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地球とパラミタの境界で(後編)

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シナリオガイド【イコン参加可】

試す者、試される者。生徒会選挙の投票が今、始まる。
シナリオ名:地球とパラミタの境界で(後編) / 担当マスター: 識上 蒼


こちらは天御柱学院PC限定シナリオとなります。
ただし追加募集になった場合はその限りではありません。他校生の方は追加募集になった際、お申込下さい。



 ――2022年1月31日、天御柱学院。

『わたしが生徒会役員に立候補したのは、地球とシャンバラの間に立つこの街と学院を、「地球とパラミタの人々が互いを肌で感じる」ための場所にしたいと思ったからです。生まれてからずっとパラミタで育って来たわたしは、この学院に来て半年経った今でも、特に地球のことに関しては分からないことが多いです。きっと、勘違いしている部分もあるでしょう。だからこそ、より「お互いを知る機会」が必要だと考えています』
それに関わることで自分自身も、もっと世界を知りたいから。
 投票日前日、セラ・ナイチンゲール(せら・ないちんげーる)は学院内で演説をしていました。
 選挙活動も大詰め。候補者は各々のやり方で全校生徒・教職員へのアピールを行っています。

「いよいよ、明日は投票日ですね。こうやって立候補者も含めた生徒達が、学院と海京、ひいては世界の未来を真剣に考えて行動してくれるのは、非常に嬉しい限りです」
 現生徒会長五艘 あやめはその様子を眺め、顔を綻ばせました。
「なかなか面白いことになったな、あやめ。お前が総会で伝えたことを理解しながらも、決してそれを鵜呑みにせず、それぞれが自分の考えをちゃんと導き出している。お前の妹が出てる会長選なんかは、誰になってもおかしくない感じだ」
 風紀委員長代理ルージュ・ベルモントも、興味深げに選挙の行方を見守っていました。
「なつめとは、大筋での主張は同じだ。順序が異なるだけでな。

 世界のバランスを最優先に考え、その中でいかに生徒に自主性を持たせるかというのが五艘 なつめ。
 生徒の自主性を最優先に考え、その中でいかに世界のバランスを取るかというのが山葉 聡。

 他の会長候補も、このどちらかって感じだ」
自ら人を引っ張っていくリーダーか、仲間に支えられるリーダーか。どちらにも良い所・悪い所があります。さて、この学院の人々が選ぶのはどちらでしょうかね」
「どっちになったとしても、悪い方向にはいかなそうだな。
 それよりあやめ、監査委員の候補を確認していいか?」
 新設される監査委員会の候補者リストを、あやめが提示します。
「昨日は欠席でしたからね。事情は承知してますが。代表者会議と三科長会議でのすり合わせの結果、

綺雲 菜織(あやくも・なおり)
久我 浩一(くが・こういち)
司城 雪姫
館下 鈴蘭(たてした・すずらん)
星渡 智宏(ほしわたり・ともひろ)

 の五名が監査委員候補として選出されました。以上のメンバーに加え、現在監査委員の仕事を暫定的に引き受けて下さっている、海京区役所の情報担当官アレン・マックス氏を加えた六名を第一期監査委員として総会での審査にかけることになります」
「確定か?」
「一応は。ただ、生徒会選挙の結果や、まだ適任者がいる可能性を考慮して、4月まではメンバーが追加される可能性はあります」
 そこまで告げた上で、今度はあやめがルージュに尋ねました。
「……昨日の件はどうですか?」
 それは、海京に密航者が潜伏しているというものでした。海京北地区の沿岸部で気絶している海京警察の警察官二名が発見されましたが、どうやらその密航者に襲われたようです。
「まだ手掛かりが掴めない。分かっているのは、東洋系で16、7歳くらいの少女だということ。あとは、警官が襲われた数時間後にチャイナドレスの女が目撃されていることくらいだ」
「よりにもよって、こんな時期に……」
「風紀委員として、放置しておくわけにはいかない。新年度の風紀委員も加えた上で、捜査にあたるつもりだ」
 個人的に確かめたいこともある、とルージュが言いました。

 ルージュと別れた後、あやめの元を七聖 賢吾が訪れました。
「どう、ケンくん? 【鵺】の調子は」
「なんら問題ないよ。明日の午後、予定通り試運転といこう。最終演説は明日の午前だし、投票は夜まで受け付けるから、問題ないはず」
 立候補者による五分間の最終演説は2月1日の午前中に行われ、それらは生徒総会同様、学院全体に発信されます。また、この日は生徒会選挙のため、終日で全授業が休講となります。
「了解。それじゃ、明日は頑張ってね」
 賢吾が頷き、生徒会室をあとにしました。

