ておきたい、そんな思いが心の何処かに存在していたからなのでした――。

●『I2セイバー』艦内

 契約者の先導によって完成した大型飛空艇、そしてそれらを束ねる旗艦『I2セイバー』――イルミンスールとイナテミスを護るもの――の中には、エリザベートとミーミル・ワルプルギス(みーみる・わるぷるぎす)の姿がありました。

「あなたたちはこの空域で待機ですぅ。私たちが魔族をあらかたぶっ飛ばした後でぇ、積んできたので盛大にぶっ飛ばしちゃってくださぁい!」
 そう言って、エリザベートはミーミルを連れ、船外にテレポートします。吹きすさぶ風に飛ばされそうになるのを支えてもらいながらエリザベートが見つめた先には、禍々しい形相のクリフォトがそびえ立っていました。


 ベルゼビュート城へ“招待”された生徒たちの話を聞いたエリザベートは、アーデルハイトを連れ戻すことを決めました。……とはいえ、簡単には行くことは出来ません。もう一度“招待”されることも、おそらく期待出来ないでしょう。
「だったら、道を作ればいいですぅ! イルミンスールでどかーんと穴開ければ、行けるはずですぅ!」
 ただの思い付きにしか聞こえないエリザベートの発言でしたが、それに賛同の意を唱えたのは、ジャタの森から帰還を果たしたニーズヘッグでした。
「ま、コーラルネットワークじゃあ、それでオレはここに来たんだしな。やってやれねぇことはねぇかもな」

 ニーズヘッグ襲撃の際、ユグドラシルは自らの枝を伸ばしてイルミンスールに侵入しました。あの時はネットワーク内でのことでしたが、現実世界でも同じ事が通用するのでは、というのです。
「オレも、こんな戦いは早く終わらせて、のんびりしてぇからな。力は貸してやるぜ」
 何やら案があるらしいニーズヘッグは、エリザベートにイルミンスールを飛ばせるか、自分に食らわせたパンチを撃てるかを尋ねます。
「一回くらいなら出来ますけどぉ……何するつもりですかぁ?」
「なぁに、オレとテメェで一発、どデカイ風穴作ろうぜって話だ」


 ……そして、『魔族とクリフォトを思い切り弱らせた上で、イルミンスールをクリフォトまで飛ばせ。後はオレに任せとけ』と言ったニーズヘッグをイルミンスールに残して、一行はまずクリフォトを叩くべく、完成した『I2セイバー』に大量の爆薬を積んでこさせたのでした。
「一人で勝手なことしようとしてる大バカ様を、連れ戻してきてやるですぅ」
 アーデルハイトはこの戦いに決着をつけようとしている――どんな方法かは分かりませんでしたが、『大ババ様』のことです、“奇抜で、そしてろくでもない”ことは確かでしょう。

「さぁ、行きますよぅ!
 散々押し込められて溜まった、アレとかコレとかを喰らいなさぁい!」


 ふわり、と浮き上がったエリザベートが、迫る危機を感じ取ったらしく出現してきた魔族相手に、魔力を開放させます――。

●ウィール砦

 契約者と、そして五精霊の助力を以て完成したウィール砦は、大きさこそウィール支城に満たないものでしたが、支城にはない機能(イルミンスールのイコン『アルマイン』用魔力を、後方の『ウィール支城』や『飛空艇発着場』から無線で融通する装置、森の侵食を食い止める『フォレストブレイズ』)を備え、クリフォトより出現するであろう魔族を迎撃する拠点としての役割を果たそうとしていました。

「エリザベートはすっ飛んでったけど、あたいたちは行かなくていいわけ?」
「そうしたい気持ちは分かるが、森が静かなのがかえって不気味だ。まるで嵐の前の静けさのようにな。
 ……そして、あまり言うべきではないとは思うが、嵐は必ず起きる」
 クリフォトの方角を見つめながら言うカヤノ・アシュリング(かやの・あしゅりんぐ)に答えるケイオース・サイフィード(けいおーす・さいふぃーど)の表情が曇ります。不謹慎な言葉は口にしたくないものですが、言わないでいることも出来ません。
「気にするなケイオース、それは私も、皆も承知している」
「ええ、そうですわ。……ですがお兄様、知っておいででしょう? 明けない夜はないのです」
「闇が晴れ、光が差し、その光を浴びて木々は根を張り枝を伸ばす。
 ……私たちは必ず、災厄を乗り越えられる。私はそう思います」
 サラ・ヴォルテール(さら・う゛ぉるてーる)セイラン・サイフィード(せいらん・さいふぃーど)セリシア・ウインドリィ(せりしあ・ういんどりぃ)の言葉が降り、陰っていたケイオースの顔も、気持ち明るさを取り戻します。
「……ああ。
 俺たちはこの砦で、最善を尽くそう。それが俺たちに出来る、俺たちのやるべきことだ」