「皆が同じように確固たる意志を持っているのなら、別の基準でも試す必要がある。明日は、それも見させてもらうわよ」
 誰もいなくなった生徒会室で、あやめは微笑を浮かべ、一人呟きました。

「明日は、長い一日になりそうね」

* * *


 ――聖カテリーナアカデミー。

「……と、いうことで、初めて『聖歌隊』の存在を対外的に示すことになったわ」
 幼い容姿の校長、シスター・エルザは眼前にいる少年少女に告げました。「ただ、さすがに七組全員とはいかないわ。今回は軽い挨拶代わりだし、二組よ。向こうの学校はチームを組んで戦うのが得意だから、【メタトロン】と【サンダルフォン】が適任ね」
「校長センセー、ちゃんと向こうには話通ってるんだよね? 今回のやつ」
「もちろん。『天御柱学院は』ちゃんと知ってるわ。だから、ドミニクちゃん達は準備を始めて頂戴ね」

 天御柱学院へ向こうことになった二組を含めた『聖歌隊』メンバーが校長室を出る時、エルザは一組を呼び止めました。
「……相変わらず、人が悪いですよ。今の、半分嘘のようなものじゃないですか」
「え? あたし、何も『訓練をしているパイロットも知っている』なんて一言も言ってないわよ。学院は把握しているけど、互いに伝えないことで合意しているわ。大丈夫、武器は全部非殺傷性のものだから」
「でも、何でまたお互いに?」
 今度は、少女の方が尋ねました。
「向こう、今生徒会選挙なんてものやってるみたいだから、ちょっと協力することにしたのよ。うちの子達は強いけど、まだ世界を知らない。お互い、『想定外』の事態に――物事というのは想定していようが、不意に起こるものよ。その時、どれだけ対応出来るか。それを確かめるためよ」
 一呼吸おいて、エルザが少年と少女に笑顔で告げました。
「ってなわけで、ヤバくなったら仲裁と事情説明宜しくね☆ イコンの二、三十機を相手に出来るあなた達なら、間に割って入るくらい余裕でしょう?」
「そんなの、いくら【ミカエル】に乗ったとしても、相手がシュメッターリンクでもない限り無理ですよ」
 そうは言っても、彼らが引き受けることをエルザは知っていました。
「それでも、やれるだけのことはやってみます」
「ずっと会いたがってた『彼女』に会えるいいわね」
「はい」
 アカデミーのナンバー2もまた、天学に向けて発進することになりました。

* * *


 ――海京、西地区。

『海京には無事に着いたようだナ』
「改めて、依頼の内容を確認させてもらうヨ」
 チャイナドレスの少女は、今回の仕事の依頼主と電話していました。
NGS―HF01の存在を確認する。別に確保とかはしなくていい、ってことだネ」
『そうダ。あれがそうであるというのはほぼ確実だガ、まずは証拠が欲しイ。見た目では判断出来ないからナ。
 それにしてモ、仙人と謳われた「新世紀の六人」の一人、老師・藍が育てた孤児ガ、裏の仕事に手を染めていたとはナ』
「お師匠様を知っていたことには驚いたヨ。じゃ、次は仕事が済んだら連絡するネ」


 様々な思惑が絡み合う中、いよいよ生徒会執行部役員選挙の投票日を迎えました。

担当マスターより

▼担当マスター

識上 蒼

▼マスターコメント

 識上です。
「天学生徒会選挙編」、後編です。チャイナドレスの女……一体何者なんだ?
 一部、識上シナリオではお馴染みの用語が登場しておりますが、知らなくても特にアクションに差し支えはないかと思います。

 今回の選挙編については前編も併せてご確認下さい。

【アクション上の注意】

■概要
 今回のシナリオは、2月1日から2日にかけての出来事となります。主なイベントは、1日の午前が立候補者の最終演説、午後が投票と七聖 賢吾の専用機の試運転。2日が役員発表と監査委員候補の審査となります。
 その裏で、二つの動きが起こっていますが、前回風紀委員に合格した方にとって今回の捜索が義務となるわけではありません。アクションは自由にかけて頂いて大丈夫です。

 表向きには生徒会選挙の投票日でしかないため、訓練や整備、あるいは学校生活と自由行動が可能です。
 ただし前編と異なり、MCとLCの別行動は御遠慮下さい。

 描写する場所は基本的に海京全般と聖カテリーナアカデミーとなります。

■投票について(役員)

・シナリオに参加された天御柱学院所属MC一人につき、二票となります。LC追加の有無に関わらずMCとLCで一票ずつ、とお考え下さい。

・立候補者は前編の最終ページに記載されております。三名以上の立候補がある役職に関しては一人を選び、PC・NPCの名前をお書き下さい。
 二名までの場合は、不信任の場合のみ「×」をその候補者名に併記して下さい。

・「誰が誰に投票したか」はアクションでリアクションに書いても良いと明記されない限り、描写されません。
 また、「何票投票されたか」もシナリオ内で数字として明示はしません。ご了承下さい。

・立候補者は、自分の役職に対し投票を行うことは出来ません。

■投票について(監査)

・不信任の方がいた場合のみ、そのPC・NPCの名前を記入して下さい。
・また、候補者の方は正式に選出された場合でも、辞退することは可能です。

■前回落選・不参加で今回役員に立候補したい方向けの救済措置

・役職は会長・副会長・書記・会計・会計監査・庶務の六つとなっております。
・立候補される方は、挨拶掲示板にてアクション締め切り前日までに志望役職・学年・所属科・と数行程度の選挙演説(前編での選挙活動代わりとなるものであり、最終演説ではありません)を記入して下さい。掲示板で表明することなくアクションで立候補した場合、不採用となりますのでご注意下さい。

※前編不参加者は、立候補理由などの判断材料が存在しないため、掲示板でのアピールが必要となります。なお、こちらはマスターがチェックします。この掲示板での立候補理由などは、PC情報とすることが出来ます。そのため、投票する方はこの情報と前編での各々の主張も合わせた上で誰に投票するかを判断して下さい。

※また、風紀委員のテストを受けることも可能です。今回の場合、謎の少女の捜査協力が、一種の試験代わりになるかと思います。


前編に参加した方は、生徒会役員への立候補は不可となります。風紀委員への志願は可能です。

■最終演説について

・最終演説が午前中にありますが、誰に投票するかの判断は前編リアクションと今回の掲示板で判断することになるため、立候補者は必ずしも演説アクションをかける必要はありません。ダブルアクションを避けるためにも、「自分の公約・主張をリアクションにて念押し」したいという場合にかけて下さい。

■【鵺】の試運転

 七星 賢吾と五艘 なつめのために調整された専用機(第二世代相当)です。正式な機体名はホワイツ・スラッシュ(トラツグミ)ですが、関係者は通称の方で呼んでいます。
 一見すると高機動型の機体であり、総合的なスペックはクルキアータとジェファルコンの間となっています。
 武装については一切明かされていませんが、七聖 賢吾が古流剣術を得意とし、病に倒れる前はイーグリットによる近接戦闘が主体だったため、それに合わせた武装があると推測されます。ただ、隠し玉がある可能性も高いです。

 身体が不自由になる前は、嘘か真か模擬戦(九校合同イコン戦の形式)で教官五人抜きをやってのけたほどの実力です。

 なお、専用パイロットスーツとシステムの都合で、彼が戦闘可能なのは1時間です。


■『聖歌隊』

 聖カテリーナアカデミーにおけるシスター・エルザ直属のイコン部隊です。普段は名前の通りの活動もしており、席は七つ存在します。アカデミーの上位七組によって構成されていますが、エルザが一定の基準に達していると認めないと選出されない仕組みになってます。
 彼らにはクルキアータの後継機であるウルガータ(世代は第二のまま)の試作機を元にした、天使の名を冠する『聖歌隊専用機』への搭乗が許可されています。
 対外的にはまだその実力が明らかになっていませんが、5位以下の下位組でもイコン所有軍であるF.R.A.G.の小隊長クラスではあるようです。
 今回来る二機は、近接型と遠距離支援型のオーソドックスな組み合わせです。

■その他
・絡めるNPCは基本的に天学の公式NPCと識上NPC(天学組)となります。
・雪姫は【鵺】の調整を担当することになっています。
・ルージュが謎の少女と接触すれば、相手の正体は確実に分かります。
・生徒会役員は投票結果と「不意の事態が起きた時どう対応するか」という、判断力・即応力を加味した上で決定されます。また、「不意の事態」であるため、アクションにおいて「事前に〜を用意しておく」というのは難しいでしょう。その場にあるもの(モノ・情報)をどう扱えるかが重要となります。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・生徒会役員に立候補する(会計監査)

・風紀委員の捜査に協力する

・模擬戦

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2012年02月14日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年02月15日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年02月19日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年03月11日


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