●イルミンスール:校長室

「皆さん、色々とやってるみたいですけどぉ、私はザナドゥと戦う、と宣言しましたぁ。
 だからそれをやるだけですぅ。これを皆さんがどう思うか、これから何をするかは、皆さんの自由ですぅ。
 私が周りの人にどう思われるかも、私はお任せしますぅ。結果として私が校長に相応しくないとなっても、構いませぇん!」

 そう言い残して、エリザベートはある意味堂々と、イルミンスールを飛び出して行きました。
「校長先生、よほど我慢していたんでしょうか……ルーレンさん?」
 後に残されたフィリップ・ベレッタ(ふぃりっぷ・べれった)が視線を向けた先、ルーレン・ザンスカール(るーれん・ざんすかーる)は笑っていました。
「ふふふ……いえ、エリザベートさんの振る舞いに、通ずるものを感じたのです」
 言ってまた、笑みを浮かべるルーレンを見、何のことかいまいち掴めないフィリップは首をかしげ、一体これからどうなってしまうのか、と思いに耽ります。それは決して、フィリップだけがそう思っているのではなく、多くのイルミンスール生の思う所でもありました。

 魔族の出現によって混乱したイルミンスール同様、EMUもホーリーアスティン騎士団の台頭など、混乱がありました。
 そのホーリーアスティン騎士団の言わば“自壊”により、騒動の根幹こそ消滅したものの、残した遺恨は大きいものでした。
 もしかしたらもう、イルミンスールはこれまで通り、とはならないのかもしれません。しかしそれは、大木が枯れて倒れてしまうのではなく、皮が剥がれ新しい皮が覆う、“生まれ変わり”なのかもしれません。

●イルミンスール:アルマイン整備場

「リンネ、ボクたちも行かなくていいんだな?」
「うん……行かなくちゃ、とは思うんだ。だけど……」

 横に立つモップス・ベアー(もっぷす・べあー)の問いかけに、今や専用機となった『魔王』を見上げながらリンネ・アシュリング(りんね・あしゅりんぐ)が呟きます。
 先の戦いで、一部のアルマインにはその能力を一時的に大きく向上させる“進化”の兆候が見られました。
 出来れば『魔王』も、“進化”の力を引き出したい。
 けれど、その前にあった報告では、負の感情が増大して制御できなくなるとも聞いた。
 本当に、“進化”を促すことが正しいことなのだろうか――。
「整備が終わったんだな。リンネ、考えるのは必要だけど、考え込んでも仕方ない時もあるんだな」
「……モップス?」
 その、普段のモップスからは言わないような言葉に、リンネが顔を上げると、モップスが搭乗を促します。
「分からなくなったら、戻れる所まで戻ってみるのがいいんだな。
 ボクは、この機体を見つけた場所に何かがあるんじゃないかと思うんだな」
「この子を見つけた場所……えっと、なんだっけ、黄昏――」
「違う違う、そっちじゃないんだな。あっちなんだな」

 そう言ってモップスが指差したのは、世界樹クリフォトでした。

●クリフォト近くの森

「老婆め、最後まで謀ってくれる……!」
 苦々しい表情で、青年、アーサーが呟きます。
 自らが祖であるホーリーアスティン騎士団すら捨て、己の望みである『真の魔導の探求』を目指した結果は、惨敗でした。もはや彼だけでは、大した影響力を行使することは出来ないでしょう。
「我は、このまま没するのか……? 何も得られぬまま、何も為せぬまま、歴史の影に埋もれるというのか?」
 アーサーが問いかけるような呟きを漏らした直後、上空で爆風が生じました。視線を向けると、憎きアーデルハイトの“子”であるエリザベートと魔族との戦いが開始されていました。
(……我が何かを得られるというのであれば……)
 その瞳に宿るのは、復讐か、はたまた野望か――。

 今、様々な事柄に、決着が打たれようとしていました。

担当マスターより

▼担当マスター

猫宮烈

▼マスターコメント

猫宮烈です。

【ザナドゥ魔戦記】内、イルミンスールのキャンペーンシナリオ、最終回です。
イルミンスール魔法学校に優先が付きますが、他の学校の皆様もどうぞご参加ください。

シナリオの舞台は、世界樹クリフォト(外部)、ウィール砦とイルミンスールの森、世界樹イルミンスール(必要な場合、イナテミス・EMU)となります。
これ以外の舞台に関係するアクションは、他シナリオとの兼ね合いを考慮し、没(または、深く触れない)になることがあります。
予めご了承ください。

以後、ガイドに描写されていない部分の補足を行います。


●世界樹クリフォト方面
今回の目的は『アーデルハイトを連れ戻すため・戦いに決着をつけるため、ベルゼビュート城(クリフォト内部)への道を拓く』です。
そのためにエリザベートとニーズヘッグが考えついたのが、『世界樹クリフォトに痛打を与え、その後に世界樹イルミンスールで直接接触、クリフォト内部への道を作る』です。

現状ではエリザベートたちは、
・まず自分が魔族をボコボコにする
・『I2セイバー』他、大型飛空艇に搭載した爆薬を投下→爆破する
・世界樹イルミンスール(とニーズヘッグ)でパンチ、道を作る
を作戦として提案し、実行に移そうとしているようです。

迎撃のために魔族(空を飛べるタイプ)が出現しています。
数こそ数百単位の規模ですが、内部で何かあったのか、ただ迎撃のために出てきた様子で、統率も取れていないようです。
それよりも問題なのは、アーデルハイトによって外に追い出される形になったアーサー(クロウリー)でしょう。彼は最後の足掻きにと、エリザベートの命を狙っています。

『I2セイバー』は、生徒たちの治療や休憩の他、イコンの補給艦の役割も兼ねています。
アルマイン用の魔力も、ちゃんと補給できます。


●ウィール砦方面
最初は魔族がクリフォト防衛に意識を向けているため、砦は標的になっていません。
ですが、アクション次第で砦が戦場になることも有り得ます。
砦に設置された『フォレストブレイズ』の強化(そのためには、前回研究が進んだ『アーデルハイトの花妖精』の育成が欠かせないでしょう。これに関する情報については、知っている・生徒であれば引き出せるものとします)によって、森の侵食を食い止める・押し返すことが出来ます。


●イルミンスール方面
これまでの結果を踏まえた現状は、
・EMUは、ホーリーアスティン騎士団が自壊の形を取り、ミスティルテイン騎士団によってなんとかまとまろうとしている
・一度定めた教頭職を廃することは難しい(校長のみの運営は、ミスティルテイン騎士団内部からも異論が出ているため)が、新たな人事案については現在、打診を受けた本人の承認待ち状態
となっています。

エリザベートは確かに、ザナドゥと事を構えることを宣言しました。
しかし、その“落とし所”については検討されていません。エリザベートはとにかく、『魔王をぶっ飛ばして大バカ様を連れて帰ればどうにかなりますぅ』と思っています。

イルミンスールはザナドゥと、どういった関係を築くつもりなのか。
支配するか、はたまた支配されるか。それとも共存の道を選ぶのか。
エリザベートもアーデルハイトも、これについては契約者であるあなたに、意思決定を委ねたようです。その“路”に自分たちの居場所がなければスッパリ一線を退く、そんな意思が垣間見えます。


以下は、【ザナドゥ魔戦記】に関係する記述です。

『悪魔LCの立場』『魔鎧LCの立場』『死亡描写につきまして』『ザナドゥ側に付く場合』につきましては、【ザナドゥ魔戦記】特設ページに記載がありますので、そちらをご確認ください。

『魂を奪われた、もしくは捧げたPCについて』
普通の生活を送る分には、他の人と変わり無く過ごすことが出来ます。
但し、魔族に反逆する意思が見られた時点で身体の自由が利かなくなり、意思と行動の自由を奪われます。
シナリオ終了時には元に戻ります。(奪われるかどうかは、皆様の送っていただいたアクションを元に、マスターが判定します)

また、以上のPCが行動する場合、魔族の力の一部を与えられているとし、身体能力が一箇所強化されています。
どこが強化されているかは、アクションで指定することが出来ます。(例:目がとても良くなった、速く走れるようになった等々)

ザナドゥ側に付いて悪事を働いているPCは、その理由に関係なく放校処分になります。
シャンバラ教導団員やロイヤルガードの場合、その地位がはく奪されます。

悪魔にパートナーの魂を奪われる、自身が魂を奪われるなどで、やむを得ず、意図せずザナドゥ側に付いている場合も含まれます。
ただしこの場合は、誤解が解け、身の潔白が証明されれば放校処分は取り消されます。


それでは、最後のキャンペーンシナリオ、ご参加をお待ちしています。

▼サンプルアクション

・世界樹クリフォトに向かい、魔族を撃退、内部への道を拓く!

・ウィール砦で、対策を講じる

・イルミンスールの今後を決定する場に関わる

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年10月22日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年10月23日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年10月27日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年11月15日


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